5月20日(日)
【J2第15節】(水前寺)
熊本 2-1(前半1-1)水戸
<得点者>
[熊]皆川佑介(8分)、上村周平(55分)
[水]田中恵太(14分)
<警告>
[水]前寛之(57分)、細川淳矢(89分)
観衆:3,206人
主審:清水勇人


ホッとしたというのが正直な気持ちでしょうか。最後は水戸の猛攻に、胃がキリキリしましたが、なんとか逃げ切り勝利。連敗を4で止めました。

震災で受けた大きな損壊の改修がようやくなって、3年ぶりとなる水前寺競技場でのホーム戦でした。くしくも3年前の試合は、渋谷監督が指揮していた大宮が対戦相手。リーグ首位をひた走るその大宮に3-0で勝利したわれわれは「2015.10.12 大宮に完勝。」と題して、その喜びを爆発させています。そのときの敗戦の将・渋谷監督の紳士的なコメントもさすがながら、その試合で一番われわれが誉めていた選手が上村。今節、この試合では勝ち越しゴール、勝利の立役者。なんとも不思議な因縁を感じます。

その上村を一角に、今節、指揮官は中山との2ボランチにしてきた。4連敗中、「プレスの激しい相手にワンアンカーでは厳しいのではなかろうか」とわれわれも敗因を素人分析していました。ただ2ボランチにすると前の並びが難しい。「監督としては、安と皆川という強力な2トップを失いたくないんだろう」とも想像していました。

20180520水戸

「4連敗していたから」(熊本蹴球通信)と、指揮官はそのシステム変更を英断しました。ワントップに皆川。その一列後ろには安と八久保を置いた。安にとってはゴールから遠ざかるだけでなく、守備の負担も役割も変わる。その点を「彼にとっては本当に申し訳ない気持ちですが、でもチームのためにしっかりと戦ってくれたし、勝利を呼び込んだのはビョンジュンのハードワークが大きいんじゃないかと思います」(同)と言ってねぎらうのも渋谷監督なればこそでした。

3年前の“ハードワーカー”が上村だったとすれば、この試合ではなんと言っても2アシストの田中を誉めなければいけません。先制点のショートコーナーからのクロスも絶妙でしたが、勝ち越し点の際は、CKのサイドからシュートを打つとブロックされる。それを回収した小谷が反対サイドにパスを送ると、まわりにまわって走り込んだ。ダイレクトのクロスに黒木と青木がつぶれた先に、上村が精いっぱいのジャンプで頭で叩きつけました。

これでアシスト数を8に伸ばした田中。それ以外でも、タッチを割ろうとするボールを俊足で追いかけマイボールにする、ディフェンスにも一目散で駆け戻るなど、チームを鼓舞し、ファンを沸かせるプレーでの貢献度は大きい。

DAZNでもリポーターの森田さんが紹介していましたが、彼にとって“支え”になっているのは北嶋コーチが書いた一遍のブログ記事だという。「ごっつぁんゴールの美しさ。」という2015年のその記事のなかで北嶋は、初ゴールを決めた田中に対し、「一回のチャンスのために何度も何度もそこに走り続けた結果」だと誉めている。その言葉が田中の今を支えているのだという。そして今、「結果を重ねるごとに自信が深まっている」(熊日)と田中は言う。

連敗を止めた試合。決して手放しで喜べる内容ではないものの。失点の場面は「ボールを保持するが故の失点で、僕自身はあれはミステイクだと思いますし、選手本人も分かっていると思うので改善できる」(熊本蹴球通信)と監督は言う。今日のシステムにしても、「今までのやり方と今日のやり方を混ぜながらとか、相手によってということをやっていけば、うまくいく可能性がある」(同)と、相手によって変更していくことに含みを持たせました。3トップの役割もこれからもっと整理されて、研ぎ澄まされてくるのではないか。

この結果で熊本は暫定ながら12位に浮上。しかしながら8位甲府と18位千葉までが勝ち点3差内という大混戦です。

それにしても。熊本のサッカーの聖地・水前寺にJリーグが戻ってきたこの日、連敗に終止符を打った。陸上トラック併設とはいえピッチとの距離が近いこのスタジアムでは、ワンプレーワンプレーへの歓声が選手たちにもより伝わり、えがおスタとはまた違った雰囲気を醸し出す。

それが、最後まで水戸の猛攻に耐えきった所以だろうし、水戸のシュートをポストやバーに当てさせたのは、そんなチームやファン・サポーターの思いに対する、聖地の神様のご褒美かもしれません。

5月12日(土)
【J2第14節】(ニッパツ)
横浜FC 4-2(前半0-0)熊本
<得点者>
[横]佐藤謙介(55分)、野村直輝(65分)、ペ・スンジン(78分)、戸島章(90分+1)
[熊]皆川佑介2(81分、89分)
<警告>
[横]渡邊一仁(17分)、ペ・スンジン(28分)
[熊]田中達也(30分)
観衆:3,157人
主審:佐藤隆治


20180512横浜

前半スコアレスで折り返すも、後半に立て続けに3失点。そこから皆川の2得点で食い下がったが、アディッショナルタイムに追加点を与え、突き放された。大量失点が続いて4連敗。順位は17位に後退した。

5月6日(日)
【J2第13節】(えがおS)
熊本 1-4(前半0-2)甲府
<得点者>
[熊]安柄俊(86分)
[甲]小塚和季(4分)、堀米勇輝(24分)、ジュニオール・バホス(56分)、金園英学(76分)
<警告>
[熊]米原秀亮(76分)
[甲]ジュニオール・バホス(52分)、島川俊郎(57分)
観衆:4,094人
主審:清水修平


黄金週間の3連戦。最後は雨のなかの試合になりました。ホーム熊本はなんと前節から11人全員を入れ替え、前節以上のターンオーバー。畑、多々良、高瀬が初先発。田辺は開幕戦以来ではなかったかと…。

20180506甲府

結果だけを見れば、前節も加えてこのターンオーバーは奏功しなかったと言えます。しかし、点差ほどの力の差を感じたわけではありませんでした。熊本のミスをきっちり点に結び付けた甲府に対して、熊本のシュートはGK正面や枠外と精度を欠いた。

黄金週間のホーム2連戦を楽しみに観戦した多くの親子連れファンにとっては、辛い試合になったことは残念に違いありませんが、このところ「相手もかなり対策してきている」(熊本蹴球通信・渋谷監督談)なかで、もう一回り力強くなるための過程かと。そのなかで、「あまり(J2の)リーグ戦ではないかも」(同)知れない、「この2戦、うちが抱えている選手をほぼ、22名、試合に出場」(同)させた、チャンスを与えた意味は、チームの総合力を高めるうえで大きいと思います。

18位の甲府は吉田達磨監督を解任して、上野展裕監督体制での2試合目。ワントップのジュニオール・バホスはスピードもキープ力もあり、もちろん知ってのとおりシャドーの堀米、そして小塚にもテクニックがありました。

1失点目は甲府の左CKからのつなぎ。左45度からのシュートがニアの選手の背中に当たってコースが変わって、GK畑の伸ばした手も届かず。アクシデント的ではありましたが、シュートの場面でプレスに行けていない。

時間にして開始4分の失点で、われわれにも「またか」と思わせた。早くから1点のビハインドを背負って戦わなければならない選手たち、特に攻撃陣には「最初の1点目が焦りになって、いろんなところの質が落ちていた」(同・渋谷監督)と言えましょう。

24分には甲府のロングパスの処理を園田が誤り、堀米が奪うと技ありのループシュート。後半開始から熊本は上原に代えて八久保で攻勢をかけますが、56分にもDF青木から前の田辺に付けたボールをプレスバックで奪われ、バホスにつながれ流し込まれる。

高瀬に代えて坂本。田辺に代えて伊東とカードを切りますが、さらに追加点を奪われ4点差に。86分、ゴール内で押された安がPKを貰い、それを決めてようやく一矢報いた熊本でしたが、甲府の上野新監督に初勝利を献上。順位は15位に後退しました。

この2試合で出た22人だけでなく、チームの全員ひとり一人が、もう一皮剥けないといけないでしょうねぇ。前線からの相手の厳しいプレスに今後どのように打開していくか記者に問われた指揮官は、「ボランチにプレッシャーが来るということは、相手のボランチとセンターバックの間にスペースを開けながら来ているということで、その背中でボールを受けられる、そこで失わない、それができるようになるしかない」と言い切る。「そこに入れるために、後ろの選手たちはそれを剥がすためのポジショニングとか、ファーストタッチとか、プレーの質を上げるしかない」と。そしてそのためにはトレーニングしかないと。

どのチームも田中への対策を余念なくするようになった。安や皆川に対しても「そこまで激しくなかったのが、彼らに対してどのチームも、ファウルになったら仕方がない、ファウルにならなかったらOK、くらいの感じですね。彼らは2人とも強いので、相手の守備者が思いっきりぶつかって行ってもファウルにならない、ファウルになったらしょうがない、という形になってきている」(同・渋谷監督)。頼みの3人にも、この壁を越えてもらう必要がある。

「最初の10試合はいい形で終わりましたけれど、それを過ぎてから3連敗という形なので、もう一度、チャレンジャーとして、特に失点のところをしっかりと意識して、これからもトレーニングに励んでいきたい」(同)と指揮官は言いました。「絶対にこの2敗は次につながっていくと、私は選手を信じている」とも。長いシーズンのなかでこの連敗の意味を前向きにうまく整理してくれたように思います。

11節から入り込んだトンネル。このトンネルが長いのか短いものなのか、今は分かりませんが、われわれファンやサポーターは、後ろからみんなで押していくしかない。きっと出口はある。その先にあるのは進歩という場所でしょう。

2018.05.04 連敗。岐阜戦
5月3日(木)
【J2第12節】(えがおS)
熊本 1-2(前半0-1)岐阜
<得点者>
[熊]八久保颯(87分)
[岐]風間宏矢(24分)、宮本航汰(48分)
<警告>
[熊]片山奨典(36分)
観衆:5,247人
主審:谷本涼


黄金週間のなかの連戦の2試合目。熊本は先発を6人入れ替え、いわゆるターンオーバーで臨みましたが、逆にメンバーをほとんど入れ替えなかった岐阜に足元をすくわれてしまいました。

20180503岐阜

大木体制2年目の岐阜。京都を指揮していたときも対戦経験がありますが監督が志向する”クローズ戦術”が身についていた。ボールサイドに人を集めて短いパスで打開すると、空いている逆サイドに大きく展開するというやつです。

熊本は出だしこそCKの連続からチャンスを作りましたが、徐々に相手のペースにはまっていく。なによりダブルチームディフェンスや、プレスバックなど球際で圧倒され、ボールを持てない、運べない。

24分に自陣右サイドで岐阜につながれると、PAを横切るパスに詰めることができずFW風間に先制点を許します。

仕切りなおして入った後半でしたが、早々に自陣深くのパスをカットされ追加点を献上。その後、皆川、田中を同時投入。さらには伊東を入れ、ようやく87分に伊東のパスから八久保が抜け出し、冷静にGKビクトルとの1対1を制します。アディッショナルタイム3分まで、なんとか同点勝ち点1をと願ったホームのファン、サポーターでしたが、あえなく敗戦となりました。

試合後、まず誰もが聞きたいと思う質問、“先発6人を変えた影響はあったか?”と記者に問われた渋谷監督は、「バックラインが変わってビルドアップが落ち着かないなという話であるならば、フレッシュな選手が入ったけど、となりますが、じゃあ岡山戦ではボールが動いていたかというとそうでもないと思うので、そこはあまり、私の中では、6人変わった影響はありません」と答えます(熊本蹴球通信)。

ただ、DFラインからのビルドアップにこだわるあまり余計なプレッシャーを受け、前線あるいは逆サイドのフリーな選手が見えていないという状況は、前節岡山戦というより、見ていて開幕戦の山口戦を思い出させました。

この点は指揮官も「相手のプレッシャーのところの、スペースを共有できていなかった。フリーマンの共有ができていなかったというのが、いちばんの原因」(同)と認めている。

厳しいプレスにさらされると失われる判断力・・・。

「相手の状況とか、サッカーを読むということを僕はいつも言ってますけど。相手の形がこうだったらどういうところにスペースがあって、どういう風に開放しなきゃいけない、どういう風にリリースしていかなきゃいけないっていうのを、もっと選手たちは頭の中で考えなきゃいけない。それができていない、やっぱり最終的に失点になっているっていうことは、僕自身のトレーニングが足りないっていうことなので」(同)と指揮官は言う。

中二日の連戦のなかでは、なかなか練習に落とし込むことの難しいのは分かっています。しかし、今シーズンのコンセプトとも言えるこの監督の”理想像”に向かって一歩ずつでも近づいていく、そんな姿を見ていきたいと思います。
順位は12位に後退。次は難敵・甲府ですが、ホームが続くことを好機として勝利を飾って欲しい。そう願います。

4月28日(土)
【J2第11節】(Cスタ)
岡山 3-1(前半1-1)熊本
<得点者>
[岡]仲間隼斗(34分)、濱田水輝(48分)、オウンゴール(66分)
[熊]皆川佑介(20分)
<警告>
[岡]赤嶺真吾(51分)
[熊]安柄俊(29分)、黒木晃平(34分)、上村周平(45分)
観衆:9,280人
主審:大坪博和


20180428岡山

前半カウンターのチャンスから田中が抜け出し粘って上げたクロスに皆川のヘディングで熊本が先制。しかし岡山は、齊藤のクロスに仲間の”恩返し弾”で前半のうちに同点にすると、後半すぐに逆転。熊本が攻勢を強めた時間帯には、逆にカウンターからオウンゴールで追加点を与え、敗戦となりました。順位は6位のままでした。