10月22日(日)
【J2第38節】(えがおS)
熊本 1-1(前半1-0)徳島
<得点者>
[熊]嶋田慎太郎(11分)
[徳]馬渡和彰(54分)
<警告>
[熊]黒木晃平(26分)、三鬼海(64分)、安柄俊(70分)
観衆:7,153人
主審:吉田哲朗


衆院選の開票結果ばかりの23日の熊日朝刊で、スポーツ面を開くと「ロアッソ 価値あるドロー」の見出し。追いつかれての引き分けでしたが、終始劣勢のなかで逃げ切ったとも言える引き分けでしたので、これは異論のないところでした。

九州からは逸れたものの大型台風21号が最接近する時間帯での試合でした。スタジアムのフラッグが強風ではためく。ピッチボードも1枚も設置されていない。深まる季節以上の風冷えに、防寒着が恋しいほどでした。

2019年に予定されているラグビーW杯に向けたスタジアム改修が始まり、照明が全て外されている。そして選手たちはバックスタンド側から入場してきました。

2連勝中の徳島は7位につける。リーグ2位の得点数(攻撃力)でPO圏内はもちろん、まだ自動昇格圏も狙えるポジション。前回対戦時は、ちょうど池谷監督に交代したばかり。「何も出来ずに完敗した」(DAZN)と指揮官も振り返る。

コイントスに勝った徳島は風下を選ぶ。ただ、これまでの経験上でも決して風上が有利とも言えないことはわれわれも知っている。

20171022徳島

開始早々、やはりボールを保持するのは徳島でした。次々と三角形を作ってパスを交換するとバイタルに侵入してくる。奪ってから徳島のDFの裏を狙う熊本のロングフィードは強風に流される。

しかし先制したのは熊本でした。11分、左サイド中盤で三鬼がパスカットすると素早く前の安に付けた。安は出しどころを探すようにくるりと回転すると、左から上がる八久保にパス。八久保がPAに侵入しDFとGKを引き付けたところで打つかと思わせ、中に折り返すと嶋田が流し込むだけ。右足でした。

息苦しいようなゲームの序盤で、鮮やかな崩しからの先制点。タオルマフラーをブンブン回さずにはいられない。

だが、徳島も慌てない。すぐに取り返しにかかります。風の影響もあるのか、熊本はボールコントロールが悪くトラップミスから奪われる。守備は綺麗にセットしているため、徳島の攻撃を跳ね返すが、逆にただ大きく跳ね返すだけで攻撃に転じられません。

「1点のままでは勝ちきれない」。前半を終えるとDAZNのインタビューに池谷監督はそう答えて立ち去ります。

後半風上に立った徳島はこの日、黒木とサイドで激しい攻防を続けていた馬渡を一列上げて3バックにしてきた。何度もゴール前に顔を出す。

すると54分、徳島・カルリーニョスのミドルシュートをPA内でブロックするものの、右へこぼれる。拾った馬渡がプレスに来た嶋田を切り返して交わすとコースが見えた。右足で巻くようにゴール右上隅に同点弾を決めました。

熊本はモルベッキを入れ、2トップにしますがフィットしませんでしたね。どうも動きがもっさりしている。初めて彼をピッチで見たときは、グスタボより瞬間のスピードがあると感じたのですが。もっと八久保を長く見たかった。

その後も安に代えて中山、嶋田には巻とカード切りましたが反撃ならず。しかし、これはむしろ徳島の猛攻に対してなんとか凌ぎ切ったと言える試合でした。

「2点目を取れなかったことが敗因。でも我慢強く守って1点で終えたことはチームの進歩」(DAZN)。指揮官はそう言いました。

一方、徳島の馬渡は、「勝ち点2を落とした」とヒーローインタビューで表現し、ロドリゲス監督に至っては「精彩を欠いた選手が何人かいた」と手厳しい。

置かれた状況の違いもあるものの、この彼我の違いはどこからくるのか。池谷監督が試合後の会見で、「徳島さんの中では、ボールを受けることに楽しさというかわくわく感がある選手が多い。まだまだ、うちの選手はそういう中でボールを呼び込むというか、ボールに触りたい選手が少ない」(熊本蹴球通信)と言う。これはもう、かなり大きな“差”があるなかでの引き分けでした。

さらに言えば、今節21位の山口が勝ち点3を積み上げ、金沢も讃岐も引き分けていたので、結果的にはこの試合の勝ち点1はまさに貴重なものでした。

残り4試合。まだまだ薄氷を踏むような戦いが続きます。

6月17日(土)
【J2第19節】(鳴門大塚)
徳島 3-0(前半2-0)熊本
<得点者>
[徳]馬渡和彰(8分)、山崎凌吾(18分)、渡大生(90分+1)
<警告>
[徳]大崎玲央(69分)
[熊]安柄俊(78分)
観衆:3,873人
主審:西山貴生


20170617徳島

「まだまだ課題が多い」(DAZN)「今日は徳島の圧力に圧倒されたゲームだった」(公式)。監督就任初戦、3失点の大敗という結果を受けて池谷監督は、そうインタビューに答えました。

「組織としてどう守るのかが課題」(DAZN)と指揮官は言う。確かに徳島のハイプレスの前に剥がされて、シュートに耐え切れず失点というパターンは、DFラインの前の部分でMFの守備に問題があり、さらにいえば前線からの守備にも問題があるのではあるが・・・。それにしても最後のところ、GKとDFの連携の部分に目が行ってしまわざるを得ません。

1点目も2点目も、GK野村のパンチングが相手へのプレゼントパスのように転がる。澤村GKコーチは試合後twitterにこうつぶやきました。「弾いた球が仲間に行くか 相手に行くか サッカーはこのどちらかなんだ この差が今季の結果に反映している 」。要はGKの弾く方向とDFとの連携ということなのでしょうが、しかし、徳島GK長谷川のプレーを引くまでもなく、もう少し”弾かない”というプレー選択はないのかとも思います。

失点の場面で選手個々のミスにフォーカスするのはよくないのですが、その前のことを言うと、1点目は徳島のDFラインから押し込まれたハイボールの園田の処理が中途半端で、それを植田がさらにクリアミスして奪われた。2失点目は、中盤で上村が奪われ、そこから持ち込まれて撃たれた。正面にこぼすようにパンチングし、相手に押し込まれた野村が怒っているのは、自身のプレーのふがいなさに対するものなのか、それともカバーしきれないCBへの怒りなのか。

いずれも徳島のプレスが上回ってのこととはいえ、その後も園田や植田が相手に交わされゴールを脅かされるシーンが頻出。それに野村の不安定さが合間って、見ているこちらも不安になる。

何が言いたいかというと、この3人の連携という信頼関係が機能しているのかという心配です。

佐藤の怪我によって、4月29日の横浜FC戦から急遽スタメンとなった野村。あの急造守備ラインを見て、われわれは「野村と畑。ふたりのGKで、もう一度守備ラインを構築しなおすしかない。」と書きました。あれから1ヵ月半。全く安定しない守備は、清川監督解任の”遠因”とも言えましょう。

なかなか勝ちきる試合の少ない徳島も、決して本調子のチーム状態ではなかった。熊本の縦に速いカウンターを警戒しながらも、しかし、このゲームでは3バックで前に人数を掛け、ある意味リスクをしょって仕掛けてきたリカルド・ロドリゲス監督。その術中にはまってしまった熊本。「相手のシステムとこちらのシステムのなかでマッチングできていなかったなかで混乱がおきて、早い時間に失点をしてしまった」(公式・池谷監督)。

後半からは米原を公式戦デビューさせ、3バックに変更。随分ボールが動かせるようになったものの反撃までには至らず。試合終了間際には3点目を献上して、徳島に快勝といわしめるゲームになりました。

「自信を失っていることでプレッシャーがあるとボールが動かせない、イージーなミスも多々ありましたし、ここがチームを改善する大きなポイントになると思っています」(公式)と言う新指揮官。就任からこの試合まで時間もない状態でしたが、ゲーム形式の練習のなかで何度も止め、「ポジショニングもあの辺、この辺ではなく」あいまいさを徹底して修正していたという。

ただ、就任会見ではこうも続けました。「でも最後は個の戦いになるので、どんなに良いポジションを取っても最後は個にやられる、でもそれはすぐに改善できることではありませんが、そこまで突き詰めていこうという話をしました」(公式)。

簡単に変わる、変えられるものでもないことはわかっていたものの。まだまだ、いましばらく辛抱が必要なことがわかった試合でした。

【J2第24節】(うまスタ)
熊本 1-0(前半0-0)徳島
<得点者>
[熊]清武功暉(87分)
<警告>
[熊]片山奨典(45分)、上原拓郎(70分)、佐藤昭大(90分)
観衆:3,701人
主審:岡宏道


うまスタ復帰第2戦となった徳島戦は、中3日のミッドウィークの試合。この節は、J2リーグ全体の日程であり、表面的には相手徳島も条件は同じと言えましたが、繰り返す真夏の過密日程は、じわじわと効いてきますね。

月曜日に梅雨明け宣言があったばかりの熊本の夜は蒸し暑く、両チームの選手たちとも身体が重そうに見えましたが、試合のほうは集中の途切れない、激しい攻防に終始する素晴らしい内容でした。

前々節からリーグは後半戦に入っていますが、前節の横浜FC戦は今季初対戦でした。しかしこの徳島とは震災前に戦い、1-0で下しています。そのリベンジとばかりに乗り込んできた徳島は、目下2連勝中で12位と調子を上げている。清川監督も、「徳島は前回対戦とは別のチーム」(スカパー)と、警戒を怠らない。

熊本は巻の出場停止を受けて、前節連敗を止めたラッキーボーイの八久保を再び先発。平繁との2トップに据えた。ボランチから後ろは変わらないが、SHは岡本、嶋田に入れ替え、そして清武はベンチスタート。

20160720徳島

3-4-3にシステムを変更した徳島は、ボランチのカルリーニョスを中心にボールを散らす。ポゼッションは徳島にありますが、要所でボールを奪うと、熊本も素早いカウンター攻撃で徳島のゴールを襲う。特に、ホーム初お目見えとなった八久保の思い切りの良さには、メインスタンドも沸く。

前半20分頃、PA近くで嶋田がボールを貰うと、反転してゴール左上に巻くようなシュート。バーに嫌われるも、ポストに当たり落ちたボールは、ゴールラインを越えたかに見えましたが、ノーゴールの判定。嶋田もガッツポーズの両手を下ろします。

そんな決定機が何度かあり、その度に決まらないでいると、なんだか嫌な雰囲気を感じてしまうものですが、守備陣も攻撃陣を信じて粘り強く跳ね返している。不思議とやられる感じはまったくなかった、とは同僚の声。

徳島も手をこまねいているわけにはいかず、「相手のDFラインに圧力をかけるには、DFラインの背後を狙うのが大事」(徳島・長島監督*熊日)と、後半17分に渡、そのあともアレックス、前川とカードを切ってきます。それに対して熊本は、エースの清武、スピードの齋藤、そして最後のパスが出せる中山。

息をのむような緊迫した展開。均衡を破ったのは、やはりこの男でした。齋藤が右サイド奥まで持ち込むと中には入れられずマイナスに戻す。エリア内の嶋田が粘って、詰めてきた上原に繋げると、上原は思い切りよく左足を振り抜いた。ちょうどゴール前中央に陣取っていた清武が、それを頭で反らして角度を変える。GKも一歩も動けず、ボールはゴールネットを揺らします。

「オフサイドではないよな?」思わず副審を確認しましたが、その旗は上がっていない。メインスタンドから揺れるような歓声が湧き上がりました。

「ゴールには背を向けていたが『自分のポジションは分かっていた。コースを変えるだけでいい』」(熊日)と瞬時に判断した清武。この試合、徳島のGK長谷川が特に当たっていただけに、その反射神経と一瞬の判断がなければ決勝点は生まれていなかったでしょう。清武がピッチにいるかどうか、そのコンディションはどうか。熊本の戦いのカギは大部分をこの男が握っているのは確かです。

「前半戦1-0で負けたので、今日は2-0以上で勝ちたいと思っている」。倍返しと戦前言っていた長島監督(スカパー)。再び1-0で敗れ連勝にもストップがかかり、忸怩たる思いに違いない。

DF植田はラジオ番組(RKK・VIVAロアッソRadio)で、わがチームについて、「いいときもあるが、悪いときはトコトン悪い。沈みこむと這い上がるのにエネルギーがいる。できるだけ波を小さくしたい」と語っていました。徳島の猛攻にも慌てずにしぶとく対応し、DF陣を統率し、7試合ぶりになる完封勝利に貢献しました。

前節での勝ち点1を次の勝利につなげたいと言っていたのは清川監督。まさしくこのふたつの試合が、再び浮上のきっかけになればと思います。

次節は中3日、金沢でのアウェー戦。移動距離の長い敵地での試合。ほとんど体を休める時間もないでしょう。あらためて各選手のコンディションの見極めと選手起用、戦術の選択。そしてそのなかで清武をどう投入していくか。清川、財前、久藤の3人体制で戦う、コーチ陣の総力戦でもありますね。まさに今シーズンの熊本の正念場に差し掛かってきていると思います。

2016.03.08 徳島戦。連勝
【J2第2節】(鳴門大塚)
徳島 0-1(前半0-0)熊本
<得点者>
[熊]齋藤恵太(83分)
<警告>
[徳]岩尾憲(25分)、福元洋平(70分)、渡大生(73分)、濱田武(88分)
観衆:4,413人
主審:池内明彦
副審:松井健太郎、高寺恒如


勝ちました!開幕2連勝。「クラブ史上2度目のリーグ開幕2連勝」と翌日の熊日にあるので、いったいいつだったかとわれわれの備忘録でもある過去のエントリーを手繰ったら、2011年、開幕戦後に襲った東日本大震災でリーグが中断し、変則開催として再開なった第8節との連勝を指しているようです。あれから実に5年目の春…。

鳴門・大塚スポーツパークでの徳島のホーム開幕戦でした。この鳴門での徳島との対戦成績を上げて揶揄するスカパーのアナウンサー。もちろんわれわれも多少の不安はあるものの、いやしかし、以前の苦手意識もすでに一昨年の勝利で払拭されているつもりなんですが…。

「勝った試合のあとはメンバーをいじらない」というセオリーは、小野監督の頃から熊本にはないものでしたが、清川新監督もまた同じようです。前節から2人メンバーを入れ替え、ボランチに上原、サイドハーフに中山を起用してきました。ベンチには八久保を外して同じニューカマーの齋藤。この齋藤がデビュー戦早々やってくれることになります。

対する徳島は開幕戦で、先制しながら後半ロスタイムで千葉に同点さらには逆転されるという痛すぎる敗戦。しかし、逆に内容には手ごたえがあったのか、先発メンバーは全く触らず。

20160306徳島

前半は五分と五分。やや徳島がポゼッションする時間が長いが、熊本もここぞとのカウンターの好機にはワンタッチパスで繋いで勢い鋭く攻め上がる。

7分、清武がカウンターでエリア前まで持ち込むと、徳島DFがブロック。そのボールがチェイスした上原にうまいぐあいにこぼれた。DFを左に避けた上原。キーパーとの1対1をシュートするも、徳島GK相澤がここは右足に当ててクリア。

22分頃には植田からのパスに嶋田が左から持ち上がってクロス。マイナスぎみのグラウンダーのボールを清武がスライディングで残すと、合わせた上村が抑えた強烈シュート。これも相澤に阻まれます。惜しい。

雨が降ってきた後半、早々に訪れたFKのチャンス。キッカーは清武。放ったボールは壁を越えて落ちるボール。これもポストに嫌われる。惜し過ぎる。

ただ、ホーム開幕戦で勝利を掴みたい徳島もギアを上げてきました。62分には、大きなアーリークロスを熊本GK佐藤がパンチングで跳ね返すも、前に出た佐藤を見て、ダイレクトのヘディングでゴールを狙われる。ここはゴールマウス内まで戻った園田がなんとかヘディングでクリア。

そして、徳島は北九州から移籍した渡を徹底して裏に走らせる。DFが振り切られ、Pエリアに侵入されるも、GK佐藤が横っ飛びでセーブ。その再三の好セーブがこの試合光りました。

徳島が、大崎に代えて内田、山崎に代えて佐藤と、より攻撃的に襲い掛かってきた。そのあとでした。「あまり早く出すと、一発の体力が出るかどうか分からないので、またギリギリの判断」(熊本蹴球通信)で、清川監督が嶋田に代えてようやく後半33分に齋藤を投入。「相手に押し込まれている時間が長かったので、相手の背後にスペースが空くと思っていた」と言う齋藤。するとその齋藤がいきなり見せ場を作る。

中盤で相手のボールをカットすると、一騎駆け上がる。そのスピード。速い! しかしGKと1対1に成りかけたエリア内で、DFに入られクリアされた。そのプレーで得たCKでした。

清武が蹴ったボール。中央で植田が潰れると、うまく齋藤の頭に。ゴールに突き刺さる。相手GKと絡んだ植田のファールを訴える徳島イレブン。しかし主審が示したのは、確実に熊本のゴール。それを確認した清川監督の喜び様が画面に映し出される。開幕戦よりもちょっとだけ緊張が解けていたように見えました。ベンチ全員と喜びを分かち合います。

その後は、前節と同じように全員が身体を張った守備。バイタルエリアに鈴木を入れて。開幕戦に続いてウノゼロの完封勝利。

「連勝したことは選手達にとってすごく力になるし、勝ちたいという気持ちは強くなりますけれども、そこは1回リセットして、1戦1戦をすごく大事にして、トレーニングをしていきたい」(公式サイト)と新指揮官は言う。なんだかこんなところにも前監督の影響を感じるのはわれわれだけでしょうか。

J2デビュー戦でいきなりの結果を残した齋藤。スカパーのアナウンサーは得点の瞬間、「(熊本の)齋藤は和樹だけではない!」と叫びました。

「これから自分が出た時に、どういうことを求められているか、FWなので得点を取るというところをもっと追求して、どんどん結果を出していきたい」(公式サイト)と試合後コメントした齋藤。まだ、受け答えも初々しいばかりですが。

以前、ファビオのことを”褐色の駿馬”などと形容したことがありますが、この齋藤というスピードスターはまるで、中央アジアの大草原を駆け回っている野生馬のようなしなやかさ。俊足だけでなく、ジャンプ力などその身体能力の高さも期待される。熊本は”飛び道具”を手に入れたような気がします。

今節も、新加入の植田と佐藤がきっちりとした役割を果たし、既存の選手からのプラスワンを発揮したチーム・熊本。さらにはニューフェイス齋藤が、起用に応える活躍で結果を残した。ちょうど5年目のあの日を迎える今節に、宮城県出身の彼の得点で連勝したのも、なにかの縁(えにし)でしょうか。

しかし、今節も特に後半、相手に押し込まれる時間帯の対処が課題として残りました。連勝にも「1回リセットして」。指揮官もそこのところは十分に分かっていて、一喜一憂せず、チームの進化を進めていく方針のようです。まだまだ、長いリーグ戦ははじまったばかりですね。

【J2第41節】(鳴門大塚)
徳島 2-1(前半1-0)熊本
<得点者>
[徳]濱田武(33分)、大崎淳矢(66分)
[熊]清武功暉(83分)
<警告>
[熊]岡本賢明(52分)
観衆:4,124人
主審:塚田智宏
副審:林可人、関谷宣貴


この試合後、北嶋コーチは自身のtwitterでこうつぶやきました。

「今日の敗戦で2015年ロアッソのPO進出の挑戦は終わりました。 悔しさよりも、寂しさが強い。 心の中に大きな穴が空いた感じ。 本気で行けると信じてたんだけどな。」

数字上、可能性がゼロではないという状況でしたが、客観的に見れば非常に厳しいことに違いありませんでした。6位を含めた3チームが勝ち点57で並ぶ状況。それに対して勝ち点52。その差5で追いずがる熊本。どこかが勝ったら追いつかない。とにかく勝つしかなかった。しかし、その試合を落としてしまいした。

試合自体は熊本が支配していたと言っても過言ではないでしょう。シュート数は徳島10に対して熊本15。コーナーキックの数も4対13と圧倒している。しかし、サッカーはゴールに入れた数で優劣を競うゲーム。その点でいえば、どんなにいいサッカーをしたとしても、今日徳島に敗れたという事実は変わることはありません。

20151114徳島

熊本は、前節復帰を果たしていい働きを見せたアンデルソンを先発で起用してきました。そして点を決めた嶋田に、久しぶりの高柳を入れた4-4-2。

雨が降り出した鳴門大塚ポカリスウェットスタジアムのピッチ状態は、徐々に悪くなっていく。グラウンダーのパスにも水しぶきが上がる状態に。そのピッチ変化をうまく把握した方が先んじる。スリッピーな状況を利用した方が上回る。

熊本は、養父が上がってのクロス。ニアでアンデルソンがトラップ一発、ボレーシュートは惜しくも左にそれる。続いても養父のアーリークロスからアンデルソンがファーで競る。クリアボールを嶋田が拾ってのシュートは枠の右に外れます。実に惜しい攻撃が続く。

アタッキングサードに入ってワンタッチパスでスイッチをいれ崩す熊本。次々に攻撃の形は作れている。しかし、ゴールを割ることはできない。そんなもどかしい時間帯でした。

徳島が持ったボール。バイタルで回す。左の大崎がチャンスなしとみてマイナスぎみで中に入れると、Pアーク前でそれを濱田が躊躇なくミドルで撃った。シュートはゴール左隅に見事に決まります。ダニエルの伸ばした手も届かず。

徳島にとっては”コストパフォーマンス”に優れた先制点といえましたね。熊本が繰れども繰れどもゴールを割れなかったのに比較すると。

後半開始から熊本は積極的にカードを切りました。高柳に代えてボランチの位置に岡本を入れてきます。そして早い時間帯で同点にするために、押し込む。

齊藤が楔のボールを受けて反転。シュートはGK正面。アンデルソンのポストプレーから嶋田に。このシュートもGK。続いては右サイド嶋田がヒールで戻すと、養父がそれをダイレクトでクロス。アンデルソンがヘッドで繋ぐと、中の清武のヘディング!これも惜しくもGK正面。しかし、連携は出来ている。

次々に、好機を演出している熊本だったのですが、ちょっと”攻め疲れ”があったのでしょうか。津田に代わって入った徳島のキム・ジョンミンが、右サイド濱田からの縦のボールを反転しながらシュート。これはダニエルがゴールラインにクリアしたものの。続く右からのCK。ファーの福元がヘッドで折り返したボール、ゴール前で大崎が反らしてゴールイン。追加点とします。

熊本としては痛恨の2失点でした。しかも、ポゼッションはこちらにあるにも係わらず…。

ただ、前回対戦では2点ビハインドから追いついた。時間はまだある。

熊本は2枚代え。斉藤から平繁。嶋田を下げて上原。その平繁への楔のボールから岡本がミドルでシュート。これは惜しくも枠の上。そして81分。ボックス内へのパスに走った清武を、福元が倒して笛が鳴る。PK!

これを清武自身で、きっちりと決める!1点差に追いすがる。

行ける、まだ時間はある、アウェイ徳島に駆けつけた赤いサポーターのチャントも勢いを増すのが画面越しに伝わります。

アンデルソンから岡本。左の平繁へのクロス。全てがワンタッチ。しかし、ファーのハンジンの前でDFが入る。残念。

思いは届かず。アディッショナルタイム3分も凌ぎきられ。熊本も追いすがったものの、徳島に逃げ切られてしまいました。

この敗戦で、プレーオフ進出の可能性は断たれました。小野監督は「なんとかJ1昇格の可能性を残して、最終戦ホームで戦いたいと、選手たちはその気持ちでしっかり戦ってくれました」とコメントし、キャプテンの園田は「自分たちで立てた目標が、残り1試合を残して消えてしまったのは残念」と言いました。

そう。プレーオフ進出は、選手たち自身が立てた目標でした。

熊本が、初めてプレーオフ圏内の可能性を持って終盤を戦ったリーグ戦は、自らの敗戦のため、残り1試合を待たずして終戦となりました。大宮に快勝し、讃岐を下し、最終コーナーを回ったところから、磐田、C大阪、水戸と。ちょっとつまづいてしまったのが残念でした。

ただ。二度の最下位を経験し、それでも開き直って這い上がってきた今シーズンも、とうとう来週のホーム最終戦で終了。しかし、決して消化試合にはしたくない。何故なら混戦模様の中位の勝ち点差。今季の熊本のがんばりを示すためにも、一個でも上の順位に収まりたい。このまま尻すぼみで終わりたくはない。

「俺たちに残された使命は、最終戦で勝利し、1年間戦ってきてくれたサポーターを喜ばせること」。冒頭の北嶋コーチのtwitterは、そう締めくくられていました。そう。なにより、今シーズンのホームでの勝率の悪さを払拭して、この辛かったシーズンを支え続けたファンに応えて欲しい。まだまだ終戦ではない。

ホーム最終戦。夕暮れのスタジアムのゴール裏で、今シーズン最後の「カモン!ロッソ」を歌いたいものです。