2007年9月16日13:00 金沢市民サッカー場

ロッソ熊本 2-2 ツエーゲン金沢
延長0-1

北信越リーグ1部、石川県代表のツエーゲン金沢との対戦。ほぼレギュラーメンバー。前半に小森田、高橋の得点で2点先制するものの、後半思いがけない暑さのなかに足が止まり、攻撃的にきた金沢に手こずるロッソ。同点にされると、延長戦、元ロッソの米山、奈良のホットラインから点を奪われ、1回戦で敗退する。
YKKAP戦の敗戦の傷も癒えぬ月曜日、ビッグニュースが舞い込んできました。JFLでともに富山を本拠地とするYKKAPとアローズ北陸の2つのチームが、「富山県にJリーグチームを」という県サッカー協会の呼びかけに応じて、来期からひとつのチームになり、Jリーグを目指すというのです。

 ご存じのように、いずれもJFLの上位に君臨する強豪チーム。われわれのなかには若干YKKのほうに分があるかなという印象ですが、先の天皇杯富山県予選ではアローズがYKKを下し県代表になるといったように、お互い一歩も譲らないダービーマッチを繰り広げてきました。JFLでも毎年上位に名を連ねる企業チーム。しかしどちらもJを目指すわけでなく、「なんだかもったいないな」というのが、「金はないけど夢はある」というわれわれを含めた他地域のサポーターの思いではなかったかと思います。

 それが、ここに来て一挙に合併しJを目指すという決断。

 05年に日本サッカー協会が実施した都道府県協会に対する「Jを目指すチーム」調査で、全国約30のクラブがJを目指していることがわかりました。その後、初の準加盟チームとして承認されたわが熊本が、今一番Jに近いチームであるでしょうし、栃木、岐阜、鳥取、最近では地域リーグ(中国)の岡山も承認され、追随してきています。おそらく05年時点の富山は、この30クラブのなかにも入ってはいなかった。しかし、この合併決定によって富山県勢のJ参入は一気に現実味をおびたのではないでしょうか。

 このニュースを聞いたとき真っ先に思い起こしたのは、ヴォルティス徳島として一時期はJを目指しつつも途中頓挫し、その後は企業チームとしてJFLの古豪として鳴らした大塚製薬が、県知事のリーダーシップによって県民支援のクラブチームに変容、遂にJ参入を果たした現J2の徳島ヴォルティスの事例でした。共通するのは、スポンサーとして立場が変わっても恐らく強力な資金的バックアップが望めるであろう巨大な親会社の存在。そして、JFLでもともに常に上位に君臨するチーム力ということです。

 ちなみにYKKは従業員数が国内18,000名、海外23,000名、富山県内の事業所だけでも7,000名を超え、連結売上高は6,500億円(熊本八代工場にも従業員850名)。北陸電力は従業員数4,600名、連結売上高4,850億円。二社合わせて一兆円を超える売上です。プロサッカーチームを持とうかという地域の企業体としてはとてつもない規模。立山連峰の雪解け水の恵みと売薬のネットワークによる莫大な金融資産、情報の蓄積という富山の地力を体現している両社です。

 また、これは昨年から今年の佐川東京と佐川大阪の合併劇とは状況からして全く異質のものです。なぜなら来期は、このチーム統合により現実的に上位チームがひとつ減りはするものの、ホンダ、佐川、そしてこの富山連合との4位内争い。4位以内という緩和されたJ2昇格条件も無意味に感じられるくらい厳しいリーグ戦になりそうです。とにかく来期のJFLでは戦いたくないですね。

 そしてもし、きわめて参入条件に近いであろうこの富山連合が準加盟承認を受け、ただちにJに昇格してしまうことがあれば、「J2を18チームに」という2010年構想の枠がまたひとつ埋まってしまうことにもなります。

 現在J2は13チーム。14番目のイスはわれわれ熊本がいただくとして、残された枠数もはっきりと見えてきます。全国の多くのチームが狙っている数少ない残り枠。神様がくれた“今”というタイミングは、しっかりつかまえなければいけません。

 と、まあ、全体の構造的にはこういった受けとめになるんでしょうが、同じカテゴリーを戦う者として、長年、心をひとつにチームを、選手を支えてきた両チームのファン、サポーターの心情はどんなものだろうかと…。以前から統合される噂はあったし、構想の大義もわかる、しかし、おそらくは良きライバルだっただけに、気持ちの持っていきどころがない状態なのではと。何とも言いようがないですね。

両チームのサポーターに激励の拍手を。

9月8日(日)18:00 KKウイング
ロッソ熊本1-2 YKKAP

得点者
前半17分 斉藤(熊本)
前半30分 長谷川(YKK)
後半44分 朝日(YKK)

先取点はロッソでしたが、もうそのあたりから喜んでいる余裕もなく、ただただ随所で「ラッキー」を喜ぶばかり。始終冷や冷やしながら見ていました。

結果的には、後半ロスタイムの失点で、4500人のサポーターにきわめて後味の悪い敗戦をさらしましたが、冷静に振り返ってみれば、まったくロッソのゲームをさせてもらえなかった、終始、相手にいいようにされてしまった試合でした。ゴールポストに救われた場面が2度、3度。後半も20分を過ぎる頃には、引き分けを祈るような流れでした。

出場停止が同時に3人という厳しい状況。しかも後ろの要の上村、有村が同時に不在というゲーム。そこに福王、河端が帰ってきたということは、大きな救いのようでした。

しかし、対戦タイミング的にはあまりよくなかったと言わざるを得ません。

見た限りでは、今日の相手YKK。チームとしてのコンディションが非常に良かった。攻撃にはスピード、切れ味があり、あっという間にシュートレンジまで運んできます。きわめてシンプルでオートマチックな攻撃。ある意味どれもがサインプレーのような判断の速さ、ダイレクトプレーの連続。パスも速くて、正確。ロッソもなかなか詰めて行かない、というより迂闊には行けないという状況。ロッソのボランチも捕まえきれず、エリアの前で決定的なボールを配球されてしまいました。

思うに長谷川に影山、牛鼻、代わって入った星出にしても、このJFLを主戦場にして戦っているベテランになってきました。いわば、あうんの呼吸。完成されたオートマチックなコンビネーションを見る思いがしました。ある意味、YKKは今一番成熟の時期を迎えているのではないかとすら思います。

守備に回っても早い。ロッソが落ち着いてポゼッションできる場面はなかったと言っていいでしょう。攻守にわたって、バタバタと落ち着かないロッソ。いかにも急造チームのバランスの悪さは拭えません。また、どうもコンディションが今ひとつの印象でした。

さて、こういうゲームでは、急造守備陣の連携のまずさが敗因、といような、もっともらしい判断に陥りがちですが、でもそれは違うかなと。今どき、センターバックとボランチだけで守るわけでもないし。ある意味でチームとしてピークにあるYKKが、しかも前週、天皇杯富山県決勝でアローズに敗れ、また、前期、ホームで屈辱の逆転負けを喫したロッソが相手で、モチベーションも高く、そして恐らくは、トップコンディションと思われる状態だった。

やはりチームとしてのパフォーマンスがやたらと低かった。そんな印象を持っていますが、あえて言うなら、先発メンバーを見た瞬間の印象がすべてだったと。「落ち着かない」なあ、というイメージ・・・。こんな状況に対処できる選手がいるのに、なぜベンチに置いておくのか?あるいは後半の交代カードでも同様の疑問を感じました。

どうしようもない試合展開のとき、まったく相手のペースのとき、どうしていくのか。どうしのいでいくのか。上に上がればこんなゲームは日常茶飯事です。

5位のアローズが引き分けたため、昇格マジック(勝ち点)は14。あと8試合。更なる奮起を。
2007.09.02 NHK杯決勝
9月2日(日)13:00~水前寺競技場
NHK杯決勝(第87回天皇杯熊本県予選決勝)

ロッソ熊本7-2熊本大学
得点者:前半6分北川(ロッソ)、前半22分山本(ロッソ)、前半24分町田(ロッソ)、前半25分田村(熊本大)、前半38分町田(ロッソ)
後半4分渡邉(熊本大)、後半31分山本(ロッソ)、後半34分町田(ロッソ)、後半36分松岡康(ロッソ)

 熊本大学。カテゴリーの差に臆せず、決して守りを固めるのではなく、自分たちのサッカーを90分間アピールし続けました。清々しい。もちろんチームとしてのNHK杯決勝進出は始めてです。しかし、個人レベルで言うと、実はゲームメーカーの志水は4年前、大津高校のボランチとして決勝に出場している実績の持ち主でした。対戦相手は九州リーグに落ちた年のアルエット熊本。このときも7-1の大差で敗れてはいますが、その後大津高校は高校選手権にも出場し2回戦まで進出。今のロッソで言えば山内の一学年下。こういったスキルのある選手が地元に残り、地元のチームで、こんな戦いを見せてくれる。いいじゃないですか。

 対するロッソ熊本。主力を大幅に休ませ、控えと故障明けの実戦の場としての位置づけが大きかったようです。直接的には次節YKK戦に出場停止の上村、有村の穴を埋めて、どうバックラインを形成するのかという課題も。

 そういう意味では、昨年のこの時期大怪我を負い、長い間戦線離脱していた福王の復帰はとりわけ注目でした。キャプテンマークを巻き、久しぶりにCBに入った福王は、持ち前のセンスのよさで最後列から一気に攻撃に転じるパスを繰り出し、2点目の町田の得点を演出。大瀧が入ってからは左サイドに入り、たびたび前線にも顔を出し、とうとう90分間走り通してしまいました。(まさかありえないだろう…、と言っていた市村、大瀧、矢野、福王の同級生4バックがいつか実現するかも知れませんね。)

 また、出番はありませんでしたが、河端。久しぶりにベンチ入りを果たしました。実力、実績のある選手たちです、おそらくこの天皇杯の実戦で試合勘を取り戻せば、後期終盤のリーグ戦、いわば土壇場のところで、選手層にさらに厚みを増す、貴重な戦力になることは間違いないでしょう。

 ただ、選手全体にいえることですが、後半、集中力が切れたかのような手詰まり感、少しでもプレッシャーが加わると頻発するミス。これはいただけない。一昨年、昨年と、リーグ戦終盤の失速を繰り返さないためにも、この時期のこのメンバーの更なる奮起に大いに期待したいものです。

大変遅ればせながら
樋口選手と松岡選手の情報を加筆しました。

樋口大輝 MF 鹿本高→福岡大→ガイナーレ鳥取
松岡卓  DF 国府高→アルエット熊本→FCマリーゴールド→ロッソ熊本

また、中嶋雄大選手はNW北九州で現在15得点をマーク。チーム断トツの得点王として大活躍。チームは九州リーグ2位につけて、地域決勝に進出しそうです。

熊本スピリッツ!県出身注目選手