11月11日(土)
【J2第41節】(えがおS)
熊本 1-4(前半0-0)金沢
<得点者>
[熊]巻誠一郎(90分+1)
[金]宮崎幾笑(65分)、沼田圭悟(72分)、佐藤洸一(83分)、山崎雅人(87分)
<警告>
[熊]グスタボ(77分)、嶋田慎太郎(89分)
[金]垣田裕暉(70分)
観衆:9,584人
主審:上村篤史


20171111金沢

どうしてこうも大一番に弱いのでしょうかわが軍は。なんで、どうして厳しい状況に自ら持っていってしまうのか。

金沢に4失点して得失点差で山口と同じにし、翌日その山口が町田に1-0で勝利したことによって勝ち点で並ばれ、得失点差1で自動降格圏内21位に落ちてしまいました。

「受け入れがたい結果になってしまった」(熊本蹴球通信)と、試合後の会見で池谷監督は言う。いや、それはファンやサポーターが言うべき台詞であって・・・。

「前半はかなりいい形で進められ」(同)たことは確かでした。右WBで先発した田中が緩急をつけたドリブルで相手を交わして持ち上がる。グラウンダーで入れたクロスを安がスルー。嶋田からもらい直してのシュート。しかしブロックされる。その後も自陣からのリスタートに左サイド黒木が奥まで走り込んでクロス。中山がPA内で粘って戻したところに嶋田が走り込んでのミドルは枠の上。

しかし「前半に1点取りきれなかった」(同)。

「熊本の選手たちのミスによって随分助けられている」()と言ったのは敵将・柳下監督。「後半は向こうも修正してくるだろうから前半のことは忘れて」(同)と池谷監督も警戒していたようですが、「いくつかのスペースがあるので、そこを使いながら」(DAZN)という柳下監督の狙いには対応できませんでした。

サイドハーフの選手が中に絞ってDFラインとボランチの間を使うと、SBの選手に上がられて3バックの間も開けられる。金沢得意のカウンターを一番警戒していた指揮官でしたが、圧力を持った攻勢にさらされての4失点。「それが決まるか」というシュートもありましたが、熊本側の足が止まったのも、最後のところの“緩慢さ”もあってのことでした。

愚痴ばかりになるので、もう多くを語りません。先日引退を発表した岡本が後半途中出場して、彼らしさ溢れる気の利いたスペース取り、パスを送りますが、ホーム最終戦を勝利で飾れませんでした。最後に巻が意地の1点を決めてくれたのが、なによりの救いか。

薄氷は割れて冷水のなかに落ちてしまいました。しかしまだ終わったわけではない。他力本願ではありますが、まだ這い上がれるチャンスはある。われわれは、目の前の相手を倒すだけ。最終節はただそれだけです。

11月5日(日)
【J2第40節】(ニッパツ)
横浜FC 2-0(前半2-0)熊本
<得点者>
[横]ジョン・チュングン(2分)、イバ(40分)
<警告>
[横]カルフィン・ヨン・ア・ピン(90分+1)
観衆:8,955人
主審:三上正一郎


20171105横浜

負けました。しかも降格圏脱出を図ったこの連戦で2連敗。しかも前節同様、前半のうちに2失点。引かれた後半に追いつくこともできず…。はぁ~…(溜息)。

「立ち上がりの1点がすごく重くのしかかったゲームだった」(熊本蹴球通信)とは、試合後の会見での池谷監督の弁。開始から2分。右サイドのスローインから野村に出ると、カットインしてミドルを打たれる。畑が触って一旦はバーに嫌われたものの、こぼれ球をジョン・チュングンに押し込まれます。

今節こそと意気込んでいたわれわれも、あっと言う間もない失点に言葉もでない。

ただ、「早い時間に失点しましたが、皆やりやすい感じでプレーできていて、いつか点は入るという感覚でやっていました」()と八久保が言う通り、熊本も持ち直してチャンスを作ります。ボランチには三鬼が戻り、2列目には累積の嶋田に代わって中山が入った。そしてCBの真ん中には米原を抜擢。ボールを動かせるメンバーが入ったことで、ピッチの幅を大きく使って展開している。黒木に代わって入った田中が何度も駆け上がり、そしてクロスの先には反対側から片山が上がっている。

しかし、ゴールネットが揺らせない。

なんとか前半のうちに同点に追いつけないものかと思っていた40分、反撃から横浜がCKを得ると、ニアで飛んだのはイバ。植田も付いてはいたものの、身体をねじるように頭に当てるとゴールマウスに叩き込む。警戒していた選手にきっちりと仕事をさせてしまう。その一瞬だけ。もう何度この言葉を書いたことか。

三ッ沢の西日の影響を考えて、先に逆光側のエンドを選んだ熊本だったのですが、プランどおりに行く前に痛い2失点。特にGK畑には辛い環境だったでしょうね。

2点先取した横浜が、後半がっちり守備ブロックを敷いて、あとはカウンターという戦法を取ってくると、全く前節と同じような状況。バイタルにスペースがなくなってくると、足元のパスだけでは繋がらないし、崩せない。かと言って裏を狙っても、飛び出す選手がいない。

ジレンマを抱えながら、時間ばかりが過ぎていく。交代カードが奏功しないのも前節同様でした。

彼我の力の差はあるものの、相手の強みを消して自分たちの良さを出してきたこれまでのいくつかの試合に比べ、この2連戦は、力の差どおりに負けてしまった。そんな印象があります。

もちろん長崎には自動昇格という強いモチベーションがあり、横浜もPO圏内を諦めてはいないという状況はあった。しかし、あったにせよ、せめて一矢報いるなど、ファンに光を見せて欲しかったなと。これが今の熊本の力だと思わせられるのは辛すぎる。

山口が勝って勝ち点3差まで迫ってきました。残り2試合。まさしく薄氷の上に立っている。

しかし思い出しました。昨シーズン、あの辛いシーズンのなかで最終的に残留を決めたのも41節、ホーム最終戦でした。全くあの時と同じような条件ですが、昨年はある意味で特別な状況があって、苦しいなかでも強い気持ちになれた。しかし、今の状況は多分、これまで経験したなかでも、最も追い込まれている感じがします。連敗とかなんとか何も関係ない。首の皮一枚有利な状況ですが…。今週土曜日、金沢戦は14時キックオフ。間違いなく次の試合はチームの歴史の中で最も重要なゲームです。簡単に勝てる相手ではないが、決して負ける相手でもない。天王山などというカッコいいものでもない。しかし、われわれにとって何よりもかけがえのないゲーム。かけがえのないチーム。さあ決戦。行くぞ熊本。

10月28日(土)
【J2第39節】(えがおS)
熊本 0-2(前半0-2)長崎
<得点者>
[長]田上大地(27分)、香川勇気(31分)
<警告>
[熊]小谷祐喜(64分)、嶋田慎太郎(82分)、黒木晃平(83分)
[長]島田譲(13分)
観衆:7,635人
主審:池内明彦


「流れ的に、前半はとくに長崎の思惑に引きずり込まれた」「相手に付き合ってしまった」(熊本蹴球通信)。池谷監督は試合後そう振り返る。前半のうちに2点を先取され、そのまま逃げ切られた敗戦でした。

またも台風の接近で強風吹きすさぶスタジアム。コイントスで勝った長崎主将・増田は、すかさずエンドチェンジを要求。風上を選びます。「マス(増田)の考えとデータ上の問題でああいう形になりました」()と高木監督はうそぶきますが、先週の試合“偵察”からの指示に違いない。

20171028長崎

池谷監督が「長崎の思惑」というのは、そのエンドチェンジのことと、「普段、そういう練習試合でやっていないことを練習して」きて、「きるだけ相手の深い位置でボールを動かす、または侵入する」(同・高木監督)という狙いだったことでしょうか。しっかり守って鋭いカウンターといういつもの長崎ではないところ。戦前、自分たちがボールを持つ時間もあるだろうと踏んでいた指揮官と選手たちは少なからず面食らってしまったでしょう。

失点はいずれも警戒していたリスタート(スローイン)から。しかもいずれも澤田に左サイドをえぐられて入れられたクロス。1点目はスライディングした植田を交わして上げると、ファーサイド後方からCBの田上が飛び込んできた。2点目は潰されかかったところを粘って奪い返すと、カットするような真っ直ぐの質のクロスを送る。ファーの香川にフリーでヘディングされます。

熊本も前半チャンスがなかったわけではありません。オープンな展開のなか、嶋田がフワリと浮かせたパス。八久保が左からのダイレクトシュートは枠の上。カウンターから嶋田のパスに安が左から裏を取ってのシュートはGK正面。いずれも頭を抱えるばかり。長崎に比べるとどうしてもゴール前に掛ける人数が少な過ぎる。

「もっと自信を持って、ボールを受ける、ボールを動かそう」(公式)。そういうハーフタイムの指揮官の指示は、前節にも聞いていまして。後半風上に立って、まさしく「次の1点が勝負だ!」(同)と鼓舞しましたが、2点のアドバンテージを持った長崎は、守備ブロックを敷き、熊本にボールを持たせてきた。

すると高木監督仕込みの堅い守備ブロックに対して、熊本は横パスでスライドさせるだけで、縦に入れられない。サイドも抉らなければ、仕掛けもない。鋭く縦パスを入れていた三鬼の出場停止が恨めしい。代わって入った木村は、いつもの三鬼のような前目のポジションを取るではなく、最後列からパスを散らすどちらかというと村上のようなプレー。これも指揮官の指示なのか。

唯一、後半の見せ場といえるのは長崎の得たPKを畑が止めた場面。絶対絶命のピンチに、ファンマのシュートコースを読んだ畑。残した片手で弾き返しました。このときばかりはハイタッチで喜ぶスタンドでしたが、それでも流れは熊本に来ない。

片山には田中。小谷に代えてグスタボを入れて4-4-2。最後は巻を入れて4-3-3で前線のターゲットを増やしましたが何も起こりません。しまいには要らぬカードで嶋田と黒木が次節出場停止というおまけまでついてしまって…。

試合後のDAZNのインタビューに、「うまく風を使えたことが勝因」とこれまたうそぶくように応えた高木監督。かみ殺したように言葉を選ぶ姿が、うまくこの試合をこなして次しか見据えていなかったようで悔しさが倍増する。策士は、この勝利で自動昇格圏内2位を奪取した。千人は来場したという長崎ゴール裏が歌う「J1へ行こう!」という替え歌が耳にうるさく響く。

山口は付き合ってくれたものの、讃岐が引き分けたため同勝ち点数でも順位は抜かれ20位に転落。金沢は勝利して21位山口との差を11として残留を決めました。

残り3試合ですが、次節残留を決めることも可能。意地でも勝利を。そう願って一週間を過ごします。

10月22日(日)
【J2第38節】(えがおS)
熊本 1-1(前半1-0)徳島
<得点者>
[熊]嶋田慎太郎(11分)
[徳]馬渡和彰(54分)
<警告>
[熊]黒木晃平(26分)、三鬼海(64分)、安柄俊(70分)
観衆:7,153人
主審:吉田哲朗


衆院選の開票結果ばかりの23日の熊日朝刊で、スポーツ面を開くと「ロアッソ 価値あるドロー」の見出し。追いつかれての引き分けでしたが、終始劣勢のなかで逃げ切ったとも言える引き分けでしたので、これは異論のないところでした。

九州からは逸れたものの大型台風21号が最接近する時間帯での試合でした。スタジアムのフラッグが強風ではためく。ピッチボードも1枚も設置されていない。深まる季節以上の風冷えに、防寒着が恋しいほどでした。

2019年に予定されているラグビーW杯に向けたスタジアム改修が始まり、照明が全て外されている。そして選手たちはバックスタンド側から入場してきました。

2連勝中の徳島は7位につける。リーグ2位の得点数(攻撃力)でPO圏内はもちろん、まだ自動昇格圏も狙えるポジション。前回対戦時は、ちょうど池谷監督に交代したばかり。「何も出来ずに完敗した」(DAZN)と指揮官も振り返る。

コイントスに勝った徳島は風下を選ぶ。ただ、これまでの経験上でも決して風上が有利とも言えないことはわれわれも知っている。

20171022徳島

開始早々、やはりボールを保持するのは徳島でした。次々と三角形を作ってパスを交換するとバイタルに侵入してくる。奪ってから徳島のDFの裏を狙う熊本のロングフィードは強風に流される。

しかし先制したのは熊本でした。11分、左サイド中盤で三鬼がパスカットすると素早く前の安に付けた。安は出しどころを探すようにくるりと回転すると、左から上がる八久保にパス。八久保がPAに侵入しDFとGKを引き付けたところで打つかと思わせ、中に折り返すと嶋田が流し込むだけ。右足でした。

息苦しいようなゲームの序盤で、鮮やかな崩しからの先制点。タオルマフラーをブンブン回さずにはいられない。

だが、徳島も慌てない。すぐに取り返しにかかります。風の影響もあるのか、熊本はボールコントロールが悪くトラップミスから奪われる。守備は綺麗にセットしているため、徳島の攻撃を跳ね返すが、逆にただ大きく跳ね返すだけで攻撃に転じられません。

「1点のままでは勝ちきれない」。前半を終えるとDAZNのインタビューに池谷監督はそう答えて立ち去ります。

後半風上に立った徳島はこの日、黒木とサイドで激しい攻防を続けていた馬渡を一列上げて3バックにしてきた。何度もゴール前に顔を出す。

すると54分、徳島・カルリーニョスのミドルシュートをPA内でブロックするものの、右へこぼれる。拾った馬渡がプレスに来た嶋田を切り返して交わすとコースが見えた。右足で巻くようにゴール右上隅に同点弾を決めました。

熊本はモルベッキを入れ、2トップにしますがフィットしませんでしたね。どうも動きがもっさりしている。初めて彼をピッチで見たときは、グスタボより瞬間のスピードがあると感じたのですが。もっと八久保を長く見たかった。

その後も安に代えて中山、嶋田には巻とカード切りましたが反撃ならず。しかし、これはむしろ徳島の猛攻に対してなんとか凌ぎ切ったと言える試合でした。

「2点目を取れなかったことが敗因。でも我慢強く守って1点で終えたことはチームの進歩」(DAZN)。指揮官はそう言いました。

一方、徳島の馬渡は、「勝ち点2を落とした」とヒーローインタビューで表現し、ロドリゲス監督に至っては「精彩を欠いた選手が何人かいた」と手厳しい。

置かれた状況の違いもあるものの、この彼我の違いはどこからくるのか。池谷監督が試合後の会見で、「徳島さんの中では、ボールを受けることに楽しさというかわくわく感がある選手が多い。まだまだ、うちの選手はそういう中でボールを呼び込むというか、ボールに触りたい選手が少ない」(熊本蹴球通信)と言う。これはもう、かなり大きな“差”があるなかでの引き分けでした。

さらに言えば、今節21位の山口が勝ち点3を積み上げ、金沢も讃岐も引き分けていたので、結果的にはこの試合の勝ち点1はまさに貴重なものでした。

残り4試合。まだまだ薄氷を踏むような戦いが続きます。

10月14日(土)
【J2第37節】(西京極)
京都 2-1(前半1-1)熊本
<得点者>
[京]石櫃洋祐(38分)、田中マルクス闘莉王(71分)
[熊]オウンゴール(22分)
観衆:7,483人
主審:廣瀬格


2試合連続で、一番警戒していた選手に決められてしまいました。前節は「あれを放さない、しっかり最後まで頭を入れる」と“一瞬の厳しさ”を求める飯尾和也氏の言葉を紹介しましたが、「決勝点の場面は防ぎようがなかった」(熊日)と池谷監督は言う。マンツーで付いていた植田は、「自分が跳んだ後に跳ばれた。もう少し自分が我慢できていれば」(同)と後悔する。

20171014京都

1勝3分9敗と、一方的に分が悪い京都とのアウェー戦でした。高さのある京都。「闘莉王とイ・ヨンジェに入ったあとのセカンド争いがキーになることは確か」(熊本蹴球通信)と、戦前井芹さんも指摘していましたが、序盤はまさにそこがうまくいかない。ロングボールを跳ね返したところ、落ちた中盤での京都のプレスが激しくて、押し込まれる。

8分頃、京都の波状攻撃のなか右45度からのミドル。これはPA中の黒木がヘッドで跳ね返す。12分頃には左サイドに回され、石櫃からのクロスにファーで闘莉王が高い打点で打ちつけた。間一髪GK畑がセーブしましたが、後から考えるといずれもこの日の京都の得点を予兆させるようなものだったのです。

しかし流れを変えたのは上里からの一本の長くて速い左サイド奥へのグラウンダーパスでした。これには惜しくも片山が追いつけませんでしたが、京都の重心を少し後ろにさせた。中盤で拾えるようになると18分には上村がDFの裏を取ってPAに侵入しますが、GKに阻まれます。

京都のディフェンシブゾーンを襲えるようになると22分、左サイドからのFKに上里が、ニアに意表を突く低く速いキック。このボールがDFの足に当たって抜けると、おもわず闘莉王が足を出してボールはゴールに吸い込まれる。自責点としてしまいます。

運よく転がり込んだ先制点でしたが、凌いで自分たちの時間帯にしたからこそでもありました。その後も熊本のペース。京都は我慢の時間帯が続きます。

熊本はこのまま前半リードで終わらせたい。しかし京都も反転攻勢。右サイドPA前で仕掛けた田村を倒して植田がFKを与えると、石櫃のキックから小松屋が拾い直してクロス。しかし、グスタボのクリアが小さいとみた石櫃、グスタボが寄せてくる前に足を振った。抑えてドライブのかかったシュートが、PA内のDFの間を縫ってゴール左に転がり込んでしまいました。

振り出しに戻った後半。ハーフタイムでの指揮官の指示は、「セカンドボールをもっと意識しよう」「マイボールになったら、慌てず動かしていこう」。そして「相手にしっかり身体を当てていこう。耐えるところは我慢強く!」(公式)というものでした。

後半開始早々、京都の前線からのハイプレスで危うくPA内に入られそうになりますが、三鬼が奪って素早く前線に長いパス。これをグスタボが胸で前進方向に落とすと、黒木が拾って右から低いアーリークロス。左から上がってきていた嶋田に届くと、流し込むようにシュート。しかしこれはGKがブロック。それを再び拾った上村が嶋田とワンツーして放ったシュートは惜しくも枠の右。何度もない、決定的なチャンスでした。

その後いっときは攻守切り替えの早い攻防戦となりましたが、熊本にリズムがあるとみるや京都の布部監督が先に動く。ヨンジェに代えて大黒。田村には伊藤と2枚代え。

「大黒か。やっかいな選手を入れてきた」というわれわれの思いは、ピッチ上の選手たちも同じだったのでしょうか。京都がリズムを得て巻き返し始める。

すると71分、京都に与えた右CK。縦に並んだ京都の選手たち。動き出しに中央スペースを空けさせられると、陰から飛び出すように闘莉王がジャンプ一番、高い打点でゴールネットに突き刺します。

その直前にはかなり疲れている様子を画面越しに見せていた闘莉王でしたが、ここぞという場面ではやはり仕事をする。怖い男でした。この得点は自身100得点目の記念ゴール。試合後のインタビューでそれを祝福されると、「オウンゴールのことですかね(笑)?」とうそぶきました。

熊本も上村に代えて中山、片山に代えて田中。グスタボを諦め、コンディションが不安だった安を投入。最後は植田を上げてパワープレイ。

しかし、アディッショナルタイムの三鬼からのクロスに跳んだ植田のヘディングも、途中から入ったケヴィン・オリスに身体を張られて枠の左。万事休しました。

先制したものの逆転負けでした。せめて同点引き分けで勝ち点1は持ち帰りたい試合だったのですが。指揮官はDAZNのインタビューに、「後半の決定機で取れなかったのが大きい」と悔やみました。

「警戒していた“個”の力でやられた」とも言う。確かに闘莉王の高さはこのリーグでは“破格”に違いありません。しかし前述したようにあのセットプレーは、その“個”の力を活かすようにチームとしてデザインされてもいたように感じます。そして最後にケヴィン・オリスが、しっかり跳んだことも、チームとして徹底していると…。まあ、それを可能にするのもまた個なんですが。

ただ、熊本も4試合ぶりにアンカーに入った上里の展開力、三鬼の気の利いた縦パス。上村も嶋田もPAに顔を出せるようになって、京都を一時は追いつめた。どうしようもないような攻撃の手詰まり感は解消された試合でした。

まだまだ強豪チームとの厳しい対戦が続きますが、勝機は十分にあるように感じましたね。