山あり谷ありと覚悟していた”J”1年生の生活。まさしく険しい壁にぶつかっていますが、ちょっと気持ちを切り替えるために、八代までサテライトリーグを観に行ってきました。

同じ様な思いの人たちがメインスタンドにおよそ100人。平日なのにそこそこの人出。日陰のない客席。仕切りのないフィールド。テントひとつとパイプ椅子のチーム・ベンチ。サポーターのチャントもなく、なんだかついこないだまでの九州リーグを思い出してしまいます。アウェーチームの白いユニフォームは、さしずめ新日鐵大分か・・・みたいな。

いえ、よく目をこらせば、そこにはドラゴン久保がいて、平繁がいて、監督はあの懐かしい森保一であり、間違いなく”広島”でした。
広島 先発
平繁久保
ユキッチ桑田
内田清水
 遊佐 
横内橋内
 戸田 
 下田 
熊本 先発
町田 北川
斉藤
宮崎熊谷
有村河野
佐藤鈴木
  
試合は、結果的に”撃ち合い”、非常に大味の内容になりました。
以下、得点経過だけを書くと・・・

前半6分  河野のクロスから町田が押し込み熊本先制。
前半14分 北川のシュートをGKが弾いたところに宮崎が詰めて熊本2点目。
前半25分 鈴木から奪われたボールを最終ラインの裏に出され、久保がGK前でさわって広島1点目。
前半29分 ロングフィードに町田がDFの裏をとって熊本3点目。

熊本 後半
山内 町田
松岡小林
宮崎熊谷
有村河野
佐藤鈴木
 稲田 
後半6分  松岡がロブでDF裏に出したボールを小林が決めて熊本4点目。
後半7分  右サイド奥から熊谷のマイナスパスを松岡がGKを越えるループシュートで熊本5点目。
後半9分  ゴール前の混戦からマイナスパスされたボールをユキッチがミドルで決めて広島2点目。
後半17分 右サイドを破られ内田に決められ広島3点目。
後半29分 山内がドリブルで持ち込み熊本6点目。
後半39分 鈴木が平繁を倒してPK。これを平繁が自ら決めて広島4点目。
ロスタイム コーナーキックからファーサイドにいた不老がヘッドで決めて広島5点目。

そもそも、八代くんだり(失礼!)まで広島を来させたことがすごい。移動に何時間かかったのか知りませんが、最初から広島の動きには重さが感じられました。まるで昨日の山形戦のように。
おまけにハーフタイムには、全員テントの下で休息。あの久保ですら、スタンドを睨みつけて汗をふいています。ひょっとしたらここの施設にはロッカールームがひとつしかないのかも知れません。これもいわばアウェーの洗礼なのか。

後半途中で広島DF戸田が一発レッドで退場。ひとり少なくなった広島でしたが、それでも、平繁の個人技とセットプレーから2点を挽回して王者の意地を見せました。

サテライトですから、チームとしての完成度はあまり問題ではないのでしょうが、熊本のほうが動きに連動性がありました。広島は捕まえきれないといった感じ。
特に、町田の裏への飛び出しは健在。前線での守備もよく、後半まで運動量も落ちませんでした。これから夏場に絶対必要になってくる選手でしょう。
有村は完全復調。クロスもいい感じだし、いつでも出られるでしょう。河野のアーリークロスもいいものがありました。怪我から復帰して、初めての試合となった松岡もなかなかの活躍。山内が相手にとって捕まえにくい嫌な選手なのも相変わらず。

いずれにしても、各選手とも攻撃面ではチームの共通理解が進んでいて動きがいいように感じました。問題は守勢にまわったときの切り替え、ポジション取りなどにポカが見えたり、戻りが遅かったり。そこが先発陣との少しの差なのではないでしょうか。

この試合は指揮を北野コーチに任せて、離れたところで試合を見ていた池谷監督。その視線の先にある選手たちが、どう映ったのかは知るよしもありません。疲れの見える先発陣、フレッシュな風を入れたいところだと思いますが・・・。
走れなくなるのは体力が消耗する以前に気持ちが消耗するからだと、どこかでそんなことを耳にしたのを思いだしました。
今週末の練習を見なければなんとも言えませんが、やや下を向き加減なチーム状態、気持ちの上でも盛り上げるようなキャラクターが欲しいのも正直なところです。

次節アウェー草津戦は、変則的に金曜日19時キックオフです。皆さん、くれぐれもお間違えないように。
5月25日(日) 2008 J2リーグ戦 第16節
山形 3 - 1 熊本 (13:04/NDソフトスタジアム山形/3,019人/天候:曇 21.6℃ 67%)
得点者:04'高橋 泰(熊本)、59'北村 知隆(山形)、67'北村 知隆(山形)、74宮沢 克行(山形)


キリンカップ。土曜日に行われた日本代表対コートジボワール戦。途中から入った初出場の香川(C大阪)に精一杯の拍手を贈っている自分がいました。さらに続いてコートジボワールにドゥンビア(徳島)が入ってからは、なんだか向こうを応援している感じまでしました。おらがリーグの代表。もはや”J2病”なのかも知れません。

さて、いよいよJ2第二クールがスタート。ロアッソとしては、第一クールで得た課題を糧としてどれだけ成長できたか。しかし、逆に相手からは研究され、スカウティングされてくる。むしろより厳しい戦いが強いられるのではと。

対山形、4月のゲームでは「ロングボールの多用、そしてフィジカルの強い相手にぶつかることにより失われていく体力は相当なものと思われます。それは物理的にいっても、”速さ”と”重さ”を要求するわけで・・・。そして、そのために必要とするエネルギー、使ったエネルギーが、自覚症状とは別の次元で、じわじわと”体力”“集中力”“思考力”を奪っていく。」と書いています。まさに地力の差を痛感させられた相手。

試合は蓋を開けてみると、前節・仙台戦に続いて、高橋が先制点。それも非常に早い時間帯。左サイドに走った西森からファーサイドへのクロス。中山も小森田もおとりになって、そこにフリーの高橋がいる。熊本にとっては、完璧な崩しでした。

しかし、以後は完全に受けに回ってしまい、対応に追われる展開。前節、先制しながらも厳しい戦いを強いられた仙台とのシーソーゲームのイメージが刷り込まれているのか。あるいは、徳島戦のように、”持たされた”悪いイメージがあったからそうさせたのか・・・。

確かに、第二クールでは、ゲームの流れに応じて“引いて守る”あるいは“バランス”ということも想定されていました。監督言うところの「相手に合わせて、相手のいいところを消す戦い方」。
ところが、今日はまだそういう戦術的なものがうまくはまっていない。“引いて守る”には、“奪ってカウンター”という攻撃的な裏づけがあってのこと。今日のロアッソには攻撃的なエネルギーやアイデアは感じられませんでした。

相手にボールを持たせたのかとも見えましたが、要所要所でチェックに行くべきところが緩慢になっている。ひとり、あるいはもう一人がボールに行けない場面があると、結局、相手に余裕を持ってボールを回されてしまい、最終ラインを崩される。

仮にボールを奪っても、低い位置からどうつないでいくのか。チームのアイデアがまだ統一されていないような。結果、奪い返されて逆襲を食らってしまう。その対応で自ら消耗してしまうという悪夢のようなサイクル。

後半同点にされ、さらに勝ち越し点を入れられてからも、まだまだチャンスを創出していて、ロアッソの見どころもあったんですが、3点目の際には完全に足が止まり、人数も足りず、ついていくことさえできていない状態。ちょっとショック。ある意味、横浜に0-5を喫したときよりも“負けて”いるような。

流れを変えようと、これまた前節同様に木島を投入。自らのドリブル突破で決定機を作り出します。なかなか見方の連携がついてきませんが、そんななかでも孤軍奮闘、あわやのシュートを放ちます。さらに交代の福王、吉井も懸命に動き回りますが・・・

水曜日のナイターに続く、中3日でのゲームではありましたが、はっきりと慢性疲労のようなものを感じます。一試合、一試合のスタミナ、フィジカルと同時にシーズンを通しての体力。
しかも相手はロアッソの弱点を執拗に突いてくる。苦しい試合が続きます。正念場という言葉が浮かんできます。

体力の問題は確かにあります。天候不良により急遽、東京経由、JRで移動し、深夜になって到着したという”不運”。
しかし、それよりも第一クールでは相手が誰であろうと戦い方を変えず、前線からのチェックを敢行し、そして90分のなかでの体力配分において課題を残した。それに対して、第二クールに入って、相手によっては自陣に”構える”ことにした結果、逆に”奪いどころ”を見失って、自滅しているのではないか・・・。
急な戦術変更によって、選手に”迷い”がなければいいのですが・・・。

逆に、前回の対戦で2得点のリチェーリを、今回は後半開始早々にあえて下げ、交代で投入した北村が2得点。第二クールであることを意識した大胆な戦術変更。もちろん、それを可能にする選手層といってしまえばみもふたもないですが。

しかし、こういった基礎的なチーム力の差が、イコール勝敗につながらないこともわれわれは知っています。でも、どうやら岐阜戦、徳島戦、そして今日のゲーム。体力の消耗と同時に、気持ちが切れてしまっているような印象も受けました。それは恐らくは裏腹なのでしょう。サッカーはボールゲームではありますが、それ以前に半分格闘技。闘う気持ちのせめぎあいに勇気をもって立ち向かわなければこのカテゴリーでは勝機はないでしょう。われわれファンも、勝敗よりむしろ、”闘う姿勢”を見たいと期待している。
ドゥンビアを見るにつけ、さらにそう思うのでした。
5月21日(水) 2008 J2リーグ戦 第15節
熊本 2 - 2 仙台 (19:03/熊本/3,691人)
得点者:33' 高橋泰(熊本)、44' 菅井直樹(仙台)、59' 高橋泰(熊本)、61' 中原貴之(仙台)


ホームチームの公式戦としては、おそらく初めて平日夜のゲーム。出足は心配されたものの、いつもの週末とは違う客層も見られて、最終的には3700人のファンが、“J”のホーム・ナイトゲームに酔いしれました。

ロペスや萬代を失った仙台。攻撃力が下がり苦戦するだろうというシーズン前の下馬評を覆し、ここまで7勝2敗4引分で堂々の2位。しかも前節まで4連勝中の勢いでKKに乗り込んできました。この好調さは何だろうと思っていましたが、そのわけは試合開始早々わかりました。

MFリャンが縦横無尽に動きパスを回す。次の列、次の列と上がってくる全員攻撃。それは一言で言えば“流動性”。そして高い技術の裏づけによるなかなか崩せないポゼッション。

これは強い。試合は全く初めての展開になりました。ロングボールの多用から、セカンドもほとんど支配されていましたが、33分、市村のクロスを中山と競ったDFがエンドにクリア。これがバーに当たって跳ね返ったところに高橋。うまく抑えたボレーシュートは、バウンドしてゴールに突き刺さりました。

ワンチャンスをものにされ、”意外”な展開の仙台。しかし慌てる様子もなく、一気にギアをシフトアップ、あるいはアクセルを踏み込んだ。激しいポジションチェンジ。後ろから次々に上がってくる選手。熊本は防戦一方になりますが、この日久々にスタメンに入ったGK吉田、福王、河端の両CB、喜名、山口の両ボランチの必死果敢なプレーで難を逃れ続けます。

このまま1点のアドバンテージを保って前半を終えたいところでしたが、ロスタイム、ゴール前の壁パスから、上がってきたDF菅井に最終ラインを破られると、同点弾を決められてしまいました。

次の追加点がどちらに転ぶかによって、展開は大きく変わる。前半のうちに追いつき、そのまま突き放したい仙台。その攻撃力をいなして、逆に勝ち越したい熊本。後半の入り方はいつもより少し“落ち着いた”、あるいは“大人の”感じがしました。厳しくチェックにいくところはもちろんありましたが、そんなに前線で無理はしない、みたいな。

相変わらず仙台のペースのなかにあって、熊本が少ないチャンスをまた実らせます。右寄り30メートル程度の地点から西森が入れたFKは低くバウンド。それを河端が競ってつないで右サイドに。これを押し込んだのはまたも高橋。これで日本人ゴールランキング単独1位に躍り出ました。

しかし、スタンドのファンが勝ち越しゴールの余韻を楽しむ間もないわずか2分後、スローインから一人経由してすばやいクロスをゴール前に入れられると、仙台のFW中原にバイシクルシュートで決められる。なんともみごとなゴール。一瞬の隙も与えられない。単純に振り向かせないだけでは止められないようなプレーが出るのが、このカテゴリーの怖さ。アンラッキーな失点と片付けることは簡単ですが、寄せの甘さを痛感させられましたね。

1点を争うシーソーゲーム。先制されては追いつかれ、勝ち越しては追いつかれる。「いつでも点はとれる」とでも言うかのように次々押し込んでくる仙台。久しぶりに感じる攻撃の“恐怖感”。おもわず顔を覆うような危ない場面。全員守備。悲鳴とため息。

しかし、この日、チームもスタンドのファンも引き分けなど望んでいませんでした。勝ちたい!このJ1経験もある強豪チームに。この強い相手に・・・。ゴール裏のサポーターのチャントにあわせた手拍子で、自然に会場全体が一体となっていきました。

ベンチが動きます。木島を投入してFW3枚に。右サイドに入った木島は、2年半ぶりの公式戦出場とあって、ボールともチームメイトともまだまだフィットしていませんでしたが、得意のドリブル突破、鋭いクロス、気迫あふれるプレーで戦況を変えようとします。しかし、仙台も意地でも新参熊本に負けるわけにはいかない。

さすがに43分、中山に代えて吉井を投入したところで、ベンチの意思は「引き分け狙い」に変更されたことがはっきりしました。怪我で長期戦列を離れていた吉井でしたが、短い時間ながらも持ち前の堅守、そして自ら持ち上がる姿を見ることができました。

最後の最後、CKのチャンスに「勝ち」への執念を覗かせましたが実らず。終了のホイッスルが鳴ったとたん倒れこむ選手が3人、4人。見ている以上に厳しい90分だったのでしょう。

このゲーム、先制点を守れなかったというのも課題ですが、とはいえ、前2戦と比べれば得るものの多かった戦いだったと思います。連戦のなかで上村を休ませ、初めて福王がCBで闘将ぶりを発揮。喜名の執拗な守備も健在でしたし、チャジホのアクシデントから入った西森も走れました。

何より、怪我から復帰し、今季初出場となった木島と吉井。このあたりが計算できることは、なによりチーム力に厚みと変化を持たせる。特に木島。これまでのリザーブ、交代選手が、どちらかというとスタメンのリフレッシュ要員、アクシデント要員といった使われ方だったのですが、木島の場合は“流れを、戦況を変えられる”選手として投入されていますね。ビハインドを跳ね返す状況のとき、どのチームにも一人ないし二人はベンチに座らせておきたい性格の選手。熊本でいえばそれが木島なのではないでしょうか。これははじめての戦略的“用兵”のように見えました。

さて、この試合で第1クールを終了。決して結果だけにこだわってきたわけではなく、いわばひととおりの“ご挨拶”が済んだという感じです。しかし、この第一クールのなかでも、日程を消化するにしたがってチームとしての成長を見せ、(監督の基本方針は変わらないままでも)、その戦いは一様ではなかったなと思います。その意味ではこの仙台戦でみせた時間帯によって、相手の出方によって戦い方を変化させてきたというところは、すでに第二クールへの意欲が感じられるものではなかったでしょうか。

まあ、ひとまずファンとしてはこういうせっかちな期待感、ひいき目は仕方のないことですが、J's GOALでの池谷監督のこのコメントは印象的ですので忘れないように記録しておこうと思います。「個のスキルやフィジカルでは、このリーグのトップクラスからは当然落ちると思います。それをいかに埋めて行くかという事で、組織やグループでいろんなことを考えて、でもまずは個のベースをあげない限りチームも上がって行かないと思うので、タフに、粘り強く、継続して行く以外にないと思いますので、今後も志を持って続けて行きたいと思います」。
5月18日(日) 2008 J2リーグ戦 第14節
徳島 2 - 0 熊本 (14:04/鳴門大塚/2,665人)
得点者:37' 大島康明(徳島)、42' ドゥンビア(徳島)


テレビ観戦なので短く。

チャンスを逃し続ければ、いつしか向こうに流れが移ってしまう。というのはサッカーに限らず、勝負事の常ですが、今日は2つのカウンターで沈められた感じです。

前半、風上に立つロアッソ。セカンドボールも支配して、まるでJFL時代のポゼッションサッカーを彷彿とさせる試合運びでした。

しかし、幾度もあったチャンスで決められない。シュートが枠をとらえない。いや、ちょっと不満だったのは、シュートチャンスのときに積極性が見られなかった点。それと、各人がなんだか難しいことをしようとしていた。もちろん、あの一本が入っていたらと思わないではないです。あれほど外してしまうのもつらいものです。しかし、得点はある意味、確率的なもの。やはり、失点こそ課題としたいですね。

1失点目は早いサイドチェンジをゴールファーサイドに送られ、ドゥンビアの折り返しを中央に走り込んだ大島に決められました。前半のうちに同点にしたかった熊本でしたが、CKのこぼれ玉を早めに前線に放りこまれ、ドゥンビアが抜け出しGKとの1対1を綺麗に決められました。戦前に最も警戒すべきとしていたドゥンビアにです。

前半途中までは、ドゥンビアに対して執拗なマークで、思うような動きを封じていましたが、失点の場面では一瞬、離してしまった。ある意味でミスとも見えました。そう、“一瞬”がすべて。失点も、得点も。やはり90分間、一瞬も途切れない集中が課題。

2点のビハインド。

中山に代えて北川。福王を最終ラインに入れて3-5-2など図るも、打開せず。
解説の高野勝正氏が言っていたように、前半途中からボランチのダ・シルバにポジションを修正されて、高橋、中山に入っていたボールがカットされはじめた。しかし、熊本は相変わらずそこに固執する。風下に立ってからは、ロングフォードもうまくいかないばかりか、得意の大きなサイドチェンジでの数的優位を作る場面もなく・・・。

高橋のFKも、小森田のFKも相手の壁に当たっていました。両者とも枠を越えないように押さえて撃とうと”修正”していたともとれますが、徳島も、この距離は両者の得意距離という認識があって、油断なく”ジャンプしていた”とも言えます。

研究され始めている・・・。そう思います。
もちろん4連敗中の徳島が、この一戦になみなみならぬ気概で臨んできていたことは間違いないのでしょうが。
一方、熊本のプレーには気迫が感じられなかった。時間が経過するごとに気迫が萎えていくような。ワンプレーにかけるものが。接触プレーを厭わないような激しさが。
度々、滑るのは何故なのでしょう。敵地の芝にシューズのポイントの高さが合わないのか。それともやはり体力の問題なのでしょうか。

第1クールも残すところ次節仙台戦のみとなりました。いろいろとスカウティングも進み、ますます厳しい戦いになってくるのは間違いないでしょう。しかし、選手もわれわれファンももう一度原点に戻って、チャレンジャーの気持ちでぶつかっていかなければ”勝利”は得られないのではないかと思うのです。
そう思わせる一戦でした。
ニッカン九州の村田記者がまた”言いがかり”をつけていますね。この記者はよっぽどロアッソもしくは熊本が気にくわないように思われます。

要は、先日の岐阜戦を(翌日の社長交代の記者会見のついでに)初めて観戦し、その試合内容から、「財産を残す1年というけれど、1試合1試合大事にしないと何も残らないのでは?」「J2に上がって降格の危険がなくなり、昨年の緊張感がなくなったのでは?」と言いたいみたいですが・・・。

確かに岐阜戦はかなり厳しい内容でしたが、初めて、しかもたった一試合を観た人間に、こんな勝手なことは言われたくないわけで・・・。まぁ、この記者については前にも書いたとおりですが、相変わらず”火の粉がかからないところで火事を見物している野次馬”のような文章なので、一笑に付すしかないのですが・・・。

『この日の入場者は4608人。今季平均での集客目標を平均5000人と低めに設定しているが、J1昇格時の目標設定は3倍の1万5000人を設定している。もちろん「5年以内」での話だ。』と、入場者数からして気に入らないようですが、今年のJ2の平均入場者数は6500人前後。熊本は現在9番目の数字。チームとしての無理な動員策は一切とらない方針なのですが、何か問題でもあるのだろうか。

そして彼が無理にでも比較しようとしている岐阜。われわれも、同期生の動向は気になるし、もちろん立派な成績を残している現状はレスペクトしてやまない。そして彼がもしその財政状況を知っているのなら教えてほしい。
熊本は発足当初から、決算など経営に関する重要事項は、プラスもマイナスもすべてプレスリリースし、熊日紙上で報道されている。今期の決算も記者会見を開き、質疑応答にも細かく応じている。このことが、クラブの現状についてファンとの間で情報共有を促すことになり、過大な期待や、無理な要求をする者は見られない。われわれのチームもファンもこの小さな身の丈を少しづつ大きくしていこうと頑張っているだけ。

さらに彼は「積み上げていく財産とは何なのだろうか」と、池谷監督の今期の基本方針に対し疑問を投げかける。限られた予算、限られた条件のもとで、JFLのままのチームを、J2という上位カテゴリーで1センチづつでも前に進めようというだけなんだけど。今のわれわれには他に選択肢はないんだから。

『「連戦のせいか、体が重かった」と選手は口をそろえたが、それはどのJチームにも共通でいえる言葉』とも書いている。岡社長が記者会見で、クラブの課題は何かと問われて、真っ先に「練習場の確保」と答えている。毎年この問題でボディーブローのようにチームの体力が奪われていることわれわれは知っている。何とかしたいし、様々な方面にアプローチされているが、残念ながらわれわれはまだ解決できていない。選手には申し訳なく思う。

クラブもチームも、ただただ一歩一歩前進。そういう”リアリティ”とは全く違う世界の評論屋。さすがニッカン。これでは親会社たる朝日の”百年構想パートナー”というスタンスも、なんだか程度が知れるというものです。末端の記者とはいえお寒い限りです。

さて、気をとりなおして・・・。

ようやく、注文していたレプリカユニがやってきました。右腕に燦然と輝く”Jのロゴマーク。背中、左腕にも新スポンサーロゴを追加でプリント。実はお気に入りの選手の背番号も入れたのですが、それは秘密です。
これから購入される方に参考意見ですが、けっこうタイトに出来ているので、サイズは思い切って2サイズ大きめがいいですよ。何回も試着して、そうしました。

胸には、もちろん「武者返し」のロゴ。エルゴラッソのユニフォーム人気ランキングでも総合4位に入ったそうで、いやJ2ではナンバー1のスポンサーロゴなのではないでしょうか。なによりJ昇格初年度モデル。ファンにとっては宝となるでしょう。

実は、J2で個人的に2番目に好きなユニフォーム・スポンサーロゴ、それが次節戦う徳島の「ポカリスウェット」。いやまさに、「武者返し」の漢字書体とは対極にある「ポカリスウェット」横文字ロゴですが、あのJFL大塚製薬がJ2に上がってヴォルティス徳島になり、白いユニフォームがブルーに変わってその胸に輝く「POCARI SWEAT」ブランド・ロゴを見たとき、わぁ、カッコイイな。と正直思いました。それは企業チーム大塚製薬から、完全にJクラブチームに脱却した新生”徳島”を感じさせて。なんだかまぶしかった。

そんな徳島。J昇格初年度こそ12勝で9位に入りましたが、2年目は8勝、昨年は6勝でいずれも最下位に甘んじました。今季はこれまで3勝7敗2引分で、熊本と全く同じ。得失点で順位こそ熊本が下につけていますが、堂々と”胸”をはって戦いたい相手といえましょう。

名前や形はお互い変わりましたが、久しぶりに相まみえる徳島。相手の高本社長は熊本・氷川高校出身。これもまた何かの因縁。楽しみな対戦です。
AC熊本の社長人事が発表になりましたね。前田社長が退任し、後任は元産交エージェンシー社長の岡英生氏とのこと。

まず、前田社長に「お疲れ様でした」という言葉を捧げたい。
本当にご苦労さまでした。

われわれは、仕事の関係で前田社長には以前から少々関わりがありました。ある意味で異色の県庁マンとしてのイメージを強く持っていました。

今さらかもしれませんが、前田社長の経歴をふり返ってみます。1941年生まれ。白川中学、熊本高校から学習院大学政経学部卒。65年熊本県庁へ。企画開発部企画課長補佐、テクノポリス建設室長、交通計画課長、地域振興課長、林政課長などを経て、91年3月総務部国体準備局長、94年3月企画開発部次長、96年3月世界ハンドボール選手権推進局長、97年7月県立図書館長、98年3月商工観光労働部長、01年3月県職員退職、01年6月天草エアライン社長、01年7月グランメッセ熊本理事長、05年4月AC熊本社長。

企画開発部の現場で熊本テクノポリス構想の推進に関わり、熊本国体主会場の買収など大規模開発を手がけ、世界ハンドボール選手権の熊本開催、日韓ワールドカップではベルギーキャンプの誘致というビッグイベントを成し遂げ、県庁退職後もグランメッセ熊本で現場に立つなど、一貫して熊本の地域振興に関わり続けてこられました。

KKウイング建設にあたっては将来的なサッカーでの活用を考えて、ロッカールームの作りを、きちんとホーム、アウェーのシンメトリーに設計変更させたという何やら因縁めいた経緯を伺ったことも懐かしい思い出です。また、ハンドボール世界選手権では現・県サッカー協会長の井薫氏(モントリオール五輪ハンドボール女子代表監督)、ACの米村取締役(当時熊本電通)とともに大会を成功に導きました。

まず、初代社長・荒木前サッカー協会長が立ち上がりの急場をしのぐ形で就任されました。健康面の不安もありながら(大津町長を退かれたのもそのあたりがあったと聞いています)、これも本当に無理を押してつないでいただいた。そしていよいよ九州リーグがスタートというタイミングでグランメッセ理事長を満了した前田社長にバトンタッチされた、という経過でしたね。

いまさらですが、あらためて前田社長の経歴を見ると、あの時期のロッソにとってこれ以上の人物は、他に見当たらなかったなというのが正直なところです。熊本の行政、経済界への幅広い人脈、地域振興にかける熱意、そして独特のビジネス感覚(商売感覚と言うべきか)で、実に細かいゼニ勘定で、そこまでやるか、というくらいのリアリストでしたね。本当にご苦労さまでした。重ねてその労をねぎらいたいと思います。


さて新社長に就任した岡氏。われわれにはその人物像をうかがい知ることはできませんが、とにかく50歳という年齢。まずは大きな若がえりといえます。

旧九州産交グループの総帥・岡陽一氏の長男。2003年に表面化した九州産交の経営危機は記憶に新しいものがあります。その後、産業再生機構の支援案件第一号となり、グループ解体・再生の道をたどりました。岡新社長もおそらくはそのなかで”流転”といえる運命を経験されたのではないでしょうか。

以前のエントリーで「くまもとにJリーグチームを」県民運動について、熊本に漂っていた閉塞感、停滞感をなんとか打破したい。という地元経済界“有志”の、心底の思いが運動を突き動かしていった。と書きました。2001年末に民事再生手続きを申請した寿屋に続いて、ニコニコドー、熊本岩田屋そして九州産交という、それまで熊本経済の根幹を成していた企業の相次ぐ経営破たんがその停滞感の大きな要因だったことは間違いないでしょう。

ところが、そんなことを思いながら現在のロアッソのスポンサー企業リスト眺めると、いろんな運命的なつながり、縁といったものを感じます。

産業再生機構に対し、真っ先に九州産交のスポンサー企業として名乗りを上げたのは再春館グループ(その後、HISグループが支援スポンサーに決定)。今、その両社はロアッソのスポンサーとサプライヤーになっていただいています。

熊本岩田屋のあとを継いだのはくまもと阪神。そして壽屋、ニコニコドー後の熊本の流通再編を担ったイオングループ(マックスバリュー九州)、イズミグループ(ゆめタウン)。いずれも現在、ロアッソのスポンサーです。

そして、今回、新たにユニフォームスポンサーに協賛していただいた神城文化の森・藤田株式会社。人吉・球磨でサンロードシティを運営しているディベロッパー。主要テナントにはイエローハットが名を連ねています。ちなみに旧産交系ホームセンターサンコーは、2000年4月に全株式をイエローハットに売却。岡氏はその売却先のイエローハットで3月まで一従業員として働いていたのだそうです。
※イエローハットは今年六月上旬をメドに、保有するホームセンターサンコーの株式をすべて、ホームセンター大手のダイキ(愛媛県松山市)に売却すると発表している。


熊本の経済的閉塞感を打破するために生まれた“ロアッソ”AC熊本の社長に、そんな経歴の岡氏が就任するのも、なにかの”因縁”なのでしょうか。熊本経済の激動の荒波を真っ向から被った人が、今まさに再生へ希望を託した小さな船を任された。

これまでの荒木、前田という「県民運動的」草創期体制から、さらにクラブの体制強化、企業として一段の成長を目指す段階に入ったロアッソ。立上げから地域リーグ、JFL、J2昇格と言うステージを終え、これから全国区での戦いへ、更なる経営の強化が望まれます。

そのうえで、これはフロント体制の再構築、あるいは第2段階とも言える人事が始まったとも見ることができます。
と言っても、まだまだJ2でも最低レベルの運営予算であることは変わっていません。若い社長の給料自体が払えるのか?という心配が先にたつぐらいですから・・・。われわれとしては経営面では、なによりまず、キメこまかな営業力強化が課題だと考えています。そういう意味で新社長の手腕が大いに注目されます。

更に望むとすれば、なぜ、九州産交という地場の一大企業グループが破綻に追い込まれたのか。その時の自分のありようはどうだったのか。今一度、自らを厳しく省みて、この新しい会社の経営にあたっていただきたい。今、なぜ、小なりといえども熊本県民の夢を乗せた船=フラッグシップ=を任されたのか。こんなチャンスを与えられたのか。その意味を、重さを、深く心に刻んで、全身全霊をかけて社長職に打ち込んでいただきたい。
責任は決して小さくない。そう思うだけに期待しています。
5月11日(日) 2008 J2リーグ戦 第13節
熊本 0 - 2 岐阜 (16:03/熊本/4,608人)
得点者:56' 梅田高志(岐阜)、64' 片桐淳至(岐阜)


前節、福岡戦では事前のスカウティングが奏功し、勝利に大きく貢献したことを書きました。がしかし、今回は逆に、岐阜の動きに “驚かされた”(あるいは岐阜にスカウティングされていた)というのが正直なところでした。
特に、試合の入りから前半を通じての運動量、攻撃に人数をかけてくるところ。対するロアッソは、チェックも後手後手に回り、ジリジリと追い込まれ自陣での時間帯が続く。不用意なパスミスやファウルが目立ち、自らピンチを招いてしまう悪循環。そんな前半41分。山口武士が2枚目のカードを貰い、退場に。JFL時代の対岐阜戦。たった2試合ですが両チーム2名づつ計4名の退場者を出しています(山口武士もその一人)。それだけ激しくぶつかっているのでしょう。

見るからに、コンディションが良くないチーム状態。風下の前半はしのいで、後半勝負、というゲームプランはこれで脆くも崩れ去ります。この時点で、とるべき選択肢、望むべき結果は相当に狭まってしまいました。
後半、中山を下げて喜名を投入。しかし11分先制されてしまうと、例によって、バランスを崩しても点を取りにいくというベンチの指示でスリーバックに変更した途端、失点。それでも残り25分のファイトで、0-2のまま試合終了。

レギュラー陣の選手層が手薄な台所事情はわかっていることですが、ここにきて気温も上がってくるなかで、疲労による肉体的なコンディション、パフォーマンスの低下は否めないところです。これが精神的な持久力にも影響を与えているようにも感じられます。福岡戦ではお互いに似たようなチーム状態だったためか、あまり目立ちませんでした。しかし、今日の岐阜。よく仕上がっていた。チームのバイオリズムの差がそのまま結果になってしまったようなゲームでした。
連戦のツケをまだまだ解消しきれていない。そう感じます。
しかし、ホームでは見せてはならないゲーム内容でした。

J2リーグ戦。つい昨日はじまったような気がしますが、第一クールも徳島、仙台の2試合を残すのみとなりました。リーグ戦はすぐに第二クールに入り、次の対岐阜戦はアウェイで1ヶ月後の6月11日。この悔しさを晴らす機会はあっという間にやってきます。
第一クールのこれまでの戦い。対戦する全てのチームがある意味で格上。われわれファンもまずは“胸を借りる”という気持ちで臨んできました。しかし、どうしても負けられない、いや“負けたくない”チームがひとつだけあります。
そう、FC岐阜です。

このJ昇格同期のチーム。緒戦に甲府と引き分け、次は仙台に黒星を喫したものの、3節に山形に撃ち勝つと、その後も徳島や福岡、水戸に白星を挙げ、現在4勝6敗2引分の堂々9位。昇格チーム旋風を巻き起こし、熊本を見下ろす位置につけています。

なんだか、同期入社のライバルが、大学は現役合格のひとつ年下で、会社に入ってからも派手な仕事振りで差をつけているといった心境。こちらは一浪のうえに、今コツコツと下積み仕事からこなし、なんとか会社に慣れようとしているのに・・・。
なによりJFL時代の二度の対戦、ここに勝ったことがないのです。なんとなく漂う相性の悪さ、根拠のない苦手意識。

しかも、あの時と今の“岐阜”は全く別物です。メンバーも戦術も。
確かにリーグ序盤のころは、昨年の面影がありました。すばやく自陣にリトリートして、相手がハーフウェーラインを越えたあたりでチェックを入れる。手数を掛けずに前線のFWにあずけるカウンター戦法。
ポゼッションは明らかに相手にあるのですが、守備の要である小峯の執拗なまでのマーク、福岡から移籍した高さのある川島の壁で攻撃を辛抱強く跳ね返し続けると、徐々にペースが転がりこむといった印象。ちょうど、テニスや卓球で守りのうまいストロークプレーヤーが、ラリーを続けて相手の自滅を待っているような。

ところが最近の試合では、攻撃力が上がっている。現時点の総得点21は広島の22に次いでリーグ二位です。
地域リーグから新加入のFW片山がひとりで6ゴールも取っていて注目がいきがちですが、実は中盤まで下がったり、サイドに開いたり、ドリブルで仕掛けたりと縦横無尽な動きの地元選手・片桐が攻撃の起点。
それに大分から獲得した右サイドの梅田がアタックしてくるし、高知大卒ルーキーのボランチ菅あたりがバランスよく上がってくる。
小峯、片桐といった従来のメンバーに、こういった新戦力がうまくはまって、いまの好調さがあるのだと思われます。

熊本としては、これまでとはちょっと違った試合運びになる可能性もあります。ある意味、ボールを“持たされ”たら、変なペースに持ち込まれそう。
お互いがコンパクトな陣形で、ポゼッションを奪い合う、文字通り「人もボールも動く」展開に持ち込みたい。だからと言ってサイドからの単調な放り込みや、後方からのロングフィード狙いでは、小峯の統率するDFラインの思うつぼにはまる恐れも。

“すっぽん”のような小峯のマーク。あのサッカープレイヤーに似つかわしくない体型に油断は禁物。読みに長けたポジショニングが身上で、後方からチームを鼓舞します。
高橋対小峯といった構図も避けたい。逆に小峯をペナルティエリアの外まで引き出したら勝機です。両サイドからの攻撃は、ファーサイド狙いで落とす、折り返すような揺さぶりが欲しい。その意味では、サイドプレーヤーの運動量への期待はかなり高くなるでしょう。

とまぁ、こんな素人のスカウティング以前に、池谷監督とスタッフは、しっかり岐阜を研究しているでしょう。前節、上村が奪ってすぐ前線に徹底してフィードを送り続けたのも、「(福岡の)最終ラインがロングボールの処理、セカンドボールの処理が良くないと感じていた」(J‘sゴール:池谷監督インタビュー)という事前のスカウティングの成果でした。

一方、敵将・松永監督も徹底した分析家として知られています。両司令官の事前の準備がどうおこなわれ、そして試合のなかでどう発揮され、そして90分の間にどう修正されるのか、それもまた次節の見所かも知れません。
5月6日(火) 2008 J2リーグ戦 第12節
福岡 2 - 4 熊本 (13:04/レベスタ/10,822人)
得点者:8' 大久保哲哉(福岡)、28' 高橋泰(熊本)、33' 高橋泰(熊本)、41' グリフィス(福岡)、57' 小森田友明(熊本)、72' 高橋泰(熊本)


どんな状況でも、たとえ結果がともなわないことがあっても、応援の声を止めない。われわれのホームチームだから。そして、こんな試合を見せられたら、なおのこと・・・。

新・九州ダービーの第2戦となった今節はアビスパ福岡との戦い。敵地レベルファイブスタジアム(博多の森球技場)に多くのファンが乗り込みました。
前節、大差完封負けを喫している両者にとって、悪い流れを振り払いたい一戦。しかし、われわれ熊本にとっては、それ以上に、この福岡戦には期するものがありました。

ご存じのようにアビスパ福岡は、九州で一番最初にJ入りしたチーム。そのため、熊本にも博多の森に”九州のチームとして”応援に行ったという人たちが多い。はからずもそこで「福岡!福岡!」と叫んだという経験を持つ人を何人も知っています。

しかし、皆がそこでなにがしかの違和感を覚えて帰ってきた。
「熊本にもホームチームがほしい」・・・。その思いがようやく叶って、今こうして初めて博多の森の”アウェー側”に立つことができた。多くの熊本サポーターからすれば、そんな記念すべき日だったのではないでしょうか。
うちの八十になる年寄りも以前、無理やり連れていかれた博多の森のおぼろげな記憶をたどりながら、「格の上がったけん福岡と試合のでくっとたいね」とちょっと誇らしげでした。

熊本は、出場停止が解けたチャジホが左SHに帰ってきたほかは、C大阪戦から続く先発陣。中二日の疲れを憂慮するより、いい戦いをしているこのメンバーを優先しました。ベンチにはFWに北川、そして初めてMF熊谷の姿も。

対する福岡は、U-19の海外遠征を断ってこの試合に臨むという、ユース出身の鈴木惇がボランチで初先発。その意気込みが、開始早々からプレーに表れます。ゴール前右サイドからの鈴木のFKをロッソDF陣がクリアしてCKに。このCKからFW大久保をフリーにしてヘッドで決められてしまう。今日もまた先制された熊本。前節の嫌なイメージが襲います。

しかし、先制されても決して守りに引いてしまうのではなく、あくまでアグレッシブにという戦い方は前節も全く同じでした。しかし、今日は敵陣で無理に奪ったり、中盤で後ろから追いかけたりということではなく、自陣の最終ラインへの出所で、きっちりとチェックしていたという感じ。奪いに行くというのではなく、自由にさせない、相手のリズムを削ぐ。決して守備のバランスを崩さない。おそらく前節から、というより、ここ数試合の修正の積み重ねとして、条件に応じた攻撃的守備、守備から攻撃へといったところの“間合い”が見えてきたのではないでしょうか。

そこから両サイドや、前線の2トップにフィード。高橋の1点目、3点目はいずれもCB上村のそんな仕事から生まれたものでした。

もちろんハットトリックを達成した高橋の抜群の技量、活躍抜きに、この勝利はなかったでしょう。昨年の雨の水前寺、アルテ高崎戦を彷彿とさせるような2点目のFK、無回転シュートに敵GKはなすすべもなく。紛れもなく、今節Jリーグアフターゲームショー選定のベストゴールでした。

しかし、この試合でわれわれをしびれさせたのは、同点で折り返し、はては撃ち合いかと思われた後半。最後はパワープレーに及んだ福岡を零封した45分間の展開でした。

12分にチャジホの折り返しをうまく小森田が押し込んで勝ち越し。その後、反撃に出た福岡の文字通り”力ずく”の試合はこび。高さのある大久保に、黒部、ハーフナーまで入れられると、熊本のゴール前の制空権は完全に福岡のものになってしまいました。

しかし、GK小林の決死の守り。喜名、福王、熊谷というカードも投入のタイミングも迷いがない。「全員守備なんだ」という明快なメッセージ。そして、足が止まりそうになる時間帯での、高橋の貴重な貴重なだめ押し点。

エースの大活躍もあり、4点という初の大量得点になりましたが、後半を0点に抑えたゲームは、実に鳥栖戦以来。これまで、後半に運動量が落ちて失点を重ねていたのが熊本。しかし、ここにきて少しずつですが、それが改善されてきている証左ではないでしょうか。しかも、この過酷な連戦のなかで・・・。

紙一重の戦い。

前節終了後、横浜の都並監督が「先制点を奪われていたら、違った形のゲームになっていただろう」と言ったように、今日の試合も後半、相手に先に勝ち越されていたら、追いつく力はなかったかも知れません。とても表現しにくいんですが、それほど絶妙な試合運びだったと。

そしてそれは僅差で敗れ続けたこれまでの戦いが、なにがしか”糧”になっているように思えるのです。まさに紙一重の戦いを続けているのではないかと。
誤解を恐れずに言えば、前節、横浜戦、結果的には大敗でしたが、後半の失点は勝敗ではなくリスクを恐れず“1点”を取りにいった結果だったこと。5点差がついた後半20分以降も誰一人、下を向くことなく、ロスタイムまで1点を目指して、全力で走り、攻めていた。われわれのチームは紛れもなく“闘っている”と思うからです。

この連休、過酷な日程のなかで元J1勢との連戦。結果、この4連戦を2勝2敗で乗り切ってしまいました。振り返って「基本的に”得た”ものしかない。」と池谷監督にいわしめた貴重な経験。

連休最後の新たなダービー戦では、先輩福岡に勝利することによって、これまでの”借り”を返すことができました。
Jリーグの楽しさを、自分の町のチームを応援することの嬉しさを教えてくれた先輩福岡への”借り”。地域リーグ時代から、練習相手としてチームを鍛えてもらった”借り”。
最初は福岡の借り物だったチャント(応援歌)も、もうそろそろお返ししなくては。これから熊本も少しずつですがファンを増やして、いつかきっと“いいライバル”と思ってもらえるようになってみせます。

福岡にとっては連続での大量失点による敗戦。今後どう立て直してくるのでしょうか。次に戦うのは6月8日のホーム水前寺。あの水前寺競技場が、リベンジに燃える福岡サポーターで占拠されてしまうのではないかと、今からちょっと心配。しかし、それでこそのダービーなんですよね。
5月3日(土) 2008 J2リーグ戦 第11節
横浜FC 5 - 0 熊本 (13:03/ニッパ球/4,061人)
得点者:25' アンデルソン(横浜FC)、42' アンデルソン(横浜FC)、46' アンデルソン(横浜FC)、52' 難波宏明(横浜FC)、62' チョヨンチョル(横浜FC)


見るからにコンディションの差が明らかでしたね。思わぬ大差になりました。

出場停止のチャジホに代えて前節途中出場の宮崎。そのほかは、ほとんど前節、前々節と同じメンバーで挑んだロアッソに対して、横浜は前節休み。試合開始まで降り続いた雨でしっとりと濡れた三ツ沢のピッチも、アウェーチームにとっては厳しい条件となりました。

アンデルソンも、難波も、三浦知良もキレがあったことは間違いありませんが、ロアッソの選手達は、完全に競り負けていました。中盤でも前を向けない、チェックにはファールを取られる。
なにより、CBの二人が、今日はアンデルソンと難波に翻弄されていました。闘将上村も疲れは隠せず。ボールを追ってしまい目線が下がる分、視野が狭くなっていたのでしょうか。

初めて2点のビハインドを背負って迎えた後半。
前半もところどころでは熊本らしい攻撃を垣間見ることができていたので、立て直しも可能かと思われたのですが、開始早々のアンデルソンの3発目が、大きく効きました。今季初出場の町田、山内を投入するも流れは変わらず。逆に、横浜には次の試合を考慮して、アンデルソンや三浦淳を休ませる余裕すら与えてしまいました。

ここまでどんなFWにも決定的な仕事はさせてこなかったうちの両CB。しかし、どうも外人FWには、弱みを見せてしまうようです。福王は今日もしっかり自分の仕事をしましたが、限られた3人交代枠のなかで、彼の持つユーティリティ性ゆえにどうしてもベンチスタート、”置いておきたい”選手になってしまうのでしょう。

総体的な選手力の差が埋められているか。今節の見どころをそう書きましたが、それ以前にこのリーグ日程の厳しさに膝をついた感じがします。11日間で4試合。まったく未知の世界です。
チーム全体が常にトップコンディションの動きでなければ戦えないリーグ。それもまた全体の選手層の差と言っていいかもしれません。できれば、いいコンディションで2月のTMの借りを返したいところでしたが、全ては言い訳にしかなりません。

これもまた試練。

くしくも今節、多くの試合で大差完封試合となっているのも、そんな日程との調整力や選手層というチーム力の”差”が出ているのではないかと感じさせました。

次節戦う福岡も、本日の試合で湘南に0-4で敗れています。
どちらがこの嫌なイメージを引きずらず、切り替えて戦うことが出来るのか。対戦まで中二日。コンディションはある意味一緒。”新・九州ダービー” 初の福岡戦です。
われわれもまた、気持ちを切り替え、新たなモチベーションを胸に、福岡戦に臨みます。
さて、次節はアウェー。ニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと戦います。

現在3勝1敗5引分で8位。調子の波が激しいのか。
2月のTMでは、向こうがまだ調整中だというのに、点差以上に圧倒的なチーム力の差、控えも含めた選手層の差を感じたことをわれわれも記録しています。今、その差が少しは縮まっているのかどうか。興味深い戦いです。

また、前節退場のチャジホが1試合出場停止のため、左サイドをどうするのか。これも監督の采配を注目したいところです。
ここ2試合の山口、山本のボランチコンビ、前々節の河野健一、前節の宮崎 大志郎。いずれも練習やサテライトでのアピールでチャンスが巡ってきています。誰にもチャンスがある。裏返せば、誰にもレギュラーの保証はない。中山、高橋両FWの連携も高まっていますが、まだベンチ入りしていない小林陽、町田にもチャンスはある。厳しいけれどそれがチームの活力。そういう総体的な力も含めて差を感じた2月から、どれぐらい縮まっているのか、ということです。

さて横浜。要注意は、相変わらずFWのアンデルソンの動き、MFエリゼウの上がり、それと最近では前目で使われているという三浦淳のテクニックでしょう。因縁深い御給匠もここ数試合はベンチにも入っていないようです。逆にカズは最近5試合、連続スタメン出場しており、若い難波と前線をかき回しているようです。

難波宏明。この名前は見覚えがあります。

あれは2002年の1月。JFL昇格初年度で8位の好成績を残したアルエット熊本が、大津競技場で、初のセレクションを行いました。約30名の参加者のなかに、当時神戸を戦力外になったばかりの彼の姿がありました。
短・長距離走、5vs5でのミニゲーム、フルコートを使ったゲーム形式でのテスト。どのシーンでも、彼の能力の高さは群を抜いていました。なにより、ジャージの上からも想像できる強靭な筋肉、身体能力の高さは、大宮からのレンタルFW金川が抜けた穴を補う人材として、喉から手がでるほど欲しかったのは間違いないでしょう。

しかし、彼のプレーを熊本で見ることはできませんでした。おそらく当時の彼はプロを志向していたでしょう。それに応えるクラブ環境に、当時の熊本はありませんでした。

その後、同じJFLの栃木SCに入団。14試合に出場したあとは、なんと流通経済大に入学(移籍?)し、06年の関東大学リーグ優勝に貢献。同年に横浜FCの強化指定選手に登録され、昨年正式にプロとして加入しました。

縁がなかったといえばそれまでですが、あれからの熊本にも紆余曲折があり、こうして今、敵味方として相まみえることに、なんだか不思議な運命の糸を感じます。

三ツ沢。われわれも一度だけ行ったことがあるんですが、屋根は少ないものの、ゴール裏からの見切りもよく、伝統を感じさせる素晴らしい専用スタジアムですね。
ちなみにネーミングライツの「ニッパツ」はあの日本発条。横浜で自動車のサスペンションやスタビライザー、シートを作るこれも伝統あるメーカーです。
きっとホーム側は、あのスカイブルーのレプリカユニとフラッグで埋まって、綺麗なんだろうなぁ。
連休初日。遠征される方も多いと思います。羨ましいです。われわれは、テレビの前で赤馬の勝利を祈ります。