怒涛のようなこの数年。いろんなことが起こり、今もまさにそういう渦中にいるのですが...。

2001年にスタートした旧サカくまのトップページに「いつの日か熊本にもJリーグチームを」と刻んだときは、わずか7年後にそれが実現するとは正直思ってもいませんでした。遙か将来、自分たちがホントの爺さんになる頃までには、誰か実現してくれよ、みたいな。当時はそれほど遠い、壮大なプロジェクト・・・。

そんな”夢”が”正夢”に変わった今、ここで一度、昇格までのプロセスを振り返りながら、「なぜ、短期間に、ここまでくることができたのか」ということについて落ち着いて考えてみたいと思いました。

ひとつは、自分たちには先例を示してくれた新潟や草津、愛媛というモデルがありました。それなら自分たちも、自らの軌跡をしっかりと整理しておく必要があるのではないかと。ちょっと僭越ですが、この熊本の経験をひとつのケーススタディとして整理し、記しておく必要があるんではないかと。それが、われわれウォッチャーの役目ではないかと思ったからです。最近、J昇格の感激にまかせて、いささか感傷的なエントリーを続けてしまったことでもありますし・・・。

まず、これまでの流れを簡単におさらいしておきます。その上でわれわれがその当時知りえたメモをたよりに検証した結果、”熊本モデル”のいくつかの成功へのキーが浮かび上がってきました。
(時系列的な経過についてはWikipediaでも詳しく紹介されていますね。)

年表
▽2001(平成13)
アルエット熊本 JFL昇格 リーグ成績8位

▽2002(平成14)
アルエット熊本 JFL17位(九州リーグ降格)

▽2003(平成15)
アルエット熊本 九州リーグ 5位 
県民運動情報連絡会議(9月)

▽2004(平成16)
アルエット熊本 九州リーグ 4位
県民運動推進本部 事務所開設(4月)
県民運動推進本部 協賛企業説明会(11月)
AC熊本発起人総会(12月)

▽2005(平成17)
ロッソ熊本  九州リーグ 優勝、
地域決勝大会3位(JFL昇格)

▽2006(平成18)
ロッソ熊本    JFL5位

▽2007(平成19)
ロッソ熊本    JFL2位(J2昇格条件クリア)


その1…“正しい”枠組み
まず、チームがここまで来れたのには大きく2つの理由があると考えています。

ひとつは、チームが“正しい”枠組み(良い“スキーム”と言うべきか)のもとでスタートできたこと。そのなかでも、次の3点がとくに重要だった気がします。

①“既存型”でスタートできたこと  
一般的なことですが、Jを目指す場合のスタートとしては、ここで言う“既存型”(すでにその地域に存在するいずれか上位カテゴリーチームの枠組みからスタートする)、“誘致型”(他地域のチームを誘致=買収してスタートする)、“新規型”(まったくゼロからチームを作り、県リーグからスタートする)といったことになります。しかし、誘致型、新規型では莫大なお金がかかる、あるいは時間がかかるなど、当時の熊本の実情では全く現実的ではありませんでした。

そのとき熊本で最上位のカテゴリーにあるのはアルエットでした。アルエットはJFL昇格時の完全なNTT企業チームから、その後の歴史的なリストラのなかで、徐々に“半企業、半クラブ”的なチームへ、そして最終的には、ほぼ(アマチュア)クラブチームへと変化していきました。クラブチームと言っても、母体であったNTT九州やドコモ九州ほかの強い人的なつながり、バックアップを支えにしてなんとか生き残ったわけです。いくつかの地元企業が選手を雇用するなど、NTT以外の支援の動きもわずかですが見えはじめていました。

この“既存型”でのプロジェクト推進も正確に言えば、アルエットの存在と経験があったから、その限界に気づいたからこそ、この動きが生まれたといえます。当時は「乗っ取られた」と表現される方もありました。気持ちはわかります。その間の経緯は複雑で、当事者の様々な思いは知るすべもありません。いろんな思いが交錯していたと思います。

アルエットはJFL1年目にNTTつながりで大宮からレンタルした金川、田中等の補強の効果もあって上位の力を示したものの、2シーズン目は大宮から解雇された二人を確保する財力もなく、戦力が整わないまま、結果降格となりました。九州リーグではさらに財政的な厳しさが増し、遠征費もままならないような状況もあり、いわばタイムリミット寸前だった・・・。

九州リーグ1シーズン目の終盤、主力の社員選手が相次いで引退を示唆するなか、必死の説得があったと聞いています。あと一年頼むと。あと一年でなんとか”道筋”をつけるからと・・・。それが熊本のJへのプロジェクトでした。
そして、九州リーグ2シーズン目をなんとか乗り切ることができた。”既存型”で行くために、ベースを維持するために、まさに夢をつないでくれた人たちがいたということです。

②プロ化、法人化、ビジネスとしてのサッカー、が明確にされていたこと。
わかりやすく言えば“昼間に練習しないとダメだ”という苦い経験があったということです。サッカーで給料を出して、サッカーに専念しないと戦えない、“プロ”でなければやっていけないということが、当初から明確にされていて、そのためのビジネスモデルが組み立てられていった。営業ベースで運営資金が確保でき、設立当初から収支の伴った法人化ができたということ。ただ、このことは次の“県民運動”なしではなりえなかったことでもあります。

③「くまもとにJリーグチームを」県民運動の立ち上げ
法人化を可能にしたものは何か? と言えば、“県民運動”の存在ということになるでしょう。今もあまり状況は変わっていませんが、当時、熊本に漂っていた閉塞感、停滞感や、肥後の引き倒しといわれる“ネガティブ”な県民性。これをなんとか打破したい。このままでは熊本はダメだ。熊本にもこんなことができるんだと言うモデル(成功例)を作りたい。こんな、どちらかと言えば地元経済界“有志”の、心底の思いが運動という形で法人化(人的、財政的な裏づけ)を突き動かしていったんだと思います。

しかし実際、この他県あるいは前例モデルでも例をみない”県民運動”とは、なんだったんでしょう。先日の熊日の連載にも、ある自治体関係者の言葉として「本来なら一企業に行政がこんなに肩入れすることはない。ロッソが『県民運動』の旗印だから支援している」と発言しているように、厳然としてそれは生きています。この大義名分が最初の企業協賛セールスシートの“殺し文句”だったのは間違いありません。

それは熊本の人々の心に火を着けるような、”気持ち”の枠組みというようなもの。突き詰めていけば“名簿”ですね。県政、市政、経済界のトップ、若手経営者の面々などなど。そしてそこに名を連ねたすべての人たちの思いが県民運動の実体。古めかしい言い方をすれば、“連判状”とか、“血判状”とかいうようなものではないかと・・・。

この気持ちの切実さ、純粋さと迫力が、地域リーグレベルで何の実績もないチームに1億5千万円という資金をもたらし、さらに自治体をも動かした。もちろんこれも、気迫をもって奔走した人たちがいたからこそ実ったものであることは言うまでもありません。

さて、この“熊本モデル”の一番の特徴といえる県民運動。ある意味でまだまだ大義名分であって、基盤は本当に脆弱。これから本当の意味で県民として大事に育てていく、支えていくことになるのかと思います。逆に今、県民運動、県民チームという言葉の本質が見失われ、一人歩きしているような状況も見受けられ、ちょっと心配です。安易に振りかざす言葉では決してないのに・・・。

Jリーグ側の視点…“枠組み重視”
11月5日に行われたJリーグのヒアリングでも、行政の資本参加が求められるなど、Jリーグ側はチームの“資金力”や“運営力”へのチェックをより厳しくしている印象です。今シーズンからJへの成績条件が緩和されました。われわれは、そのタイミングといい、Jリーグはロッソを“贔屓”してくれているのではと思っています。そしてそれは何より、成績・チーム力というある意味結果的なものより、経営重視、枠組み重視へと変化しているということ。ロッソの枠組みがひとつのモデルとして認められたということではないかとも思います。(ちょっと贔屓目ですが、それも枠組みに成功した成果でもあります)

その2…ミッションを背負った重い戦いに勝ったということ
これは今思えば非情でしかも重いミッションだったと思います。しかし、それを達成したという事実、結果が伴った。

当初この県民プロジェクトのJへの計画は、1年目九州リーグ、2年目JFL、3年目J2というものでしたね。いくらなんでもすごいスケジュールです。しかし、1年遅れましたが達成しました。今年は、もし昇格できれば後はなかったかもしれない…ですね。当初は、3年でだめなら“解散”という覚悟だったと聞いています。支援企業に対しても、そんな条件付き時限的なプロジェクトであると説明されていましたから・・・。

恐ろしいミッションです。そして、まず、このミッションの全責任を負って戦った監督の労を称えたいと思います。

そしてそれには結果論も含めて次の2点の成功を挙げたいと思います。

①地域決勝大会のカベを1回でクリアできたこと
やはりJへの昇格プロジェクトを語る場合に、地域決勝大会という、ある意味で理不尽なくらい厳しい、過酷な関門があること。過去の挑戦者がことごとくここで躓いた。いくつのチームが跳ね返され消えていったか。リーグ戦とはまったく違う一発勝負。歴史的にみても、この関門をどう越えていくかが、ほとんど9割くらいのウェイトを占めていたのではと。確かにこの年はJFLが16チームから18チームへと2枠増。プラス愛媛の昇格で計3枠の自動昇格という幸運があったことも大きいですが、それも勝ち上がっての話しですから。

このときのこと、ここへ向けてどうチームを作り、どういう準備、どういう戦いを構想していたのか。これを背負ったプレッシャーはどんなものだったのか。想像を絶します。

②選手獲得、チーム作りのコンセプトがあった。手腕があった。
不安定で未成熟な基盤の上で目立ったのは、全くのゼロからスタートし、きわめて短期間でチーム作りに目鼻をつけた選手獲得の手腕と、コンセプトの確かさでしょうか。限られた、未確定の予算のなかで、“買い”のタイミングも含めて素晴らしい手腕を発揮しました。初年度、伸びしろのある大学新卒や、年代別日本代表などの若い元Jリーガーをタイミングよく廉価で獲得した手腕とコンセプト。3年目の今年は、ベテランJリーガーの獲得・補強によりチームに落ち着きをもたらし、前シーズンの課題に対して確実に答えを出しました。このあたりはチーム作りのうえでのコンセプトがはっきりと示されていたと感じます。

“プロ”についての誤解
選手獲得のことを書いたついでですが、まず今期のロッソの3億弱という予算規模は、経営的にはどういったレベルなのか。以前、聞いた話しで、J2昇格前の徳島(大塚製薬)の年間予算が3~4億円だったそうです。もちろん、選手の移籍市場など、その当時と状況は激変していますが、予算だけでなく練習場設備や宿舎なども含めて、運営の基盤的なものは大企業チームに及ぶべくもなく、ロッソのそれはおそらく現在のJFLでは真ん中くらいなのではと想像します。この予算で、よくこの戦力を買い付けたとも言えるし、またこの戦力でよく戦ったとも思うし。自治体の支援で、優先使用できるとはいえ、練習環境などはまだ“プロ”のそれとは言い難いものもあります。

“プロ”なのになんで勝てない? ということがよく言われましたが、まだ、あり方のコンセプトとしての“プロ化”であり、サッカーをビジネスと考える意味での“プロ化”であって、まだまだ発展途上だったという理解をしたほうが実態に近いのではと思います。

課題…サッカーを知るフロントが必要だ  
最後に課題をひとつ。以前も書きましたが、“GM”の不在ということです。今回のチーム名騒動の原因も、元をたどればこのあたりに行き着いてしまいます。サッカーを知る、スポーツビジネスを知るGMの不在は、やはり解決すべき最も優先順位の高い課題だと思います。チーム発足からの流れのなかで、”正しい枠組み”と書いたものの、この1点だけは不完全といわざるを得ません。プロの監督(Jリーグでも通用するS級)を招聘することを優先課題にしたものの、GMについてはさて置かれた。

それはおそらく、会社内に将来のGMを自認する人物がいたこととつながるのでは・・・。その人はこのプロジェクトに関して主要な役割を果たしてきた。その功績も含めて、ある意味で将来的にその役割を担う意志と意図があったのではないでしょうか。しかし、彼はチームを去ることになった。AC熊本として、彼をそうしなかった・・・。われわれの分析はそこまでです。それがなぜなのか? 正直なところ分からないし、われわれがコメントするようなテーマでもないと思います。そして、だからその後も全体としてGMの役割は埋められていない。そこに現在の、そしてこれからの課題のひとつがあるのは間違いないと思います。


さてさて、久しぶりに長文を書いて肩が凝りました。とにかくこれから、ようやくかなった夢を存分に楽しんでいきたいと思っています。Jリーグという会社に入社した新社会人といった気持ちで。チームも会社も大きくステージを駆け上がった訳ですから、われわれファンも学生気分を卒業して、ステップアップしなければという気持ちです。アルエットのJFL開幕戦のとき旧サカくまに書いたとおり。「雨の日でも、寒いときも、負けが込んでも、スタジアムに行って、みんなで声援を送りましょう。 」ホームチームがある喜びを噛みしめて・・・。それがわれわれファンの努めであり楽しみだと思っています。

2007.11.25 リーグ終盤!
第9回JFL後期第16節
11/25(日)13:00 秋田・仁賀保運動公園多目的広場
TDK SC 2-2 ロッソ熊本
得点者
前半 6分 高橋 (ロッソ熊本)
後半 2分 松田 (TDK SC)
後半19分 松田 (TDK SC)
後半33分 小森田(ロッソ熊本)

わがロッソは終盤追いついたものの、2試合連続の引き分け。これで勝ち点66。なんとか70をクリアしてもらいたいと思っていましたが、叶いませんでした。さあ、週末12月2日(日)は印刷とのホーム最終戦、JFL最終戦。そして翌日12月3日(月)はいよいよJリーグ理事会です。

今日はホントに長い一日でした。

まず、FC岐阜。今日勝って、他チームの結果次第では4位以内が確定するという状況。
しかし、佐川急便に逆転負けを喫し、また北陸、ホンダが勝ったため、現状では自力4位以内がなくなりました。昨年のロッソと同じように、その岐阜にもやはりJFLの“門番”たちが大きく立ちはだかっています。

先週のJリーグ理事会で、J2のチーム数とゲーム数の問題が大きくクローズアップされています。
ロッソ、岐阜の2チームが昇格してJ2が15チームになれば、3回戦総当り(42試合)という方針が出されたため、ロッソのみ昇格した場合の14チーム4回戦(52試合)と比べて、10試合も少なくなるわけで、J2のチームにとっては非常に大きな関心事になってきています。チームの経営上(営業収入)、かなり影響のあることだけにこれもまた目が離せないですね。

そのJ2ですが、第51節の結果、東京ヴェルディ(88)、札幌(88)、京都(85)が3位以内を確定させ、仙台、セレッソ大阪の昇格の可能性はなくなりました。
また、J1からの降格も横浜FC、に続き甲府が決定。入れ替え戦枠1チームを残すのみとなりました。来期のJ2の顔ぶれ、熊本が初めて戦うJ2の舞台の陣容がほぼ見えてきました。三ツ沢、小瀬、ユアスタ、長居・・・。アウェーの地としては、願ってもない舞台です。

そしてこの日、一方では地域決勝大会・一次ラウンドが最終。決勝ラウンドに進む4チームが決まりました。

やりましたね。ニューウェーブ北九州。
アルエットの、またロッソの好敵手として存在感を示していた北九州。FC琉球からジョージ与那嶺を監督に迎え、スタメンには、ベテラン藤吉だけでなく、元アルエット熊本のMF10番・森本惟人、熊本スピリッツ(大津高校・福岡教育大)FW26番・中嶋雄大が名前を連ねていました。

FC Mi-OびわこKusatsu。今日2得点の大活躍で試合を決めたのは元ロッソ熊本のMF8番・内林広高でした。
バンディオンセ神戸。ロッソが一昨年、決勝ラウンド3-0で勝ち、この時点でJFL昇格を実質的に手中にした因縁の相手。
ファジアーノ岡山。これも一昨年の一次ラウンド初戦、ロッソが4-3の激しい打ち合いの末、振り切った相手です。
一触即発といった感のある地域リーグ決勝。2年前の大津の、しびれる3日間を思い出さずにはいられません・・・。あの、大きな壁を越えたからこそ、今がある。

決勝ラウンドは11月30日から12月2日にかけて。12月2日(日)は、われわれにとっても、地域リーグチームサポにとっても、また長い一日になりそうですね。
11月17日(土)13:00 KKウィング
ロッソ熊本 1-1 三菱水島FC
得点者:後半4分高橋(熊本)、後半5分オウンゴール

先 発
30 山内 11 高橋
31 西森17 熊谷
33 小森田8 喜名
23 有村6 福王
19 上村16 矢野
 21 小林弘 
まあ、厳しい(Jリーグ昇格という)ミッションから開放されたのはチームだけでなく、ファンも同様で、スタジアムには何とはない緩んだ感じが漂っていました。

試合のほうは上村の痛恨のオウンゴールで引き分けに。水島は“まじめなサッカー”でしっかりとロッソを止めて、ロッソも全く危なげないくらいのバランス重視。後半、高橋が先制した直後、なぜか前がかりになり、バランスを崩したところに、カウンターを喰らい、オウンゴールを許してしまいました。それ以外は、崩される場面はなく、力ずくの守りで相手を抑えきった感じでしたが・・・。
終了のホイッスルと同時にへたり込む水島の選手が3人、4人。やっぱり相当なエネルギーで戦っていたんだなと。

勝ち点は1だったものの、この結果ロッソのリーグ2位が確定。佐川急便の優勝も決まりました。
昨年あれほど欲しかったこの2位という地位。今年は昇格条件が4位内に緩和されたとはいえ、意地でつかんだこのJFL2位の成績をひっさげて、堂々と来年J2に乗り込みましょう。

試合終了後は、昔の仲間にも出会い、昇格を喜び、握手を交わし、しばし、いい気分に浸ることができました。

ニュースでは、オシムが倒れ、危険な状態だと伝えられています。語録のなかでも一番好きな一文を引用します。

「サポーターの皆さんに分かってほしいのは、サッカーというのは人生と同じであって、必ずしも自分の思った方向に物事が動くとはかぎらない。勝つこともあれば負けることもあるのだ。勝ちだけを望むサポーターであってほしくない。このフクアリで、ジェフの新しい文化が生まれることを期待している。」

想像を絶する苦難を乗り越えた人らしい言葉です。一日も早い回復を祈ります。
新しいチーム名が「ロアッソ熊本」になりそうです。
「ロッソに熊本のシンボルのひとつ『阿蘇』を盛り込んだ」(16日付熊日)というAC熊本の話。現在特許庁に商標権を申請中で、正式にはまだ承認されていません。よって会社も正式に発表したわけではありませんが・・・。
正直言って、その語感に力を失うとともに、ちょっとした失望感を感じました・。

この一両日でファンの間ではもう既に多くの議論が尽くされたようですが、ここでサカくま的にも問題点を整理しておきたいと思います。
ひとつは、密室で決定された感のあるその決定過程についての問題。

Jリーグは、試合映像のみならず、選手の肖像、チームのグッズに至るまでをその関連会社で管理するために、リーグ入会の際に、チーム名やロゴマークなどの商標登録を条件と課します。ご存じのように過去、福岡ブルックス、ブランメル仙台、アルビレオ新潟、大分トリニティなどがこの件でひっかかり、J入会時にそれぞれアビスパ、ベガルタ、アルビレックス、トリニータに改名しました。

この入会条件はある意味有名なので、Jリーグを目指してスタートした以上、われわれは当然「ロッソ」に関してこの商標登録の問題はクリアしているものと思っていました。が、実際は「当時は商標権の確保が必要という概念がなかった」(同熊日)ということのようです。その当事者能力については、とほほ・・・というしかないのですが。

3年前にロッソと命名した際には、広く県民から公募という形式をとったのですが、今回はAC熊本独自で検討し商標登録を済ませたうえで公表しようという段取りだったようです。これは、応募の段階で先に商標登録されるのを避けるという意味で、手続き上は妥当といえましょう。98年にベガルタと改名した仙台も同様の手順をとっています。ことはビジネスの話ですから・・・。
しかし、3年とはいえ慣れ親しんだ、というかスタジアムで皆で叫び続けた「ロッソ」という名前が変わることに、多くのファンが大いなる寂しさを感じるのは当然。その点、J昇格決定過程の慌ただしさとはいえ、この件に関しての会社側の広報手順のまずさは指摘せざるを得ません。

もうひとつの議論は、その名前そのものについて。
われわれも、新しい名前が「ロアッソ」だと聞いた瞬間、その語感の”力”のなさには、初めて「ロッソ」と聞いたとき以上のものを感じました。ようやく皆が慣れ親しんだ今、そのロッソの語感を少しでも残そうとフロント側が思ってのことだと理解するにしても、間に「アソ」を入れてロアッソとしてしまうセンスのなさには全く幻滅です。おそらく隣県のトリニティが少し語尾を変化させてトリニータにした成功例を真似したつもりなのでしょうが、ロアッソの安易さには、なかば志のなさのようなものすら感じます。他にも何か単語的に深い意味があるのなら別ですけど・・・。

多くの人も言っているようにわれわれも、チーム名は「AC熊本」、そして愛称が”ロッソ”。でよかったのではないかと思います。

例えば浦和レッズは、「浦和レッドダイヤモンズ」が正式チーム名です。今ではマスコミも含めて皆が”レッズ”としか呼びませんが、それは実は愛称でしかない。(正確にはJリーグの管理下にある”呼称”という定義ですが)
あるいは、かのACミランの愛称は、そのチームカラーから”ロッソネロ(赤と黒)”。ASローマはファンから”ジャンロロッソ(黄と赤)”と呼ばれています。ですからなにも慣れ親しんだからといって無理してチーム名に語感を残すことをこだわる必要はなく、愛称にしてしまえばよかったと思うのです。そもそも最初から”ロッソ”って一般名詞なのですから・・・。

登録チーム名は地域の名前を冠して「AC熊本」。それは運営会社のAC(Athrete Club)と読みは同じでも意味は違ってAssociazione Calcio。ファンやサポーターからは常に愛称の”ロッソ”と呼ばれる。それでいいわけで・・・。

そもそもチーム名にどこの国の言葉でもない変な造語を使っているのは日本だけではないでしょうか。それは結局、前述の「商標権」というビジネスに関わる問題であり、また、当時実業団リーグだった日本リーグからプロリーグを立ち上げるあの段階で、それまでの企業色を払拭するためにシンボル化あるいはアイドル化する必要があったからだと、ある意味当時としては妥当だったと好意的に理解しています。
しかし、FC東京に始まり、横浜FC、愛媛FCなど、もはやJリーグ第2世代といえるチームでは、地域名自体をチーム名として完結させアイデンティティを確立できているのです。より欧州に近づいた感じというか・・・。

それなのに我がチームが(フロントが)、旧来型の”造語アイドル型”チーム名を選んでしまったことが残念でならない。よくは知りませんが、それが安易な検討の結果のような感じがしてならないのです。

 まぁ、「ロッソ」の時と同じように「ロアッソ」も、結局次第に慣れ親しんでくるのかも知れません。どうせJリーグサポの間では、他チームのことを地域名でしか呼ばないことだし。あるいは京都パープルサンガが、いつかしら京都サンガFCに改名した例もあるわけだし、先のことはわからない。などとも思いますが・・・。

幸いチームカラーは赤のまま(だと思うんですが)。これからも正々堂々と愛称として”ロッソ”とコールしても全くおかしくはない。それが欧州らしくもあり。とりあえずわれわれはそう思っています。
本日から熊日でも連載が始まりましたが、すでにJ昇格後の課題がテーマになっており、世の中が急ピッチで先に先にと進みだしたなと感じています。しかし、まあ、ここは年寄りのブログですから、そう急ぐことはないかなと。
もうちょっと、ニコニコしながら、振り返りながら楽しみたいなと思っています。それも昇格のご褒美なのかなと。でも案外、そんな中にこれからの闘いのヒントがあるような気もしますし。


その前に今日はまず、先日お礼を申し上げた“拍手”コメントについてです。昇格当確後、また沢山いただきました。中には久しぶりの昔の仲間や、J先輩サポの方や…。われわれもそれを読みながら、初めて実感というか、じわっと来るものがありましたのでいくつかご紹介したいと思います。


「読んでいて仕事中でしたが涙が出てきそうになりました。私は応援している立場だけでしか喜んでいませんでしたが様々な人たちに支えられての昇格ということを再認識出来たコメントでしたのでこちらからも感謝したいと思い投稿させてもらいました。」

「爆発的な嬉しさというよりも、同じくしみじみとしております。」

「涙が止まらない。ありがとうございます。」

「確かに、ほっとしたと言うのが正直な感想ですね。でも、本当に皆さんにありがとうと言いたい。」

「J昇格内定おめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます・・・これからは大切に育てていって欲しいものですね。これから九州ダービーがもうひとつ増え楽しみにしています。来年ロッソがどのようなサッカーを見せてくれるかが待ちどうしいです。」


気持ちのこもったコメント、ありがとうございます。
いや。ほんとによかったです。


さて、今週末は後期第15節、KKウィングでの水島戦です。
何か、これまでのリーグ戦(九州リーグも含めて)の試合前とは全然、違う心持ちですね。プレッシャーのない解放された気分というのでしょうか。(おそらくはチームもこれまでとは違う構えでくるでしょうが)。われわれはと言えば、これはもう思いっきりゲームを楽しんでみたいと思っています。マフラー振り回して、拍手して、大声出して、精一杯の気持ちで選手を褒めてあげたいなと思っています。


JFL後期第14節 11月11日(日)13:00 沖縄県総合運動公園陸上競技場
FC琉球 0-4 ロッソ熊本
得点者 前半25分 小森田(ロッソ熊本)
    前半43分 矢野(ロッソ熊本)
    後半22分 高橋(ロッソ熊本)
    後半33分 山内(ロッソ熊本 ※サカくまの公式記録は山内に!)

何かの因縁でしょうか。九州リーグから同時にJFLに上がり、良きライバルとして戦ってきた琉球に勝ち(対象チームが負け、引き分けたことで)、3位以内が確定。昇格条件だった4位以内をクリアしました。

Jへ昇格です。

でもまだ、実感がありません。
夢を手にしたけれど、何か夢を見ているような。
(ひとりで、小さくガッツポーズはしてみましたが)
アウェーでの速報観戦だったからなのか。予想していた喜びというより、しみじみとした安心感というようなものを感じています。

正直に言うと、こんな日が、こんなに早く来るなんて。
そして「サカくま」にこんなことを書ける日がくるとは。
思ってもいませんでした。ごめんなさい。

この「サカくま」、7年前、NTT西日本熊本FCのJFL昇格を機に「いつの日か、Jのホームチームを」という夢を掲げて開設しました。しかし、チームはその後、様々な経緯をたどり、その“苦闘”を目の当たりにし、われわれの気持ちのなかでは、「J」はいつしか本当に夢の世界のことになっていました。

しかし、今、現実に、われわれのホームチームはその夢の舞台に立つことになりました。

今日は、小賢しいコメントや分析をする気にはなりません。
今の気持ちを誰かと分かち合いたいし、何より、われわれが今この場に居られることの”感謝”の気持ちを伝えることのほうが大事だと思うので。

それは、
九州リーグ降格が決まった町田・国士舘戦。悔しさに号泣したサポーターたちに。
そして、それでも、明日なき日々を、無心に戦い続けた選手、監督、スタッフに。
それを支え続け、自腹を切り、家族を、仕事をかえりみず働いた関係者の方々に。
NTTのリストラにより志半ばにして転勤でチームを去った選手たちに。
毎試合、ピッチの傍らで、選手を見守った家族の方々に。
「熊本にJリーグチームを」の夢に共感しロッソの立ち上げに奔走してくれた人たちに。
あるいは、ロッソに立場を奪われたと激怒した人たちに。
新しいチームを応援し始めた人たちに。
遠い九州、見知らぬ街に自らの人生の活路を求めてやってきた若い選手たちに。
何の実績もない熊本の地域リーグのチームに来てくれた監督に、コーチに。
休みもなく激務をこなし、チームを支えてくれたマネーシャー、スタッフに。
波間を漂う小船のようなロッソの舵をしっかりと守ってくれたフロントの方々に。
発足間もない時からロッソを支援してくれたスポンサー企業の方々に。
ただ黙々と支えてくれたボランティアスタッフの方々に。
われらがロッソを迎え入れてくれたJリーグの関係者の方々に。

そして、”夢”だけで繋がっているたくさんの人たちの応援に。
心からの感謝を表したい思います。


さて。せっかくかなった“夢”です。
われわれとしては、Jリーグ理事会で正式決定の日まで、もう少し、その余韻に浸りたいと思います。(気の早い向きは、すでに昇格後のことを取り沙汰されているようですが…)しばらくは、これまでの経過をたどり、振り返ってみたいと思います。ここまでたどり着いたことの意味や、重さをわれわれなりに再確認してみることも無駄じゃないと思うからです。

最後に、今日の琉球。濱田照夫、鎌田安啓の名前がしっかりとありましたね。濱田選手は今期で琉球を退団し、熊本で指導者として再スタートするということらしいです。厳しいけれど新たなチャレンジ。また違った形で応援したいですね。


とにかく今日は、
感謝の拍手をこのJ昇格に関わった全ての人たちに!
「白岳」胸スポンサー問題です。

昨日から高橋酒造のHPに以下のようなコメントが掲載されています。



『ご支援のコメント、ほんとうにありがとうございます。
本件に関しましては、全国の皆さまからお電話やメール等で、たくさんのご支援の声をいただいております。重ねてお礼申し上げます。

弊社はロッソ熊本という地元熊本のサッカーチームを応援させていただいておりますが、それは、「~スポーツで、もっと、幸せな国へ。~」というスローガンの元、「地域に根ざしたスポーツクラブ」を核としたスポーツ文化の振興活動に取り組んでおられるJリーグの理念と活動に共感したからです。

少しでも弊社が地域のお役に立てるのなら、それがいかなるカタチであれ、(胸スポンサーでなくとも)、全くこだわりはございません。むしろ、弊社の本件で、Jリーグさまやロッソ熊本事務局さまに大変なご迷惑がかかっているのではないかと危惧し、また恐縮いたしております。

ルールを厳守するのがフェアプレイの精神です。

弊社はJリーグでお決めになったルールを遵守し、フェアな支援を続けさせていただきたいと考えています。


記入者名:高橋酒造(株) 2007年11月07日 15:05 』
(以上、高橋酒造HPより転載)



品格ある、見事なメッセージです。


Jリーグにとってわれわれロッソ熊本は新参者です。
Jリーグという興行組織の末席に、新たに加えてもらう立場であります。

もうひとつ。われわれは、ファンといえども自分たちは当事者と思っています。
マスコミ等の立場とは大きく異なります。
この問題について、批判、評論、様々にありましょう。
しかし、われわれは「事を成し遂げる」ためにファンとしてどう振舞うのか、だと思っています。

確かに、Jリーグの論理にもすっきりしない部分はあります。
しかし、Jリーグも日本サッカーの長い歴史を背負って今があります。
いろいろなものを抱えながら、理想を目指しているんだと思います。

そして高橋酒造。

われわれは、今、このような支援者を得たことをとても誇りに思っています。
これからも、ともに闘い、進んでいけることを心から嬉しく思います。
そして、われわれも、この支援者の志の高さに恥じないファンであらねばと。肝に銘じているところです。



JFL第13節 11月3日 13:00 県営八代運動公園陸上競技場
ロッソ熊本 1-0 FC刈谷
得点者 後半11分 山口(ロッソ熊本)

会場に着いたのが12時ちょっと過ぎ。すでに第二?駐車場まで満杯で、少し離れた第三?駐車場へ。いずれも近隣の一般企業の駐車場を開放してもらっているもの。まず、協力に感謝です。

すると会場入り口でFW山内選手のお父さんにばったり。「今日も先発ですか?」と尋ねると「そうみたいです」と、照れたような、でもなんだか複雑な表情。嬉しくないはずはないですが、しかし、この試合の意味や責任の重さ。確かに単純に喜んでいる気にはなれないかもしれません。

こころのなかで「山内、頑張れよ!」と祈ってしまいました。

スタメン
30 山内 11 高橋
31 西森17 熊谷
5 山口33 小森田
6 福王15 市村
19 上村16 矢野
 21 小林弘 

試合のほうは、序盤、まず、その山内。チームとして彼の特徴を生かす意識が出ていて、やや引き気味のポジションから2度、3度と裏へ飛び出して、いいボールを引き出し、チャンスを作ります。相手にとっては嫌な動きでしょう。そのせいか高橋へのマークも徐々に分散され、ロッソがゲームを支配します。

しかし、やはり全体に引き気味の刈谷。ロッソも相手守備ラインの前で持たされている感じもあり、なかなかシュートまで持っていくことができず膠着気味。

そして実はロッソも(気持ちは)引き気味の印象。絶対に裏はとらせない。中盤で確実に潰す。カウンターへの備えは完璧。といった具合で、バランス重視の戦術で、実に慎重な試合運び。確かにミドルからシュートも打たれるものの、流れのなかで崩されることはなく、決定的なピンチには至らない。(ヒヤッとさせられる場面は全部で3度。いずれも集中を欠いたプレーがきっかけでした。)

結局、前半はこのまま終了。

ハーフタイムに他会場の途中経過がアナウンスされました。3位YKKも、4位岐阜も、5位北陸も、いずれも前半リード。もしここでロッソが勝ち点を落とせば・・・。一気に緊張感が高まりました。

後半11分、やっとCKからのクリアボールを山口がミドルレンジから、抑えたいいシュートを決め先制しますが、後半24分。その山口が二枚目のイエローで退場に。その後は、ほとんど受けに回る展開でしたが、残り20分間、何の迷いもなく、“受けて守る”意思が徹底し、チーム全体が落ち着いて対処。きっちり凌いでがっちりと勝ち点3を手にしました。

もう内容とかじゃないですね。

みんなわかっている。これまでだったら、あれだけ膠着した試合になると、ファンは(もちろん選手も)、かなりいらだってきてたと思うんですが、むしろ“固唾を呑んで見守る”、という雰囲気。後半も30分を過ぎると、スタンドからなんと「キープしろ!」の声も。まあ、ちょっと早過ぎるとも言えるんですが、ファンの側も、試合内容とかじゃなくて、勝ち点をとるという結果がすべてという、何とはない“一体感”めいたものが感じられました。

リーグは残り4試合。今日、山口が退場になったことで、またまた次節以降、選手のやりくりに頭を痛めそうです。昨年は、この時期、怪我のために選手層の薄さが浮き彫りになってしまいましたが、今年これからの試合は、”累積”にビンゴの選手の穴を誰が埋めるか、リーチの選手をどの時間帯まで引っ張れるかといったことで苦慮しそうです。そういう意味でも今日、途中出場の宮崎、河端あたり、次節のメンバー編成のカギを握っているのかもしれません。

あと、まあ、変な郷土意識ではないんですが、今日の先発11人中、地元出身者が山口、矢野、上村、山内、西森、小森田の6人。途中交代では宮崎も入り、この日はなんと計7人の地元選手がピッチを賑せてくれました。いや、いくら”ホームチーム”と言ったって、このカテゴリーでこの”地元率”はすごいことですよ。今は下部の地域リーグを見渡してもこんなチームは少ないでしょうし、J2に行ったら驚かれることと思います。

さて最後に、このfc2ブログでの面白いシステムに一番下にある”拍手ボタン”があるんですが、最近は“拍手”に加え、管理者しか見ることができない”コメント”をいくつもいただいています。”拍手”をいただくだけでも大変有難いんですが、いただいたコメントは、どれもがこちらの想いをズバリ汲んでいただいていて、とても嬉しい気持ちです。ありがとうございます。

これで勝ち点は61。次節、勝てば64。5位北陸が引き分け以下の場合、最大勝ち点は62に。また、天皇杯日程で明日、13節の試合がない(11月28日に開催)6位ホンダが13節、14節を連勝したとしても最大勝ち点は63に・・・

もしかすると、次節、琉球戦で・・・

いやいや。まだ何も手にしたわけではありません。こんなことを口にしていると、せっかくの幸運が逃げてしまうかもしれません。気持ちを抑えて。また。来週もまた、しっかり応援するだけですね。みんなで。

みんなで行こうJ