4月22日(日)13:00 水前寺陸上競技場
ロッソ熊本1-0アルテ高崎
得点者 後半7分高橋(熊本)

中村俊輔の所属するセルティックがリーグ優勝を決めましたが、そこで昨シーズンまで主将を務めていた、ブルガリア代表(当時)でペトロフというMFがいました。「豊富な運動量で中盤を支配する。チームに献身的でいて積極的な攻撃参加を見せ、守備、攻撃共に優れた能力を兼ね備える。その統率力にも高い評価が与えられている。」と紹介されるような選手でした。スカパーの解説者が、たびたび「ペトロフのチーム」という表現を使っていました。戦術重視の現代サッカーで、いささか時代がかった表現ですが。

そう。「高橋のチーム」 そんなことを考えながら試合を見ていました。

2連敗。そしてなんと言っても、あの雨。豪雨と言ってもいいようなあの雨なかで集中力を切らさずプレーするというのは、なかなかに難しいことです。アルテ高崎は明らかに、カウンター狙い。前半は引いているのではなくて、狙っているのがありあり。ヒヤリとする場面が2度3度。そんななかで、相手にいきそうになる試合のペースを引き戻そうと懸命に走り、守り、果敢にスライディングを仕掛け続けていた11番の動きが印象に残りました。

確かに連敗の重圧やコンディションの問題もあって、ゲーム自体は重苦しいものでしたが、雨中のゲームでのリスクを回避しながら、相手に持たせない、回させない、振り向かせない、を90分間、徹底できたこと。特に、前半、我慢に我慢をして凌いだところに勝因があった、と思います。それを身を挺して体現していたのが高橋ではなかったかと。

確かに後半は、アルテも引いてスペースを潰しにかかり、また、チーム自体の地力の差もやや出ましたが、高橋のFKからの決勝点。距離的にはめったに決まるものでありませんが、私には全く正当な報酬に思われました。

J参入を目指すチームとして「失点しない」「負けない」「我慢する」という意識になれば、「勝ち点1にこだわる」「ガチガチに厳しい」ゲームになることは当然です。それはワンプレー、ワンプレーの厳しさの積み重ねですね。決して見ていて面白いとか、快勝というゲームではありませんでしたが、選手は終始、厳しいプレーを見せてくれて、それがジワーツと伝わってくるゲームでした。

<スタメン>
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・・・・・・高橋・・・・・・・小林・・・・・・
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・・熊谷・・・・・・・・・・・・・・・河野・・
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・・・・・・・小森田・・・喜名・・・・・・・
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・・有村・・・・・・・・・・・・・・・市村・・
・・・・・・・・上村・・・矢野・・・・・・
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・・・・・・・・・・・小林・・・・・・・・・・・・
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4月15日(日)13:00布施陸上競技場
ガイナーレ鳥取3-1ロッソ熊本
得点者19分高橋(熊本)、29分釜田(鳥取)、68分(鶴見)、83分(西村)

弱い・・・。

アウェーでのテレビ中継。もちろん遠征先まで駆けつけるサポーターが一番コアと呼べるんですが、Jリーグになればスカパーで全試合完全生中継。ホームはスタジアム観戦、アウェーはテレビで、というJリーグ生活の疑似体験よろしくテレビの前に座っていました。

19分の先制点まではいつもどおりのロッソのペース。中盤で奪ったボールを左サイドからえぐった松岡がセンタリング。そこに飛び込んだ高橋がヘッドで前節のうっぷんを晴らすかのようなゴール。カウンター気味の展開、前線に人数が足りないときの、ここしかないというニヤサイドへのピンポイントのセンタリングと飛び込みで先制すると、今日はこのままのポゼッションで行けるかなと思わせたのですが・・・。
すぐ後、GK小林とDF上村の交錯から無人のゴールに蹴りこまれ失点。ゴールキーパーはどんなにいいプレーを連発しようと、一発のミスが帳消しにしてしまうポジション。飛び出したのなら確実にクリアしないと。この日、相手のGKが数々の好プレーを見せていただけに残念。すかさず同点にしてくる鳥取の「引分け力」を感じて前半終了。

問題は後半のグダグダな展開。解説の山野さんは「ボールの出しどころに迷いがある」と言っていましたが、向こうが引いて守っているのではなくて、まるで引くのを待って攻撃しているかのような有様。
思うに、サッカーに限らずアメフトにしろラグビーにしろ、同じフィールド内で同人数で戦う競技の場合、基本的な戦術は「いかに相手より数的有利な状況を作るか」ということ。今のロッソは、まるでバレーボールや野球のように、選手個々の能力の総体で力まかせに上回ろうとしているだけにしか見えません。

松岡が決まりごとのように途中交代。プレースキック以外そんなに悪くはないと思われるのですが、スタミナに難があるのか。しかし河野が入って展開が変わるわけでもなく、山口が入ってからは3-5-2にシステム変更。これによりそれまで明らかに攻撃の起点になっていた小森田を最後列に下げる結果に。その結果は、中盤でパスを奪われて、すばやく前線に運ばれて、DFがかわされ2失点。残された時間でひっくり返す、いや同点に追いつく展開力もいまのロッソにはありませんでした。

鳥取はこの試合まで引き分けこそあれ白星なし。その理由を納得させるほど技術的に劣りました。サイド奥まで持っていくがセンタリングが不正確だったり、フィニッシュに精度がなかったり・・・。それに助けられている間に、それに甘んじている間に勝負の神様に見放されたというほかありません。
鳥取のなかでひときわ異彩を放っていた湘南からレンタルの鶴見は、この10日にチームに合流したばかりとか。そんな一人の突出した選手の加入で劇的にチーム力が上がるわけではありませんが、彼にボールを集める戦術、そして初白星にかける意気込み、それをロッソ戦で達成するというモチベーションが点差に表れたのだと。前節のジェフリザーブズの喜びようを見ても何かを感じざるを得ません。
今のロッソは、佐川のようなけれん味のないスピードもなければ、Hondaのような恐ろしいまでの勝負強さも持ち合わせてはいない。
試合後のサポーターからの怒号に反論する必要はありません。しっかりフィールドのプレーで見返してほしい。
4月8日(日)13:00KKウイング
ロッソ熊本0-1ジェフリザーブズ
得点者89分野澤(ジェフ)

敗戦の責は、この男が一人で背負わなければならないのでしょう。それがエースナンバーを背負う者の宿命だがら・・・。
手詰まり感のある試合展開の後半9分、右からのクロスにファーサイドで飛び込んだ松岡が敵DFに倒されて得たPKのチャンス。前半ことごとくコーナーキックの好機を潰していただけに、今期はやはりPKで点を取っていくのかと思わせました。キッカーはもちろんFW高橋。しかし高橋のキックは敵GKに阻まれます。キックも弱かったし、完全によまれていた。ところがどうもGKの動きが一瞬速かったらしく、主審は蹴り直しの指示。前節のPKやり直しの再来か、これぞホームの力か。
しかし、「蹴り直しって、交代できないの?」と隣の同僚に冗談で尋ねたくらい、今日の高橋は入る気配がしなかった。おそらく彼の性格から、一度目と同じ方向に蹴るのではと予想したらそのとおり。そしてジェフのGKはこれも横っ飛びで抑えます。こぼれたボールに飛び込みましたが、これはキーパーチャージ。大の字で横たわり天を見上げる高橋に示されたのはイエローカードでした。

この試合、前節のレッドで上村が出場停止のロッソは、代わりに大瀧を起用。市村、矢野、大瀧という同級生DFラインに森川の4バック。(ちなみに福王も入れると84年組の4カード完成なんですが、そんな4バックは成り立ちません・・・。(笑))
サポーターの誰もが嫌な相手と自覚しているジェフリザーブズ。決して引いて守るのではなく、手堅い守りから、すばやく前線に展開するスタイルは健在。前半は一進一退。お互いがなんとか主導権を握ろうとする攻防戦に、見ている方は息が詰まりそうです。
後半9分には、この日削りに削られた満身創痍の北川に代えて小林陽介を投入。25分には松岡に代えて吉井が入り、喜名を左、熊谷を1.5列目に上げて打開策を図ります。PK失敗は残念だったものの、気落ちせず我慢に我慢を重ねて好機を演出。後半も終了間近に得点して逃げ切るのが今期のロッソが昨年とはひと味違うところか、と思わせたのですが・・・。
ロスタイムも近づいた時間帯、サイドラインにクリア。スローインの敵選手が4、5歩下がり、ジェフ選手は皆ゴール前に上がったため、「あ、ロングスロー」と思った瞬間、スローインの選手はボールをひと突き、そしてそのまま頭上高く掲げるとゴール前に。「あんなのいいの?」と思っている間もなく、ファーサイドにいた野澤が足元に収め、反転してデフェンスを抜き去りシュート。ボールは、この日幾度となくピンチを救った好手GK小林の手を抜けて、ゴールに突き刺さりました。

激怒する小林。いや、上村に代わってイレブンを叱咤したのかも知れません。「まだ、諦めるな」と・・・。しかし、わずかなロスタイムもジェフに時間を使われタイムアップ。ロッソは痛いホームでの初黒星で4位に後退しました。
ジェフイレブンの異常なまでの喜びようは、この試合を、引き分けで良しとしていた思いの現れか。しかしジェフリザーブズのこのプレースタイル、来年のJ2での戦い方を教えてくれているようだと感じたのは私ひとりでしょうか。一方ロッソは、サポーターへの挨拶にうずくまったままの選手がひとり。終了間際に痛めた森川でした。先頭を走るGK小林に、真っ先に付いて行っていたのは高橋だったので、内心安心しました。
頑張れ、高橋。切り替えて次に行こう!
2007.04.03 開幕4連勝
ということで、とにかくこの結果を素直に喜びたいと思います。ファンの心理としては、試合内容がいまひとつすっきりしないこと、特に琉球戦を除く3試合の決勝点はそれぞれ後半39分、後半43分、後半31分といった具合で、ギリギリの時間帯までヤキモキさせたといったことでの不満もあるようですが。しかし、こういった試合で勝ち点3を3試合も拾っているのは、単なるラッキーとは思えません。

そのひとつの裏づけとして開幕以来、4試合ですでにPKを3本も取っているということに注目したいと思います。これはかなり多い数字です。ちなみに昨シーズンは34試合通じて4本でした。決めたのは高橋(2本)と北川ですが、倒されたのは関、北川、市村。レフェリーも倒されたからといって単純に笛を吹いているわけではないし、やはりサイドの人間も含めて、かなりの頻度でエリア内に侵入して、相手にとって脅威になるプレーを仕掛け続けているということではないでしょうか。それは、全体の勝負ポイントが高い位置にあることだし、最終的にそれを支えているのは守備の安定感、信頼感が高いレベルにあるということ、でしょうか。

4連勝といっても、勝っているというよりもむしろ負けなくなった、というところが序盤戦の正直な印象です。