6月10日(日)
【J2第18節】(水前寺)
熊本 0-1(前半0-1)福岡
<得点者>
[福]森本貴幸(31分)
<警告>
[熊]米原秀亮(6分)
観衆:5,118人
主審:小屋幸栄


首位を争う福岡をずいぶん苦しめたのですが結果は敗戦。3連敗を喫し、順位もずるずると18位まで後退してしました。

熊本はミッドウィークに行われた天皇杯でのいい内容を踏まえて、そのエッセンスを加えたスタメンで臨みます。前3人は変わらないものの、左のWBに片山、ボランチの一角には田辺。そして試合の途中からのポジション変更はこれまでもあったものの、今節はスタートから黒木をCBの右に置いてきました。

20180610福岡

渋谷監督の黒木への信頼は相当厚いと前々から感じていましたが、この試合後のインタビューでも「常に相手にとって嫌なプレーを選べるしキックの技術もあるので、特に前半はチャンスもありましたし、後半のビッグチャンスが生まれる前も、彼のところからの発信が多く、彼から行って左サイドからクロスとか、そういう部分はたくさんあった」「狙い通りの攻撃がたくさん生まれていた」(熊本蹴球通信)と誉める。チームのキーマンでした。

オーソドックスな4-4-2の布陣の福岡に対し、3-4-3のミスマッチを作る熊本でした。あまり激しくプレスに来ない福岡でしたが、その代わり熊本のパスコースを読んでいるかのように中盤で奪われる。熊本側のパスのずれも見逃さない。

30分、中央のパス交換からドゥドゥが抜け出しPエリア侵入。右足アウトで素早くシュートしますが、これはGK佐藤が好セーブ。事なきを得ます。しかしすぐ後、ドゥドゥがドリブルで運ぶと右から追走してきた森本にパス。青木が対峙していましたが、股抜きシュートを恐れた青木が足を閉じた瞬間を狙ったように脇を抜く。技ありのシュートは佐藤の伸ばした手も届かず、ゴール左隅に転がり込む。

堅守を誇る井原・福岡は、ここから本領を発揮して守り抜きます。その立役者となったのは、大津高出身で、熊本の澤村GKコーチの教え子でもあるGK圍でしたね。

53分頃。片山のアーリークロスに皆川のヘディングシュート。これを片手一本でナイスクリア。64分頃には、片山から入ったグラウンダーパスをニアで受けた安がうまく反転してシュートするも圍がナイスセーブ。続いて右の田中から入れ直したクロスに安のヘディングでしたが、これもはじき返しました。

一度ナイスセーブしたGKが“当たってくる”という表現をしますが、やはりこの男を“当たらせて”しまった。

熊本も伊東、高瀬、池谷と入れて攻勢を掛けましたが、最後まで点には結びつけられませんでした。

「天皇杯と今日のゲーム、この2試合は本当に悔しい試合」(同)と渋谷監督は総括しました。内容に手応えがあっても、ゲームには勝てなかったことへの悔しさということでしょうか。「1つのミスが失点に結びつくんだということを今日も学んだので、こういうことを無くしていかなければ、勝つこと、自分たちが勝利を掴み取るということは難しい」と。

わずかな差のようで、それがこの節で首位に立った福岡との実は大きな“勝ち点差”なのかも知れません。「それはトレーニングでしか解決できない」と指揮官はきっぱりと言い切る。それは果てしない“作業”なのかも知れませんが、選手たちには「がんばれ!」と言うしかないところです。

9月18日(月)
【J2第33節】(えがおS)
熊本 1-1(前半0-0)福岡
<得点者>
[熊]嶋田慎太郎(73分)
[福]ウォン・ドゥジェ(69分)
<警告>
[熊]園田拓也(86分)
[福]岩下敬輔(64分)、亀川諒史(88分)
観衆:5,202人
主審:三上正一郎


その瞬間、思わず椅子から腰が浮きました。時計は後半アディッショナルタイム。もうほとんど時間がない。最後に両チーム、オープンになった展開のなかで、中盤のチェイスから嶋田が拾って左へ運んで奥から柔らかいクロスを上げた。ゴール前にはグスタボ。ヘディングは、しかし、バーに当たると直下に落ちる。ゴールは認められず、勝ち越しを逃しました。

20170918福岡

台風18号の影響で、1日延期になったこの試合。熊本は安と嶋田の2トップで臨みました。「前に2枚置いて、オーガナイズを変えたなかで先制できれば」(熊本蹴球通信)というのが池谷監督の狙い。入場時は、前節で右膝前十字靭帯を損傷し6カ月の加療が必要となって戦列を外れる村上を思い、全員が背番号6のユニフォームを上から羽織って気持ちを統一。勝利を目指します。

しかし蓋を開けてみれば、思いのほか守備がはまらない。

福岡はウェリントンが、前節の愛媛戦での悪質行為で2試合の出場停止。これが発表されたのが15日。「(ウェリントン)対策でスタートしたので少し拍子抜けした部分はありますけど、逆に嫌なタイプが来た」(熊本蹴球通信・池谷監督)という面もあるかも知れません。前線には仲川、坂田。2列目に石津と山瀬。5試合勝利から遠ざかっている福岡。すでに長崎が大分を下して暫定2位に浮上していた。ここで熊本にしっかりと勝利して自動昇格圏の2位を取り戻しておきたいという気持ちは強かったでしょう。サポーターも多くが駆けつけ、ゴール裏を青く染めました。

前半は全くボールを保持できない時間帯が続きます。福岡の大きなサイドチェンジが続き、スライドで走らせられる。

前半唯一のシュートは、左45度からの安のFK。低い弾道で壁の右を通過するもGK杉山のパンチングに阻まれました。

前半を終えてすぐのDAZNのインタビューで「ランニングが必要になってくる。脇を取られているので若干の修正が必要」と語った池谷監督。後半から2トップを止めて、これまでの5-4-1に戻します。その効果もあって、熊本もセカンドボールが拾えるようになり、ボールを縦に入れ、カウンターの形も増えてきた。

58分のカウンター。中山から右の嶋田へ。嶋田が中央PA内の安にパスすると、更に詰める。安のトラップを入れ替わって奪うように近距離からシュート。これはGKにクリアされます。惜しい。

しかし逆に69分。福岡は途中交代のジウシーニョが、スローインを右サイド奥で粘ってマイナス角度でニアに入れると、上がってきたウォン・ドゥジェが右45度から打つ。植田が足を出して当てたものの、これが逆に災いして、ボールは高く上がってGK畑、DF小谷の頭を越え、ゴール左隅に吸い込まれてしまう。後半も半ばを過ぎた嫌な時間に痛い失点。

ただ熊本もすぐに取り返す。サイドチェンジぎみに左の片山にパスが通ると、中の状況を見極めた片山が持ち直してドリブル。これをジウシーニョが倒して得たPKでした。

嶋田がボールを持って離さない。ちょっと助走が短かすぎないかと心配したのですが、GKの逆を突き、鋭いゴールを決めます。同点。

一気に勢いづいた熊本に反して、福岡は三門に代えて前線に松田を入れて”勝ち越したい”。ここから、5試合勝てていない福岡のメンタルがマイナスに働いた面もあるかも知れません。

熊本は片山に代わって入ったアビスパの下部組織育ちの光永が、挨拶代わりのように左サイドを抉り、DFを交わして躍動。しかし、片山もそうでしたが、どうも最後のクロスの精度が甘い。

そして最後はオープンな展開のなか、冒頭書いたような決定機を外すと、熊本vs福岡戦、バトルオブ九州の一戦は、ドローに終わりました。

後半、かなり攻勢を得た時間帯もあったのですが、90分間を通してみたら、両者の今を象徴するような内容、結果ではなかったかと。

ただ指揮官は、「押し込むことは後半できていたので。最後まで走るとか戦うとか、そういうところはできるようになって、上のチームとやっても粘り強く戦えるようになったことは、自信として持っていきたい」(熊本蹴球通信)と言う。引き分けが続くなかでも、「どっちに転ぶかというゲームも多いので、そういうゲームがやれていることをプラスにとらえたい」と。

この積み上げた勝ち点1で、足踏みした19位讃岐との差は1に縮まり、下の山口とは5の差に広げました。前節のエントリーで書いたように、まさにこの状況では勝ち点1を積み重ねるサッカーがベースになるということ、そのものでした。

われわれにしては、PKとはいえ、久しぶりに自チームの得点が見られ、そのときにタオルマフラーを思い切り振れたのは、何よりの”吹っ切れ”感がありました。得点は何よりの”良薬”かも知れない。

しかし、指揮官は記者に問われて改めて応えます。「選手とも確認しているのは、残り9試合も最後まで(この状況は)続く」のだと。

それはすでにわれわれも覚悟を決めたこと。この試合の勝ち点1を見届けて、スタンドに挨拶に来た選手たちに、大いに拍手を送ったものでした。“次は勝てるぞ”、“絶対に負けないぞ”、という応援の気持ちを含めて。

3月19日(日)
【J2第4節】(レベスタ)
福岡 2-1(前半0-0)熊本
<得点者>
[福]冨安健洋(54分)、ウェリントン(76分)
[熊]巻誠一郎(66分)
<退場>
[熊]黒木晃平(73分)
<警告>
[福]石津大介(83分)
[熊]上里一将(68分)、グスタボ(83分)
観衆:9,008人
主審:廣瀬格


「自分の名前を呼ばれた時に福岡の皆さんも拍手していただいたので、すごく嬉しかったです」(熊本蹴球通信)。福岡の下部組織で育ちトップ昇格した光永にとって、この”古巣”との対戦は待ち望んでいたものだったでしょうが、けれど、まさか自分がCBというポジションでレベスタに立つとは思ってもいなかったでしょうね。しかし、緊急避難的とはいえなかなかどうして。ニューイヤーカップからの実戦経験もあってのことか、あの福岡のFWウェリントン相手に一歩も引かない堂々とした戦いぶり。そして、この日の熊本の得点の起点まで作りました。

戦前、「厳しいゲームになることは予想できる。どこまで身体を張れるかが勝負になる」(DAZN)と言っていた清川監督。序盤からそれを体現する熊本の選手たちの姿がありました。前から猛烈なプレッシング。後ろも連動した組織的な守備。そもそもこれが熊本の持ち味でしたが、開幕から3試合はこれが”はまらず”、課題を残していました。

しかし今日の熊本は見違えるほど出足が早い。二人、三人でボールホルダーに詰め寄る、奪う。奪いきる。J1を1年で降格してきた福岡も、今季はよりポゼッションを目指していますが、切り替えの早い熊本に手を焼きます。

前節と同じ布陣となった巻と八久保の2トップもはまっていました。巻が収める。頭で反らしたところに八久保や嶋田、林が飛び込む。そんな巻の存在感を、福岡のDF陣が煙たがっていたのは間違いないでしょう。

20170319福岡

12分頃だったでしょうか。中盤でのボールへの競い合い。頭で競りに行った巻に対して、福岡・岩下のハイキックが完璧に顔面に入ります。もんどりうった巻が動かない。目も開けていない。急きょ安とグスタボにアップが命じられます。

結局、巻は血の滲んだユニフォームを着替えて、ピッチに戻りますが、しかしこの岩下の危険きわまりない(ひょっとしたら巻の選手生命まで奪いかねない)プレーに対して、何のカードも示されなかったのは何故なのか。にこやかに試合を再開する廣瀬主審。理解に苦しみます。

前半から左SB・片山からの攻撃がいい。右サイドで粘って繋いで左に大きく展開。片山からのアーリークロスにファーの巻のヘディング。これはGKがセーブしますが、非常にいい展開。押し込む熊本。

40分には片山が上がって、アーリークロス。福岡DFのクリアが右へ。林が拾って、巻くように撃ったシュートはGKの手が届かない軌道。しかし、ゴールマウス直前でDF富安のヘッドに阻まれます。

逆に福岡は前半終了間際、石津からの右CKにウェリントンのヘッドが炸裂。しかし、これはバーに当たり難を逃れました。

「やろうとしていることはできた。後半それをより一層強めていきたい」(DAZN)と前半を振り返った清川監督でした。後半は、開始早々から攻守の切り替えが更に早い、見応えのある試合展開になります。

そんな中、福岡に与えた右CK。ファーのウェリントンに飛んだボールには対処したものの、そのヘディングが中央にいた富安に繋がる。フリーでヘディングできた富安。ゴール左ポストに当てるとボールはゴールに転がり込みます。福岡が均衡を破る。

熊本は八久保に代えて安を入れました。開幕戦で2得点の安は、臀部の負傷でここ2試合を欠場していた。満を持しての投入でした。対する福岡は松田をポッピにスウィッチ。

すると66分、ボール保持から左で光永が持ち上がっていきスルーパスを送る。「ボールを受けた時にプレッシャーに来る選手がいなかったので、顔を上げながら運べて、パスコースが見えました」(熊本蹴球通信)という光永。その先にいたのは片山。追いついてサイドをえぐる。柔らかいクロス。ファーで巻が動きなおす。福岡DFのブラインドからマイナスぎみになったクロスを頭を振ってゴール右に押し込みます。同点!

顔に入った岩下のキックによって、唇も顎も腫れていました。おそらく口の中も切っているに違いない。それでもこのチャンスに懸命に首を振った。ゴールのあとに片山としっかりと抱き合う。しかし痛みもあって、言葉を発せられなかったに違い有りません。

69分には逆転のチャンス。嶋田が右サイドの黒木に通すと、低くて早いシュート性のグラウンダーのクロス。誰かが触ればというところでしたが、抜けていきます。

同点にされた福岡は、ボランチ・ダニルソンに代えてFW坂田を入れる。熊本は殊勲の巻に代えてグスタボ。

しかしそのすぐ後、前がかりになっていた熊本。福岡の大きなキックに園田がかぶって、それを拾ってポッピが運ぼうとするところ。抜ければGKと1対1。横から黒木がスライディング。しかしこれが決定機会阻止として一発レッドカードが示されます。

一人少なくなった熊本。右SBには村上が下がり、中盤は上里を底辺にした3枚に。その直後、連続した福岡のリスタート。左CKのクリアを拾った福岡・石津がクロスを入れる。大外に構えていたのはウェリントン。高い打点のヘディングで押し込む。落ち着かないところを突いてきた、福岡の”勝負強さ”が感じられました。

熊本は嶋田に代えて齋藤を入れ、4-3-2に。アディッショナルタイムのFKのチャンスには、前節と同じようにGK佐藤も上がりましたが得点できず。敗戦の笛を聞きました。

いつも以上に悔しさがにじむ敗戦でした。それはバトルオブ九州だからということもありますが、手応えを感じる内容だったのにもかかわらず勝負には負けたこと。あるいは、あれほどの傷を負いながら同点弾を決めた巻の意地が報われなかったことか・・・。

しかし、敗戦のなかでは忘れ去られがちになる自チームの得点のなかで、今日の巻の得点だけは、きっとずっと忘れられないものになるだろうとも思いました。

【J2第33節】(うまスタ)
熊本 0-1(前半0-0)福岡
<得点者>
[福]ウェリントン(83分)
<警告>
[熊]シュミット・ダニエル(82分)
[福]三島勇太(12分)、ウェリントン(52分)、末吉隼也(88分)
観衆:10,142人
主審:井上知大
副審:山村将弘、櫻井大輔


悔しい敗戦でした。全体的に熊本が押しに押していたんですが、まるで蜂の一刺しのようなワンプレー。PKでの失点の前に膝をつきました。

「最終ラインと最前線に力を持っているんで、そこの撃ち合いになると苦しくなる」(九州J-PARK)と福岡を警戒していた小野監督。前回対戦はまだリーグ序盤戦の3月。開幕から連敗中の福岡が、ロングボールを仕掛けてきてそれにお付き合い。自分たちのサッカーができなかった試合。そしてその勝利から福岡は連勝街道に乗り、現在4位に位置している。

今日も福岡は守備の際は3バックに両サイドを加えスペースを消す。前線には186センチのウェリントンという高さも加わっています。それに対して熊本は過密日程の3連戦のなか「戦術的な面とコンディション面のローテーション」(小野監督)を考慮して、トップ下に岡本、サイドに藏川、CBに前節同様園田を入れて、鈴木をSBに回します。ちょっと守備的な布陣なのかなと戦前は思いましたが、「間をしっかり取って行ってこちら側がゲームを支配していく」“地上戦”を展開するためのものでした。

20150923福岡

「前節うまくいかなかった」と反省しきりだったボランチの上村が、今日はセカンドボールをよく回収し、チームプレスから敵ボールを奪っては前を向き、散らす。アンカーよろしく動き回る上村のおかげで高柳が高い位置をとれる。齋藤のポストプレーが光り、その高柳と岡本がアタッキングサードを脅かす。

ただ、ゴールネットが揺らせない。

30分には齊藤が落として高柳から嶋田。嶋田が返したところを高柳のダイレクトボレーは枠の上。続いても嶋田がドリブルで右サイドを上がってエリアに侵入すると、中央の岡本にパス。これを更に左の藏川に渡したパスがカットされる。

前半、終わりごろからでしょうか。ちょっと“攻め疲れ”といった印象も受けた熊本。GKダニエルに言わせると「ボールは回っていたというより、回させられてたという感じもしました」と。福岡はこの最終ライン3バックで凌げるという相当の自信があるのでしょう。

熊本としてはこの攻勢のバランスを崩すのが怖かったでしょうね。交代カードは難しい判断でした。岡本が足を攣ってしまったのは予想外だったでしょうが、中山に代えると、待ってましたとばかりに城後を入れてきた福岡。「前半は守備から、後半に攻めるというプラン」(福岡・金森)。これが反撃の狼煙だったのかも知れません。そして続いて平井。いずれもFWのカードを切ってくる。

それでも足を止めず拮抗した展開に収めていた熊本だったのですが、福岡GK中村からの一瞬の素早いロングフィード。前線で競ったウェリントンに「本来カバーに行く選手が競ってしまって、後ろが誰もいなくなり」(ダニエル)、ボールが金森に収まるとエリアに侵入。これを倒したダニエルにイエローが示され、PKをウェリントンにきっちり沈められてしまいました。

熊本はその前に藏川に代えて清武、失点後も前線に巻を投入したのですが、今の福岡には1点もあれば十分。終了間際にもFW中原を入れて牽制すると、3度あった熊本のCKのチャンスにGKダニエルも上がって参戦しましたが、それも凌ぎ切り、敵地で勝ち点3をもぎ取ることに成功しました。

ちょっと唖然として終了のホイッスルを聞きました。これが井原監督の作り上げた今の福岡。凌いで凌いで、後半攻撃的カードを切って仕留める。こちらは全く崩されたという実感がない。

しかし結果は結果。凌いで凌いで、凌がれてしまった。およそ戦術的とは言えないような福岡のゲーム運び。この結果は福岡という対戦相手より、むしろ自らに敗因があるような。今の熊本、戦術的にはっきりとした形が見えていて、そこから先は、良くも悪くも齊藤という攻守の中心選手がいて、そのパフォーマンスが勝敗のカギを(少なくとも半分くらいは)握っているというのが現状ではないでしょうか。しかし、心なしか、その動きが冴えない、ように見えました。それは齊藤個人のプレーと同時に、チーム全体にも波及してしまっているような。
しかし、その斉藤のコンディション問題を補える可能性を持っている嶋田のプレーぶりも、やや壁に当たっているような印象がありました。あれだけの視野、技術を持っているのに、もっともっとタテに、速い判断があっていいのではないかと。失礼な言い方かもしれませんが、昔の悪いときの中村俊輔、みたいな。

ちょっと心配性過ぎますか。

いつにも増してゴール裏を青く染めた福岡サポーターの勝利のチャントが鳴り響く。それも相当な声量で。最後は「井原!井原!」という監督のチャントまで。試合前からその福岡サポーターのゴール裏から繰り出される力強いチャント。メインにもバックスタンドにも、青いレプリカユニフォームの人数を見るにつけ、否が応でもわれわれのボルテージも上がっていたところでした。それは同じ九州のチームでも、大分でもない、北九州でもない、長崎でもない。どことも違った感覚。

九州初のJリーグチームとして発足した「福岡」。長いこと憧れの存在であり、追いつけ追い越せと強く意識してきたチーム。その背中に手が届きそうで届かない。いつまでも鳴り続ける福岡のチャントが、この敗戦を一層悔しいものに感じさせたのは、そんなせいかも知れません。

【J2第4節】(レベスタ)
福岡 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[福]濱田水輝(47分)
観衆:8,361人
主審:福島孝一郎
副審:佐藤貴之、関谷宣貴


20150328福岡

「九州ダービー?そんなのは関係ない。今日は是が非でも勝ちに行く」。試合前に福岡のキャプテン・城後は、そうコメントしていたそうです。(スカパー!より)

開幕から3連敗で最下位に沈む福岡。「前線からのプレスというのは熊本の特長だったので、こっちは少し割り切ってボールを前線に入れていくというサッカーに徹した」(九州J-Parkより)と打ち明ける福岡の井原・新監督。自分たちのスタイルを崩してまでも、熊本対策を敷いてきました。そして「結果が出てほっとしております」と正直な心境を吐露しました。

ニューイヤーカップで対戦した浦和のように熊本のプレスをうまく剥いで繋いでくるというわけではなく、いわば第1節水戸、第2節群馬のように、すばやく前線のターゲットにロングボールを入れてくる。福岡の前線には、今季仙台から完全移籍した中原という長身のターゲットがありました。

ロングボールで押し込まれると、お付き合いしてロングボールで押し戻そうとする悪い癖。選手間の距離が空いていきます。低い位置から攻め上がっても、今度は福岡のプレスに引っかかる。福岡の出足が一歩、一瞬早い。 蔵川も片山も蓋をされ、サイドが詰まってしまう。養父が消えていました。

20分の福岡。鈴木の低い弾道のCKを、ファーから末吉がボレーシュート。バウンドしたボールをGK原がなんとか触ってバーが跳ね返す。その跳ね返りを詰められるが、原が立ちはだかり、触って再びバー。なんとかDFがクリア。さらに続くスローインからイ・グァンソンがバックヘッドで逸らす。後ろからくるボールを坂田が絶妙のボレーシュート。万事休すと思われましたが、これもポストに嫌われ事なきを得ました。

「これは運がある。こんなときはワンチャンスがこちらにある」、とも思っていました。31分、嶋田からのアーリークロスに、常盤がPAで上手に胸トラップで落として持ち込みますが、相手DFに身体を入れられて、シュートはGK神山ががっちりキープ。惜しい。

しかし、エンドが代わった後半早々。福岡左ウィングの阿部からのクロス。中央で中原が左足を振りぬきましたがゴール左に外れる。それが、誰に当たったとも思えなかったのですが、福岡にCKが与えられました。嫌な予感。

鈴木のCKが蹴られた瞬間、城後がニアに流れる。いつものようにゾーンで守る熊本でしたが、一人つられると、その空いたスペースに入ってきたのはCB濱田。フリーのヘッドを決められてしまいます。

結局、この得点が決勝点。福岡も、セットプレー以外はノーチャンスだったのですが、熊本のゾーンディフェンスを研究していましたね。それに対して、熊本のセットプレーはいかにも淡白でした。

後半14分。熊本は前線に起点を加えようと巻を投入しましたが、直後のジャンプの着地で痛んでしまいます。試合展開的にはこれが痛かった。平繁も投入しますが、最後は巻を引っ込めざるを得ないことに…。大誤算でした。

それにしても、蹴ってくる相手に対してどう対処するのかという課題は、依然としてあります。高い位置での勝負に持ち込めず、セカンドボール争いで後手を踏むと、劣勢を強いられる。

そして、敵陣に踏み込んだらワンタッチパスを多用しますが、ここはまだまだ意思疎通が十分ではないようです。もったいないミスが目立ちます。

全体に緩い動きだったといわざるを得ないでしょう。3連敗の福岡に隙を見せてしまった。相手を削る厳しさがなければこんな情け無い負け方になってしまう。

「1節、2節と同じで、自分たちも崩れてしまうところがあるので、そこを乗り切ればチームも成長すると思うので、もう、こういうことがないように、次からやっていきたいです」(九州J-Parkより)。そう養父は答えました。成長過程だと信じて、期待したいと思います。