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9月23日(日)
【J2第34節】(松本)
松本 2-0(前半1-0)熊本
<得点者>
[松]セルジーニョ2(11分、80分)
<警告>
[松]岡本知剛(70分)、藤田息吹(70分)
[熊]皆川佑介(55分)
観衆:12,478人
主審:飯田淳平


20180923松本

敵地アルウィンでの松本山雅戦は、0-2で敗戦。開始早々のFKを高さのある高崎が落とすとPエリア内のセルジーニョがバイシクルシュートで豪快に押し込む。熊本は終始ポゼッションを保ちアタッキングサードまで持ち込むものの、松本の守備が厳しく枠を割れない。後半終了間際にも高崎の落としからセルジーニョに追加点を許し完封負けを喫した。順位は21のまま。
6月30日(土)
【J2第21節】(えがおS)
熊本 1-3(前半0-2)松本
<得点者>
[熊]皆川佑介(64分)
[松]前田大然(10分)、高崎寛之(13分)、前田直輝(63分)
観衆:10,194人
主審:家本政明


1万人越えのマイナビマッチデ―は、敗戦でした。

試合序盤の立て続けの失点がなんとも痛かったですね。

20180630松本

サッカーというゲームは連続した45分ハーフで行われるので、ゲームマネジメントのために時間帯を15分刻みでよく捉えられますが、まずこの開始早々の15分のうちに2失点というのは、その後のゲームプランを考えても“重い”と言わざるを得ません。

「最初の入りが相手のパワープレーの様な形で、そこで面食らった選手がいた」(熊本蹴球通信)と、試合後の渋谷監督は分析しますが、敵将・反町監督は「うちはそんなに入りが良かったわけではなかった」と言う(同・レビューコラム)。ただし、「先制点を決めた前田大然が『アップからもすごく暑かったし、早く点を取った方が勝つだろうなっていう試合だと思っていた』」(同)と言っていたそうです。

常々、熊本は開始20分頃まで自分たちのペースが掴めないことが多い。前々節の讃岐がそうだったように、今節もそんなスカウティングの上で、開始から飛ばす戦略かと想像したのですが、この日80%を超す激しい湿度も、松本の選手たちにそう考えさせた要因だったようです。

もうひとつ気になったのは、2点先取した松本が“省エネ”スタイルに転換したせいもありますが、熊本のボール回しに無暗やたらにプレスに行くのではなく、必ず通過する中盤からのバックパスを狙っているように見えました。横パスよりかは、一連のくさびのなかでのバックパス。これを奪うと一気に前方の視界が広がる。どのチームもそうスカウティングしてはいないかと…。

熊本にもチャンスがなかったわけではありません。松本を上回るボール支配率から、片山、田中の両WBを使ってサイドを崩す。しかし、今日はいかんせんクロスが精度に欠ける。上がっても、安や皆川どちらか単騎のヘディングでは、中を厚くした松本に競り負ける。競り勝った安のシュートも、このところGKの正面が多い。

「しっかりとしたビルドアップから前線の3人を上手く使うこと」という反町監督のハーフタイムの指示が、この試合を象徴していましたね。
後半も松本のブロックをなかなか割れないでいた熊本が、今季初めてベンチに入った上里を投入し打開しようとすると、その直後、ゴール前まで繋いだ松本は右の高崎へパス。これをクリアした片山でしたが、ボールは逆サイドへ流れる。そこに前田直輝が走り込んで押し込むと3点目とします。

前田大然、高崎、前田直輝。前の3人が全員得点した松本。それに対して、熊本はその1分後に米原からのロングパスに裏を取った皆川のダイレクトシュートで1点を返すのみ。あえなく終戦となりました。

3-4-3の布陣に変更して水戸に競り勝った試合で、われわれは「3トップの役割もこれからもっと整理されて、研ぎ澄まされてくるのではないか」と、期待を込めて書きました。まだまだその点では課題が残る。

課題という点では、指揮官はこうも表現している。「課題を持ってトレーニングに取り組んでいますが、それを1つ消せばまた(次の課題が)出てきて、という感じ」(同)。確かにそう感じる。

この松本戦で、リーグ前半の対戦を全て終えました。序盤の10試合で好スタートしたものの、「残念ながらそれ以降は、我々が力を出しても、相手がそれを上回るプレーをしてきた」と渋谷監督は振り返る。

6勝4分11敗。勝ち点22。順位は18位のまま。これから後半戦は、もっともっと研究され、対応されるでしょう。しかし今度は、われわれがそれを上回るプレー、上回るスカウティングで、すこしずつでも順位を上げていきたいものです。

10月7日(土)
【J2第36節】(松本)
松本 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[松]高崎寛之(55分)
<警告>
[松]パウリーニョ(58分)
観衆:11,026人
主審:大坪博和


「松本のやり方は分かっている中で、セットプレーから失点したことが悔しい」(熊日)。敗戦後、池谷監督はそう記者団に答えました。スピードのある石原を走らせ、高さのある高崎で仕留める。”松本のやり方”は分かっていた。しかし、まんまと術中にはまりました。

熊本は、前節故障退場した園田の代わりに植田を起用。北朝鮮代表に召集されて一時離脱している安の代わりにはグスタボ。しかし、ワントップではなく嶋田との2トップ。中盤は上村をアンカーに置いて、三鬼と中山を2列目に。われわれもグスタボはワントップより2トップが生きると考えていただけに、理にかなった布陣。

松本は5位。PO圏内にいるものの、まだ自動昇格圏内も視野に入れる。

20171007松本

序盤は互角。松本の石原、高崎を狙った長いボールを撥ね返し、セカンド争いも球際強く行って戦う熊本。

しかし、松本も徐々に熊本に慣れてくるとアタッキングゾーンを占領し始める。GK畑を中心にした守備陣でしっかり守る。ただ、奪ってからの松本の帰陣も早く、持たされている感もありました。

そんななか、前半のアディッショナルタイム。右サイドからのスローイン。エンドラインぎりぎりのグスタボが右足で反らすと、嶋田が飛び込んでダイレクトシュート。終了間際に意表を突かれた松本でしたが、これはバーの左に外れてしまいます。惜しかった。

ハーフタイムを終えて後半のベンチに戻る池谷監督を捕まえてのDAZNのインタビュー。「怖がらずにボールを動かせ」と指示したという指揮官の答えに、われわれもそうだろうと思います。少し攻撃に躊躇している。ただ、このまま守備をオーガナイズして0-0の時間が長くなれば、焦れた松本が前に出てくる。そうすれば熊本にはカウンターのチャンスが増える。そういう心理戦でもあったのですが。

熊本の攻勢から奪った松本のロングパスに石原が走ると、小谷がスライディングで外に出す。いい対応でしたが、これに続いたCK。熊本の守備はマンツーマン。パウリーニョのキックは、高崎の一番高い打点にピタリと合って叩き付ける。先制点を与えてしまいました。

これで前に行かなければならいのは熊本の方になってしまいました。が、引いてブロックを敷いた松本に、アタッキングゾーンまでは入れるものの、片山や三鬼からのクロスは、十分に相手が対応できるタイミングと角度。相手の嫌なゾーンに入っていける選手もいない。

カウンターを狙ったグスタボへのロングボールには、松本のDFが必ず前に入って収めさせない。疲れからか徐々に攻撃のスピード感も薄れる熊本。

そこでグスタボに代えて巻。中山に代えて八久保を入れる。かなり長い時間、松本を自陣内に押し込んで波状攻撃を仕掛けますが、松本にしっかりと守られて”ヒヤリ”ともさせられない。

最後は上原を下げて4バック。ジュニオールを前線に入れてパワープレイを試みましたが、実らず。松本に1点を守りきられ敗戦となりました。

勝者の指揮官・反町監督は、それでも「時間の使い方が、最後良くなかった」(DAZN)と手厳しい。やはり2-0で折り返しながら、最後の5分で逆転された前々節、山口戦を相当悔やんでいる。逆に熊本にとっては、その松本の試合のクロージングに付け入る隙ありという思いもあったのですが。

「パワーのある松本相手でも、ゲーム自体はどっちに転んでもいいというような試合が出来るようになった」(DAZN)と池谷監督は言う。「(課題は)どうやって点を取るかということに尽きる」(熊日)とも。確かにそう。

しかし、DAZNのこの日の解説者・飯尾和也氏が言う。「堅い守備は見れていた。しかし、あの一瞬、あのワンプレー。あれを外さなければ、0-0、もしくは1-0、結果は変わっていたかも知れない。あれを放さない、しっかり最後まで頭を入れる。そういう”厳しさ”があれば、また上がっていける」。

闘争心を表に出したプレーで、”鳥栖の魂”とまで言われたディフェンダーの言葉が、とても重く感じられ…。一瞬も放さない”厳しさ”。この1点の差が、あらためて大きなものに感じられたのでした。

4月16日(日)
【J2第8節】(えがおS)
熊本 2-0(前半1-0)松本
<得点者>
[熊]グスタボ(7分)、上里一将(81分)
<警告>
[熊]園田拓也(53分)、齋藤恵太(85分)
[松]石原崇兆(23分)
観衆:13,990人
主審:佐藤隆治

「特別な日だけれども松本を倒さなければ特別な日に何もならない」。

この試合を迎えるにあたって、清川監督はそう選手たちに話したそうです(熊本蹴球通信)。
熊本地震・本震からちょうど1年を迎えたこの日、熊本はホームえがお健康スタジアムで「復興支援マッチ」と銘打ち、5位に位置する松本山雅と戦いました。熊本は4連敗中で20位。

前週のなでしこジャパンのコスタリカ戦からえがおスタがバックスタンドも含めて全面利用可能に。「バックスタンド側のサイドを駆け上がるときに力がでない」と言っていたのは巻。この日、解放されたバックスタンドをサポーターたちが美しい赤で染め上げ、ようやく震災前のスタジアムの景色が戻ってきたのです。

しかし最初に断っておかなければいけません。この大事な試合の時間に、われわれは別の場所での復興イベントに狩り出されていて、スタジアムに行けていません。だから楽しみにしていたOB戦も、数々のイベントも、松本サポが掲げてくれたメッセージ横断幕も、先制点の喜びも、勝利のカモン!ロッソも、感動的な全ての事柄が、ネットらやDAZNでの後追い、追体験でした。なんとも悔しい思いですが、もうひとつの“特別な場所”でこの1年に想いをいたしながら、暇をみてはtwitterで試合の展開をハラハラしながら追いかけていたのでした。

20170416松本

システムを4-4-2に戻して2トップの一角にグスタボを初先発させた清川監督。その選択が早々に奏功しましたね。まだ互いに様子見の様相を呈していた開始7分。DFラインからのロングパスをジャンプして胸トラップした安が、キープしながら誰も寄せてこないとみると、挨拶代わりのようなミドルシュートを試みる。松本DF飯田が遮りますが、こぼれ球をすぐグスタボが拾って縦に侵入。「相手のGKが準備する前にできるだけ早く打つ」(熊日)ことだけ考えたグスタボの強烈シュートがゴールネットに突き刺さります。自身Jリーグ初ゴール。

そのときのスタジアムはどれほどの歓声だったのでしょう。われわれだったら、もう既に涙目になっていたかも知れない。

「難しい試合。われわれの力を100%発揮してゲームプランどおりの試合がしたい」(DAZN)と戦前語っていた反町監督。そのゲームプランはこれで少し修正が必要になっただろうが、しかし、智将率いる松本相手に1得点だけでは、全く心もとない。

バイタルでダイレクトパス。一発でDF裏に松本FW高崎が抜け出しますが、GK佐藤の頭を越える狙いのシュートはバーを越えて、胸を撫で下ろす。

安が痛んで前半のうちに交代を余儀なくされる。代わって入った巻が自陣深くでボールを奪うと前線のグスタボへ。グスタボのドリブルでのエリア侵入に、松本DFが5人も取り囲む。続いてもトラップして前を向いたら素早く右45度から打つ。得点をとって明らかに“乗って”きたグスタボ。松本はこのデータの少ないブラジル人FWに手を焼いているように見えました。

そのグスタボも後半足を攣ると71分齊藤に交代。松本はその少し前、セルジーニョに代えて三島。後藤に代えて岡本。

75分頃、この試合終始、厄介だった石原が左サイドを崩してのクロス。三島のヘッドはバーに嫌われ、こぼれを高崎が更にヘディングで襲いますが枠の上。この試合の最大のピンチだったかも知れません。

熊本は疲れの見えた林に代えて光永を入れ、嶋田と左右を入れ替えた。「守備の部分で光永の運動量を期待して、守備から出て行くこともできる選手なので、守備から攻撃というバランスを崩さないようにということで投入し」たという指揮官(熊本蹴球通信)。その期待どおり、光永は何度も左サイド奥で粘ってCKのチャンスを取る。ユーティリティ性もさることながら、このスキルの高さが監督の信頼を掴んでいるように思えます。

そして81分。齋藤が倒されて得たFK。上里の左足から放たれたボールは、ゴール前に飛び込んだ巻、園田の頭をかすめて、前に出られなかったGKの手も届かないゴール左隅に転がり込みます。大きな大きな2点目。ようやく突き放す追加点。

そして気の遠くなるように長い長いアディッショナルタイム5分を凌ぎきると、1万3千人以上のファンが、この特別な日の勝利をもぎ取ったのでした。

「やはり、たくさんのお客さんによる熱がスタジアムに降り注いだという感じですね」。敗戦の将・反町監督はそう言う。「主導してボールを動かせている時に何が出来たのかということに尽きる」と反省する。DAZNによれば試合を通じてのボール支配率は熊本の41%に対して、松本の59%。ただ、確かに松本にボールを持たれている時間は長くも感じましたが、今日は”持たせている”感じもした。それは「プレッシャーをかける場面と引き込む場面のメリハリを付けて、後半も良い形で得点を奪えました」(熊本蹴球通信)という清川監督の言葉にも通じるところでした。

この日の嶋田の表情もまた違っていましたね。鬼気迫るとも言えるような。何度チャンスに絡み、何度ゴールを目指したでしょうか。得点こそなりませんでしたが、「ファンや家族のことを思い、感謝をプレーで表現したかった」(熊日)という言葉は、その言葉以上に益城町出身ならではの重さがありました。

前震から1年、14日付の熊日に、この人の取材が大きく報じられていました。このブログの古くからの読者なら覚えていただいている名前かも知れません。床屋のイサムちゃん、その人でした。

「解体も、建て替えも、仮設商店への入居も、計画は全てキャンセル。やることなすこと裏目に出てしまった」と悔やむ。「将来を考えると酒量が増える」とうめくように言う(熊日)。

サッカー好きのイサムちゃん。ロアッソのことも大好きなイサムちゃん。この試合をどこかで観ていたのだろうか…。

この”特別な日”で掴み取った勝利。それは「4連敗を脱して、流れに乗るにはもってこいの相手」(安)でもあった強豪・松本から奪った勝ち点3。しかも今季初の完封勝利が花を添えました。

それは”特別な力”だったのかも知れません。この日を迎えるに当たっての選手たちの思いと、1万人以上のファンの思いが結集したホームの力だったのかも知れない。けれどそれが特別なアドレナリンの力だけで勝ったわけではないとも思いたい。

震災からちょうど1年。記念の日の試合。この勝利をもちろん深く心に刻みたい。しかし、それと同時に、復興の過程もまだ道半ばならば、ロアッソ熊本の”躍進”もまた道半ば。イサムちゃんだって、われわれだって同じ。道半ばなのではないでしょうか。

今日の勝利にとりあえずホッとして、大いに歓喜して。そして次に進む通過点のひとつにすればいい。さあ前を向きましょう。

11月3日(木)
【J2第39節】(松本)
松本 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[松]高崎寛之(67分)
<警告>
[松]田中隼磨(17分)、宮阪政樹(90分+3)
[熊]片山奨典(90分)
観衆:13,241人
主審:榎本一慶


「首位喰いはうまかーですね。二位ぐい、三位喰いしましょう。まだまだ腹一杯にはなりません」。いつも拍手コメントを送っていただく”ゆうらん”さんの、前節のエントリーに対してのコメントは、われわれはもちろん、熊本に係わる全ての人の気持ちだったでしょうね。首位・札幌の次に対戦する今節の相手は2位・松本。前節の快勝の勢いを持って、アウェーとはいえど連勝を飾り、一刻も早く降格可能性域から完全に脱したい。

しかし、3位清水との勝ち点3差の松本も、自動昇格圏内2位以内の確保という高いモチベーションで、1万3千人以上のアルウィンのサポーターを後ろ盾にして、熊本に立ちはだかりました。

20161103松本

序盤から勢いを持って攻め立てる松本。植田のクリアの小さいところを松本DF後藤の抑えの効いたダイレクトボレーシュートは、GK佐藤がキャッチできずに左に撥ね返す。それを拾って田中が素早くクロスを入れるがなんとかクリアします。その松本の右CK。中央での後藤のヘディングは、片山が掻き出す。危ない。

熊本は、松本の素早くそして強い球際の寄せ、インターセプトを嫌って、ロングボールで交わして攻める。見るからに痛みの激しいアルウィンのピッチを考慮したのもあるかも知れません。

スローイン。片山から貰いなおした清武がカットインしてアタッキングサード。柔らかなクロスを入れますが、これはクリアされる。いつもならこの距離から強引にでもシュートを打っていくはずの清武。前半終了間際にも似たようなシーンがありましたが、撃たない清武。敵GKがその能力をよく知っているシュミット・ダニエルとあって、完全に崩しきらないと、アバウトなシュートではゴールは割れない。そういう思い(プレッシャー)もあったのではないでしょうか。

一方的に攻められている熊本。主導権は松本にある。しかし、スカパーの解説者は、熊本の守備組織を評価してか、「どちらかというとゲームは熊本のペースで進んでいる」と言う。確かに無用に飛び込まない今日の熊本は、松本にボールを”持たせている”ようにも見える。

ただ、31分でした。松本・那須川の左からのクロス。PA内で石原への対応で上から覆いかぶさった植田がファール。PKが告げられます。キッカーは高崎。

でも何ででしょう。長年サッカーを観ていると、”予知能力”が身につくのでしょうか。何故だかこのシーン、PKは決まらないような気がなんとなくしていました。案の定、高崎のキックに左に飛んだ佐藤がばっちりセーブします。

清川監督が試合後、「PKを防ぎ流れが来ると思った」とコメントするように、こういった後は勢いが逆転するものです。しかし、PA内での松本の猛攻に対して熊本が人数をかけて防御しているなか村上が痛む。結局はピッチに戻ってきましたが、一旦担架で運ばれ、ベンチもざわつく間に、掴みかけた”流れ”を相手にまた渡してしまった。そんな感じがしました。試合は”生もの”。常々そう思っているわれわれにとって、この数分間の空白はなんとも悔やまれます。

しかし、スコアレスドローで前半を終えたのは、結果として熊本にとってはゲームプランどおりだったと言えるでしょう。シュート数は松本12に対して、熊本の1。

「多くのチャンスはないかもしれないが、ピンチを防いだのだから、チャンスは絶対来る。最後まで常に全体でサッカーをしよう」。それがハーフタイムでの清川監督の檄でした。松本のワントップ高崎は、植田と薗田が代わる代わるマークして、完全に抑えていました。

しかし。たった一瞬でした…。

67分、左サイドで攻防していた松本。石原が大きく右サイドに振った。ここで大きく広げられた熊本。植田もニアサイドに走った松本の選手に釣り出される。ここで迷わず右サイドで貰った工藤は素早くクロスを選ぶ。距離の空いたゴール前の黒木と薗田の間へ。そこに高崎が飛び込むことを信じて。

高崎がヘディングで反らすように流し込む。さすがの佐藤も触れませんでした。

この時点で、同サイドに固執せずに、逆サイドに振ってピッチを大きく使うことを選択できた松本の判断の勝利でした。負けられない熊本が、巻、平繁、岡本を次々に投入して、ここから前掛かりに仕掛けましたが、先制した試合の勝率の高い松本。自陣ゴールに寄せ付けず、1点を守り抜き、同点に追いすがろうとする熊本を退けました。

したたかな松本の戦い方に熊本は連勝ならず。勝ち点は43のまま。この日、金沢は愛媛に敗戦。北九州が長崎に引き分け勝ち点1を得て金沢を越え20位になり降格圏脱出。岐阜は22位ながらも群馬に勝利し、これまた勝ち点を37にしました。つまり、20位から22位までの3チームが、同じ勝ち点37で並ぶ事態に。わが熊本は、その3チームとの勝ち点差6で、16位に位置しています。残りは3試合…。

まったく予断の許されない状況。京都、岐阜、大阪。しかし対戦相手を見越した勝ち点計算はもちろん、他チームの対戦相手を考慮した勝ち点予想などしない。それが無駄だとわかっているから。ただただ、目の前の敵に向かっていくだけです。

ただ、今節を終えてひとつ思ったこと。対戦相手の松本山雅。下のカテゴリーでは一度も対戦せぬまま、J2昇格後に一気に抜き去られたうえに、J1に先に昇格されたクラブ。田中隼磨を始めとしてパウリーニョ、高崎、工藤…。各ポジションに、それぞれ能力のある選手を集める獲得力。なにより、J1昇格以前から、この地方都市にして1万人以上を毎試合集める観客動員力。

このままいけば、再びJ1昇格の権利を得る。この”力”は、なんなのか。どこからくるのか。長野県における松本市の位置関係、スポンサー企業の存在…。どこに力があるのでしょうか。

甲府や鳥栖といった先輩格の”プロビンチャ”だけでなく、今や岡山にも後塵を拝しているような気がして。熊本に何故できないのか。目下の残留争いが落ち着いたら、もう一度考えを深める必要がある課題だという気がしています。

さて、一足早くJ1は最終節。福岡、湘南に続き、最後に降格が決定したのは名古屋でした。まさかこの別格と思っていたビッグクラブが…。結果的には15位新潟との得失点差4が命運を分けました。勝ち点1が、1点がという思いと、年間予算にして40億、50億という別次元のチームでも、ひとつボタンを掛け違えると取り返しがつかなくなる怖さ。そんなリーグなんですね。