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5月2日(日)
【J3第7節】(長良川)
岐阜 0-1(前半0-0)熊本

<得点者>
[熊]浅川隼人(80分)

観衆:3,678人
主審:上田隆生


いやぁ、攻守入れ替わりの激しい質の高い試合内容。しかも勝利という結果も伴ったナイスゲームでした。

岐阜は今季から安間監督が率い、(コロナ感染者が出たことで1試合未消化ながら)ここまで3勝1分1敗で4位に付けていました。言わずもがな、Jリーグ同期であり、昇格を争う強力なライバル。アウェー長良川での試合は、今季初めてのナイトゲームとなりました。

20210502岐阜

今シーズンは先発を色々いじってくる大木監督ですが、今節は立命館から新加入のDF東野をデビューさせました。

その東野、「キックオフの笛が鳴るときは心臓バクバクで、足も震えそうでした」(熊本蹴球通信)と言いますが、なかなかどうして、落ち着いて対応するし、ロングフィードも持っている。時にはビルドアップも狙う。合格点の出来でしょう。

冒頭書いたように攻守の入れ替わりの激しいゲームの中、東出がドリブルで突っかけ、あるいはスルーパスを狙いますが、岐阜の堅守にしっかりと守られ、裏を取れる場面はほとんどない。

指揮官は、「(北村)知也も悪くなかったんですけれども、ひとつギアを上げたい、攻撃のリズムを変えたいという狙い」()で、後半開始から高橋を投入。前節ベンチにも居なくて心配しましたが、開幕前の右肘関節脱臼の怪我が傷んだのか、肘を覆う黒いサポーターが痛々しい。

50分頃から熊本が主導権を握り始め、バイタルを使い始めますが、やはりボックス内は堅く、なかなかシュートまで行けない時間が続く。

飲水タイムを挟んで、岐阜が柏木、レレウを投入すると流れを引き戻す。柏木の“おしゃれ”ヒールパスに橋本がボックス内侵入してシュート。これは佐藤ががっちりキープ。

押し戻すために熊本が東出に代えて伊東を投入すると、その4分後、浅川が倒されて得たFKは、Pアークの少し右から。杉山のキックは、壁の間をすり抜け、GKの前でバウンドする。思わずファンブルしたボールに“迷わず”詰めた浅川が押し込んで先制点。

前節の同点劇のあと、選手たちはミーティングの時間を持ったのだという。何でも言い合って意思確認したのでしょうか。それがこの試合に活きました。残り時間は10分。岐阜が一方的に攻め立てましたが、最後は怪我から復帰した小笠原を投入し、虎の子の1点を守り抜きました。

杉山の絶妙のFKも、浅川の“信じた”飛び込みも素晴らしかったのですが、実はこの試合のファインプレーは、試合開始早々と後半開始早々のピンチをしっかりとセーブしたGK佐藤の守備ではなかったかと思います。

このところ、失点に絡むプレーが目立ちましたが、この二つの時間帯での何気ない、しかし重要なセーブは、試合の流れを大きく左右し兼ねなかっただけに、隠れたMVPだと思います。

さて、難敵・岐阜を下して暫定4位に浮上した熊本でしたが、5日に行われた代替試合で岐阜が沼津を下したため、再び岐阜に追い抜かれ5位となりました。

しかし、直接対決で岐阜に勝利した結果は、必ずや後々利いてくると思うのです。

4月25日(日)
【J3第6節】(えがおS)
熊本 2-2(前半2-0)八戸

<得点者>
[熊]浅川隼人(14分)、岩下航(21分)
[八]板倉洸(73分)、丸岡悟(90分+3)

観衆:2,368人
主審:松澤慶和


ホーム開幕・鹿児島戦と同じような展開になりました。熊本は2点のリードを守れずまたも引き分け。あの時は、あまりの鹿児島の勢いに「負けなくてよかった」と書きましたし、大木監督も「(勝ち点)1取れたと思ってもいいかもしれない」と言いました。しかし今節・八戸戦は、あきらかに2を失った試合でしたね。

20210425八戸

前節、その復帰を喜んだ高橋の名前がスタメンにもベンチにもない。再びの故障なのか。その代わり驚かされたのは、浅川と北村の2トップ起用。杉山、東出を入れて、明らかに3-3-4の攻撃的布陣です。

その勢いで八戸ゴールを脅かす熊本。早速14分には左CK河原のキックを、ファーで菅田が折り返すと、対角線上ポスト際で浅川がジャンプ一番、ゴールに突き刺し先制します。

続く21分には右サイドから崩す。パス交換から杉山がボックス右に侵入すると股抜きパス。浅川がDFを背にしながら北村にマイナス。北村のシュートはDFに当たり角度を変える。こぼれ球に岩下が詰めて押し込みます。3人、4人、5人とボックス内を脅かす、素晴らしい崩しからの追加点でした。

しかしこの攻勢、後半に入ると文字通り“風向き”が変わった。折からの強風の中のゲーム。風下に立った熊本は、八戸の切る交代カードや、ポジショニング修正に圧力を受け、自陣に押し込まれる。

73分、八戸の左CK。ニアを警戒して飛び出した佐藤でしたが、風で目測を誤ったのか触れない。後半から入った板倉が、ファーで身体に当てて押し込みます。

熊本も、この前には北村に代えて宮原、東出に代えて水野を投入。この後も、杉山に代えて樋口を入れましたが、なかなか攻勢を奪えない。クリア一辺倒で、再三八戸に拾われ、バイタルを脅かされます。

残り時間も少なくなって、キープして時間を使うと思われたのですが、杉山がクロスを入れると、ゴール前の浅川がヘディング。これはバーに嫌われましたが、再び拾って押し込む。終了間際に突き放した!と、喜んだのも束の間、ノーゴールの判定。副審もフラッグを上げていなかったのにオフサイドだったのでしょうか。解せません。

このモヤモヤが選手たちに伝播したのか、あるいはキープなのか追加点なのかチームの意思が統一されていなかったのか。熊本が八戸陣内で持っていたボールを奪われると、すかさず前線に放り込まれる。アーリークロスに佐藤が飛び出し、その前で菅田のクリアは高く上がると、丸岡が無人のゴールに難なくヘディングで押し込み同点。アディショナルタイム3分の出来事でした。

「2点取ってペースが悪くなることはあると思うんですが、少し我慢するということが大切だ」(熊本蹴球通信)と指揮官は言う。「仕掛けずに時間を作ってもいいなと思う時が(あった)」(同)とも。

”2-0が一番危ないスコア”とは、よく言われることですが、若いチームだけあって、その後の試合運びに、課題が残ったままのよう。鹿児島戦でも書いたように、そこはベンチワークでなんとかしていきたい部分です。

試合途中まで、このまま勝てば3位浮上などと皮算用していましたが、この引き分けで順位は5位のままとなりました。勝利の凱歌カモン!ロッソもまたお預け。冒頭書いたように失った勝ち点2が、とても痛く感じられます。

4月11日(日)
【J3第5節】(とうスタ)
福島 1-2(前半1-0)熊本

<得点者>
[福]イスマイラ(28分)
[熊]上村周平(71分)、岩下航(90分+1)

観衆:703人
主審:花川雄一


試合終了間際のルーキー岩下のJ初ゴールで勝ち越し。熊本が逆転勝利を収めました。久しぶりにスッキリした。

敵地・とうほう・みんなのスタジアムには、これまで2試合ともあまりのピッチ状態の悪さに泣かされてきましたが、晴天の今日は芝の状態も良好。緑が濃い。

熊本のCBには今日も菅田が入る。前節の記事で、相手をスカウティングしての起用か、などと書いてしまいましたが、翌日クラブから小笠原の怪我が発表されましたね。逆に高橋が怪我から復帰して今季初スタメン。前線の左に入りました。伊東もベンチに復帰。

20120411福島

「今週は4枚の左サイドバックという形をやっていて、それでうまくボールが回ったことが収穫だった」(熊本蹴球通信)と岩下が言うように、どちらかというと右サイドの黒木を高く上げて、岩下サイドからは、シンプルに高橋にDFの背後を狙わせるロングパスを送る。「DFラインから運ぶところ、そこに力を使いすぎたというか、もっとシンプルにできないか」「もう少し長いボールを使ってもいい」()という、前節の大木監督の反省点が反映されていたようです。

ただ、先制点は福島。前半28分、菅田のバックパスを処理しようとしていたGK佐藤にイスマイラがプレスをかけ、その長い脚でボールをかすめ取る。すかさずゴールに流し込まれます。やってしまった。

すぐ後、福島ゴールのPアーク手前付近でFKのチャンス。杉山の左足が弧を描くキックを放ちますが、ポストに嫌われてしまう。

直後、今度はトラブル。右サイド奥から鋭角な方向に折り返した岡本が、もんどり打って倒れ、起き上がれない。どうやらハムストリングを”やって”しまったようだ。急遽、伊東と交代。今日の試合では、うまく相手ボランチの背後に入り込んでボールを受けていただけに残念。

しかし後半に入っても、なかなかゴールが奪えない。杉山が再三クロスを送りますが、高橋や浅川に合わない。62分、熊本は浅川に代えて樋口を投入。左FWに置き、高橋をトップにします。

ようやく同点にしたのは71分、相手のミスからでした。福島自陣からのリスタートが、味方の背中に当たって跳ね返る。拾ったのは上村。杉山が右に流れてDFをつり出すとスペースが開く。上村が迷いなくミドルシュートを放つと、福島ゴールを今季から守る山本海人が横っ飛びで伸ばした手の前でうまくバウンドして、ゴール左隅に突き刺さりました。

残り時間も少なくなって、福島は3枚替えで攻勢をかけてくる。80分頃、左CKをファーで合わせられますが、ここは佐藤が汚名挽回とばかり横っ飛びでクリア。

このままドローかと思われたのですが、ちょうどアディショナルタイムに入る時間帯。敵陣に入ってすぐの位置で得たFK。キーパーを残して全員が上がる。河原の右足から放たれたボールをエリア内高橋が落とすと、杉山がシュート。リフレクションして菅田の顔かどこかに当たったようでしたが、岩下の足元にこぼれると、落ち着いて押し込みました。

ガックリとこうべを垂れる福島イレブンの横で、歓喜の熊本選手たち。最後まで諦めない気持ちが実った逆転劇。

試合前7位だった順位を4位に上げた熊本。首位岩手との勝ち点差は3。ただ、好調岐阜がコロナ感染者発生で、この2節試合が出来ていないので非常に暫定的な順位ではあります。

4月4日(日)
【J3第4節】(えがおS)
熊本 1-2(前半0-0)宮崎

<得点者>
[熊]河原創(90分+3)
[宮]梅田魁人(60分)、藤岡浩介(69分)

観衆:2,109人
主審:須谷雄三


最後に一矢報いたものの、初顔合わせの宮崎に完敗といえる内容でした。

熊本はCBの真ん中で菅田を今季初起用。右SHは上村に戻し、左FWに東出を先発させました。今季はちょこちょこスタメンをいじってくる大木監督。菅田の起用は、長身FWの橋本、あるいは大学同期の梅田対策のような気がしますが、各ポジションともまだ手探りな感じもします。

20210404宮崎

ところが最初からうまくいかない。SHに入ったパスを出足よく奪われると、河原の脇のスペースに落ちてきたFWに収められる。かなり長い間、宮崎のターンが続き、守勢一方になります。

ようやく、酒井や菅田がFWにチャレンジしていくようになると、熊本にもテンポが出てきた。37分頃、右サイド上村がエリア内浅川にパス。すかさず打った浅川のチップシュートは、惜しくもファーポストに当たって跳ね返る。

ただ、宮崎もすぐ後、右からのクロスを橋本が折り返して梅田のシュート。これはGK佐藤がクリア。続いたCKをファーで折り返され、中でシュートされますが、なんとかブロックして難を逃れる。

ただし、このシーンは後半2点目の”伏線”でしたね。

ハーフタイムに指揮官、コーチ陣から十分なアドバイスがあったのでしょう。後半は五分に戻した立ち上がり。52分頃、右からのアーリークロスをファーの浅川がヘディングで入れますが、残念ながらオフサイドの判定。

熊本もボールが持てる時間帯でした。しかしどこかに緩慢さがあったのでしょう。60分、ボールを奪った宮崎。梅田が中盤で持つと、そこから迷いなくミドルで打つ。それが熊本ゴールの左隅に突き刺さります。いわゆる”ゴラッソ”と言われる見事なシュートでした。

熊本は岡本に代えて樋口を入れる。樋口を左に、東出をトップ下に配置。しかし流れをなかなか戻せない。

69分、宮崎のCK。ファーで折り返されると、藤岡に頭で押し込まれ追加点を与えてしまいます。分かっているのにやられてしまう。

このあとも水野、高卒ルーキーの宮原、最後は北村とカードを切りましたが、迎えたアディショナルタイム。黒木のクロスのクリアを拾った河原が放ったミドルシュートで1点を返しますが、もう同点にする時間は残されていませんでした。

シュート数は、前半5対5。トータルでも8対9という数字は、悪くないように見える。しかし、試合を通して感じたのは、宮崎のプレスの強度。熊本の選手に考える時間を与えず、パスコースを限定させる。

奪ったあとのオートマティズムも訓練されている。奇しくも前節の富山戦と同じような展開に陥ってしまいましたが、J参入初年度のチームとはいえ、決して侮れないことがよく分かりました。

一方のわがチームは、この試合でもコンビネーションがまだまだ。唯一光明と言えたのは、早々とデビューできた高卒ルーキー宮原の、ガッツ溢れるがむしゃらなプレースタイルでしょうか。

勝ち点は5に留まり、順位が7位と、宮崎に上をいかれてしまいました。まだ、首位との差が大きく開かないうちに、立て直しが急務のような気がします。

3月28日(日)
【J3第3節】(ニッパツ)
YS横浜 0-0(前半0-0)熊本

<退場>
[Y]宗近慧(90分+4)

観衆:1,117人
主審:清水修平


20210328YS横浜

引き分けに終わった結果に関して大木監督は、「試合内容からしたらフェアな結果だ」(熊本蹴球通信)と述べましたが、YS横浜の最後のプレーは、決して”フェア”ではありませんでしたね。

後半アディショナルタイム。横浜のスローインを奪ってからのカウンター。浅川からのパスに杉山がエリア侵入でGKと1対1になろうとする絶好機。宗近が後ろから杉山の足を引っかけて一発退場。

試合後にベンチ同士が言い争いになったようですが、決定機阻止よりなにより、杉山を怪我でもさせられたらとんでもない。選手生命まで左右しかねない非常に危険なプレーでした。

「前半は、準備してきたことを相手が上回ってきて、自分たちのリズムがなかなか作れなかった」()と河原が振り返るように、横浜の出足と球際が激しく、熊本のボール回しがうまくいかない。それどころか俊足の河辺やンドカチャールスにボールを付けられると、再三ゴールを脅かされます。

「熊本の今のシステムは、以前自分たちもやっていたので、いい面も悪い面も知っている」というようなことを敵将・シュタルフが言っていたようなので、戦術が徹底していたのかも知れません。

折からの強風で、やりづらさもあったのでしょうが、ピッチ上の選手たちが”修正”を重ねると、後半は徐々に好機が増えてくる。

この日、特に杉山のシュート意識が高く、けれどポストやバーに嫌われてゴールになりません。思わずデビューの年に苦しんだ中原を思い出します。

再三あったCKのチャンスも点に結びつかない。逆に85分には横浜のCKからGK佐藤が飛び出してのクリアが小さく、エリア内でボレーで撃たれますが、ライン上で浅川が頭で掻き出し割らせませんでした。

そして残り時間もわずかになった冒頭の好機。Pアーク付近からの河原のFKが、壁に当たって跳ね返されると、主審が終了を告げる笛を吹きました。

開幕から2連敗中の横浜に勝ち点1を与えた熊本。次節は、連勝中だった富山に初めて土を付けた宮崎をホームに迎える。このカテゴリー、なかなか楽な相手はいないことを再認識させられます。

ただ、選手たちのインタビューを読むと、試合のなかで選手たちが”考え”、”修正”してプレーしているようで。今季は、これが一番いい傾向だと思います。