10月13日(土) 13:05 皇子山陸上競技場
佐川急便SC1-0ロッソ熊本

得点者:前半27分 御給(佐川)

京都駅からJR湖西線に乗り継いで約10分。西大津駅からも歩くこと10分程度の距離に皇子山総合運動公園はありました。関西に馴染みの深いサカくま。久しぶりに懐かしい空気を感じました。
メインだけ開放されたスタンドには、赤のサポーターの数のほうが多いくらい。「今日は難敵ロッソを迎え・・・」という場内アナウンスの表現に、逆にこちらもリーグ再開後のこの一戦へ気持ちが高まります。

ロッソのスタメンはGKに小林。DFは出場停止の上村に代わって怪我から復帰した福王、それに矢野のCB。右に市村、左に有村という4バック。中盤は小森田と吉井のダブルボランチに右が松岡、左が西森。FW高橋がキャプテンマークを着け、相棒には今期初先発で町田が選ばれました。対する佐川も同じように4-4-2のシステム。2トップは高さの御給と速さの中村。右には嶋田、CBには景山など、前回対戦とほぼ変わらぬ布陣です。

地元のテレビ中継のためにいつもより5分遅れてのキックオフ。序盤から押し込んだのはロッソのほうでした。先発の町田の持ち味を活かして、福王のフィード、小森田のスルーパスも全て相手DFの裏を狙う戦術。しかし、ここは佐川のDFラインが的確な読みで潰していきます。
いくつかのチャンスをものに出来ずにいる間に、次第にペースは佐川側に・・・。27分、中盤右サイドで奪われたボールをすばやく、前掛かりになっていたDFの裏に出され、そこに御給の飛び出しを許してしまいます。線審までもが”追っかけジャッジ”になってしまったほど、一瞬の反転。オフサイド臭かったのですが・・・。

堅守の佐川に1点のビハインド。ここからロッソには精神的な弱さが見受けられました。そう、いつも悪いときのチグハグ、バタバタした感じ・・・。体制を立て直せず、逆にミスから自陣での戦いを強いられます。こういう時に限って誰からも声は出ず、見ていて皆がナイーブになっっている印象。こんなときこそベテランのキャプテンシーがほしいし、そういう意図の選手交代がほしいところなんですが。

後半に入って松岡から関、町田から小林陽介にスィッチ。相手も定石どおり高さのスーパーサブ竹谷を投入。36分に西森を下げ、喜名をボランチ、吉井を右サイドにシフトして、なんとかロッソは同点引き分け狙い。しかし、いくつかチャンスがあったものの、結局そのまま逃げ切られてしまいました。

福王と矢野のCBは、あの失点を除けば、よく御給と中村、果ては竹谷を抑えきれたと思います。YKKにも似た中盤を含めた完成されたゴール前でのパス回し、攻撃は、相変わらず敵ながら見事で、首位の理由も納得します。それに加え、中盤での寄せが見事に早いこと。まるで12、13人いるような印象。それもこれも、DFラインを高く保つことと果敢に走り続けることで生じる成果。本来うちがやるべきサッカー、栃木戦では出来きていたサッカーを、みごとに相手に見せつけられました。

表題に「後手にまわった」と書いたのは、先制点を奪われたことや、その後の選手交代を差しているのではありません。それは、試合中の選手の動き全体に言えること。
将棋やチェスをする人ならわかると思いますが、相手に先に好手をさされると、次は守りの一手を打たざるを得ません。相手は次も攻勢をかけることができ、こちらは守勢一方。そのまま負けに繋がります。序盤は互角だとしても、どこかで一手のミスがあると、相手に好機を与えることになる。そしてそこからは「後手に回ったまま」の守りの戦い。よっぽどどこかの一手で相手がミスしない限り、反転攻勢に出るチャンスもあろうはずもなく・・・。そんな神経戦。
例えば、せっかくSBが突っかけても、ボールを奪われると、背後には大きなスペースと数的不利を背負うことに。ここから反転して追いかけてもあとの祭り。そのスペースを誰か味方が潰してくれるか、相手がシュートミスしてくれるか・・・。
サッカーは以前も書いたとおり、局面、局地でいかに数的優位を作って戦うかにかかっていると思います。将棋やチェスが、単に碁盤に同数並べた駒の1対1の勝負ではないのと同じように・・・。
そんなことを感じながら関西を後にしました。

さてさて、敗戦は引きずらず切り替えて次にいきましょう。
何やら次節HondaFC戦では、いろいろなイベントも用意されているようですから。
6月3日(日) 13:00 水前寺陸上競技場
ロッソ熊本1-1佐川急便SC

得点者 後半11分 高橋(ロッソ熊本)
    後半20分 景山(佐川急便)

前夜からの雨も上がり、晴れたり曇ったりという天気。風もあり、やや蒸し暑い程度の(この時期の熊本では)過ごしやすいコンディション。

試合開始早々、MF喜名が相手選手に仕掛けたタックルの際に足を痛め、山口と交代。厳しい試合を予想していただけに、攻守の要を失い、また交代カード1枚をここで使ってしまうのも、いかにもつらいものでした。

佐川急便は、非常に高いラインを保ちながら、ロッソの両サイドバックに対して厳しいプレッシャーをかけ続ける。ロッソは思うようにパスが繋げず、ロングボールが多くなる。高橋、北川にも、それぞれDF二枚が行って、ほとんど、ボールが入らない。いい形でボールに触ることができない
また、ロッソの司令塔・小森田にはことのほか厳しいマークで、ことごとく潰されてしまう。この日の小森田は、ここというところでパスカットされる場面も2度、3度、また危険な位置でボールを奪われるなど、戦術的に狙われていた印象。

もちろん佐川のツートップ、長身の御給と小柄な中村に対しては、ロッソ守備陣もガッチリと対応。とにかく御給を自由にさせない、ヘディングで競り負けない。また佐川急便の3人目、4人目まで連動している攻めに対しても、よく読んで対応できており、決定的に崩されることはない。徐々に、受けにまわる局面も多かったが、ある意味、試合の流れのなかで、引いて守っていた時間帯もあったように思う。

しかし、佐川急便。あれだけほとんどオールコートプレスで守って、走って、最後まで足が止まらない。まるで昨シーズンのHonda FCのようなスタイルで、総合力という意味で首位にふさわしいチーム。

ロッソも、なかなか攻撃のいい形ができないなかでも、体を張って、足を出して、ひたすら守ってチャンスを待ち続けた。

得点のシーンは、最終ラインから相手のプレッシャーを受けながらも、かなり高速な玉回しの末、左サイドバックから右前線へ大きくサイドチェンジ。というところから右サイドが粘って粘って、ようやく上げた低い早いクロスに高橋が飛び込んだもの。まさに一瞬の出足、位置取りでDFの前に出た高橋の勝ち。

また、この試合での1点の重みというのか、慎重なプレー選択というのか、あるいはセンターをしっかりと守ってサイドに絞っていたのか、とにかくクリアボールの多いこと。当然、相手CKも多くなる。失点はまさにそのCKから。

結局、終盤も目立ったスペースが空いてこない、実にタイトなゲームで、1-1のまま終了。ロッソとしては前半を我慢できたこと。後半、追いつかれてからも、ゲームの流れを見失わず、守備的に対応したことなど、結果も含めて、実にいい試合だったというのが印象です。