9月23日(日) 2012 J2リーグ戦 第35節
熊本 3 - 1 福岡 (15:04/熊本/8,152人)
得点者:2' 高橋祐太郎(熊本)、22' オズマール(福岡)、45'+1 北嶋秀朗(熊本)、63' 北嶋秀朗(熊本)

華のある選手だな。そう思いました。

これだけの実績のある選手に対して、移籍後初得点をあんまり騒ぎすぎるのも失礼なのかも知れないとは思いましたが、それでも、かなり、相当に長かったなと思う。故障のときは、これは難しいかもしれないなどと思ったりもした。そして自身のブログに綴られた「決意。」という文章。その心境を思えば、約束したそのゴールを”有言実行”した後に吠えるその鬼気迫るような目つき、そこに抱きつきにいった藤本のまた同様な眼差しを見て、心揺さぶられない赤いファンはいなかっただろう。涙ぐんでいるサポーターさえいました。

福岡20120923

アクシデントからの途中出場でした。開始早々のCKから見事な高さでヘディングゴールを決めた高橋祐太郎が、前半のなかば、突然倒れ込んでバツ印が出る。その直前には、福岡に押し込まれて、末吉のプレスを嫌った養父のバックパス。それは皮肉にも綺麗な”スルーパス”になって、オズマールに押し込まれ同点にされていました。

前節と同じように齊藤、高橋でゲームの流れを作っていった熊本。ミスからの同点弾。そこでの予期せぬアクシデント。スタンドのファンだけでなく、ピッチ上の選手たちにもまん延しそうなそんな嫌なムードを払しょくしてくれたのはこの男でした。ある意味、待ち望んでいたように割れんばかりの拍手が、ピッチに登場した彼を包みました。

顔を上げた選手たち。藏川が右サイドを突破してクロス。北嶋が飛び込むもGKに捕獲される。「違う。もっとニアだ」とわれわれは思う。そう言う北嶋の心の声が聞こえそうな気がして。

「自分自身は3人抜いて決めるような選手ではなく、味方のアシストが必要なので、自分の好きな形でのゴールを決めるには、タイミングを逃さないことやクロスボールの質も重要」。この試合後のインタビューでも、そう北嶋は言う。そのために、接触の多いJ2のサッカー、ロングボールが少なくない熊本のサッカーに適応するために、自分は数週間前から「10年ぶりくらいに筋トレを始めた」(J’s goalJ2日記「加入後初ゴールの背景」から)のだといいます。

このまま同点で前半終了かと思われたアディショナルタイム。“いい時間帯”でした。自陣から持ち上がったボール。武富がワンタッチで左にはたく、受けた原田がアーリーで入れる。それは北嶋が指さしたポイントでした。「GKが僕からみて右に寄ったのが見えたので」というほどの冷静さ。滞空時間の長いジャンプから高い打点のヘディングで勝越し点を決めます。美しい。そして実に北嶋らしい。移籍後初得点でした。

「拓ちゃんのクロスのタイミングと質が完璧だった」と言う。「あのタイミングを一つでも遅らさせたらDFに見つかってしまい駆け引きをしている意味がなくなる。ボールの質が低ければキーパーの体重がどっちに乗っているのかを見極める時間がなくなってしまい、ただ単にゴールを狙うだけになってしまう。結果ゴールの可能性が低くなる」。試合後の北嶋のブログ。あの一瞬にそんな判断が凝縮されていた。

後半、秋の西日を正面から受けるエンドになった福岡。それでもDFラインから飛び出したオズマールが大外から南と1対1。しかしこれは右サイドネット。今日の福岡で最も危険で厄介だったオズマールを下げて坂田を入れる福岡・前田監督の采配。

今度は左から上がった大きなサイドチェンジのボールに城後のダイレクトボレーシュート。これは南のビッグセーブ。その後も、何度か福岡の決定機を阻止した守護神・南。北嶋が決めたこの試合。絶対負けるわけにはいかない。

「熊本に来てから苦労していることやいろんなジレンマと戦っているのは見てきていたし、1つゴールが入れば流れは変わると思っていた。それだけの力のある選手なので、1つ入ればと思いながら見ていた。今日それが取れて、もっともっと期待したい」と言う南。”北嶋をヒーローにするんだ”。柏時代からの盟友が、そう一番思っていたに違いない。

「古賀のマークを外してゴールしたい」。北嶋がこの試合、もうひとつ望んでいたのは、高校時代から対戦し、柏ではチームメイトでもあった福岡DF・古賀との駆け引きでした。63分、FKのクリアを拾って熊本が縦に入れる。武富が追いかけて奪うとグラウンダーで入れた。北嶋は古賀を背にしながらトラップでターン。左足で放ったシュートはゴール左隅に吸い込まれます。

「ワンツーをもらうつもりだったんですけど」と若干不満気味だったのは当の武富。北嶋は「(武富が)パスを出した後に動いてマークをはがしてくれたことで、落とすという可能性を相手の選手も持ったと思う」と笑う。何しても、福岡・高橋泰が「個の部分、1対1のところで負けてしまうと、なかなか勝ちには結び付けるのは難しい」と言うような。それにしても北嶋のうまさが優ったシーンでした。

前節の大分ほどではないにせよ、それはそれで”経験値”から来るだろう地声の太さを感じさせたゴール裏の福岡サポーターでしたが、この3点目を喫して以降、途端に声が聞こえなくなりました。ピッチ上のチームはというと、とにかく縦に入らない。サイドからの対応可能なクロス一辺倒。後半こそ中で繋いで突破しようとする意図が見えましたが、ブロックを敷いた熊本に阻止されます。「福岡FW陣は個々に特徴があり厄介だった。そこへボールが渡る前に、パスの出し手のところで止められるかが大事だった」と言う廣井。起点となる鈴木のパスコースをどう限定するか、ということでした。

熊本は90分間を通してDFラインを高く上げ続けたコンパクトな布陣。それはDFの裏を捨てた”割り切った”戦術でしたが、齋藤、高橋、そして北嶋の前線からの守備がこれまた90分間機能し続け、その裏を突く時間と精度を与えませんでした。

試合を通してのフリーキック数は熊本15に対して、福岡が29。極端に数字が違います。別に福岡のほうがフェアプレーだったということを言いたい訳ではなく。ボールへの貪欲さ。五分五分ならもちろん、四分六分で相手ボールでも、身体をねじ込みながら、スライディングでつま先1センチでも触ろうと、果敢に寄せていった結果だろうと。後ろからでも躊躇なく行っている。もちろんボールに。よく、しつこく突っついて、絡んでいるなあと見えました。

その代償なのかケガも多い。交代のきっかけになった吉井のプレーもそう。高橋のケガも、場所的には中盤の何も決定的な位置ではないのですが、それでもマークを外すまいと集中していた結果だろうと。高橋のケガは実に痛い。前述したとおり、高橋と齋藤で作っていくゲームプランが、ここのところ奏功していただけに。

武富は、「今日はあんまり良くなかった」と言う。「ボールが足につかなかった」と。「ドリブルでも思い通りに運べないことが多かったので、それ以外でシンプルにプレーして、ディフェンスを頑張ろうと試合中に切り替えた」と。しかし2点目の起点となるシンプルなボールさばき、3点目のアシストにつながる身体をあてたボール奪取。多分、今年いちばん“良くない”どころか、彼のプレーの幅の広がり、成長を見せたゲームだったのではないかとも思えるのです。

そして齊藤。多分、終盤のピッチを見渡して、一番疲労しているように見えるけれど、監督にとって一番、替えたくない、替えられないプレーヤーになってきたのではないか。それは高木監督直伝の教えを会得してきたということなのか。”北嶋劇場”の影に隠れて、この二人が、実は今日のゲームの立役者でもあったのかと思います。

日曜日の3時キックオフ。9月下旬のKKは、日差しは強いものの、気温26.1℃、 湿度53% 。さわやかなコンディション。お昼頃から、周囲の芝生の上では、スタジアムグルメを楽しむグループが。赤も、紺色も入り混じってピクニック気分で盛り上がり、実にのどかないい景色でした。

けれどこの日のダービーには、開幕戦の惜敗のリベンジへの思い、それぞれ隠された各人の思い。そして、北嶋には全く別の次元の思いもあったような。

この熊本の新しい”赤い華”の魅力に、今は福岡の青を身にまとっているかつてのエースへの想いも吹き飛び、それを象徴するようなダービーマッチでもありました。多くのチームが大胆な夏の選手補強をするなかで、わが熊本は彼ひとりだけが”補強”でした。加入から3ヶ月近くを費やした初ゴール。しかしその間、惜しむことなく若手にその技術を伝え、不振に落ち込んだメンタルを鼓舞し、そして自ら挑戦する背中を見せることでリーダーシップを発揮した。チーム自体が変わってきていることをわれわれファンも実感している。この補強は得点や勝ち点以上のものを熊本にもたらしたのかも知れません。

9月17日(月) 2012 J2リーグ戦 第34節 
熊本 2 - 1 大分 (16:05/熊本/9,645人) 
得点者:36' 吉井孝輔(熊本)、49' 西弘則(大分)、53' 齊藤和樹(熊本)


まず最初に、前回のエントリーで「コンディションが悪いのでは」と疑問符を投げかけた藏川選手に全力で謝りたいと思います。この試合のパフォーマンスは出色でした。運動量多く、大分の攻撃の芽を次々に潰す。後半インターセプトから斎藤に一度預けて、再び右サイドを駆け上がったシーンは、大いに会場を沸かせました。残念ながらその前に、絶好機を外した場面もありましたが(笑)。

今日のような試合こそ、まさに藏川のゲーム。脚が攣って終盤、交代した筑城にしても。流血の痕も痛々しい吉井も。「球際の強さを求められて」と自分たちの役割をしっかり認識していた”戦士”たちでした。

「球際」と「攻守の切り替え」が、このゲームの課題でした。前節、水戸に完敗した点。「とにかくサッカーの原点にもう一回帰る」「セカンドボール、球際、切り替えはサッカーの素の部分なので、そこでは絶対に負けてはいけない」。水戸戦で敗れた翌日にこう檄をとばしたという高木監督。

過密日程もあるものの、球際で「闘う」というコンセプトで5人の選手を入れ替えた。「ダービーなので、なかなか綺麗なことは難しい」だろうという予測のもと、斎藤と高橋という初めての2トップの組合せをチョイスした。「こういうサッカーになるだろうという予測のもとでチョイスした」という指揮官の期待どおり、前から守り、前で納める。決してうまいとは言えないかも知れない。しかし泥臭くしぶとく。相手の嫌がるプレーが、大分を苦しめました。

大分20120917

大型の台風16号の接近で開催自体も危ぶまれましたが、何とか持ちこたえてくれました。今日のこのゲーム。熊本サッカーフェスタとして、熊日がバックアップして盛り上げを図る形で、回を数えてもう6回目。怪しい天候ながらも動員もかかり、1万人近く入ったスタジアム。しかも相手は隣県・大分とあってサポーターの数も多く、青い色がバックスタンド、メインスタンドまで侵入している。ゴール裏の応援合戦も、キックオフの前からヒートアップして。火の国の“赤”がこれで燃えないわけにはいかない。

強風のなかでのキックオフ。「おやっ?」と思ったのは、熊本が風下のエンドを選んだということでした。前半風上を選ぶのが勝負の定石。それでなくてもエンドチャンジが常の熊本なのに、なぜ風下を選んだのだろうかと。

これについてはキャプテン藤本のブログに詳しい。「キタジや雄太、監督からの意見も聞きながら、最後は俺自身で決めようと思っていた」「とにかく前半は我慢して、劣勢になろうが失点0で後半を迎えると。後半は選手の入れ替えもやりながら、風上に立って優勢に進めたいという狙いに絞った」のだと言う。この“決断”が、かえってチームの戦術を固めさせたのもあったでしょう。藤本はそれを「"割り切る"こと」という言葉で表現する。

「ある程度押し込まれるのは覚悟していて、我慢しながらやっていこうという意思の統一はできていた」と言うのは筑城。「向こうの読みも含めてというか、風の影響を考えてポジションを取って先に飛んだり、どう身体を当てるか、考えながら入りました」とは矢野。そう言うように、ボールが極端に伸びる、押し戻される。ただ、風下が不利かというとそうでもない。むしろ、風下から風に当てるように蹴るロングボールは、絶好の競り合える位置に落ちる。逆に、大分の長めのパスはほとんどが流されてしまいます。

“アゲンスト”と思われる環境に自ら身を置いた熊本は「球際」に厳しくいくことに“割り切った”。ボールに触るためには、まず相手を弾き飛ばしてから。ケガも、ファールも、カードも恐れない。でもラフプレーとも違う。すべての局面でスライディングタックル。ちょっとでも腰の引けた緩いプレーがあると、それは目立つ目立つ。

そして武富が「失点しないことを第一に考えて、取ってから切り替えを早くしていければと思っていました」と言うように、もうひとつのこの試合の大事な課題は「切り替え」。「相手が3バックだということで、我々がボールを保持すると必然的に大分が5枚で守る形を取っているので、そうなる前に早く攻めるというのが、我々の今日の攻撃の中では優先でした」と指揮官は強調する。

その意識は、我慢のはずの前半中に実ります。自陣深くから養父が前方に送ると、斎藤がうまく溜める。全力疾走で追い越して行ったのは吉井。その指さすところに絶妙のパスを斎藤が送るとDFの裏を取った吉井が胸のワントラップでシュート。手を広げるGKの脇を抜けてボールはゴールに突き刺さりました。

総立ちの赤いサポーター。絶叫して歓喜を表す。タオルマフラーをぐるぐる回す。大分のサポーターを沈黙させる。

しかし、これで大分も目を覚ましました。そこにはさすがにリーグ3位の強さと怖さがある。三平こそ自由にさせなかったものの、森島は高くて強い。そこに当てられる石神からの鋭いクロス。前線に人数を掛けて攻めあがる。

そして後半早々。中盤のせめぎ合いから藏川が上がってポッカリと空いたスペースを石神に使われました。石神が素早くグラウンダーで入れる。そこに走り込んだのは西でした。右足アウトで綺麗に流し込んで同点にする。熊本にいた頃よりも数段身体が強くなっていた。相変わらず変則ドリブルは健在。そのうえにうまさが加わっていました。

センターサークルにボールを運ぶ熊本イレブンを見ながら気がかりだったのは、そのメンタルでした。やはり大分は強いと、これで気落ちしてしまうのかどうか。

しかし4分後、熊本は意地を見せてくれます。スローインから藤本が養父に落とす。柔らかい、しかしタイミングの早いクロスを養父が入れると、ファーサイドの齋藤が付いていた三平より高い打点で頭を振った。ボールはゴール左角に吸い込まれる。この大人しい男が、得点の喜びに吼えました。

その後の時間は果てしなく長かった。猛攻を見せる大分に、やはりこのカードはドローゲームが常なのかと正直覚悟しました。熊本にも幾度も好機が訪れましたがそれも決めきれず。しかしなんとか1点差を守りきることができました。

久しぶりにサッカーを見せてもらった。そんな気持ちになったゲームでした。順位や勝ち点差も関係なく、この一戦に向かう両者の意地のようなものを。赤と青で分けられ、声高々に後押しする。「プレミアリーグを見ているかのような感覚」と高木監督がコメントしたのは、そういったスタジアム全体の雰囲気も含めてのことではなかったのかとも思えます。そうでなくとも少なくとも、熊本が同点弾のあと気落ちせずすぐに追加点を奪えたこと、そのあとの長い時間、大分の追いすがりを許さなかった、凌いで凌いで凌ぎきったことは、ゴール裏の声の力だったことは疑う余地もない。

声量や人数を数字に置き換えたのなら、アウェーに駆けつけた大分に、もしかしたら負けていたかも知れない。しかし、この試合の勝利は、「そんな大分の数には負けない」という、間違いなく熊本のサポーターの意地のような力が選手たちを後押しして勝ち取った結果だったのではないかとも思うのです。

北九州戦のエントリーで、「ただただ、ファンにとってはどうしても負けたくない相手がある」と書きました。それはバトルオブ九州という”煽られた”対戦でもなく。「そんな思いは、ちょっと選手たちとも少しギャップがあるのかも」とも。けれど今日は、たくさん押しかけた青いサポーターが逆に火をつけ、選手とファンを一体にさせてくれたような気がします。

意地を見せた今節の勝利。この会心の結果がまた1ページ、赤と青の歴史に刻み込まれます。


2012.09.16 水戸に完敗。
9月14日(金) 2012 J2リーグ戦 第33節
水戸 2 - 0 熊本 (19:04/Ksスタ/2,321人)
得点者:76' 鈴木雄斗(水戸)、87' ロメロフランク(水戸)

「脱帽です」と試合後のインタビューで話す高木監督。「勝利に値するプレーを、水戸さんがしっかりやったと思います」と。確かに見た目も結果も、まさにそんなゲームになりました。

天皇杯を間に挟んだスケジュールだったために、なんとなくリーグ戦前節のイメージが遠くなってしまっていましたが。あの北九州戦のビデオを見ているようなゲーム。いや、熊本の戦う姿勢も十分に見えて、「それ以上に水戸さんの方がよかった」と、それを上回る水戸のプレーだっただけに、「今日は何もできなかった」。どうにもならないもどかしさが募りました。サッカーとしては…。

「相手のホームゲームで、(前節の)北九州や水戸のようにガツガツくるチームに対して、普通に臨んでいては、勝てない」(RKK・MottoRoassoより)と、指揮官はアウェーでの選手のメンタル面を指摘する。

それでも、水戸のミスやら、もちろん熊本も最後の最後には体を当てた守りで失点を免れ、終盤まで凌ぎました。ポゼッションの時間帯こそ少なく、流れはまったく良くないけれど、一瞬のパスワークでゴール前に持っていく反発力は失っていませんでした。
逆の立場で考えれば。水戸にしてみれば…。かなり嫌な流れに違いない。実は勝負ということならこんなゲームも取れないことはないわけで。少なくとも勝ち点1を持って帰るチャンスは十分にあった。そう思います。

水戸20120914

勝った試合のあとはメンバーをいじらない。そんな鉄則に従うように、熊本は先週の天皇杯・岐阜戦と同じく武富、北嶋の2トップ。市村、藏川のSB。一方の水戸は、攻撃のキーマン橋本を累積警告で欠くなどのチーム事情もあり、5人も選手を入れ替えざるを得なかった。共に天皇杯2回戦を120分間戦った条件は同じだったとはいえ、”入れ替えざるを得なかった”水戸が結果的にコンディション的には優位になったのでは。ホームという地の利もそれに加勢したのかも知れません。

もう、数試合前から感じていたことで、判断に迷ってもいたのですが、藏川のコンディションが見るからに悪いように思うのです。ユーティリティプレーヤーとして、今季の高木サッカーで重宝されている存在感の大きい選手ですが、さすがに疲れているのではないかと。

さらに、北嶋は自身のブログで「ここ数年の中でこんなにダメなプレーをしたことがない。個人的にそれくらいダメだった」と吐露しました。「集中力も足りなかったし、ポストプレーも自分の考えるプレーができなかったし、ミスも多かった。走れなかったし、ディフェンス面でも貢献できなかった」と。

一方、水戸には鈴木隆行がいました。36歳にしてあの運動量。流動的で非常に嫌なところに顔を出す。マーク一枚では不安残るし、エリア内では狡猾にファウルを誘う動き。一枚余計に手がかかる。相対していた市村や矢野のケアが相当にやっかいだったように見えました。

そして今日の相方は吉原。今季はまだノーゴールとはいえ、鈴木と同じく嫌なところに飛び出す動きは秀逸。11分の島田からのクロスに飛び込むシュート。54分のエリア内、鈴木から貰って放つもののバーに嫌われるシュートなど、”危険度”いっぱいな男でした。

「いくつの中のひとつです」と言いながらも、「相手の右サイドを狙いにいく」ということは、敵将・柱谷監督の狙いだったようです。しかも、試合序盤から熊本の守備隊形が整わないうちに、アーリークロスを多用してきた。度重なる危険な場面。これに対して熊本はバタバタしてしまった。整理がつかないうちに気持ちも萎縮してしまったかのように見えます。ハイボールへのDFのクリアもこころなしか小さい。セカンドボールが水戸の手中に収まり、波状攻撃に晒されます。

しかし、それでも凌いで前半をスコアレスに終えた。後半に入り60分頃からは、攻勢に転じる時間帯もありました。けれどアタッキングサードに来てからの連携でのミス。それはボディブローのように身体に堪える。パスを出した側も出された側も。きつそうな表情が画面に映し出されます。

水戸が吉原を下げて、MFの村田を投入。ロメロフランクを一列上げる采配を下したすぐ後のプレーでした。PA内のロメロにボールが入る。これは廣井が足元からさらったものの、こぼれたボールにこの試合果敢にファイトしていた鈴木雄斗が詰める。ほかのDFは足が止まっているエアーポケットの瞬間。先制点を挙げられてしまいました。

それでも熊本にも追撃のチャンスは十分にあった。83分、養父のミドルをGK本間がこぼしたところに、途中投入の根占が詰めますが、本間の気迫溢れるセーブに跳ね返されます。このGKをまともには破れない。

87分。熊本のCKからカウンターに走った水戸。島田が溜めに溜めて、あとから走ってきたロメロに渡す。ロメロのシュートがゴールを突き刺すと、熊本の敗戦は決定的になりました。

前回対戦では2-1で下している相手でした。その試合のエントリーを見返すと、システムやメンバーの違い、敵将・柱谷監督のスカウティング不足もありましたが、「球際の厳しさ」がこの試合の勝敗を分けた一番の違いだったのではないかと思えます。

「ポイントは攻守の切り替えと、コンディションだ」(スカパー!)と、試合前、柱谷監督が言っていましたが、まさしくそのとおりの結果になったわけで。球際での厳しさで優った前回の対戦を忘れた(あるいは怯んだ)かのような熊本が、この試合は後手を踏んで、水戸に切り替えの早さを許した。コンディションは、時間を追うごとにその差が表面化していきました。

本当は、こんなゲームで勝ち点を拾ってこそのサッカー。余計に痛快なんだけれどと思います。相手を消せなかった。それは前節(北九州戦)と同様でした。天皇杯の120分の勝利が間に入って、前節の配線が整理されていないのかも知れない。そんな心配がしないでもない。残念な試合でした。

9月8日(土) 第92回天皇杯 2回戦
熊本 4 - 3 岐阜 (13:00/熊本/1,823人)
得点者:11' 武富孝介(熊本)、48' 樋口寛規(岐阜)、64' 樋口寛規(岐阜)、74' 仲間隼斗(熊本)、93' 武富孝介(熊本)、95' ダニロ(岐阜)、112' 大迫希(熊本)


120分の長い試合時間を経て、ようやく”しぶとい”岐阜を沈めました。9月といってもまだ真夏。炎天下、午後1時キックオフの試合は、試合相手とは別に、”暑さ”というもうひとつの敵と戦うようなゲームでした。 

先週KKウィングで行われた天皇杯1回戦、大津高校対Vファーレン長崎を観に行ったときも思ったことでしたが、ピッチボードもなく寂しいフィールド、観客もまばらなスタンド、昼間13時のキックオフまでにアップする選手たち…、しかも相手はJFLでもしのぎを削った同期・岐阜。何だか、走馬灯のようにあの地域リーグ、JFLの頃を思い出さずにはいられません。あの頃はこの天皇杯の舞台が、全国区に名乗りを上げる唯一のチャンスだった。だからわれわれファンも1回戦からワクワク、ドキドキして試合に臨んだ、そんな気持ちを思い出します。それは、決して単なる回顧趣味ということではなく、何かしら熊本の”原点”が思い起こされて、奮い立たされるような感じでした。

GK岩丸、FWには北嶋、ボランチに原田と吉井、サイドに大迫、CFに福王。「トレーニングも含めて彼らのパフォーマンスが良かった」からだと高木監督は言うものの、この先発の布陣は、やはりカップ戦ということでの日頃の”試合勘”を戻させるための選手起用に思えました。ただ、「前回の北九州戦でできなかったことをリンクさせて考えた布陣」という指揮官の言葉からは、組織的な守備が固まらなかった前節の反省、課題に対して、選手層の裾野を広げたい、広げるいい機会だという意図は感じられました。

対する岐阜も、ターンオーバーな感じはしない布陣。ただ、井上平が中盤に、地主園が右SBにと、ずいぶん攻撃的な選手を後ろに置いたものだという感じがします。

岐阜20120908

11分に北嶋が収めたボールを右にはたくと、上がった市村のクロスに武富が飛び込んでヘディングでネットに突き刺す。幸先よく先制。しかし、この先制点も、実は今日の長い、波乱のゲームの幕開けでしかなかったことを、そのときは思いもしませんでした。

この試合。熊本にとっての第一の課題は、前節、全く機能しなかった前線からの組織的な守備から入ることでした。元々岐阜も慎重に守備から入ったこともありましたが、序盤、熊本は主にサイドを押し込んで、そこから中を使う攻撃が機能しました。そのなかで吉井が裏を狙って飛び込んだり、原田がサイドに釣り出すプレーも。対する岐阜はなかなかボールを取りにいけない。

しかし、1点先取した熊本が、この気象条件を計算したのか、少し”省エネ”な展開を図りはじめると、井上を前目にシフトした岐阜も攻勢に転じ始めます。前半終了間際には、FKのボールに飛び出したGK岩丸が触れられず、ファーの選手が触ればあわやという場面。続く右CKからはフリーのヘディングを許しますが、これは叩きつけすぎたおかげで枠を外れてくれ、事なきを得ます。

岐阜の反撃の狼煙は後半に入ってすぐの48分でした。CKがゴール前を抜けたものの、ファーで樋口に拾われると狭いところから決められて同点に。続く64分には、ダニロがポストプレーで落としたところに、再び樋口が右から入りシュート。逆転されてしまいます。全く岐阜の時間帯になってしまう。ちょっとゆるく綱を握りなおしたら、すっかり形成を逆転されてしまったような、そんな綱引きゲームを見るようでした。

あまりの暑さの中で、観ているほうも集中力を失うような試合。熊本の選手たちにも、長さにして数十センチ、タイミングにして数分の一秒のパスミスが目立ち始める。選手間の意図が少し狂い始めている。スタンドから見ていると、明らかに藏川のところと、藤本のところのズレが目につき、岐阜に攻撃権を渡すポイントになってしまっていました。

打開すべく吉井から養父への交代。疲れの見える北嶋も仲間に代えたベンチワーク。74分、それが早々に奏功します。自陣深くからのFK。素早いリスタートから原田が放った1本のロングボール。仲間がDFの裏を取り、一瞬早くボールに触る。前に出ていたGKを越えるループシュート。交代してファーストタッチで同点にします。その後は一進一退。後半終了間際に原田の強烈ミドルがゴールを襲いますが、ポストに嫌われてしまいました。

試合はそのまま延長に突入。その前半早々、前線の3人が押し込む。バイタル左で貰った武富が中央にドリブルで切り返すと、思い切りよく右足を振りぬく。ボールはバーに当たるものの、ゴールに吸い込まれて勝ち越し点。

さすがにKKのスタンドもこれで突き放したか、と思ったのも束の間でした。岐阜はその2分後、途中交代のボランチ橋本がクロスぎみに前線に入れる。ファーサイドからの折り返しを中央でダニロに合わせられて同点。追いすがる岐阜。リーグ戦とは違って、ある意味で失うものは少ないゲーム。失点しても誰も下を向かない、取られたら取り返しに行く、そんな“オープン”なメンタルというのもこの天皇杯の雰囲気なのでしょうか。その執拗さは恐るべきものでした。

そして延長戦も後半、そろそろPK戦も頭をよぎり始めたころ、カウンターから大迫が抜け出しGKまで交わす。しかし、角度のないところから放ったシュートは、カバーのDFも触ることなく、ゴールを反れて行く。「GKをかわした時にDFが戻ってきているのが分かったので、少し浮かしたら回転がかかってしまった」と頭を抱える大迫。腰を浮かせかけて、再び席につくスタンドのファン。

しかし、最後の最後に試合を決めてくれたのは、「でも、まだチャンスはくると思っていました」と諦めなかったこの男のすぐ後のプレーでした。左サイド、途中から入っていた片山のクロスに対して、中央の選手には合わなかったものの、大外に構えていたのは大迫。今度こそボレーで打ち抜く。難しい角度から快心のシュートは岐阜のゴールに突き刺さる。その瞬間、スタジアム中は歓喜の坩堝に化しました。見届けたファンにとっても暑さと戦う、長い長い試合。勝利という結果が、その苦労をいっぺんに吹き飛ばしてくれました。

点の取り合いになったゲーム。90分のリーグ戦のレギュレーションなら引き分けでした。120分にして雌雄は決したものの、やはりリーグ戦での引き分けの多さの訳を思わせます。延長時間も、ホームにあったからこそ勝ちきれたのではないかとも思わせる。

そんななか、指揮官は2失点目に関して特に厳しく言及しました。
「ダニロにボールが入った後のセカンドボールに対して、完全にボールウォッチャーになった」「絞る、戻るスピードもなかったかもしれない。ああいうプレーをしていくと、どのチームに対してもディフェンスはできない。なのであのシーンは、僕は納得できない」と。

久しぶりにDFラインに入った福王は、「2点目は僕も含めて切り替えが遅かったのもあって相手のサポートに誰もついてきてなくて」と反省する。さらに次の3回戦に関しては、「ピッチに立ちたい気持ちはあるし、リーグ戦にも絡んで、毎日のトレーニングから意識していこうと思います」と、謙虚さを失わない。”使われ”なければ実力も発揮できない。しかもその機会は、毎日の地道なトレーニングからしか訪れない。なんとも厳しい世界。カップ戦では、そんなチーム内の競争社会も垣間見せます。

攻撃に関して言えば、「今日はタケ(武富)も(仲間)隼斗も、(大迫)希も点を取ってくれましたし、そういう選手が取ってくれたということは、大きな収穫」と指揮官が言うとおり、若手3人の活躍が眩しいほどに輝く。特にこの日、スタメンから走り続けた大迫が、延長まで引っ張られ、完全に足を攣っていたにも関わらず、最後の最後に決勝点を決めた瞬間は、うれしさを通り越して感動さえ覚えました。

とにかくファンもともに暑さと戦った120分。熊本は3回戦に駒を進め、J1の首位を走る仙台への挑戦権を得ました。アップセットを狙う。これが天皇杯の醍醐味です。

9月2日(日) 2012 J2リーグ戦 第32節
北九州 2 - 0 熊本 (18:03/本城/4,794人)
得点者:35' 池元友樹(北九州)、79' 端戸仁(北九州)


「(北九州は)ここ最近のゲームの中で、運動量、連動性、フィジカル、テクニックという意味でも今日のゲームは最高のプレーをしていたと思います」。
試合後、高木監督は対戦相手をそう評価しました。それにしても、北九州の好きなようにやらせてしまった、やられてしまったゲームでした。

今回も残念ながらスカパー!観戦となったわれわれ。発表された先発布陣を見てまず驚いたのは、前日の熊日の予想記事にもなかったクンシクの名前でした。前節・富山戦で負傷した西森のところに武富を下げ、練習で好調さを発揮していた(スカパー!)というクンシクを、17試合ぶりに2トップの一角に持ってきました。前節・熊本の戦い方なら、5戦負けなしの上位北九州とも“ガチンコ”のパスサッカー勝負になる。戦前、われわれが描いたワクワクするような期待は、序盤から裏切られます。クンシクの起用によって戦術自体が変わったのか。北九州という相手に対して戦術を変える必要があってのクンシクだったのか。それがわからない。

北九州20120902

解説者が、試合序盤、熊本は様子を「見ている」と表現していましたが、実際は単に受けに回っているだけ。守備から入るではなくて、守備に追われているのは明らか。前半25分までの時間帯、ほぼ完全に振り回され続けました。

もちろん北九州の前線、池元、常盤、端戸の3人は十分に警戒していました。しかし反面、「相手のFW2人とトップ下の1人への対応に意識が強すぎて、他の選手へのアプローチが後手後手を踏んでしまった」と、藤本は自身のブログで述懐しています。「ディフェンダー(特にセンターバック)は相手の前線の選手が怖いのでなかなかラインをあげられない。カバーリングの選手をいつもそばに置いておきたいと思うので、サイドバックを高い位置へ出したくない。そうなると、自然と自分達攻撃側の選手も下がらざるを得ない」と、悪循環の構図を解説しています。指揮官は「(北九州の)前線の3人は止められないよというイメージの中で強い映像を作りすぎた」と、スカウティング映像での事前の“過度な刷り込み”も反省している。それが「背後の怖さ」を過剰に意識させてしまったと。

しかし、われわれから実際のピッチの上で見えていたこと。いつものゲームの動きと決定的に違っていたのは、前線からの守備、コントロールがほとんど機能していなかったこと。相手の最終ラインはともかく、ワンボランチに何のプレッシャーもなく前を向かせるなら、”過度な刷り込み”がなくてもディフェンダーとしては辛い。ボールを貰いたいがためだけに、ズルズルと下がってこられても、そこでタメて貰わなくては、全体の押し上げもままならないというものです。

幸いにも相手の精度の低さ、ミスもあって、決定機はなかった分、失点せずよく耐えたといえますが、それが許されたのも35分間。注意すべき木村からのスルーパス。バイタルの常盤はトラップミスだと思いますが、それがDFラインに対峙していた池元の足に収まると、シュートコースを塞がれた池元は、絶妙のループを送る。ボールは、南の伸ばす手をあざ笑うかのような弧を描いて、ゴール左に吸い込まれていきました。技ありのシュートでした。

40分にクンシクに代えて大迫を投入。選手としては誰もが感じる屈辱的な前半交代。控え室に戻るクンシクは、脱いだユニフォームを投げつけて悔しがったのだと漏れ聞きます。しかし、テレビの前で見ていた者にとっては、それでも遅すぎたと感じていました。

高木監督は、「内容に関してはラッキーな部分もアンラッキーな部分もあったので、彼がすべて悪いというわけでは全くない」と擁護する。「できるだけ作ってほしかった」と彼に期待した”タメ”に関しても、「2トップが下がりすぎてしまって、なかなか背後を突く、もちろんフリーランニングとパス交換の中での背後を突けるようなシーンが残念ながら作れなかったので…」と交代の意図を説明しました。

しかしクンシクを擁護すればするだけ、自身の起用法についての弁明にしか聞こえない。交代まで40分間が、失われた時間にしか感じられない。指揮官の塊のような”意地”が、失点を浴びるまで溶けなかったのではないかと思うのは、邪気に過ぎるでしょうか。

ひとつの歯車が掛け違っていたというのは、すぐに明らかになりました。大迫がサイドに入り、武富が前線に上がる。養父と根占が前を向けるようになると、フィニッシュの機会は格段に増えました。スイッチが入った局面では、前節までのように決定機を何度も作り出していたわけで。ただ、それが前節までのようには長い時間続かなかったのもこの一戦でした。

養父が、「守備ありきのチームなので、守備が悪いと今日みたいな流れになってしまうし、それが攻撃にも影響したと思います」と言うように、前半の消耗と、失点は、今の熊本からすると、取り返すには大きすぎました。

「前を向かせすぎました。修正についてもコミュニケーション取りながらやってたんですけど、上手くいかなかった感じです。いい守備ができないから攻撃も単発になりがちで、3人目が絡むような形もあまり作れなかった」と振り返る。このコメントがすべてを物語っていました。

熊本にも多くの好機が訪れるようになりましたが、結局最後まで主導権は取り戻せず。後半5分に、カウンターぎみにくさびから左サイドにスルーパス。走り込んだ大迫からのクロスに、身体ごと飛び込んだ藤本のヘディングは、GK佐藤の好反応に阻まれてしまいます。

なんとか勝ち点1をもぎ取ろうとした熊本でしたが、34分その夢も費えます。新井からのパスに端戸がDFを背にしながらターン。左に切り返して蹴りこむ。追加点を決める。これも技ありのプレーでした。

北九州に試合を好きなように運ばれたのは、”相手”を消すことができなかったことが最大の要因ではないでしょうか。好循環に入れば、練習通りの連携ができてしまうことだってあるわけで。そうさせてしまったのは熊本。逆に熊本は全くの悪循環。互いの好悪のサイクルが次第に”増幅”されたような90分間。それが点差以上の完敗感に繋がっているように思います。

やはり熊本のゲーム運びにスイッチを入れるのは、前線の”攻撃的な”守備の役割。戦術的にも、メンタル面でも。さあいくぞ!と。この敗戦は、どうしても指揮官の采配の責を問わずにはいられない。最後のカードの仲間投入も、何故武富を下げる必要があったのか。

バトルオブ九州だと言う半強制的な煽りとも関係なく。上位チーム、下位チーム、そういった順位関係とも無縁な。ただただ、ファンにとってはどうしても負けたくない相手がある。リーグ戦42戦のなかでの単なる1戦ではない想い。そんな思いは、ちょっと選手たちとも少しギャップがあるのかも知れない。

好調だろうがなんだろうが、北九州には負けたくない。だからこそ大挙して駆けつけたゴール裏。そんな大勢のファンの”意地”を台無しにしたこの一戦を、必ずどこかで倍返ししてもらわなくていけないけれど。今季はもうそのチャンスはありません。