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10月7日(日)
【J2第36節】(えがおS)
熊本 1-3(前半1-1)千葉
<得点者>
[熊]鈴木翔登(7分)
[千]船山貴之(45分)、近藤直也(62分)、指宿洋史(63分)
<警告>
[熊]植田龍仁朗(26分)、小谷祐喜(53分)
観衆:3,936人
主審:谷本涼


20181007千葉

毎週、週替わりで列島を襲う台風。今節も大型の25号が九州に接近し、通過した翌日。台風一過、蒸し暑いコンディションになりました。

先制点を挙げたものの、逆転負け。くしくも前回対戦時と同じ結果になりましたが、今回全ては前半終了間際の千葉のシステム変更にありましたね。ただ、「おやっ?」と思ったのは、渋谷監督が試合後、「後半、相手がシステムを変えてきて、向こうが先に動いた」(熊本蹴球通信)と言っていること。システムを変えてきたのは、前半終了間際。それが紛れもなく船山の同点弾に繋がっている。別の意味があるのかも知れませんが、もし見誤っているとしたらコーチを含めたベンチ全体の責任ということでもあり・・・。

前半始まってすぐの鈴木の先制点は、アグレッシブな守備の賜物でした。前線から厳しく寄せることによって、ハイラインで知られる千葉にボールを下げさせ、自陣にくぎ付けにした。久しぶりに入った片山や、中山の鋭いえぐりからCKのチャンスが何度もありました。

しかし、そんな至福の時間も長くは続かず…。

4-2-3-1のトップ下で、時にはボールを引き出すために後ろまで降りてきたりしていた船山を、4-3-3の左アタッカーに配置換え。すると前半アディッショナルタイム、ボールを収めた船山が左サイドをするすると仕掛け、相対した小谷を振り切ると、ゴールに流し込みました。どうしても1-0で終わっておきたい前半でした。

前述の監督コメントは、「我々が戦い方を変えたりということも必要だったのではないかなとも思います」と続きます。しかし、なされたベンチワークは、3点目を失ったあと、「自分でナーバスになったのかわかりませんけど、彼のプレーが少し臆病になっていたと思うので」と、小谷を引っ込め水野を入れた。CBの一角には米原を下げました。

ベンチに本職のCBはいませんでしたから、不測の事態は米原でとは決めていたことでしょう。ただ、12試合ぶり、しかも本職でない米原は、長身FW指宿のボールを収める懐の大きさに苦労して再三ファールを犯す。植田がピッチ上でアドバイスを送るも、リズムはどんどん悪くなってしまいます。

千葉の布陣変更は、船山をサイドアタッカーに変えただけでなく、熊本のパスコースを遮断することにもなりました。テクニックのあるボランチの熊谷が、完全フリーでボールを配給し続けました。

ふぅー(ため息)。ここまで読んでいただいて、最近随分監督批判が強くなってきたなぁとお思いかもしれません。ただ、ピッチ上のことはピッチ上の選手たちが解決すべきとはわかっていても、試合途中、途中の変更指示、ベンチワークを期待したい。それらを含めて“サッカー”だと思っているわれわれは、そんな快勝があれば、いくらでも手のひら返しして、褒め称えます。

愚痴っぽく言うなら、今季ホームゲームだけはしっかりレポートしようと決意したわれわれ。しかし、こんな残念な敗戦のレポートばかりで、情けないことに投げ出したい気持ちになりそうです。けれど、ゴール裏のサポーターも一緒かも知れない。ひょっとしたら選手たちも…。

そう思うと、いや待て、やはり応援こそ全て。ハッとわれに返り、気を取り直して、われわれが下を向いてる場合じゃない、選手たちを奮い立たせなければいけない、声を出さなければいけない、と。まだ何も終わっていない。諦めたところが終わり。これまで何度も経験してきたことじゃないか、と。

5月27日(日)
【J2第16節】(フクアリ)
千葉 3-1(前半1-1)熊本
<得点者>
[千]増嶋竜也(34分)、ラリベイ(49分)、ホルヘ・サリーナス(88分)
[熊]安柄俊(13分)
<警告>
[千]清武功暉(90分+4)
観衆:12,440人
主審:吉田哲朗


20180527千葉

前節からのシステム変更で勝利した熊本は、この試合も同じ先発陣でスタート。幸先よく先制したが、前半のうちに同点にされると、後半もピッチを大きく使う千葉に対して徐々にスライドが追いつかなくなり追加点を献上。逆転負けを喫した。順位は16位に後退。

【J2第23節】(えがおS)
熊本 1-0(前半0-0)千葉
<得点者>
[熊]黒木晃平(63分)
<警告>
[熊]上村周平(16分)、黒木晃平(38分)
[千]熊谷アンドリュー(90分+4)
観衆:5,692人
主審:吉田哲朗


いやぁ、色々と身体に悪いゲームでした。うだるような暑さのなか軽い”熱中症”かと思うほど頭の芯に痛みを感じる一方、先制点を奪ったものの、度重なる相手のセットプレーに、胃も痛むという。

まあ、それもこれも、勝利が全てを吹き飛ばしました。これで今シーズン千葉に対しては、1勝1分の勝ち越しです!

3日前の天皇杯浦和戦をターンオーバーで凌いだ熊本は、その中から3バックの一角に小谷をチョイス。その後の選手交代でも、浦和戦での実戦経験が選手起用に生かされることになります。

対する千葉は、熊谷アンドリューをアンカーに置いて、前線には指宿とラリベイ、少し下がった位置に清武という布陣。これについて池谷監督は試合後、「若干、メンバーが予想と違ってややこしさがあったんですけど、うまくオーガナイズできた」(熊本蹴球通信)と、勝因を語っています。

3連勝中の千葉は、混戦の上位陣のなかにあって下位相手に取りこぼせない。試合前のエスナイデル監督は、熊本に対して「前回対戦とは違った印象。攻撃的に来るだろう」と予想していました。

20170716千葉

そのとおり。開始早々左サイドを崩すと、光永がクロス。ファー黒木のシュートはDFにブロックされますが、こぼれ球を今度は左から八久保、抑えの効いたシュートを放つ。しかし、これは千葉GK・佐藤がパンチングで防ぎます。

今節の熊本は、無理して中央を縦パスで通すのではなく、高い千葉のSBの裏のスペースに、パス交換やサイドチェンジで、黒木、光永の両WBを走りこませる狙いのよう。一方の千葉は、身体能力の高い指宿にボールを収めて、そこにラリベイや清武を絡ませる。

千葉のセットプレーが徐々に増えてくる。16分頃の中央からのFK。距離はあったものの清武のキックは、得意の無回転ブレ球。ゴールバーの手前で、スッと落ちましたが、畑がクリア。ナイスセーブ。

ただ、一方的に千葉に押し込まれていたわけでもない。両者球際厳しく、攻守の切り替えの早い、観ていてスリリングな展開。24分頃には、黒木のクロスがDFに当たってバックパスのようになるところを、ニアにいた安が強引にダイレクトで撃ちますが、これもGK佐藤が好反応でクリアします。

前半終了間際には、中盤のプレスからこぼれたボールを安が拾って持ち上がる。左から上がった上里もフリーでしたが、ここはストライカー心理。強引に撃つもDFにブロックされます。

「後半、体力勝負になってくる。どれだけ相手より勝ちたい気持ちを持ち続けれるかが大事」(公式)と、後半選手たちを送り出した指揮官。この亜熱帯のような暑さのなかで走り負けないよう、選手を鼓舞した。「相手のリスタートに絶対負けないこと」も加え。

それに応えるように、むしろ前半以上に千葉のDFラインでのボール回しにハイプレスを掛ける。いや、これは後半特に指示されたのかも知れない。これが後々ボディブローのように千葉を苦しめることに。

長く続いた千葉のCKやFKを、粘り強く凌いだ熊本。まずは60分頃、前線からのプレスを嫌がったキム・ボムヨンの横パスが、まるでクロスのようになり、八久保が頭から飛び込む。これはゴール左にそれますが、スタジアムは大いに沸きます。

すると63分、最後列の園田が右奥へ送った長いパス。千葉・乾がカットするも、猛然とプレスを掛けてきた黒木が視野に入ったのかGKへのバックパスが短い。躊躇せずそのままスピードを緩めなかった黒木。Pエリアまで侵入し、そのボールを奪うと、落ち着いてGKも交わして、無人のゴールに流し込みます。

総立ちのスタンド。暑さも吹き飛ぶ。

この熊本の先制点と前後して、千葉もベンチワークを始めますが、解説の小林氏が試合後言うように、千葉側は「時間さえあれば、いつか点は取れる」という楽観があったかも知れませんね。それほどの得点劇をこれまで演じてきただけに・・・。

指宿に代えてホルヘ・サリーナス。高橋に代えて羽生。町田には船山。もちろん代わって入った選手も曲者ではありますが、それまで手を焼いていた選手たちを”選ぶように”引っ込めてくれて、熊本にとってはラッキー。

それに対して熊本は、全体的に足が止まり始めたとみるや、まず中山に代えてシャドーの位置に三鬼を入れた。上里が足を攣ると無理させず、林をシャドーに入れて三鬼をボランチに回す。これによってチーム戦術も、バランスも維持した。浦和戦が活きましたね。

たびたび襲うセットプレーのピンチも、池谷監督になって変更したマンツーマンによって、責任持って身体を寄せて、相手に自由に撃たせない。「コーナーキック、リスタートの数が多かったので、それだけがちょっと不安材料ではありましたけど、多かった分、みんなが集中できたのかな」(熊本蹴球通信)と、試合後指揮官も言う。

何度もゴール前で敵と交錯し、痛みながらもボールを放さないGKの畑。安定感が備わってきた。

残り時間が少なくなって、千葉はDF近藤を上げてパワープレイ。熊本の最後のカードは、この日Jリーグ400試合出場のセレモニーが行われた巻。やはり”仕上げ”はこの男。4分と示されたアディッショナルタイム、ロングボールに抜け出そうとして熊谷に倒される。いや倒させる。古巣の千葉をイラつかせる。憎らしいほど頼もしい。

時間を考えたのでしょう。安のこのFKが大きく右に枠を外れると、終了の笛。DAZNの画面では監督を含めたベンチのコーチ陣が円くなって抱き合い、喜び合う姿がありました。試合後すぐのDAZNのインタビューで池谷監督は、「スカウティングがはまった」と言って、コーチ陣を褒め称えることを忘れませんでした。

攻撃力、得点力を自負する千葉を相手に完封です。しかも、苦手としていたセットプレーが続いていただけに、終始ドキドキさせられました。この勝利で熊本はホーム2連勝。勝ち点が22となり、前日の勝利で山口に抜かれていた順位も再び逆転。なにより降格圏の2チームとの勝ち点差を9に広げることができました。

ハードワークの勝利でした。そのハードワークのベースにあったのは、「どれだけ相手より勝ちたい気持ちを持ち続けられるか」でしたが、この試合を観ていると、選手たちがハードワークを苦にしていないように見えた。なんだかまるでそれを楽しんでいるようにも。

「だいぶ変わってきていると思います。また、そういうなかでああいう結果、ああいうシーンが生まれることによって、彼らが走ろうという気になっていくと思うんですよね。成功体験ができたということはすごく良いことだ」。得点シーンを交えながら、そう指揮官も言う。

もはや熊本だけでなく日本中が猛暑のこの列島。この熱い季節をこの戦術で戦い抜くことは大変なことだと、例年思うことなのですが、まずはこの”成功体験”を持ち続けたい。次節は降格圏内の群馬と再戦ですが、ゆめゆめ前回のような不覚を取らないよう。「順位は今、自分たちが上ですけど、チャレンジャーとして戦いたい」「自分たちらしく、アグレッシブにプレーすることが大事」。今日の無失点勝利に貢献したCB村上がそう言うように。ですね。

5月21日(日)
【J2第15節】(フクアリ)
千葉 1-1(前半0-0)熊本
<得点者>
[千]指宿洋史(83分)
[熊]グスタボ(50分)
<警告>
[千]近藤直也(31分)、船山貴之(38分)
観衆:10,068人
主審:大坪博和


惜しかったなぁ…。アディッショナルタイムを入れてもあと10分程度守り切れていれば。熊本はあと一歩のところで連勝を逃してしまいました。

忘れもしない昨年の5月15日。震災で5試合をスキップした熊本が、ようやくリーグ戦に復帰したのが、このフクアリの地でした。今でもあの日の戦いを思い出すと、胸が締め付けられそうになります。あれから1年。変わらぬ黄色一色のスタンドには、あの日と同じ「心は一つ。がまだせ熊本!」の横断幕も。

ホームではいまだ負けなしという千葉。今年は指揮官がファン・エスナイデル氏に変わり、ボール支配にこだわり、より一層攻撃的になっている。ただ、極端に高く敷いたDFラインは、GK佐藤の守備範囲を広くさせ、非常にスリリング。前々節は長崎に5-0で大勝したかと思えば、前節はヴェルディに0-3で敗れるという大波な試合を演じています。

その黄色と緑のユニフォームのプレーヤーのなかに、あの清武がいました。ここまで6得点と、すでにチームの中心選手になっている。

熊本は中3日のスケジュールを考慮し、今節も先発を6人入れ替えました。グスタボ、齊藤、林、村上、片山、園田。

20170521千葉

「ほとんどの試合で支配できている。あとは幼稚なミスをなくしたい」と言うエスナイデル監督に対し、「何とか勝ち点を熊本に持って帰りたい」と清川監督は謙虚な物言い(DAZN)。高い位置からプレスを掛ける熊本は、こぼれ球への反応もよく、グスタボをDF裏へと狙わせる。

徐々にペースを掴んだ千葉が、連続したCKで攻勢を得るものの、ときおり指揮官言うところの“幼稚なミス”もあり。44分、千葉のスローインを奪って前線に一気に送ると、千葉DFが処理にまごつき、グスタボが奪ってシュート。しかしGK佐藤が触って、バーに嫌われました。

つけ入る隙も十分といった感じの前半。DAZNが示す支配率は、前節・岐阜戦と同じように千葉に70%を持っていかれていますが、なぜか前節ほどドキドキせず見ていられる。

後半、千葉は船山に代えて菅嶋、アランダには町田と一気に2枚替え。ギアを上げてきた。開始早々の47分、左サイド清武からの低いアーリークロスをGK野村が弾くと、ファーの指宿に収まる。近距離からのシュートはゴールマウスに立っていた片山がブロック。

すると50分。千葉のスローインを指宿が胸トラップ。戻るボールを更に清武がバックパス。グスタボの飛び出しに、副審はオフサイドの旗を上げますが、主審の笛はない。グスタボは躊躇せずにドリブルで運ぶと、GK佐藤の股を抜いて押し込みゴールが認められる。

騒然とするスタンド。オフサイドの判定を求める千葉の選手たちが主審や副審に詰め寄る。しかし、これは千葉の選手たちのセルフジャッジ。主審はよく見ていました。

熊本は疲れのみえる巻に代えて安。「前で行かずに、相手を少し引き込んだら、プレスがはまりだした」(熊日)と村上が言うように、失点から浮足立った千葉に対して熊本がはめ込み、前線の安に収まれば追加点のチャンスもという展開。

72分、カウンターから林。グスタボに預けてもう一度もらい直すとGKと1対1。浮かせたシュートは、しかしポストのわずか左。このシュートが決まっていれば…。

この攻勢なら行けると思ったのは当然だったかも知れません。熊本は齊藤に代えて上村を投入すると、5-3-2の布陣に変更。中央突破も許さず、クロスも中で跳ね返す。

しかし83分、左から町田が入れたボールを指宿が収めて植田を背負ったPエリア。思わず「反転させるな!」と心の中で叫びましたが、右足を振った指宿のシュートがゴールに突き刺さります。

勢いに乗った千葉がそれ以降も攻め続け、勝ち越しを狙いますが、なんとかそこは守り切った。熊本も得点を諦めてはいませんでしたが、痛み分けといえるドローで終わりました。

「フクアリではいつも以上の力が出る」(DAZN)と戦前語っていた巻は、「最後は相手のスタジアムの雰囲気にのまれた」(熊日)と言う。しかし、もうこの一方的なアウェー感での千葉に対する苦手意識も随分薄らいできています。それは、あの記念すべき試合の場所であり、あの横断幕のせいもあるかも知れない。

赤いサポーター集団の前に挨拶に行った清武に、熊本時代のチャントが贈られる。「きよ・たけ!アレ!アレ!アレ!」と。まさに千葉の中心プレーヤーになっていましたが、今日は相対する黒木に手を焼き、決定的な仕事はできませんでした。

勝ち点2を失ったにもかかわらず、変にサバサバしているのは、前節、前々節の流れから「戦えている」という実感が伴ってきたからかも知れません。順位は18位のままですが、決して悪い内容ではないぞ、と。

【J2第29節】(うまスタ)
熊本 3-0(前半1-0)千葉
<得点者>
[熊]平繁龍一(31分)、岡本賢明2(54分、74分)
<警告>
[千]近藤直也(69分)
観衆:4,538人
主審:野田祐樹


分が悪いというか、苦手というか…。ここまで相性の良くない相手はなかなかいない。この勝利の喜びを、どんな言葉で書き始めればいいのか。過去「勝ったぞー!千葉に」と喜びを爆発させたこともありましたが、この試合のMVPたる岡本の「一喜一憂してはいけない」(熊日)というコメントを受け、少し冷静に書き始めようかと思います(笑)。

今日も日中37度を越えた熊本は、まとわりつくような暑さ。しかし、先週と比べるとスタンドでは風を感じ、キックオフ後はその風もやや強くなり、熱気を吹き飛ばしてくれました。果たしてピッチ上はどうだったでしょうか、今日も試合中に飲水タイムが設けられました。

CBに植田、右SBは藏川、左が黒木。ボランチにキムテヨン、左SHに嶋田、2トップの一角に平繁と熊本は布陣を変えてきた。対する千葉は、前節北九州を下し、長谷部監督に代わって3試合目にして初勝利。その勢いを保つように九州に居残り、この試合連勝を狙います。

20160814千葉

試合の入りから、熊本は非常に良かった。ボールを貰ったら前を向くという意識。多少のリスクを犯しても前へパスを付けるという意識。判断の早さ。サッカー脳が冴えているという感じがします。前の試合とは全く違う。

パフォーマンスを嘆いたあの1週間前の長崎戦。あるいは凌いでドローにした前節・水戸戦から中2日。清川監督は、どんな”魔法の言葉”を使って、選手たちのメンタルをここまでにしたのかと思いました。しかし、それは魔法ではなかった。「今週はなか2日ですけど、やっぱり前線に良い形でボールを入れて、そこから仕掛けようということを少し、全体で意識した」(九州J-PARK)という指揮官。短い時間の中で修正してきました。

ボール回しのうまい千葉にプレスを剥がされるのを嫌ってのことでしょう、守備ではあまり無用に食いつかない。ブロックをしっかり敷いてスペースを消し、チャレンジ&カバーを徹底。ロングボールの対応でも、セカンドがうまく拾えていました。

ボールを大事にする千葉はもともと遅攻の傾向はあるものの、熊本のここぞというハイプレスを嫌がり後ろで回す。そうすると熊本DFは、ラインをきっちりと上げて行く。陣容は常にコンパクト。千葉に持たれてもチーム全体が落ち着いて対処しているのがわかります。そしてやはり清武。一瞬でも狙える隙があればシュートを打つ。相手ゴールに向かう、戦う姿勢が序盤で熊本のリズムを作っていましたね。

先制点は31分。キムテヨンからの長くて早い縦パスを、嶋田がセンス良くワンタッチで清武に付けると、清武はワンテンポためて(多分、相手DFは清武が自分で打つイメージが半分以上あったのでは)左から裏を取ろうとしていた平繁に絶妙のスルーパス。相手DFも入りますが、これを平繁がきっちりとゴール右隅に蹴り込みます。久しぶりの得点にジャンピング・ガッツポーズ。テヨンが入れた攻撃のスウィッチ。嶋田と清武、平繁が描いたゴールへのイメージは繋がっていました。

その後も熊本の攻勢。惜しい場面が幾度もありますが追加点が取れない。1点のリードでは、どうしても前節を思い出させて、われわれを不安にさせます。

最大の課題は、前節書いたとおり「後半の入り方」。ハーフタイムで指揮官も指示したように、開始から15~20分頃までの戦い方でした。千葉はボランチの佐藤に代えて町田を前線に入れてくる。前回対戦時に2点奪われた嫌な相手。

しかし今日はDF陣がきっちりと対応。千葉のCKから、作り直して町田が右から入れようとするがテヨンがカット。

とにかく15分まで凌ごう。われわれが、何度も電光掲示板の試合経過時間をチラチラ確認していたときでした。54分、千葉・船山の持ち上がりを園田がカット。高柳、嶋田、清武と素早くパスを繋ぐ。ゴールを背にして受けた清武は左から上がった岡本にヒールパス。一気に前が空いた岡本が、エリア内に侵入すると豪快にゴールに突き刺しました。

再び流れるようなコンビネーション。苦手な時間帯での追加点は、主将・岡本の初ゴールでした。

さすがにそこからは千葉も猛攻を仕掛けてくる。しかし、熊本は粘り強い守備で対応。アタッキングサードでのパス回しをカットする。身体を張る。最後はGK佐藤が素晴らしい反応で弾き出す。

千葉ともなれば、わずかな時間でも2点をひっくり返す力はある。しかし、この日の千葉の攻撃はどうも淡白な感じがしないでもない。連戦の疲れか、はたまた連携の粗さか。

すると74分、右サイドからパスを受けた清武が、今度はワンタッチで浮かせて岡本に裏を取らせる。岡本は胸トラップからゴール右に侵入。シュートモーションから一度切り返すとDFも振り切られる。落ち着いて3点目を流し込みます。

まさか(と言うと失礼ですが)、あの千葉相手に、流れのなかから崩して3点先取。あと欲しいのは完封でした。中山、八久保と交代カードを切っていた熊本が、最後3枚目に切ったカードはFW齋藤。しかし、これはカウンターからの駄目押し追加点の狙いもありますが、セットプレーのピンチでの高さの補充もあったのではないでしょうか。攻撃も、守備も。

そして手にしたクリーンシート。シュート数は熊本19に対して千葉も14。壮絶な打ち合いともいえる数字。これを零封したのですから見事です。

課題だった後半の入りを粘りで克服。そしてカウンターで追加点を奪うという理想的な試合展開になりました。3得点とも清武のアシスト。平繁も岡本もここから乗っていきたい。清武はここのところマークが厳しくなってきているので、この二人の得点はチームにとってもいい方向。競い合って得点してほしい。

そして、古傷のある岡本も、とうとう90分間最後まで走り続けた。「厳しい戦いが続いて、自信を失う時もありましたが、今は自信をもって、コンディションも問題ないので、結果を求めていきたい」(公式)と言う。そして「ニュースで熊本地震から4ヶ月とやっていて、すごく早いのか、遅いのか、分からないが、自分達はサッカーで盛り上げることができるので、熊本で盛り上げていきたい」とも。

そう、ちょうど震災から4カ月の日。そして奇しくも相手は3カ月前に、リーグ復帰戦を戦った千葉でした。

前回対戦時から、何が熊本は違ったか?と記者に問われた敵将・長谷部監督は、「コンディションがだいぶ違うのかなと感じました」と応えた(九州J-PARK)。「前回対戦の時は、トレーニングもきちんと積めていないなかでの試合だったと思います。今日は生き生きと、連戦のなかでも全員がボールに対して、ゴールに対して、アグレッシブにプレーしていた」と。

清武も、「あれから僕らも試合を重ねてきたので、今日は同じコンディションで戦えて」と言う(九州J-PARK)。しかし、「前回の千葉戦が僕らのスタートだったし、あの時負けていたので今日は借りを返そうという気持ちで入って」とも言うように。同時に、清川監督がどこのインタビューかは忘れましたが、「次々に試合がやってきて」と、この復帰後3カ月の戦いの日々を表現したように・・・。

当然、あの時と今ではコンディションが違う。しかし今日、選手たちの足を最後まで動かしたのは、対戦相手が、あの”リスタート”の相手、千葉だったせいも大いにあるかも知れないなと。

あの日は、どんなにもがいても身体が思い通りに動いてくれなかった歯がゆさ。足が攣ってしまって走れなかった悔しさ。調整不足という戦う以前に見えない敵がいた。もちろん千葉は圧倒的に強く、容赦しなかった。それもありがたかった。復帰戦は嬉しかったが、現実を突きつけられた。それでもそんな言い訳は誰も口にしなかった・・・。

次々にやってくる試合のなかで、あの日の悔しさを忘れていたとは言いませんが、それどころではない連戦の日々でもありました。しかし今日、3カ月たって千葉との再戦を迎えて…。思えば、あのゲームは、熊本にとってまさしくリスタートであり”原点”ともいえる、メモリアルな試合だったんだなと。だからこそ、この勝利は熊本にとって、単なるリベンジとか快勝といった言葉では説明できないものがあります。

「あの日からの絆は永遠に…」。今日はそんな横断幕を掲げてくれた千葉サポーター。岡本の「すごく早いのか、遅いのか、分からないが」という言葉のように、われわれにもあの震災の日から4カ月、リーグ復帰から3カ月の怒涛の日々が思い起こされました。そして今日も、久々の勝利に浮きたつ感情もやがて収まってしまうと…。やはりあの試合のエントリーのタイトルと同じですが、そんなサポーターへの思いも含めて改めて言いたい気持ちです。「ありがとう千葉」