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【J2第11節】(栃木グ)
栃木 2-2(前半0-1)熊本
<得点者>
[栃]中美慶哉2(64分、88分)
[熊]クォン・ハンジン(42分)、齊藤和樹(47分)
観衆:3,761人
主審:窪田陽輔
副審:高橋佳久、西橋勲


なかなか勝たせてくれませんねぇ。しかし、久々の得点。そしてようやく連敗からは脱することができました。前を向きましょう。

過密日程のなかでの連戦。この試合、熊本は大きくメンバーを入れ替えてきました。前節途中投入で奏功した巻を先発でワントップに。DFには左に上原。クォン・ハンジンと園田がいて、右SBに鈴木。この最終ラインも含め、今日の布陣は魅力的でしたね。試合前から何か期待させるものがありました。

20150503栃木

その期待どおり、開始からアグレッシブに押し込むのは熊本。巻という明らかなターゲットがあることで、細かく繋ぐばかりでなく、早めに放り込む戦法と織り交ぜることができるから、相手に狙いを絞らせない。何より、行けるところまで行くような。激しい気持ち、闘う意思が伝わってきます。

巻が落としたところに齊藤。中山の前線の守備も効いている。上村も高柳も縦の意識が高い。黒木がミドルを狙う。プレースキッカーとしての上原の魅力。鈴木もボックスを脅かす。

何度もあったCKのチャンス。ようやく実を結んだのは42分。上原のキックをニアで反らした齊藤。そこに大外から飛び込み、右足を出したのはハンジン。おそらく練習どおりのプレーでしょう。実に6試合ぶりの得点で、熊本が先制。しかも前半終了間近、いい時間帯でした。

さらには後半開始早々の47分。「キックオフで相手の出鼻をくじこう」というハーフタイムでの小野監督の指示どおり、スローインのボールを巻が奪うと齊藤に渡る。さぁどうする、どうする、と見ている間に齊藤がスルスルっと持ち込みながらDFを交わすと、迷いなく撃った。ボールはゴール右隅に突き刺さります。

これまでの鬱憤を晴らすかのような2点先取。この時点で、勝利に大きく近づいた気がしていました。しかし、栃木は確かに”出鼻”こそくじかれたものの、ここから底力を発揮していく。前半こそ連戦の疲れを感じさせ重い動きだった栃木でしたが、”後半しぶとい”というチームカラーを発揮してくる。

上村に代えて養父を投入したのは、今年から解説者になった小針の言うとおり「落ち着かせる役割」だったでしょう。しかし、栃木は広瀬に代えて杉本。小柄ながらスピードのある嫌な選手でした。熊本の選手たちの足が目に見えて止まってくる。鈴木が入れ替わられる。ボックス内に中美が侵入。堪らず園田がひっかけてしまいます。

このPKを中美が決めると、さらに栃木は湯沢を投入。足の止まった熊本を見越してさらに”速さ”を加え、熊本の右サイドを執拗に攻めます。攻めどころを見つけたという栃木の勢い。

このあたりでの指揮官の意識はどうだったのでしょうか(このあたり監督の詳しいコメントが見られなくなって残念。J's Goalがなくなった損失はこのあたりにもあります…)。小野監督には目の前の課題が見えていなかったはずはないでしょう。守りを優先したのか、まだ勝ち越しているから選手を替えられなかったのか…。選手交代も含めたゲームのマネジメント。どうだったのでしょう。

もう守り切るしかないという時間帯といえた88分。栃木が中盤で奪うと中美がドリブルで仕掛ける。誰もチェックに行けない熊本。思い切りよくPアーク前で足を振った中美。ボールは弧を描いて、熊本ゴール右に吸い込まれました。ガックリと膝を折る熊本の選手たち…。

熊本はようやく黒木に代えて常盤を入れる。カウンターから常盤がGKと1対1に成りかけましたが、プレスバックで奪われる。勝利まで”紙一重”ではあったのですが…。

アディッショナルタイムに入って巻から田中の交代。しかし、時すでに遅し。同点のまま、終了のホイッスルが吹かれました。

試合の入りからやりたいことが出来たのは熊本の収穫でした。特に巻というポストプレーヤーを置くことで、時々にロングボールを交え、セカンドを拾い、アグレッシブに守備をする昨年のようなサッカーが戻ってきた。縦への意識。相手を狙う。速攻。長短織り交ぜた攻撃の形。また、養父、鈴木と二人のロングスローはなかなかの飛び道具でした。

収穫はセットプレーから点が取れたこと。そして、前線からの守備から得点したこと。球際の危険なところで相手を圧倒する勇気。実に”うち”らしい。忘れていた感覚を少し思い出したような。そして、新たなSB候補も現れた。

ただ、チーム全員の足が止まったときのカンフル剤のなさ。前線でポストプレーやキープができるアンデルソンの不在が、この試合ほど悔やまれたことはありませんでした。