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【J2第15節】(うまスタ)
熊本 0-0(前半0-0)C大阪
<警告>
[C]椋原健太(83分)
観衆:13,132人
主審:山本雄大
副審:清野裕介、正木篤志


6年ぶりのセレッソ大阪との対戦になりました。6年前も、香川や乾といった若手のタレント(才能)を擁する強豪クラブでしたが、現在のセレッソはそれにも増して。元ウルグアイ代表にして2010年W杯MVPのフォルラン、同W杯ドイツ代表のカカウ、日本代表(候補)の山口蛍、あるいは山下達也、さらにはGKのキム・ジンヒョンは韓国代表という、眩いばかりのスター軍団でした。

エース・フォルランの得点は10で、ゴールランキング1位。チーム総得点でも25はリーグトップ。しかし、失点が17と意外に多い。このあたりが15節を前にして8位に甘んじている原因のようで。守備に弱みがあるかと思わせたのですが…。

コイントスで、エンドを替えたのは熊本。この時間帯の日差しかあるいはこの日吹いていた強い風の向きを考えたのか。

20150524C大阪

前から果敢にプレスを掛ける熊本。もとよりC大阪に”名前負け”する気配は全くありませんでした。キム・ビョンヨンが初先発で左SBに入ったDFラインも、勇気を持って高く維持しました。

ただ、さすがのセレッソ。9分、楠神がハンジンとの1対1で入れ替わってクロスを入れると、山口のミドル。あるいはアタッキングサードでパスを回して熊本ゴールを襲う。なんとか最後のところで足を出してクリアする熊本。目を見張るのはカカウのボールコントロール。そしてフォルランとのコンビネーション。これぞ”プレーセンス”。しかし、絶対、中央は通させない熊本という図式。

38分、中山が拾ってスルスルっとエリア内に侵入してシュート。こぼれたところを齊藤がシュート。惜しくもブロックされます。その後もセレッソゴールを攻める時間帯がありました。

ハーフタイムを挟んだ後半。セレッソは、ピッチを大きく使い始め、揺さぶり始めます。

52分、セレッソの攻撃。左から作って中へ入れるとフォルランがスルー。パブロのシュートはハンジンが身体を投げ出してブロック。熊本は右の養父へ。養父が溜めてグラウンダーでクロス。しかし”溜めた”分だけニアに入った高柳はオフサイド。

攻守の切り替えが早い展開。66分には、養父のロングスローをGKがパンチング。カウンターを奪って黒木のモビリティー。アーリークロスにニアに巻が入りましたが、直前でキーパーがパンチングで凌ぐ。惜しい。

最初にカードを切ったのは熊本の方でした。その巻に代えて平繁。巻は今日もポストプレーヤーとして、文字通り身体を張って(その大きな体躯を生かして)、その身を削るように相手と競って、相手に身体を当てて、飛んで、転んで、セレッソの守備をかく乱しました。大きな働きでした。拍手。

対するセレッソは、なんとピッチにいる3人の外国人選手を一気に3枚替え。玉田、吉野、沖野を入れてきます。”個”で打開できないところを、”組織”で打開する策に出たのか、セレッソが攻勢を得る。それはサッカーの試合90分のなかで、一番きつい時間帯でしたし、しかもセレッソが実はこれまで一番点を取ってきた”怖い”時間帯でした。

熊本は嶋田に代えて藏川。ビョンヨンの前に置くことで、落ち着かせる。ここから少し持ち直しました。セレッソの攻勢を押し戻し、両者アディッショナルタイムに与えられた3分間も、勝ち越しの”1点”を奪うことに執着しましたが、”振り子”は傾かず。スコアレスドローのまま、終了の笛を聞きました。

前節長崎に敗れ、今節”最下位”の熊本に引き分けたC大阪サポーターは、ゴール裏からブーイングを浴びせました。この日、1万3千人を記録したホームスタジアムの熊本ファンの評価は、拍手と叱咤が半ばするような。

「セレッソの調子が悪かったのにもかかわらず叩けなかった」という意見があるようですが、それには首を傾げます。サッカーは相対的(相手あっての)ゲーム。セレッソの作る攻略を、防ぐ熊本の守備戦術が奏功して、セレッソの”刃”を抜いていたとも言える。外国人選手の3枚替えは、敵将の思い切った戦術転換ではありましたが、裏を返せば、熊本が大阪の最大の強みをどれだけ消していたかということでもあります。それも”個”に依存しない、チームとしての泥臭いハードワークをベースにして…。

そのなかで熊本が勝ち点3まで得ることができなかったのは、突き詰めれば、そのカウンターにどれだけの切れ味があるかという問題ではなかったかと。そして、そこに立ちはだかったのはこれもまた何人もが身体を投げ出すセレッソのゴール前の守備。サッカーの基本のような”泥臭さ”に屈したということでしょう。

あのセレッソにしてこの泥臭さ。その意味では、スコアレスドローは妥当だったのだろうと思います。しかし、スコアレスドローとはいえ、攻守切り替えの早い、良質な試合を観たような気がします。そういう意味では、サッカーにしてもなんにしても、”うまい”相手と対戦しなくてはならない。スター軍団だろうがなんだろうが。そんなことを改めて思った試合でした。

大分が負けたことによって、この試合で最下位は免れ、21位に上がりました。