【J2第4節】(レベスタ)
福岡 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[福]濱田水輝(47分)
観衆:8,361人
主審:福島孝一郎
副審:佐藤貴之、関谷宣貴


20150328福岡

「九州ダービー?そんなのは関係ない。今日は是が非でも勝ちに行く」。試合前に福岡のキャプテン・城後は、そうコメントしていたそうです。(スカパー!より)

開幕から3連敗で最下位に沈む福岡。「前線からのプレスというのは熊本の特長だったので、こっちは少し割り切ってボールを前線に入れていくというサッカーに徹した」(九州J-Parkより)と打ち明ける福岡の井原・新監督。自分たちのスタイルを崩してまでも、熊本対策を敷いてきました。そして「結果が出てほっとしております」と正直な心境を吐露しました。

ニューイヤーカップで対戦した浦和のように熊本のプレスをうまく剥いで繋いでくるというわけではなく、いわば第1節水戸、第2節群馬のように、すばやく前線のターゲットにロングボールを入れてくる。福岡の前線には、今季仙台から完全移籍した中原という長身のターゲットがありました。

ロングボールで押し込まれると、お付き合いしてロングボールで押し戻そうとする悪い癖。選手間の距離が空いていきます。低い位置から攻め上がっても、今度は福岡のプレスに引っかかる。福岡の出足が一歩、一瞬早い。 蔵川も片山も蓋をされ、サイドが詰まってしまう。養父が消えていました。

20分の福岡。鈴木の低い弾道のCKを、ファーから末吉がボレーシュート。バウンドしたボールをGK原がなんとか触ってバーが跳ね返す。その跳ね返りを詰められるが、原が立ちはだかり、触って再びバー。なんとかDFがクリア。さらに続くスローインからイ・グァンソンがバックヘッドで逸らす。後ろからくるボールを坂田が絶妙のボレーシュート。万事休すと思われましたが、これもポストに嫌われ事なきを得ました。

「これは運がある。こんなときはワンチャンスがこちらにある」、とも思っていました。31分、嶋田からのアーリークロスに、常盤がPAで上手に胸トラップで落として持ち込みますが、相手DFに身体を入れられて、シュートはGK神山ががっちりキープ。惜しい。

しかし、エンドが代わった後半早々。福岡左ウィングの阿部からのクロス。中央で中原が左足を振りぬきましたがゴール左に外れる。それが、誰に当たったとも思えなかったのですが、福岡にCKが与えられました。嫌な予感。

鈴木のCKが蹴られた瞬間、城後がニアに流れる。いつものようにゾーンで守る熊本でしたが、一人つられると、その空いたスペースに入ってきたのはCB濱田。フリーのヘッドを決められてしまいます。

結局、この得点が決勝点。福岡も、セットプレー以外はノーチャンスだったのですが、熊本のゾーンディフェンスを研究していましたね。それに対して、熊本のセットプレーはいかにも淡白でした。

後半14分。熊本は前線に起点を加えようと巻を投入しましたが、直後のジャンプの着地で痛んでしまいます。試合展開的にはこれが痛かった。平繁も投入しますが、最後は巻を引っ込めざるを得ないことに…。大誤算でした。

それにしても、蹴ってくる相手に対してどう対処するのかという課題は、依然としてあります。高い位置での勝負に持ち込めず、セカンドボール争いで後手を踏むと、劣勢を強いられる。

そして、敵陣に踏み込んだらワンタッチパスを多用しますが、ここはまだまだ意思疎通が十分ではないようです。もったいないミスが目立ちます。

全体に緩い動きだったといわざるを得ないでしょう。3連敗の福岡に隙を見せてしまった。相手を削る厳しさがなければこんな情け無い負け方になってしまう。

「1節、2節と同じで、自分たちも崩れてしまうところがあるので、そこを乗り切ればチームも成長すると思うので、もう、こういうことがないように、次からやっていきたいです」(九州J-Parkより)。そう養父は答えました。成長過程だと信じて、期待したいと思います。

【J2第3節】(ニンスタ)
愛媛 0-1(前半0-0)熊本
<得点者>
[熊]養父雄仁(48分)
<警告>
[愛]玉林睦実(11分)、西田剛(51分)、西岡大輝(56分)
観衆:2,278人
主審:清水修平
副審:林可人、大友一平


「枯れてもいない、ボコボコでもない、見事に整った芝生が熊本に味方した」。翌日の朝刊で熊日・山本記者はそう書きました。スカパーの実況によれば、ちょっと長めだったらしく、パスの球足が伸びなかったり、足をとられる選手もいたりで、ちょっと後半の疲労が心配されましたが、それにしても前節までよりいいコンディションなのには違いありませんでした。

そして、まさにそのホームの芝を武器に、愛媛が短いパスで組み立ててきたのが、熊本のスタイルにスポッとはまりました。「ここ2試合、一番内容が良かったり、一番良いサッカーをやっているのが愛媛」と、試合前に小野監督も相当警戒していた相手。今季からあの木山監督が指揮をとっていたのは恥ずかしながら知りませんでしたが、開幕から1勝1分という好スタートを切っていました。

20150321愛媛

熊本は上村と野田が初先発。小野監督のその起用に応えた若い二人が見事に役割を果たしました。上村はトップとボランチの間のスペースを、縦横無尽に走り回って、相手のボールを絡め取る。19度まで上がった気温もあって、これではいつか足が止まるだろうと思いましたが、とうとう90分間走り回った。野田は愛媛のエース瀬沼にぴったりと張り付いて仕事をさせない。高校2年生とは思えないほどの落ち着きぶり。安定感。

立ち上がり15分こそ愛媛の時間帯がありましたが、それ以降は熊本の流れが続きます。愛媛の前線とDFラインは大きく開いて、中盤はセカンドボールを含めて熊本が完全に支配する。これほど高い位置で狙ってボールが獲れ、一瞬の切り替えでシンプルに運べれば、チャンスの数は自ずと増えてきます。

そして後半早々の右CK。ショートコーナーで繋ぐと、中山がクロスを入れた。DFラインで競った齊藤が少しそらしたでしょうか、そのボールを養父がうまくゴールに流し込み、熊本が先制。そしてこれが決勝点となりました。

反省すべきはその後も何度となくあったチャンスを点に結び付けられなかったことでしょう。69分には途中交代で入った常盤からのマイナスなグラウンダーのパスを養父がシュートもわずかに枠外。71分には愛媛にゴール前を随分脅かされましたが、なんとかクリア。すぐあと、中山からの浮き球パスを常盤がDF二人の間でみごとにトラップ。そしてすぐさまシュートを振り抜きましたがGKがクリア。この試合一番の攻防でした。

点差は1点。残り時間を考えると追加点はのどから手がでるほど欲しい。愛媛には河原という熊本にとって実に面倒な選手が前線に加わった。三度(みたび)同点の嫌なイメージが頭をよぎります。

熊本は巻を入れて高さを加え、愛媛のパワープレーにも備えます。仕上げの上原は、「守りきる」という意思表示に思えました。

アディッショナルタイムになっても、何が起きてもおかしくはない。試合終了の笛を聞いたとき、おもわず大きく深呼吸してしまいました。1点差を守りきっての初勝利。90分間、相手より走り勝ってようやく手にした勝利。開幕から3試合目でやっと手にした勝ち点3。「プレーの精度、球際の強さで相手が上回りピンチを招いた。結果的に0-1でも内容的には完敗だった。」と木山監督は言いますが、内容がどうあろうと、改めて勝ち点3を取りきる大変さを、この日の愛媛に思い知らされた(思い出させてくれた)ような気がします。やっとシーズンがはじまったような感覚です。

「最後の最後まで選手達はボールにプレッシャーをかけて足を止めずやってくれた。最後の方は消耗しましたが、熊本からサポーターが多く駆けつけてくれ、最後まで大きな力になってくれた」と言う指揮官。よくよく見れば、本当にアウェイのゴール裏が赤く染まる量がっずいぶん増えたように思います。そんなサポーターたちには、今季初の勝利の「カモン!ロッソ」というご褒美が待っていました

【J2第2節】(水前寺)
熊本 2-2(前半2-1)群馬
<得点者>
[熊]嶋田慎太郎2(29分、34分)
[群]江坂任(5分)、アクレイソン(65分)
<警告>
[熊]嶋田慎太郎(30分)
[群]松下裕樹(29分)、夛田凌輔(62分)
観衆:5,075人
主審:河合英治
副審:宮部範久、角田裕之


20150315群馬

朝から生憎の雨模様。しかし水前寺のスタジアムグルメ広場には、ホーム開幕を待ちわびていた沢山のファンが早くから詰めかけて、互いに4カ月ぶりの再会を楽しんでいました。

試合前から気勢を上げるゴール裏から聞こえるのは、新しいチャントのリズム。水前寺のスタンドの狭い通路を人とぶつからないように歩き、柱が視界を遮らないような席にどっかと陣取る。キックオフの頃にはちょうどその小雨も止んで。いよいよ熊本のホームにもサッカーの季節がやってきました。

しかしながら、立ち上がりからどこか不安定な熊本。群馬は、前節の水戸と同じように、熊本の前線からのプレスが掛かる前に、意図的に大きくキックアンドラッシュで押してくる。サイドには蓋をされて、なかなか前に運べない。

失点は開始早々の5分。タンケが納めて大津に出すと、左から上がってきた江坂に。カバーが遅れた熊本は、そのまま江坂に強烈なシュートを打たれてしまいました。

もちろんまだまだ充分に時間はあります。しかし、今日も熊本は自分たちのミスが多くて、そこをつけこまれているような。なんか難しいことをしているな、とも思っていた前半も終わり際の時間帯でした。

左から作った熊本。群馬はPA内に集まってブロックを作る。そこに接近戦でしつこく詰め続ける齊藤。群馬が大きくクリアできないでいると、密集のなかでボールを奪った嶋田が突っかけて抜け出す。たまらず松下が嶋田をひっかける。主審が迷わずペナルティマークを指さす。

ボールを置いたのはその嶋田。PKのキッカーを他の誰に譲る気配もありませんでした。自信と気迫。短い助走から左足を振りぬくと、ゴール左上隅に突き刺して同点とします。

続く34分。齊藤が相手DFに猛烈なプレスからボールを奪うと、並走してこれを拾った嶋田がPA内に持ち込み、キーパーの動きを見ながら切り替えして左脇に流し込むようにゴールを奪う。遂に逆転。小野監督のもとに駆け寄り抱き合う嶋田。DJコバの「ゴーーール!」の雄たけびが何度も何度もこだまする。曇り空を吹き飛ばすようにスタンドではタオルマフラーが回されました。

記録は嶋田の2得点でしたが、半分は齊藤の手柄と言ってもいいかも知れません。劣勢のなかしつこく泥臭く、諦めずにボールを追い続けた結果が実った熊本の得点でした。

前半のうちにひっくり返したものの、後半も主導権は群馬に与え続けたように思います。熊本は”浮かせた”パスが多くて冷や冷やさせた。見た目以上に、水前寺の芝も荒れていたのかも知れません。

主審の癖もあったのでしょうが、自陣でのファールの笛が多い。65分、群馬のフリーキック。アクレイソンのグラウンダーの早いキックが壁を抜けると、前節スーパーセーブを連発したGK原の前でバウンドを変え、ファンブルを誘うようにゴールネットを揺らしました。

平繁やクォン・ハンジンにとどまらず、ストーブリーグで選手の草刈り場となった感のある群馬でしたが、3人のブラジル人や流通経済大新卒の江坂など、しっかりとチームの形は整えていました。タンケのポストプレーには苦戦させられ、アクレイソンは相方のボランチ松下とともに要所を締められた。途中出場のオリベイラも加え、どうしてどうして群馬は上手にブラジル人カードを引っ張って来ています。今年も侮れないチームです。

冒頭書いたように、今節も熊本のプレスを剥ぐように早めにロングボールを前線に入れられました。小野監督が「相手の攻撃というのが1ヶ所の入口だったんですけど、そこをきっちりと潰すことができれば問題なかったんですけど、そこでちょっと手こずってしまった」というように、そのロングボールの先にはタンケがいて、その対応は後手にまわり、中盤にスペースが生まれがちになりました。

それにしても、それは当面の熊本対策であり、その点ではニューイヤーカップで得たものも大きかったけれど、リーグ緒戦の対戦相手に大いにスカウティングする機会を与えたのかもしれません。

しかし、それも詮無いこと。互いのスカウティングは当然であり、それを超えるパフォーマンス。スピードやアイデア。ピッチ上での対応ができるチーム力にならなければ、そもそもPO進出など夢のまた夢なのでしょう。

勝てるチャンスはあった。しかし負けてもおかしくなかった。前節同様、そう考えざるを得ないような試合が続きました。次節はアウェイ愛媛戦。開幕から1勝1分の戦歴。これも全く侮れない相手に違いありません

【J2第1節】(笠松)
水戸 0-0(前半0-0)熊本
<退場>
[水]石神幸征(90分)
<警告>
[水]石神幸征2(43分、90分)

観衆:4,787人
主審:岡宏道
副審:高橋佳久、大西保


20150308水戸

開幕戦はアウェー。笠松には冷たい(冷たそうな)雨が降っていました。スタメンには、GK原を始め、DFクォン・ハンジン、大谷、FW常盤、平繁と、移籍組が5人。大きく入れ替わった2015年の新・熊本の布陣でした。

このゲーム、水戸にとってのホームアドバンテージはふたつありました。ひとつは、もちろんですが待ちに待った開幕戦に湧き上がるホームサポーターの声の後押し。実際、熊本の選手は固かった。緊張が伝わってきました。

そしてもうひとつは今日のピッチ。中継画面が目に入った瞬間、“何だこれは?”と思われた方も多かったのではないでしょうか。最近はあまり見かけない枯芝のグラウンド。デコボコなのか、堅いのか。画面で見ていてもバウンドが不規則。選手たちも足許が覚束ないのか恐る恐るのボールコントロール。明らかに窮屈なゲーム運びを強いられます。

小野監督のハーフタイムのコメントも、「ボールをつなぐところ、スペースの使い分けをし、ピッチを味方につけよう。」でした。

パスミス、コントロールミスから何度も相手のカウンターにさらされ、ジリジリと下がる熊本。選手同士の距離が遠くなる。前線からのプレスがはまらない。縦パスが難なくカットされ、熊本らしい攻撃の起点が作れない。まさに悪循環。

そうして、監督も言うとおり「トレーニングしてきたのとは様相が違う試合」になってしまいました。

「こういうピッチの中でどうやって相手に対して圧力をかけて相手の嫌がるプレーをするか、そこへの対応が遅れてしまいました。」と指揮官は、反省の弁を述べる。

なかなかボールを引き出せなかったFW平繁も、「こういうグラウンドのときの戦い方もやっていった方がいいのかなと思います」と。やられても不思議でないゲームでした。

そのなかで活躍したのはGK原。前半も再三のピンチを救いました。後半は、ゴールマウスで片山が掻き出す場面も。79分、途中から入った水戸のFW三島にファーサイドから高い打点のヘディングでゴールを割られる。万事休したかに思われましたが、これはファールで事なきを得ました。

しかし原。数々のピンチを防いだスーパーセーブでしたが、それより印象に残ったのはその落ち着いたプレーぶり。ピンチの後にも見せるのは笑顔。決して仲間を怒鳴ったり、怒ったりしない。そういえば、原に限らず熊本のGKは、皆同じような振る舞いのような気もします。これも監督の教えなのでしょうか。ネガティブな声を発しても仕様がないとでも言うような…。

そんなGKの落ち着きがチーム全体の集中力に結び付いたのでしょうか…。ニューイヤーカップの浦和戦を思わせる(いやそれ以上かも知れない)ような、凌ぎきるゲームになりました。運も幾分か味方したとはいえ、決定的な場面にも、誰も諦めず、そこに誰かがカバーに入っていたことは事実です。こんな流れになってしまったゲームで、それでも得た勝ち点1は、十分に胸を張っていい結果のように思います。

来週はいよいよホーム開幕戦。あいにく現在、雨の予報ですが、それでも水前寺では、今度こそトレーニングどおりのゲームを見せてくれるものと思います。

2015.03.06 開幕前夜
いよいよわれわれのリーグ開幕まで数日。迫ってきました。ワクワク感も高まってきました。まずは開幕戦どんなスタメンで臨むのか。

しかし小野監督は、3月5日付の熊日朝刊、記者の開幕前の準備に関する質問にこう答えていました。

「開幕だけを考えれば、うわべを整えたくなるが、枝葉よりも木の幹を太く、根をしっかりさせたチームのほうが強い。開幕に向けて照準を合わせるとうよりシーズンに立ち向かうために、チームの絆や一体感を大事にしてきた」。

思えばわれわれも、昨シーズンの開幕前にこんなふうに書いていたことを今読み返して気付きました。
「小野監督のチームづくりは、開幕戦までに作りあげようということではなく、かなり先を見据えたチーム作りを目指しているような気がするから。チームの総合力を高めるために、とにかく全員を隈なく鍛え上げている。そんな様子が見えるためです。」と…。

厳しい寒さも少しずつ和らいでくるのが感じられ、ようやくサッカーの季節(シーズン)が始まる。われわれのホームチームの公式戦が、今年ももうすぐ…。

この気持ちをさらに高めるには、井芹記者が編集されているkumamoto football Journalの「開幕直前特集」を是非読まれることをお勧めいたします。①編成編②強化編③展望編と、3回に分けて、たっぷりと取材・分析されています。ファン必読です。こんなコンテンツまであるのですから、ロアッソ回りは充実していますね。

残念ながら開幕戦はアウェー。遠征とまではいきませんが、何は置いてもその時間、テレビの前に鎮座してキックオフのホイッスルを待つつもりです。スタジアムに行かれるかたに魂を預けます。今季も一緒に応援しましょう。