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8月2日(日)
【J3第8節】(えがおS)
熊本 2-0(前半0-0)福島

<得点者>
[熊]浅川隼人(70分)、伊東俊(80分)

観衆:1,561人
主審:花川雄一


あとあと自分たちが見返したときに思い出しやすいように長いタイトルを付けてしましたが、監督の采配がバッチリ決まって、福島にクリーンシートの勝利です。

熊本は、この3連戦のなか一人として先発を入れ替えずに臨みました。対する福島は、前節から7人を入れ替え、ほぼ2試合前の陣容。ターンオーバーを選びます。

20200802福島

開幕戦以来勝利のない福島は15位に沈んでいますが、なかなかどうして前からのプレスも厳しく、奪ってからの攻撃もスタイルを持っている。

そんな福島の出足に手を焼いたのか、またアタッキングサードにスペースがないためか、あるいは連戦による疲れで身体が重いのか、熊本はこれまでように奪ってから素早く前に付けるパスが見受けられない。ボールを回すばかりの展開が散見した前半。体力を温存して後半勝負を掛ける戦略か?とまで疑いました。

長身FWのイスマイラが持ち出してカウンター。飛び出したGK内山の居ないゴールにロングシュートを放ちますが、枠の左にそれて肝を冷やす。

ただ、どうなんだろう。これだけ激しくプレスし、スライドして走り回っている福島。後半もこの運動量が続くのだろうか、と思っていると案の定、出足が鈍り始める。

上村のミドルや、高橋の裏抜けなど熊本に決定機が増えます。ただ、しかし決めきれない。

勢いは熊本にありましたから、大木監督も随分逡巡したんでしょうが、68分、飲水タイムと同時に、業を煮やしたように一気に初めての3枚替えを試みます。中原、高橋、相澤に代えて、樋口、浅川、伊東を投入。実にこれが完璧に奏功しました。

3人が入ってすぐの70分、左サイドで伊東が、浅川とワンツーでえぐるとクロス。すぐさまニアに入った浅川の頭に触ったようでしたが、ボールはファーサイドにいた樋口がヘッドで折り返す。そのボールを浅川が右足で押し込みました。

ゴール前の浅川の位置が「オフサイドだ!」と福島の選手たちが審判に詰め寄りましたが、伊東のディフェンスに着いていた福島の選手がエンドライン付近にいたので、浅川は見事にオンサイド。珍しいパターンですが、この日の副審の目は確かでした。浅川の移籍後初ゴールが認められます。

その後は、この日初めてベンチ入りし、デビュー戦となった樋口が魅せる。右サイド奥に走って敵DFを股抜きボックス内に侵入。ボールを持っても奪われない。

樋口叶。今季ユースからトップ昇格となった彼の噂は、以前から聞いていました。人吉(山江村)出身の“おもしろい”選手がいると。その才能に惚れ込んで、松下コーチ(当時)が自分の祖父の家(御船)にわざわざ住まわせ、御船高校に通わせながら、市内のユースの練習に通わせたのだと。

そんな、大事に大事にクラブが育てた選手。どんな“タレント”なのかと、(オフシーズンの練習試合時は出遅れていたので)初めてプレーを見たわけですが。これは本当に逸材に違いない。

まず、体躯は小さいながら、自分がコントロールできるボールの半径が大きいから、相手からボールを奪われない。体幹がしっかりしてるからかも知れませんが、フェイントの切れが大きく、何よりパスのタイミングが意表を突く。

いや、拙稿では表わせない才能を秘めていると思います。もっと今後を見守りたい。

80分、浅川、石川と左で作って伊東にシュートコースが見えた。右足を振りぬくと、無回転気味のシュートが、相手GKの手をかすめて、ゴール右に突き刺さりました。これが駄目押しとなり、熊本の勝利。「苦しいというか、難しいゲーム」(熊本蹴球通信)だったと表現する指揮官の試合を、勝ち切ることができました。

過密日程の3連戦のなか、先発を固定した熊本でしたが、いくつかのことを試せた連戦になりました。特にこの試合では、いつも展開を変えるために投入する伊東だけでなく、浅川や
樋口を加えて状況を打開し、結果を得た。選手層の厚みを感じました。

かつて。相当昔のエントリーで、わがチームは選手交代をするたびに「ギアチェンジを下げているようだ」ということを書いた覚えがあります。それほどの選手層の薄さを嘆いた。
それから比べれば、この日の3枚のジョーカーは十分過ぎる働きのカードでした。選手層は間違いなく厚いとうことでしょうか。

秋田は今節も負けず。鳥取もしかり。徐々に3傑になるなか、さぁ、次節は負けなしの秋田との直接対決です。ここ一番の勝負です。

7月29日(水)
【J3第7節】(えがおS)
熊本 1-1(前半1-1)鳥取

<得点者>
[熊]谷口海斗(4分)
[鳥]田口裕也(9分)

観衆:1,194人
主審:吉田哲朗


中三日のホーム鳥取戦。2位同士の一戦は、先制するもすぐに同点に追いつかれ痛み分け。両者勝ち点1を分け合うという結果に終わりました。

熊本はいつもどおりの先発メンバー。鳥取は3-4-3からの可変システム。

20200729鳥取

先制点はゴラッソ!でした。キック精度の高いGK内山からのロングキックが、高めの鳥取DFラインの裏まで届くと、走りこんだ谷口がワンバウンドで捉えドライブシュート。前目に出ていた敵GKの頭を越えて、ゴールに吸い込まれます。

前節も2得点の勝利の立役者のスーパーゴール。練習していた形だったといいますが、簡単なプレーではありません。

幸先のいい先制点でしたが、そのあとがいけなかった。5分後、今度は鳥取が右サイドを起点にしてボックス内3人が繋ぐ。ファーの田口にフリーで押し込まれてしまいます。チェックが後手に回った。

熊本も19分、右奥からの中原のクロスに高橋が飛び込みますが、枠の右。惜しい。

この日のベンチは先に動きます。後半から高橋に代えて北村のワントップ。55分には相澤を伊東に代えてトップ下。さらには浅川を入れて北村との2トップにするなど、「力のある選手を前に持ってきて、もう少し前線にパワーを持ちたい」(熊本蹴球通信)と、大木監督が積極的に手を打つ。

82分、谷口から縦に付けると、受けた北村はスルーパスを浅川に送る。ボックス左から打つも枠の左。88分にも、ボックス左の角度のないところから強引にシュートも左ネット。終了間際には、スルーパスに浅川が裏抜けしましたが、GKの飛び出しも早く、ボールは枠の右に転がります。あと一歩。

移籍同期の谷口や、大卒ルーキー高橋に先を越され、初お目見えとなった浅川。勝ち越し点欲しさに少し強引さも見受けられましたが、好機に絡んでいました。

鳥取も堅い守備からスピードのある攻撃を展開するあなどれないチームと再認識。

この節も秋田は勝利して、なんと7連勝。後ろからは岐阜の足音も聞こえてきた。なんとも悔しい引き分けとなりましたが、北村、浅川、そして怪我が癒えた田村も今季初出場。試合勘はまだまだなのかもしれませんが、頼もしい選手層を確認できたという点では、うれしいゲームでした。

7月25日(土)
【J3第6節】(ピカスタ)
讃岐 1-2(前半0-0)熊本

<得点者>
[讃]栗田マークアジェイ(90分+3)
[熊]谷口海斗2(47分、90分+5)

観衆:823人
主審:藤田優


土壇場で決勝点を挙げた試合は、これまでも何度かありましたが、アディショナルタイムの間に、落胆と歓喜を両方経験したのは初めてではないでしょうか。ドラマチックな結果となりました。

今季未だ勝利がなく下位に沈む讃岐とのアウェーゲーム。ただ、あまり相性がいいとはいえない相手。

熊本はこの日もかたくなにいつものスタメン。スカウティングされても、それを上回ればいいという大木監督の考えか。

20200725讃岐

前節ぐらいから、石川や中原のクロスの球速が早くなった気がする。テンポを変えようとする試みか。また、前節引いた相手から得点できなかった反省点から、ミドルシュートの意識も高い。

17分頃、ボックス内で中原、谷口、高橋とパスで崩してシュートも、オフサイドの判定。続く19分には讃岐のカウンターから池谷が裏抜け。GKと一対一になりかけましたが、小笠原がスライディングで割って入って事なきを得ます。

讃岐は前線からプレスも掛けてきますが、自陣に運ばれるとがっちりと4-4-2のブロックを敷く。激しい攻防ですが、どちらもゴールネットを揺らせず前半を終えます。

「熊本は後半、運動量が落ちる」。今年から讃岐を率いる望月監督も前節のゼムノビッチ監督と同じ見立て。しかし、その前に熊本が先手を打ちます。

後半も始まってすぐでした。左サイドの谷口にボールが渡ると、内側を追い越していった石川がDFをつり出し、カットインした谷口が打つ。ボックス内のDFにリフレクションがあったでしょうか。ボールはゴール右隅に突き刺さります。先制点。

ホームで初勝利を挙げたい讃岐も俄然攻勢を強める。池谷に代えて渡辺、林に代えて栗田マークアジェイを入れてくる。

流れが悪いとみた熊本ベンチは、相澤を下げて伊東を入れると、岡本、上村がダブルボランチになり、伊東がトップ下。

さらに岡本に代えて黒木を入れると、黒木が右SB、河原がボランチにポジションチェンジ。

讃岐のラストパスの精度に助けられていると、いよいよ1点を守り抜くクロージングの時間帯。示されたアディショナルタイムの「5分」には、一瞬「ちょっと長くないか」と首を傾げましたが、終わってみればそれが幸いしたかも知れません(笑)。

急ぐ讃岐がロングボールを前線に送る。落としたところに栗田。大きな身体をうまく反転させると強烈シュート。内山の横っ飛びも追いつきませんでした。

土壇場の同点弾に喜ぶ讃岐イレブンでしたが、それが落胆に変わったのはすぐそのあと。熊本のスローインが讃岐に奪われ運ばれようとするところを突っつくとボールが伊東にこぼれた。すかさず左の谷口へ。谷口がDFを切り返して交わすと右足一閃。GKも抜いて決勝点を叩き込みます。

いやぁ劇的でした。がっくりと膝を落とすのは讃岐イレブン。谷口はこの試合2点目。通算4点目。素晴らしい活躍です。

あわや勝ち点1の痛み分けからポイント3を奪取。この節も秋田、鳥取が勝利したため順位は変わらず。そしてこの再びの3連戦のミッドウィークの対戦相手は勝ち点で並ぶ鳥取との、いわゆる“6ポイントゲーム”になります。

しっかり休養もとって、ベストコンディションで臨んで欲しいと思います。

7月19日(日)
【J3第5節】(長良川)
岐阜 1-0(前半0-0)熊本

<得点者>
[岐]永島悠史(89分)

観衆:2,073人
主審:中井敏博


J参入同期、今季J3に降格してきた岐阜に、アウェーの地で初黒星を喫してしまいました。

スタンドには岐阜サポーターが、熊本の今回の豪雨被害を受けて、「阿蘇山のように心強く!苦難に立ち向かうものに光を」と書いた横断幕を掲げてくれました。同期の激励、サッカーファミリーの温かさが画面越しでも心に沁みます。

20200719岐阜

岐阜のスタメンには松本から今季移籍した高崎が名を連ねる。ベンチには元日本代表の前田も控えていて攻撃のタレント揃い。一方、熊本はこの日も、前節と同様のスタメンで臨みました。

しかし、岐阜はがっぷり四つでは来ませんでした。明らかに引いて守ってカウンターという戦法。終始熊本が敵陣でボールを保持し攻め続けますが、前半のうちに先制点が取れない。

「熊本は後半に入ればスピードや(パス回しの)テンポが落ち、そこを狙えると思っていた」(20日付・熊日)というのは敵将・ゼムノビッチ監督。そしてそれを誘発するように、中盤の圧力を高め、後半18分には高崎に代えて前田を投入。今度は前からのプレスも掛けてきました。

熊本は連戦の疲れや、点が取れない焦りもあるのか、徐々にミスが目立ち始める。そこに付け込んだ岐阜のチャンスが増える。

しかし、内山のビッグセーブなどで凌いで、このままスコアレスドローの痛み分けかと思われた終了間際の89分。岐阜が自陣からのロングボールで、前線に川西を走らせると強烈シュート。一旦は内山が防いだものの、追走した永島に押し込まれ、決勝点を浴びました。

「ここまでテンポが悪いとは思わなかったですね、正直。」(熊本蹴球通信)。大木監督のインタビューは見るからに機嫌が悪い。

言わずもがな岐阜は、前季途中まで監督が指揮したチーム。詳しくは知りませんが、当時もカウンターに弱かったという話も聞く。スカウティングがあったかも知れません。

誕生日をクリーンシートで飾れなかったGK内山は、しかしポジティブでした。「後半、ゲームの流れが変わった時に、そこで強度を上げきれなかったというところが、課題だったかなと思います。ピッチも良かったし、ゲームの流れも良かった中での負けなので、逆に言うと、大きな収穫を得たんじゃないか」()と。ここまで5試合、積み重ねている感覚はありますか?と問われて、「はい、しっかりとあります」ときっぱり言う。

まだまだ発展途上の若いチーム。課題のひとつひとつを克服して、勢いを弱めることなく次に進みましょう。

7月15日(水)
【J3第4節】(えがおS)
熊本 1-0(前半0-0)G大23

<得点者>
[熊]伊東俊(59分)

観衆:1,098人
主審:上田隆生


開幕4連勝は、J参入後初めての記録だそうです。熊本は快進撃を続けています。

ミッドウィークの連戦。熊本もスタメンを少しはいじってくるのかと思いましたが、ベンチも含め全く前節と同じ布陣。勝った試合のあとはいじらないという鉄則か。あるいはこの2試合をワンセットで考えているのか。

対するG大阪U23は、10代の選手が中心メンバーながら侮れない。特にFW唐山は、17歳ながらトップチーム登録。昨シーズンはJ3でハットトリックも記録している(らしい)。13日にはU19日本代表のトレーニングキャンプ招集を「チーム事情により」断ったことが報道されていたばかりでした。

20200715G大阪U23

ユースの選手も混ざっているのでしょうが、なかなかどうして、やはり技術がしっかりしていて戦術も徹底している。これまでの試合では開始早々から相手を押し込めた熊本でしたが、5分に石川のクロスにニアの高橋、谷口、ファーの河原が合わせられず、14分に中原が左に展開してのシュートをGKがブロック。岡本が拾ってのドライブシュートはバーに嫌われ、先制点が奪えないでいると、がっぷり四つの様相に。

唐山には小笠原が付いて警戒。44分の裏抜け、エリア内からのシュートはGK内山がしっかりとセーブしました。

ハーフタイムを挟んで伊東を投入。これまでいつも前半のうちに先制し、相手の反撃の流れを変えたい場面での投入が多かったのですが、この日はスコアレスドローの状況で「『前に人数を増やす』(大木監督)ことを狙った」(熊本蹴球通信)のだと言います。

しかし、ハーフタイムで修正を加えたG大阪U23も攻勢を強めてくる。55分、またも唐山の裏抜けからのシュートは、なんとか内山が片手でセーブ。熊本は中原に代えて坂本を投入。谷口を右サイドに回します。

そのすぐあとでした。押し込まれていた自陣から高橋が右の谷口を走らせる絶妙のパス。前掛かりだったとはいえG大阪もDF4枚は自陣に帰る。PA内右で谷口がタメにタメた。そこに全速力で熊本の選手たちが上がってくる。PAに入ってきた3人の選手のなかのうち、谷口は伊東に合わせた。走って来たスピードもボールに伝わる強烈なゴールでした。

いわゆるカウンター攻撃でしたが、数多くの選手たちが猛スピードで上がってくるその走力と判断は、練習のたまものに違いありませんでした。

前節は、得失点差のことで苦言じみたことを書いたわれわれですが、実は1点を争う、しかも質の高いこんな試合展開が嫌いではありません。同点に追いつかれたら一瞬にして勝ち点2を失う。虎の子の1点を守り切れるかのハラハラ、ドキドキの時間を見守るのもサッカーの醍醐味。よく勝ち切ってくれました。

開幕4連勝。フラグになるといけないのであまり言ったり、書いたりしないわれわれですが、これはもうスタートダッシュに成功したと言っていいですよね。

特にこのリーグのジョーカーカードとも言えるU23のチームふたつを退けたことは、正直ホッとしています。

これに慢心せずに、一試合一試合勝ち進んでいきましょう。