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9月16日(日)
【J2第33節】(味スタ)
東京V 2-2(前半1-1)熊本
<得点者>
[東]佐藤優平(13分)、ドウグラス・ヴィエイラ(57分)
[熊]安柄俊(7分)、田中達也(78分)
<警告>
[熊]上里一将(50分)、園田拓也(69分)
観衆:5,560人
主審:清水勇人


20180916東京V

敵地での東京ヴェルディ戦は、出場停止明けの安のミドルシュートで幸先よく先制するも、すぐに追いつかれる。後半早々にはドウグラスが追加点を上げて逆転を許す。その後、園田がエリア内で犯したハンドでPKを与え絶体絶命のピンチ。しかし、ドウグラスのPKをGK畑が1点目の汚名を返上する活躍で好セーブ。これで勢いのついた熊本は、安のシュートのこぼれ球を田中がエリア内で拾って押し込み同点とし、敵地で貴重な勝ち点1を手にした。順位は21位のまま。1試合消化が少ない讃岐との勝ち点差を2とし、同じく20位京都には1差のままくらいついている。


4月15日(日)
【J2第9節】(えがおS)
熊本 0-0(前半0-0)東京V
観衆:10,011人
主審:川俣秀


震災から2年の歳月が経ちました。この日は、「熊本地震復興支援マッチ」と銘打ち、多くの被災自治体住民が無料招待され、スタンドは1万人を超えるファンで埋まりました。

迎える東京ヴェルディは、前節の町田と同じようにここまで負けなし。2シーズン目となったロティーナ監督の指揮により、堅い守備力を築き上げているようです。

結果的にはスコアレスドローで終わったこの試合でしたが、これもまた前節・町田戦と同じように両監督の戦術対戦術の探り合いの様相で、一瞬も目が離せない展開。時間が経つのが早いと感じたゲームでしたね。

20180415東京V

熊本はいつものように3-5-2。一方のヴェルディは、DAZNが事前に予想した後ろ4枚ではなく、3バックに見える。(熊本には)「空中戦の強い2人のFWがいる。それに対して3枚のセンターバックがいいプレーをしていた」「このシステムで戦うことが我々にとっていいと思って決断しました」(熊本蹴球通信)と試合後ロティーナ監督が明かす。更には、試合途中、流れに応じて臨機応変に立ち位置を変えているようにも映りました。

それにしてもオーガナイズされたヴェルディの守備の堅さたるや。ポジションへの戻り、ボールサイドへのスライドはもちろん、サイドにはしっかり蓋をして、中へ誘うとボランチの餌食になるという。

そんななかでも熊本が時折ワンタッチパスを使って崩す場面もあり。安、皆川とつないで左奥のスペースに八久保を走らせクロスという綺麗なコンビネーション。惜しくもボールはGKの手中。あるいはアタッキングサードまで崩すが、ラストパスが合わずといった場面もあり。ただ、いずれにしても熊本もボールはよく動いていました。

一方、ヴェルディの攻撃も、さすがの“らしい”パス交換でゴール前までで運ぶ。しかし、フィニッシュに精度を欠く。負けなしとはいえ、引き分けの多さはこのあたりか。

警戒され押さえ込まれている田中サイドの代わりに、黒木サイドから崩す。後半62分にはそのクロスから中央・安がフリーで頭に合わせましたが枠の上。これは実に惜しかった。

前節はアディッショナルタイムで同点にされているわれわれ。ならばこちらもラストプレーまで得点の機会はあると信じた。スタンドの赤いファン、サポーターも思いは同じで、スタジアム中に、手拍子が鳴り響き、応援のボルテージは次第に上がります。

しかし、タイムアップ。熊本は今季初めて無失点でゲームを終えたものの、残念ながら1万人の観客にゴールシーンを見せることはできませんでした。

「ヴェルディさんもすごくオーガナイズされた、簡単にいうとシステムをいろいろ変更したり、我々の強みを消したり、弱みをついてくるという、頭の中を探られるような戦いだとすごく感じています。というのは、立ち位置、ポジショナルプレーをしっかりしている相手でしたので、やっていて非常に面白かった」()とは、渋谷監督の談。確かにスコアレスとはいえ、観ているこちらにも同じように感じられました。

この引き分け、勝ち点1の価値をどう位置づけるのか。それは1という数字にとどまらないものだとわれわれは思います。その点について監督はこう述べている。

「選手が変化を見つけてサッカーをするというのが、僕自信の将来の熊本でのサッカースタイルというか。ゲーム中に相手がこうきたぞと、そしたらゲームの中で選手が変化する。こうきてるぞと、じゃあその時に我々はこうなってるぞと。そういうこと、ゲームを読める選手たちになれれば、いろんな対応ができる」「それが最終的に昇格であったりプレーオフに行ったり、順位を上げることにつながればいちばんいいです」()と。

渋谷監督が、シーズン当初から一貫して求めていることではありますが、このヴェルディという相手を前にして、改めてその重要性が明らかになったように思えた試合でした。

進化のための勝ち点1にとどまったと、そう思いたい。

DAZNのインタビューに答えて巻は言う。「僕らも復興と一緒で、一歩一歩地道に成長しながら進めていければ」。そして加えて言いました。
「スタジアムを満杯にして、よりどころになるような。そういうロアッソ熊本でいたい」と。

ロアッソ熊本。この試合で順位は8位に後退しましたが、震災2年目を迎え、また改めてその存在価値を示したという日だったでしょう。

8月11日(金)
【J2第27節】(味スタ)
東京V 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[東]ドウグラス・ヴィエイラ(89分)
<退場>
[熊]村上巧(11分)
<警告>
[東]田村直也(52分)
観衆:4,372人
主審:高山啓義


時間にしてアディッショナルタイムを入れてもあと4分守りきれれば・・・。この置かれた状況からすれば全く「良し」と言えた勝ち点1が、目前で手から滑り落ちました。

20170811東京V

前半10分頃のことでした。開始早々から勢いを持って仕掛けてくるヴェルディの攻撃を凌いで、ようやく落ち着いて、敵陣にも入れるようになっていた熊本。スローインから上村が受けて村上にバックパスをしようとすると、それが弱いと見るや、上村に猛然とプレスを掛けに行っていたヴェルディ・渡辺はきびすを返すようにそのままスピードを落とさずボールを奪った。ここで突破されればGKと1対1。CB村上は迷わずスライディング。そして渡辺を倒す。これには主審もレッドカードを選ぶしかありませんでした。決定機阻止で一発退場。

池谷監督も、「ボールを動かせるようになった分、落とし穴にはまったような感じ」と、そのシーンを振り返る(熊日)。

すぐさま黒木と片山の両WBを下げて4-4-1にするものの、アラン・ピニェイロ、カルロス・マルティネス、高木大輔の3トップを抑えるにはまだスペースがあり過ぎる。と見るや、指揮官は登録が済んだばかりでこの日初めて帯同させていたDFジュニオールを迷わず投入。これにはDAZN解説の柱谷氏も「早い決断」と評価する。

187センチの高さ。ジュニオールを最終ラインの真ん中に入れて5-3-1に。5と3の2列のブロックを敷く。3がバイタルを埋めチェックは出来ているがサイドまでは追えない。しかし中を厚くした分、クロスは撥ね返せる。

それでも一方的にボールを持たれて波状攻撃を受け続ける。それを粘り強く我慢して守り続ける熊本。ピンチの場面を書き連ねても仕方がないので、いちいち書きませんが、最後は今日も畑の攻守が救っている。

「DFがコースを切ってくれて対応しやすいシュートだった」と、好セーブを連発した畑は試合後謙遜しますが、後半ヴェルディのミドルシュートがDF植田の足に当たって角度を変えたボールへの片手一本の反応は、間違いなくビッグプレーと言えました。

52分には距離のあるFKをジュニオールが蹴る場面も。曲げて落としたボールでしたが、わずかに枠の左。しかしパンチ力のあるところも見せます。

71分には黒木のクロスが中央でクリアされるところに、ファーで片山がボレー。これも惜しくも枠の左。しかし、この終盤に来ても、ここぞという場面では両SBが上がっていく”勝利への執念”が熊本にもありました。

前回対戦で大敗して以来、調子を崩したのかリーグ戦で勝利のないヴェルディ。ひとり少ない熊本に対して猛攻を続けるものの、組織的に守られてゴールが割れない。時計は進み、もうすぐアディッショナルタイムも告げられる。そんな時間帯でした。

熊本のゴール前で次々にボールを入れては撥ね返されると、右に回した。そこに上がっていた右SBの田村が狙いすましたようにクロスを入れると、途中から入っていたドウグラス・ヴィエイラがファーでジャンプした。小谷も身体を当てていましたが、ドウグラスの高さ。長い首がしっかり振られると、叩きつけられたボールがゴール右に転がり込みます。これにはさすがの畑も反応できませんでした。

膝を着く熊本の選手たち・・・。

古くは吉井の決勝弾で勝利した札幌戦。あるいは最後の最後に原田のゴールで追いついた栃木戦など、退場者を出し数的不利になった試合でも、”ドラマ”があったことを思い出して、最後まで信じるように見ていました。この日のゴール裏でも、最後まで諦めず、声を枯らして赤いサポーターたちが、選手たちを後押ししている姿が映っていました。

できれば対等な面子での90分間の戦いを観たかったのが正直な気持ちですが、起こしてしまったのはこちら側だから仕様がない。一方で、アクシデントにしっかり対応していったベンチワークも、出ている選手たちの奮闘にも”頼もしさ”を感じることができました。

この試合は、メンタル的にも体力的も引きずることのないようにしたいですね。あまり日にちは空いていませんが、「次、次」と言いたいところです。

7月1日(土)
【J2第21節】(えがおS)
熊本 4-0(前半3-0)東京V
<得点者>
[熊]八久保颯(26分)、安柄俊(44分)、上村周平(45分+2)、黒木晃平(72分)
<警告>
[熊]園田拓也(65分)、光永祐也(70分)
[東]アラン・ピニェイロ(90分+3)
観衆:10,208人
主審:藤田和也


このカテゴリーには勝って当然の相手もいなければ、やる前から負けが決まっている相手もいないわけで。そんなことは百も承知でしたが、4試合負けなしで3位につける好調ヴェルディ相手に、こんな大勝を演じることになるとは正直思ってもいませんでした。

試合前のインタビューで「(相手は)監督が代わって分析する試合も少ない。ただいつもの自分たちの試合をやっていくだけ」と、ヴェルディのロティーナ監督は言う(DAZN)。なんとなく普通にやれば勝てるだろうというようにも聞こえ。それは山口戦のときのわれわれがそうではなかったかとも思い出させる。

一方の池谷監督は、「追い込まれた1週間だった」(熊本蹴球通信)と試合後振り返る。「相手のゲームはかなり見たし。そういう意味では、うまく対策がとれた結果」だと。そして、監督が代わってから「やってきたことがやっと実った。選手たちが約束事を守って、その上で点も取れた」(DAZN)と答えます。

熊本は、スタメンを前節から5人入れ替えてきました。しかし、奏功した天皇杯・水戸戦にどちらかといえば近いのではないかという印象を受けた。それは3バックの真ん中にキーマンの村上が入ったからでしょう。水戸戦は直には見ていませんが、評判どおり持ち上がったりパスを散らしたり、最後尾からタクトを振る。

あとは左WBに入った光永、シャドーの八久保の働き、そしてなんと言っても1トップの安に期待が持てました。

20170701ヴェルディ

開始から熊本は、CBのイムから右の裏のスペースにロングボールで安を走らせる。左の光永もアーリークロスをDFの背後に送る。まずはボールを持ったらすばやく裏を狙う意図が見える。

相手のボールのときは5バック。前の5人でプレスに行く。敵の前線に入ろうかというボールには素早くチェックに行く。ミスも少なくないが、チャレンジし続けている姿勢は、前節山口戦にはなかったこと。

あとで見返したDAZNの中継で、レポーターが八久保の良さを「スピードアップ、間で受ける、裏を突ける。この3つだとコーチが言っている」と紹介し、それに対して解説の水沼氏が、「今まさに熊本に必要なこと。局面に応じて休みなくやって欲しい」と要望した、ちょうどそんな時間のあとでした。

園田のカットから上里。上里がゴール前に走った八久保に長いパスを送るがこれは収まらず。しかし、続いても後ろで回して、左サイドタッチライン際の園田がワンタッチでワンバウンドのスルーパスを送ると、八久保が裏をうまく取った。落ち着いてGKも交わすと、ゴールに流し込みます。先制点!

「熱くなれ」。この日の試合前、震災ボランティア時の巻との約束を果たしに来たと言って、大黒摩季さんが迫力ある歌声で場内を盛り上げてくれましたが、その歌のとおり一気にスタジアムのボルテージは上がってヤバイ”ハイテンション”。

しかし、ヴェルディもまだ落ち着いていました。勢力を立て直すとFKやCKで熊本のゴール前を襲う。前節の2失点も含め、セットプレーの失点の多さが目立つ熊本はこの試合、ゾーンディフェンスからマンツーマンに変更。「責任をハッキリしようということだ」と言う水沼氏。

試合の流れというのは面白いもので、先制点は奪ったものの、このあとすぐに同点にされなかったことが、この試合の勝因とも思えます。その立役者はなんと言ってもGKの畑でした。

ヴェルディの右WB安西が一度アランに預けて、ヒールパスで貰いなおすと右45度からシュート。これを畑がスーパーセーブ。続いても右からの安西の強烈シュートを横っ飛びでパンチング。拾った左WB安在のシュートは枠の上。今度は右から回して中央の高木に繋ぐと、高木が反転するように村上を交わしてシュート。これも枠内でしたが、わずかに畑が触ってバーに当てる。再三の決定機を防ぎます。

移り気な勝利の女神がヴェルディにソッポを向くと、今度は熊本に微笑みかけます。「このまま追いつかれずに前半を終えたい」とわれわれが思っていた44分、上里が前の安にパスをつけると、安が持ち上がりながら、追い越して上がって来る八久保へのパスと見せかけ、意表を突くミドルシュート。無回転のボールがGK柴崎の前で変化してゴールに突き刺さる。

それだけで収まりません。前半アディッショナルタイムに入ると、スローインを受けた安が一人でPエリア内に持ち込む。3人に囲まれながら、潰されそうになりながら出した。信じて顔を出した上村が貰ってゴール左隅に蹴り込みます。上村はうれしいプロ初ゴール。

なんとなんと3-0という点差で後半に折り返した熊本。しかし、ヴェルディは前節4点で町田を下しているし、その前は愛媛に3点で同点に追いついている。短い時間で一気に得点を加算する力を持っている。安心はできませんでした。

熊本は時間を消費するように、ゆっくりと攻める。「絶対ゆるめないこと」「最後までさぼらないこと!」というハーフタイムの指揮官の指示を守りながら。

渡辺に代えて梶川。畠中に代えて橋本。そして4バックにしてヴェルディが勢いを持とうとしていた72分でした。上里が自陣から、右サイドで高く上がっていた黒木にピタリとパスを当てる。黒木がドリブルで勝負すると見せかけて、フリーでミドルシュートを撃つ。地を這うようなグラウンダーのシュートは、ファーポストに当たり、ゴールに吸い込まれ4点目とします。

こうなるとあと欲しいのはクリーンシート。既に八久保に代えて岡本が投入されていましたが、次に中山が足を攣って上原に交代。布陣は完全に5バック。選手全員がかなり疲れていました。上里を右に回して、上原がボランチに入る。

次々に襲うヴェルディのシュート。熊本はPエリア内に林立してクリア一辺倒。あとはもう0(ゼロ)で終わりたいという気持ちだけ。不甲斐ない失点で敗戦を見せ続けたホームのファンのためにも。それはまるで「1-0のように守った」と水沼氏が言う。

園田も足を攣った。しかし、残り時間を耐えられると判断したベンチは、最後の最後のカードで安に代えて巻。前線からの守備をゆだねる。アディショナルタイムには大チャンス。カウンターから岡本、巻、岡本と繋いで、右から上がってきた上村。上村のクロスはしかし、中央の巻はもちろん、ファーの岡本の頭も越えて抜けてしまう。そして、終了の笛が吹かれました。

4得点のうち、組織的に崩したのは1点目と3点目。安の2点目と黒木の4点目は、個人の技術のようにみえます。しかし、その2点もまた、フィニッシュで終えるというチーム戦術が浸透したからのゴールではないかと。

無失点で勝利したことについて指揮官は言う。「クロスに対してまず良いポジションに戻るということ。後半はズレてきたところもありますけど、そこで良いポジションを取れているということ」(熊本蹴球通信)だと。しかし、それに加えて「ボールに対する執着というか。最後も皆がシュートブロックに行っていたし、迫力もあったし、選手がより勝ちたいという気持ちを持ってプレーしていたんじゃないか」と。

あの名手ヴェルディの選手たちのシュートが、最後の最後に枠を外れたのも、畑の存在感に加え、そんなところが大きかったのかも知れない。

7試合ぶりの勝利。ホームに限っては実に4月16日の松本戦以来。そんな鬱憤が、1万人以上を集めたスタジアムの夜空に、勝利の凱歌「カモン!ロッソ」をこだまさせました。

4-0。大勝のようでもあるが、タイトルどおりの100%の完勝でもない。点差に隠れてしまいそうですが、課題もしっかり残りました。

けれど、自分たちの練習を信じて、自分たちで結果を得た。勝って当然の相手もいなければ、やる前から負けが決まっている相手もいないことを。シュートは打つべきだということを。今節の勝利の意味として、そのことが大きな自信に繋がったということは間違いありません。

【J2第26節】(味スタ)
東京V 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[東]高木善朗(78分)
<警告>
[東]杉本竜士(83分)
[熊]キム・テヨン(67分)
観衆:5,723人
主審:上村篤史


五分五分の戦いだと思いました。勝敗を分けたのは、”時の運”のようなものだと思ったのですが、指揮官・清川監督は想像以上に嘆き、怒っていました。

「若手に戦う姿勢が見えなかった」「今日の戦い方は満足できない」(熊日)と、この人が見せる温厚な表情とは違い、一刀両断なコメント。それは「前節のような(押し込まれる)立ち上がり方をして、前半途中までは何もできなかった」ことを、激しく嘆いているということだったのでしょう。

清武と上原を累積警告の出場停止で欠く熊本は、平繁との2トップのパートナーに、齋藤を初めて先発起用。2列目は右に八久保、左に嶋田という若い前線を組んできました。ボランチの一角にはキム・テヨン。

18位のヴェルディは、勝ったり負けたりとムラのある戦い。しかし、ガンバからべテラン・二川を獲得していて侮れない。

20160731東京V

常々われわれは、相手を圧倒するくらいの球際の強さがなければわがチームに勝機はないと書き続けています。その点において、試合の開始早々からヴェルディに、セカンドボールを拾われ続けた。この、前節の金沢戦同様の立ち上がりに、指揮官が大いに不満だったのは間違いありません。「意識していてもボールが自分の予測と違う方向に行って、違うことが起きた時に身体が反応していけなかった」(公式)と、八久保は釈明する。「スタメンで使ってくれることはなかったので、久しぶりだし、緊張で身体も硬くなっていた」と言う齋藤は、動きがいかにもぎこちなく、ファーストディフェンスがはまりませんでした。

27分のピンチ。ヴェルディがカウンターで持ち込むと、澤井がエリア中央に侵入して右足アウトでシュート。これを佐藤がなんとかクリアすると、今度はそれを左のゴールラインぎりぎりで拾った北脇の強烈シュート。それも佐藤が全身でブロック。守護神が立ちはだかり、先制点を与えません。

ただ、基本的には両者のチームコンセプトは違う。ボールポゼッションを重要視するヴェルディに対して、持たせて奪ってカウンターという狙いが熊本。そう見ていれば、徐々に前半も終わりごろになると、熊本にも好機がやってきます。流れを引き戻し始めた。

36分、嶋田がハーフウェイライン左サイドで奪って、ひとりで運んでエリアに入る寸前撃ったシュートは、ファーのポストに嫌われる。続いても、高柳が右へはたくと、藏川が縦に。八久保がえぐってグラウンダーでのクロス。ファーサイド平繁が詰めますが、DF田村へのプッシングのファールを取られる。うーむ、それは違うだろうと。

前半アディッショナルタイムには、守から攻への切り替え。齋藤がハーフウェイライン付近でもらうと反転。一騎鋭いスピードでドリブル。DFを抜き去りましたが、最後は敵GKに飛び込まれキープされました。

後半、足に違和感を覚えた二川を下げて、アランピニェイロを入れるヴェルディ。熊本は齋藤から岡本にスウィッチ。右サイドに入れると、八久保を2トップの一角に。

攻守の切り替えの早さが増した試合展開。カウンターから熊本が右サイドを八久保に破らせ、そのクロスにニアに上がっていた植田の頭が合わず。ファーの嶋田のスライディングも届かない。
逆にヴェルディの安在のクロスにファーの澤井のダイレクトシュートは、佐藤ががっちりブロック。

熊本は嶋田を下げて、ユーティリティプレーヤーの黒木をそのまま2列目に入れる。ヴェルディがFW北脇を諦め、杉本を投入したのは、試合時間も残り15分を切るころでした。

熊本の攻勢のあとでした。反転してヴェルディがカウンター。中盤を省略してアランピニェイロに渡ると、強烈なミドルシュート。一旦はゴール左ポストに跳ね返るも、それを押し込もうとするヴェルディ。GK佐藤が右手で撥ね返したボールがゴール前にこぼれる。それを見逃さず拾った高木が、3試合連続ゴールを押し込むことになります。ヴェルディに先制点を与える。

後半39分、7月19日に加入発表があったばかりのFW若杉が登場。「緊張はなかった。プロ選手相手でも思った以上にやり合えた」と、前線で身体を張ったプレーを見せます。

そして迎えた後半アディッショナルタイムは残り4分。そのラストワンプレーだろうというシーン。DFライン園田からの縦のボールに抜け出した岡本がラインぎりぎりからクロスを上げる。中央の八久保のヘッドはしかし、バーに嫌われる。拾った選手のシュートも、GKの手中に収まり終了のホイッスルが吹かれました。

「決まった感触はあった」。八久保はそう熊日には語っています。

しかし、ゲキサカで、このときを振り返るコメントでは、「さっき、やっさん(岡本)と話したんですけど。やっさんも中の状況を見ていなかったそうで、僕もボールが来るとは思っていなかったんです。それでもあそこに走り込むことで、他のスペースが空くかなと思って走り込みました。ボールが来たときはしっかり当てようと思ったけれど、全然上にいってしまいました」と、ちょっと予測していたプレーではなかったことを吐露しています。

「運が悪いと言われるかも知れないけど、決めきれないわずかの差がある。それが実力の差」(熊日・八久保コメント)。そう総括した八久保。この日は、ラッキーボーイにはなれませんでしたが、恐らく一戦一戦のこの”実戦”での、プレーの細かいところの成功や失敗体験が、ルーキーにとってのなにものにも代え難い経験になっていること違いない。

公式サイトには書かれなかったけれど、熊日の記者は聞き逃さなかった若手に対する指揮官の”苦言”。それは期待の表れであり、そのベースの部分をキープしなければ、わがチームでの出場機会を逃すのだという”要求”でもあり。そのための叱咤。

結局、終わってみれば清武の不在がそのままチームの勝敗に結びついてしまう現状。八久保に斉藤はもちろん。そして今日の若杉。プレー時間はほんとうにわずかでしたが、このチームがもうひとつ上に行くにはこの新しい”若い力”が台頭してくる他にはないわけで…。選手にとってもチームにとっても、そのめったに巡ってこないチャンスだったゲーム。清川監督はこれを何としてでもモノにしたいと臨んだんでしょうが、それが選手の側からいまひとつ伝わってこなかったのかもしれませんね。