4月29日(火) 2008 J2リーグ戦 第10節
熊本 2 - 1 甲府 (14:04/熊本/4,464人)
得点者:26' 小森田友明(熊本)、48' 藤田健(甲府)、52' 矢野大輔(熊本)


プロセスが結果に結びつかないここ数試合。正直、勝利という”結果”がすぐにでもほしいという気持ちと、2勝目まではもう少し時間がかかるかなという不安(覚悟)が、ない交ぜになったようなゲーム前の心境でした。しかし、ホームに迎えた甲府を相手に勝利。あの広島にも土をつけたJ1降格組。一般的に世間では、この勝利を”金星”と呼ぶのでしょう。

バックスタンドでは子供達が掲げる「小森田先輩。頑張れ」の横断幕。おそらくブレイズ・ジュニアの面々か。
その小森田も右サイドに入って、ロアッソは、前節、前々節と変わらぬ先発フォーメーション。強豪甲府相手にも、いつもどおり、真正面から自分たちの目指すサッカーで挑もうという監督の気構えが、無言のメッセージとしてわれわれにもしっかりと伝わってきます。
「チーム内にヘタッているやつは一人もいない」(上村健一4月27日熊日朝刊)。結果が出ていなくてもチームが浮き足立つ様子は全く見えません。

しかし、中二日の試合日程の疲れか、あるいは夏日となったこの日の暑さのせいか、それともペース配分を考えてのことか、試合の入り方としてはややスローな重たい感じがしました。セカンドボールはことごとく甲府に拾われ、ボールを支配されます。ただ、結果論かも知れませんが、ある程度、甲府にボールを持たせる戦略だったのかもしれません。甲府は自分たちが“意外に”ボールを持てるため、例の”狭い局面でのクローズ”といった特異な陣形を90分間、一度も見せず、いわば”普通”のサッカーをやってくれました。

逆に熊本は徐々に、ボランチ“山山コンビ”を中心として、甲府のパス回しを要所要所でカットしていく。自陣ゴール前でのドリブルや、ショートパスに対しても、きっちり準備できている。

両者押し合って、主導権を奪い合おうとする互角の展開。試合が動いたのは26分、エリアやや右手前、得意の位置からのFKを小森田が直接突き刺す。ロアッソにとって、実に開幕以来9試合目にして初めての先制点となった鮮やかなゴール。小森田にとっても今季初得点でした。

その後も、甲府の高いDFラインの裏をつきチャンスを作る”ロッソ”。加えて今日は、早いサイドチェンジから2列目、3列目が追い越してくるシーンが随所に見られる。決定的なチャンスも二度、三度。何より熊本も甲府もお互いに見事にコンパクト。そのためか攻守の切り替えは非常に早く、攻守の動きがつながっている「シームレス」な感じさえ受けました。

さて、リードして前半を終えるのは、水戸戦以来です。

ハーフタイムの喫煙コーナーで同僚たちと後半予測。「後半2点入るよ。どちらに入るかはわからないが・・・。」「1点ずつ取って2-1ならベストかな。」などとうそぶいていたのは、皆の心に「今日は勝ちたい」という思いと、これまで何度と目にした後半のパフォーマンス低下への不安とが入り混じっていたせいでしょう。ドラマはまだ前半を終わっただけ。当然このままで終わるとは誰ひとり思っていなかった。

そして後半。まず悪いほうの予感が早々に的中。開始2分、やや不運とも見えたPK判定で同点に追いつかれてしまいます。
しかし、早い時間帯だったし、防戦一方というわけではなかったので、スタンドは比較的落ち着いて見守っていました。同点にされたわずか5分後、セットプレーから矢野のヘッドで再び勝ち越し。この瞬間、スタンドは総立ち。騒然としたスタジアムの雰囲気そのままに、さらに撃ち合いになるのか。押せ押せの熊本が追加点を上げるのか。観る側にとってもこれ以上はないシビれる展開。

しかしこのドラマ、さらに意外な展開を見せます。図らずもそれを“演出”したのは、同点PKを“演出”した田辺主審その人でした。
後半30分、チャジホは左サイドで、自らのコントロール下にあったタッチライン沿いの浮きダマを敵陣方向にクリアしようと果敢なオーバーヘッドキックを試みますが、これが相手の顔に入り、2枚目のイエローで退場。
一人少なくなった熊本。後はこの1点を守り抜くことに完全に集中していきます。中山を下げ、福王を最終ラインに入れ、上村をボランチの位置に。残り時間は15分。

しかしここにきて、もはや人数など問題ではありませんでした。
どちらの“勝ちたい”という気持ちが勝るかどうか。

前線に高橋ひとりを残した熊本は、甲府の攻撃を必死に跳ね返す。低いクロスボールに危険を顧みず頭から体を投げ出す河端。疲労困ぱいのはずなのに縦横無尽に走り回る山本、山口。退場劇直前に投入された宮崎大志郎は守備に追われながらもJデビューのチャンスを果敢に相手陣深く駆け上がる。削られ、倒されながらも孤軍奮闘する高橋。審判の視界外で行われる、甲府選手の狡猾なプレー。ひとりのミスも許されない。ノーファウル。オールクリア。懸命のタックルに大声援が応え、スタジアム中から沸きあがる手拍子が疲れ切った選手たちの背中を押す。長い長い3分のロスタイム。ドラマの終わりを告げる主審の笛。

実に一ヶ月半ぶりの勝利。待ち遠しかった勝ち点3。だからこそこの勝利の喜びはひとしお。なにより甲府の持ち味のハラハラ・ドキドキサッカーのお株を奪うようなスリリングな展開。
サッカースタイルも、クラブ経営もいわばお手本としたい先輩格の甲府にがっぷり四つ、勝ち点を奪えたことはまさしく“大金星”と言っていいでしょう。

もちろん、まだまだ課題は目に付きました。しかし、駐車場までの道すがら、家族連れや友達同士、大勢の人たちが、皆、一様に笑顔で、今日の勝利を喜び、選手の活躍を称え、ゴールシーンを思い出しながら、賑やかに語り合う姿を見ていると、そんな心配もどこかに吹き飛んでしまいました。

このハラハラ・ドキドキをスタジアムで体感した人たちは、次のホームゲームにはきっとまた足を運んでくれるでしょう。テレビや新聞で結果を知った人にも、その興奮とわれらがチームの逞しい戦いぶりを伝えてくれるに違いありません。
こうして一試合、一試合、みんなの胸に刻まれてゆく小さな歴史。このサッカーを続けていく先には、きっときっと真っ赤に埋まったKKウィングがあることを確信させる、そんなゲームでした。
4月26日(土) 2008 J2リーグ戦 第9節
熊本 1 - 2 広島 (15:03/熊本/5,822人)
得点者:56' 平繁龍一(広島)、82' 服部公太(広島)、87' オウンゴ-ル(熊本)


こんなに悔しいのは何故なんだろうとも思います。

ひよっとしたら、ズタズタにされて、ボロ負けするんではないかという一抹の不安のなかで、また惜しい試合をしたからか・・・。あるいは、全くいつもと同じように、後半だけの内容で負けてしまったからか・・・。昇格候補筆頭の広島を相手に、こちらの順位から言えば、1-2という結果はかなりの善戦といえるはずなのに・・・。

今シーズン最多というほど、やはり広島からは大勢のサポーターがやって来て、アウェー・ゴール裏を紫色に染めました。前節、甲府相手に痛恨の初黒星を喫した広島。J一年生チーム相手に連敗は許されないというモチベーションだったのでしょうが、しかし、その動きは意外なほど鈍かった。

熊本は、善戦した前節C大阪戦と同じフォーメーション。この試合でも、山本、山口の両ボランチが果敢に詰めてボールを奪い、チャジホや小森田が、前線にからんでいきました。

前半は互角というより、わがほうに何度もチャンスあり。しかし、先制点は取れず。これもまた何度目になるでしょうか。

そして後半の、ある時間帯。見た目にははっきりと足が止まるというより、動きの”精度”が落ちるといっていいのかも知れません。もちろんそれは、単純に言えばスタミナと言いうことなんでしょうが。

戻れない、走れないというよりも、ほんの一歩の出足のタイミング、一本のパスの強弱・・・。遅い、弱いというより、本当に微妙な筋肉のスピード感の狂い。消耗。

河端に削りに削られながらも、走り抜き、パスを送り、シュートを撃ち抜く佐藤寿人を観ていて、その違いに感じ入りました。どんなに疲れた時間帯でも、どんなに厳しく競っていても“軸”がぶれない。したがって視野がぶれない。こんな言い方をしていいのかどうかと思いますが、印象的には「体幹」の筋力、持久力といったものを感じました。

「1本の精度の違いが、上位との差じゃないかと思う」(山本:J’sゴールインタビュー)。そこには詰めなければいけない1点差以上の”差”があるだと感じました。

首位をひた走る強豪チームではありましたが、”今日の”広島には勝てた。勝っておきたかった。いい試合をしながらも勝ちきれない。ひどい内容ながらも勝ち点は得る。それが、今ある両チームの”力”の差なんだと思いました。


さあ、切り替え、切り替え!
次節甲府戦まで時間もないので、同時にスカウティング編にいきたいと思います。

ヴァンフォーレ甲府は、やはり今季J1から降格してきたチームですが、目だってこれといったタレントがいるわけではありません。やはり有名なのは、前監督である大木氏が築いた”狭い局面でのショートパス”で繋いで、攻撃に移るサッカー。狭いサイドに追い込み“クローズド”したあとに、奪って“オープン”展開する。といっても、普通ならスペースがある逆サイドのほうにサイドチェンジするんですが、甲府のサッカーはあえて、同サイドに”オープン”するように感じます。数的優位を作るサッカーとは、対局をいくサッカーなのではないかと・・・。ことに、”オープン”の先にあるジョジマールが要注意選手といえます。
開幕からスタートはもたついていましたが、相性のいい広島に白星。今節では愛媛に競り勝ち、いよいよ調子を上げてきました。

甲府の歴史は苦難の歴史です。J2創設期からのチームですが、開幕から10試合未勝利。初年度は最下位。2年目も第5節から25連敗というリーグ記録。当時としては珍しかった、親会社なしの純市民クラブ経営も苦難をきわめ、ついに債務超過となり経営危機に陥りました。
クラブを救ったのは、現社長でもある海野氏。大企業という後ろ盾がないかわりに、担架にまで広告を入れるという、少額スポンサーをコツコツと獲得する大胆な戦略で、徐々に好転させていきました。
転機が訪れたのは2005年、大木監督による攻撃的サッカーが開花して、ついにJ1に昇格。一時は、消滅の危機さえあった地方の弱小クラブのJ1昇格は、多くの地方クラブに勇気をもたらし、経営的にもひとつのモデルとなりました。

残念ながら2年で降格の憂き目にあいましたが、J1を経験したことで、甲府市民にさらにホームチームへの求心力を与えました。小瀬のホームゲームの動員力は、J2では屈指といえるでしょう。

今季新たに指揮をとっている安間監督は、JFLのHondaFCで選手生活を送り、大木監督時代に甲府に呼ばれてコーチをしていたため、大木サッカーの正統な継承者といえます。Honda出身では、宇留野がFWとして活躍しています。運動量の多い、相手にとっては嫌な選手です。

ただ、ロアッソとしては与しやすい相手ではないかと。
無闇なロングボールもなければ、厳しいサイドチェンジもないような・・・。ただひたすら、全員が走り続け、ハードワークを厭わない。ある意味、同じ方向を向いた相手。
がっぷり四つで、今の熊本の力をぶつけてみせて欲しいと思います。

第一クールもいつの間にか折り返しを過ぎ、そのあとは横浜、福岡、岐阜、徳島と続きます。
「これを一年やり続けられるかだと思います。結果が出ないからといって“引いて守ろう”とか、リスクを負わないサッカーにやり方を変えてしまうと、次がないと思うので・・・」(池谷監督:J’sゴールインタビュー)
”結果”が欲しいわれわれファンの気持ちをよそに、指揮官の視点の先は、まだまだ彼方にあるようです。

さぁ、ゴールデンウィークは連戦。下を向いたり、振り返ったりしている暇はない。次も、その次も声を限りに応援しましょう。われわれのホームチームを。
遂に広島をホームに迎えます。
J1から降格してきたものの、天皇杯では決勝まで勝ち残り準優勝。またプレシーズンのゼロックス・スーパーカップでは、前年のJリーグ年間王者ならびに天皇杯覇者であった鹿島アントラーズを破りJ2クラブとして堂々の「日本一」となっています。今シーズンも、前節初めて甲府に土をつけられたものの、首位を快走している超強豪。昇格候補の筆頭といって間違いないでしょう。

広島 (前節の先発フォーメーション)
 11 佐藤寿 
15 高萩10 柏木
17 服部16 リ・ハンジェ
7 森崎浩6 青山
5 槙野24 森脇
 2 ストヤノフ 
 21 木寺 
MF柏木、青山、DF槙野はU-23五輪候補。FW佐藤寿人もご存じのようにA代表で活躍。こんなに代表を出しているチームがJ2にいていいのか、という感じです。

強い。しかし、その強さは誰かベテランの力によるものではなく、”若い”力の結集というのが特徴です。
それは、広島の下部組織の育成力を物語っています。柏木、槙野はもちろん、森崎兄弟、高萩も広島ユース出身。そして、そのユース監督こそ、熊本が産んだ初めての日本代表、第二高校から筑波大に進み、今西和男氏(現FC岐阜GM)の目にとまり広島入り、SBとして活躍した森山佳郎です。
加えて言えば、下部組織強化こそ、クラブ強化の最大要素であると早くから確信していた今西氏の先見の明が今の広島を作ったといえるでしょう。

かなり特徴的なフォーメーションであり、試合運びだと思います。3バックは、ゆっくりと後方でボールをまわし、引いた相手の隙を窺います。中盤から上の人間が、流動的にポジションチェンジすることによって、相手をズラし、そこに速いボールを入れると、そこからは絶妙のコンビネーションとアイデアで、エリアを切り裂き、数的優位を作り、シュートに持っていくのです。

もちろん個人の能力の高さもあるのですが、両サイドを含めた各人の献身的な運動量がそれを可能にしていると言わざるを得ません。

佐藤寿人のゴールへの嗅覚は折り紙つきですが、さらに怖いのは高萩と柏木とのトライアングル。このトップ下とも言えない、シャドーストライカーとも違う性格の二人の存在が、今の広島サッカーのエッセンス。無理矢理に表現するならセカンド・アタッカー、セカンド・トップといった役回りなのか。
この二人のアイデアある動き、服部とリ・ハンジェの運動量、果ては森崎、青山両ボランチからの供給、そして佐藤寿人の一瞬ゴール前から消える動き・・・。それらが連動して機能すると、ちょっと手がつけられないかも知れません。

しかし、熊本としては、それを恐れるあまり引いてしまっては、相手の思う壺。勇気を持ってラインを高く上げ、オフサイドに陥れること。サイドを潰すこと。そして、コンパクトな陣形を保ち、敵の最終ラインから入るパスを高い位置でカットすること・・・。

そう。これまでと同じ当たり前のことであり、簡単に言ってしまいましたが、それを可能にするためには、相手以上の運動量とそれを90分間持続するという想像を絶するハードワークが求められます。

もちろん池谷監督は、これまでの自分たちのサッカーを貫くことをベースにしながら、何らかの広島対策をしてくると思うのですが、それがどういうものなのか・・・。それもまた楽しみですね。
これまでの7試合、新たなカテゴリーへ真正面からチャレンジしてきたロアッソ。様々な課題を突きつけられ、修正を重ねていますが、この広島戦、リーグ戦序盤でわれらがチームの到達点を確認する絶好の機会ではないでしょうか。

そして広島といえば、いわずと知れたわれらがエース高橋とピッチ上の指揮官・上村の古巣であり出発点。高橋は99年入団。初年度の活躍で優秀新人にも選ばれています。今のメンバーでは森崎兄弟あたりがトップに入ってきた頃と重なります。
上村に関しても、ご存知のとおり。Jリーグ発足当時から在籍し、日本代表まで上り詰めた“ふるさと”のようなクラブではないでしょうか。高橋と同じく2003年まで在籍していました。

その後、それぞれが違う人生を歩み、そして今、古巣と相対することになった二人の“ロッソ”選手。彼等の胸中に去来する想いはわれわれには想像がつきません。
ただ、“プロ”意識の高い二人のこと、その精神をはぐくんでくれた古巣に対して、“恩返し”のような気迫あふれるプレーが観られるのは間違いないでしょう。
おそらく広島からも、たくさんのファンが詰め掛けるはず。高橋や上村が行った“ロアッソ熊本”って、なかなかやるな。そう感じてもらえるホームゲーム、そしてスタジアムにしたいですね。

土曜日はゴールデンウィークの初日、天気もよさそうです。ではKKウィングで。
2008.04.21 惜敗。C大阪戦
4月20日(日) 2008 J2リーグ戦 第8節
C大阪 1 - 0 熊本 (13:04/長居/8,382人)
得点者:84' ジェルマーノ(C大阪)


2月の横浜FCとのTMの際、0-1の結果だけをして決して”惜敗”とは呼べないと書きました。点差以上に“力”に差があったためです。
しかし、昨日のこのセレッソ大阪との試合は、まぎれもなく”惜敗”。いや、今シーズン始まって以来のベスト・パフォーマンス・ゲームと言っていいかも知れません。

ただ、結果だけ見れば0-1の敗戦。勝ち点ゼロなのです・・・。

というわけで、先発のフォーメーションを記録しておきたいと思います。

ロアッソ (先発)
18 中山 11 高橋
24 チャ33 小森田
26 山本5 山口
16 矢野15 市村
19 上村3 河端
 21 小林 
山口と山本の両ボランチ。このボランチ“山山”コンビが汗かきプレーでよく働いた。これまで、いいときのロアッソのサッカーは、敵陣でのアタックによりショート・カウンターに持ち込むというもの。しかし、この日のロアッソは、少しリトリートした布陣から、両ボランチほかの執拗なチェックで何度もボールをインターセプト。そこから攻撃につなげていました。
ロングボールへの飛び出しは、いまだにコンビネーションが悪いものの、短いパス回しで崩していく形は、何度もシュートまでもっていけていました。
また右サイドに小森田という布陣も初めて。チャジホが突進する左はアタックサイド。小森田の右はよりワイドに動いてタメやスペースを演出するサイド。左右が役割も動きも異にしながら攻めの引き出しが増えたような。さらに運動量を増せば、まだまだこれからの大きな可能性を感じさせるフォーメーションだと思いました。

香川のキレのあるドリブルには確かに手を焼きましたが、アレーとシェルマーノの両ボランチのボール回しは甘く、そこから何度もボールを奪う。
「相手ボランチの両外国人はトラップの時にボールが甘くなる」(山本:21日付熊日)という事前のスカウティングが奏功した結果でした。

高さのある小松、森島の両FWにも決定的な仕事をさせることもなく、シュート数こそ多かったものの、撃たせてOKのものがほとんどで、観ていて安心感がありました。

スコアレスで前半を終了。唯一の心配は、「あぁ、今日もまた前半をいい感じで終わってしまった。」ということ。これまで常に後半で敵に”修正”され、それから“後手”を踏むように敗れてきた結果が頭をよぎりました。

確かにC大阪のクルピ監督は、高さの森島に代えて早さの白谷を投入してきました。しかし、いつもなら後半の入りの悪い熊本も、今ゲームではしっかりとモチベーションを維持して、運動量を落としません。
さすがに疲れがみえた小森田にはすかさず西森、傷んだチャジホに対しては喜名の投入でしのぐ・・・。いつもなら前と後ろが間延びするはずであろう後半20~30分以降も、チーム全体のアグレッシブさは見劣りせず、前半と同じ戦いを続けていきました。
スカパーの解説者もロアッソの陣形が“コンパクト”であることを何度も繰り返していたように、苦しい時間帯も前線の選手がしっかり戻って役割を果たしていました。ここはとても重要なところですね。

しかし、フィニッシュ”運”がない。チャンスは作れているのに。
大阪の決定的なシュートも今季初出場のGK小林がスーパーセーブで凌ぐこと、2度、3度・・・。
どちらに転んでもおかしくない展開。ここは初陣のアウェーチームとして、引き分けで御の字か、と思わせた残り5分という時間帯。直前の攻撃からそのままゴール前にたくさんの大阪選手が残っている只中にクロスが入り、ファーサイドからヘッドで折り返されたところにジェルマーノが飛び込み”痛恨”の失点。

調子のあがらないC大阪にとっては、格下相手との”互角”のゲームのなかで、どうしても欲しかった勝ち点3を得る。本当に効果的な時間帯での得点といえましたが、
「Jリーグ7戦目、確実によくなっている。」(池谷監督)。
「求められた勝利は挙げたが、物足りない内容。」(クルピ監督)
試合後の両司令官のコメントが、試合内容の全てを表わしていました。

せっかくの84分までの互角の展開が、最後は勝ち点3どころか1をも失う結果にはなりました。
しかし、求めている“質と量”の課題に対して、少しづつですが、着実に前進していることを示したロアッソ。先発で組んだ山本、山口のボランチコンビが新たなオプションとして計算できることを示したのも大きな収穫でしょう。単に気合で当たり負けしてないということでない、すごく冷静な激しい、厳しいプレーが目立ちました。またチームは強くなった、そんな手ごたえを感じています。

楽しみにしていた福王と古巣との対戦は、次のKKまで持ち越し。その際は、さらに進化した形でC大阪と対戦できることでしょう。

ただ、この日、草津が引き分けたことで、熊本が最下位に転落。まだまだ結果が伴うまでにはファンにとっても長い我慢の日々が続くのでしょう(そんなことは最初から覚悟していますよね)。
試合後、その覚悟を自分自身で再確認するように、ハヤカワに行ってレプリカユニを注文してきたのでした。
セレッソ大阪。いよいよです。タレントも揃っています。
このクラスのチームとの対戦になると、もはや同じカテゴリーで戦うこと自体に歓びを感じている自分に気づかされます。それじゃいけないと分かっているんですが。

開幕からの戦績と得点者
第1節○水戸0-2C大阪 MF香川2
第2節●C大阪1-3山形 FW古橋
第3節●鳥栖1-0C大阪
第4節○C大阪2-1仙台 MFアレー、MFジェルマーノ
第5節○C大阪1-0岐阜 MF酒本
第6節●甲府3-2C大阪 MFジェルマーノ、FWカレカ
第7節●広島4-1C大阪 オウンゴール

ということで、昇格候補チームの一角なのですが、今のところは負け越しています。特に前節、広島との負け方はまずかったですね。立ち上がりゲームを支配したのは大阪だったのですが、あれよあれよと言う間に広島にやられてしまいました。

セレッソ大阪 (前節の先発フォーメーション)
11 柿谷 18 カレカ
26 香川17 酒本
10 ジェルマーノ7 アレー
19 丹羽29 中山
2 羽田5 前田
 1 相澤 
上のような先発に、途中、森島康や熊本国府出身の藤本などを投入して打開しようとしたんですが、まったくいいところなく敗れました。クルピ監督は、次節大幅に先発を入れ替えると宣言しているらしいので、このフォーメーションも参考になりません。森島あたりが先発なのかも。

タレント揃いと書きましたが、今一番の売り出し中は、MFの香川。北京五輪代表候補で、先のアンゴラ戦でも途中出場。また今日はA代表合宿にも召集されることが発表されました。
さらにデカモリシことFWの森島康仁。各年代でも代表候補でしたね。それから期待を一身に集めるユース出身FW柿谷はまだ18歳。彼もまた次代を担う日本代表候補でしょう。
これに、アレーとジェルマーノという両外国人ボランチ、FWの一角には草津から移籍したカレカが絡むという豪華な布陣は、広島にも決して引けをとりませんね。

対する熊本。2試合連続得点を決めている中山にももちろん注目ですが、ここはやはり福王について語らないわけにはいかないでしょう。

あれは2005年4月。忘れもしない”ロッソ”熊本としてのデビュー戦。宮崎県運動公園サッカー場で行われた九州リーグ開幕戦。シャワールームはもちろん、ロッカールームもない、地域リーグとしてはごく普通の会場風景。選手も一般客も何の隔たりもないコンクリ造りのスタンドに、選手たちが気の向くままに置いた各々のスポーツバッグ。一瞬、福王のそれに付いているキーホルダーに目がいきました。ピンクとブルーの縦縞のユニフォーム型キーホルダー。おそらくC大阪時代の自身の背番号の入ったチームグッズだったのでしょう。

ユース時代は日本代表でも活躍した逸材。しかし、トップチーム昇格後は出場機会に恵まれず解雇されロッソのセレクションに参加。並み居る元Jリーガーのなかでも飛び抜けた才能だということは、誰の目にも明らかだったのですが、チームへの帯同はかなり遅れました。おそらくそれまでの経歴から考えれば、そのほかにも選択肢があったのだろうし、見ず知らずの遠い九州の地に赴くことへの不安や葛藤もあったのでしょう。

ご存知のように、その後の彼は熊本の不動のCBとして大活躍。初年度は九州リーグ最優秀選手賞に輝きます。そして今や欠くことのできない熊本の柱になりました。

セレッソ大阪。この対戦を一番心待ちにしていたのは、この男なのではないでしょうか。
能楽ワキ方福王流宗家の三男に生まれ、セレッソサポーターから今も「ぼっちゃん」の愛称で親しまれている福王。ジュニアユースから自分を育ててくれた古巣相手に、名残の桜の季節に故郷のハレの舞台で、彼がどんなプレーを演じるのか、福王ファンのわれわれとしては、ぜひこの目に焼き付けておきたいものです。

大阪行きのアウェー用バッグにはもはやあのキーホルダーの姿はないのではないかと思います。

4月13日(日) 2008 J2リーグ戦 第7節
水戸 2 - 2 熊本 (13:05/笠松/1,464人)
得点者:2' 荒田智之(水戸)、12' 河端和哉(熊本)、31' 中山悟志(熊本)、58' 西野晃平(水戸)

スカパー、テレビでの観戦は、あまりにも得られる情報量が少ないので、多くを語るのは難しいのですが・・・。

開始早々の失点は、やはり右サイドをいいように使われてという感じだったので、今日も守備の連携に不安があるなと心配して観ていました。が、失点以降はペースを取り戻し、12分にはショート・コーナーから矢野のヘディング、そのこぼれ玉を河端が身体ごと押し込んで同点にすると、31分には、福王がSB裏に出した縦パスに、高橋がDFを引きつけてファーサイドにクロス。中山がこれにドンぴしゃと合わせて、前半の間に逆転劇。これまでにない展開でした。

しかし、水戸の木山監督の修正はすばやく、このあとすぐに、村松に代えて金澤を入れるとともに、今日CBを努めていたビジュを本来のボランチに上げました。これによって中盤が支配できるようになった水戸。金澤にも何度もサイドをえぐられる。
後半に入って更にプレスを強くしてきた相手に対し、熊本は自らのミスも重なり、つなげない。ビジュが裏に出したパスにCB2枚が着いていけず、ボールはスリップしたGK吉田の頭を越えてゴールに吸い込まれました。その後は水戸の運動量について行けず、振り回された感じで勝ち越し点は奪えませんでした。

前節、山形にはフィジカルの差が次第に体力を奪ったと書きましたが、今日の水戸は池谷監督言うとおり「J2で長い期間いる中で戦い方やタフさはウチとは違いました」。
“ミトナチオ”と呼ばれたリトリート戦法の姿は、もはやどこにもなく、アグレッシブに中盤でカットしたボールに対して、次々に後ろの選手が追い越してくる。まさしく“波状攻撃”という表現のごとく。本来うちがやろうとしているサッカーのお手本を見せられたような後半でした。
しかし、熊本も最後までDFラインを勇気を持って高く保ち続けた。そのチャレンジには拍手を送りたいと思います。

GKの吉田は、危なっかしいことも多い反面、今日も失点を防ぐナイスセーブがありました。
恐らく総体的な安定感は小林のほうが優ることは間違いないのでしょうが、監督は辛抱して、このルーキーGKに経験を踏ませています。それは多分、「経験値」というGKの能力を最も左右する資質を高めるために、彼とそしてチームに試練を与えているのだと思う。

なにかと議論になっているCBタイプの選手のSB起用ですが、われわれは面白いと感じています。福王には持ち前のフィードの正確性があるし、矢野の攻撃参加もセンスがある。(あとは西森との守備の関係が落ち着けば・・・)。
「サイドをやって新たな部分を見出していきたい。そういうオプションを広げて行くこと。あとは今後彼は熊本出身で中心になってもらいたい」と、矢野について期待を込めて監督が語っています。
また、「22、23歳の若い選手の可能性を広げて行くということで、ポジションを含めてチャレンジさせて行きたい」という表現は、同じく福王や他の選手にも向けられているに違いありません。

先週、七城の練習を観に行った時点では、ボランチは山本が先発と思ったのですが、最終的に監督は経験の差で喜名を選択したようです。しかし、途中投入の山本は、古巣相手にきっちりと自分の仕事をこなすことが出来たと思います。

後半追いつかれ、それを突き放す力は、残念ながら今の熊本にはなかった。
しかし、早い失点から前半途中における”修正”、後半怒濤のような被シュートのなかでの踏ん張り。それはチームが一丸とならなければできないことでした。

「すぐにうまくいくこともあるかもしれませんが、そういうことではなくて、1年かけてやっていきたい」
”選手個人”と”チーム全体”とに経験値を上げさせるための、我慢比べのような試合が続いています。
いつものとおりスカウティング水戸といきたいところなんですが、前節の試合をチェックしようとスカパーの再放送予定を探したら、「ない・・・」。
前節、水戸は休みだったんですね。しまった。

ということでこれまでの対戦成績と得点者だけまとめておきます。
第1節 水戸0-2C大阪
第2節 福岡2-1水戸 FW19西野
第3節 水戸1-0甲府 FW9荒田
第4節 広島2-2水戸 FW19西野、MF18赤星
第5節 水戸2-2横浜 MF6堀、DF32大和田
第6節 休み

1勝2分1敗で勝ち点5と、順位も熊本の一個上に位置しています。万年下位グループの印象が強い水戸ですが、今年は降格チーム甲府に勝利。広島、横浜とも引き分けに持ち込むなど、侮れないという噂。特にレッズからレンタルのMF赤星が要注意人物という話です。

わが熊本は、鳥栖といい感じで引き分けたものの、前節は山形に競り負け。特に後半は全く自分たちのサッカーをさせてもらえませんでした。今日はちょっと七城の練習を覗いてきたんですが、20分程度の紅白戦、メンバーを入れ替えながら数本試していました。

前節、後半途中から出場を果たした山口武士も、今日何本かレギュラーチームで出場。おそらく後半からのオプションでしょうが、次節、彼のトップ下での起用もあるかも知れませんよ・・・。

山口武士。ご存知のように、本山や小笠原らと同期。鳴り物入りで鹿島に入団した熊本のプリンス。しかし怪我に泣かされ、レンタル先の大分でも公式試合出場は叶いませんでした。
その後、JFLソニー仙台へ移籍。そして2005年、進退を懸けて、地元に帰り地域リーグからの挑戦。それでもレギュラーが約束されたわけでもなく、激しいチーム内競争の日々。そうやって、長く苦しい回り道の末に、彼がようやく手にした初めてのJ公式戦の舞台。それははからずも地元熊本にできたJチーム、それもホームゲームでのデビューとなりました。
感情を表に出さない彼は、この日、試合後の公式サイトのインタビューでも飄々としていました。インタビュアーも特段、突っ込むことはなく・・・。

諦めず、努力を怠らず、ひたすらサッカーを続けてきた“プリンス”。鹿島入団から11シーズン目の春。ようやくJのピッチに足を踏み入れた。
われわれは、彼のプレーをいつまでも見続けたい。ホームチームの一員だという歓びとともに。
4月6日(日) 2008 J2リーグ戦 第6節
熊本 1 - 2 山形 (13:03/熊本/3,515人)
得点者:19' リチェーリ(山形)、40' 中山悟志(熊本)、71' リチェーリ(山形)


いやぁ、リチェーリでしたね。やられました。
これまで結果の出てないこの伏兵に、今季初得点を献上したばかりか、あわやハットトリックを奪われるところでした。

雨の予報は完全にはずれ、試合開始の頃には柔らかな日が差して初夏のような気温のKK。
熊本の布陣は、前節を踏襲して矢野、河端、上村、福王の4バック。これはもちろん両SBにCBのような働きを求めているのではなく、二人の”人への強さ”を買ってのことと思います。矢野の前には、前節途中出場でいい働きだった西森。監督の指示だったのだと思いますが、今日は出だしから、中に切れ込むだけでなく、前線や左に、自由に動き回りました。その空いたスペースには矢野が積極的に上がります。

この矢野の攻撃参加、熊本の時間帯では実によかったですね。クリアを拾ったミドルシュートは惜しくもオーバー。サイドに切れ込んで、マイナスのクロスもDFにクリアされたものの、これで得たCKから中山のヘッドが決まりました。中山もようやく今季初得点。西森のボールもよかったのですが、GKの前に飛び出す中山のポジション取りも見事でした。お互い、この伏兵同士が得点し、熊本は前半で追いつき、実に面白いゲーム展開になってきたとワクワクしたのもつかの間・・・。

時間は前後しますが、逆にこの右サイドを山形に使われました。1点目は、間違いなくリチェーリの”個”の力ですが、2点目、途中投入の佐藤にスルスルと侵入された場面は、守備の受け渡し、どこで誰が当たりにいくのか、連携の問題を露呈させましたね。ほかにも宮沢をかなり自由に上げさせたりして・・・。

山形は、とにかくレオナルドを中心に、ガタイのいいDFが強固な壁を作り、そこから中盤を省略するように、前線のこれまたベンチプレスでもしてそうな豊田と、個人技に優れたリチェーリにどんどんボールを供給する。MFはそれと近い距離を保ってセカンドを拾ったり、ボールを預けられたり、彼の作ったスペースで仕事をしたり・・・が役目のように見えました。

どこかで見たような気がすると思ったら、これは小林監督の恩師である小嶺(当時は島原商業高監督)氏の”サッカー哲学”そのものではなかったか・・・。しかし、その中盤省略に、これまた小林監督の秘蔵っ子である小森田がいいところを消され、チーム全体がフィジカルの強いDFやFWに次第に翻弄され始めます。
多くのメディアが、この試合の後半に熊本の足が止まり始めた、と表現することでしょう。確かにそうなんですが、それは単に持久力という問題だけではなく・・・。

ロングボールの多用、そしてフィジカルの強い相手にぶつかることにより失われていく体力は相当なものと思われます。それは物理的にいっても、”速さ”と”重さ”を要求するわけで・・・。そして、そのために必要とするエネルギー、使ったエネルギーが、自覚症状とは別の次元で、じわじわと”体力”“集中力”“思考力”を奪っていく。

本来ならば、リチェーリにしても、豊田、長谷川にしても、最低二人がかりでカバーしなければならない能力の相手。それが、戻れない、着けない。前半の戦況を見て、ハーフタイム、恐らくはそのあたりの修正の指示はあったのではないかと。しかし、わかっていても、やられてしまう。とも言うべき状況が熊本に起こってきていました。

思うに、湘南、鳥栖、山形とJ2中位チームに対戦して、攻守の切り替えの早さだけを意識していましたが、この3チームとの違いは、前述したようなフィジカルの差が実に大きかったのではないかと。
そしてそれは、”恵まれた”フィジカルというものではなく、”鍛えられた”フィジカル。”瞬間的”に発揮されるフィジカルだけでなく、”時間的”にも持続されるフィジカル。強くて、速くて、重い。

フィジカルは、”求めれば”得られるものではあります。しかし、これは喫緊の課題ではありますが、今すぐに手にすることは難しいでしょう。ならば、対策としては、その体(たい)をかわすことを考えるしかないのでは。素早いボール回しで相手をずらし、最終的にはDFを”ずらす”ことしかない。
中長期課題としては、このリーグにおけるフィジカル(それは監督がいう時間的な”量”も含めて)を得ることが必要ですが、短期的課題修正としては、ゴール前での速く、正確なボール回しでDFをずらすこと。いまのロアッソには、それが重要な戦術、技術だと思われました。

中位陣と対戦して得られたちょっと大きくて厄介な”課題”。
ですがこれもまた少しづつ修正されていくべきものでしょう。わがホームチームはどの対戦相手に対しても自分たちの戦いを真正面から仕掛け、自分たちの力を試し、毎試合、多くの課題と収穫を得ています。負けはしましたが、歩みを止める必要はありません。下を向いている暇はありません。まだまだ長い戦いは始まったばかりなのですから・・・。
題名にそぐわず、ほとんどチーム紹介レベルの内容になっているスカウティング・シリーズです。
特に今回は、われわれも愛読している“すんさん”のブログが、詳細にスカウティングしてくれていますので、お役ご免の感があります。ま、うちの場合は試合観戦の際の前知識、豆知識ぐらいの感じで読んでいただければ幸いです。

言い訳はこれぐらいにして、さて山形です。
湘南、鳥栖、山形とJ2中位チームとの対戦が続くわけですが、特にこの3チームに共通していることは、今季こそ上位を、そしてJ1昇格を狙っているということです。しかし山形、これまでの戦績は
第1節 鳥栖1-0山形
第2節 C大阪1-3山形
第3節 山形3-5岐阜
第5節 山形0-0甲府
なんだか波に乗れず、勝ち点はロアッソと同じ4点。順位も11位に甘んじています。前節の先発は次のとおりですが、後半から長谷川に代わって豊田が出場しています。

山形 (前節の先発)
9 リチェーリ 15 長谷川
7 宮沢16 北村
5 渡辺6 宮崎
18 木藤14 宮本
4 小原3 レオナルド
 1 清水 
山形の注目は、何と言ってもこのU-23北京五輪代表のFW豊田でしょう。先の親善試合アンゴラ戦でも点を決めたこの高さに強引さを併せ持つ豊田と、往年の五輪代表のわがチームキャプテン上村のマッチアップが見物です。もう片方のFWは、FC東京から獲得したリチェーリですが、開幕からまだ得点はありません。スピードが武器と評されています。
それより注意すべきは、DFのレオナルドか。守備の堅さはもちろんですが、セットプレーではきっちりマークが必要ですね。

あとは熊本県産、鹿本高校出身のボランチ宮崎光平。福岡を解雇され、山形に取られてしまったこの”熊本スピリッツ”は、小柄ながらもスピードを活かした攻撃的選手。まさか地元KKでは活躍しないことを祈りたいですね。それからここ最近は途中交代で出てきているテクニシャン財前。湘南でいえば加藤望のように、試合の流れを変えられる嫌な存在です。

山形はいわゆるJ2がスタートしたときから在籍する”オリジナル10”のチームのひとつ。湘南や鳥栖と同じように、財政難の時代も長くありました。しかし、やはりこの2チームと同じく、コツコツとした地道な地域密着経営で立て直し、中位の実力を蓄え、今や虎視眈々と昇格を狙う立場に立っています。特に今年はJ監督経験の豊富な小林監督を迎えたところも、並々ならぬ意気込みを感じます。

前節の鳥栖戦、後半にエース高橋のヘッドで同点に追いつき貴重な勝ち点1を得ました。現在、J2得点ランク2位(はじまったばかりですけどね)。山形戦、高橋へのマークはさらに厳しくなるでしょう。
一方、相方の中山も点こそ決めていないものの、彼が前線で身体を張っているからこそ、高橋が敵マークを外し、動きまわれているとも言え、この二人でうまくマークを外し合うことで、お互いのシュートチャンスが生まれるであろうし、また2列目、3列目の選手のシュートチャンスも生まれてくるものと思われます。
このツートップでの5試合目になります。そろそろ面白い連携からの得点シーンも期待できるのではないでしょうか。

GKは怪我から復帰した小林になるのか。また、前節痛んだ車と福王が心配ですが、河端や有村、市村も健在ですから大丈夫でしょう。相手チームの状況もまだまだムラがあるようですから、なんとか接戦に持ち込んで、ホームの力で一泡ふかせたい。
なにより、開幕前の「がまだすリーグ」で、大敗している借りを返したいところです。

そして、予報はまたも雨。ロアッソにとっては3試合続けての雨。一方の山形はこれまで雨の試合は戦っていません。これもまた幾分かはロアッソに有利な材料かもしれないですね。

それと雨の試合ということで観客数が伸び悩むのではないかという心配もあります。しかし、先日の鳥栖と比べると、KKウィングの大屋根は実に大きく頼もしい。1万人くらいまでなら観客は濡れる心配もなく、快適に観戦できます。このあたりはもっとPRしてもいいのでは。

今日の熊日夕刊。「きょうの発言」欄(毎週金曜日)でAC熊本の上保毅彦事業・運営本部長の連載が始まりました。いろいろな裏話が聞けるといいな。これもまた注目ですね。