2月26日(日)
【J2第1節】(えがおS)
熊本 2-1(前半1-0)讃岐
<得点者>
[熊]安柄俊2(22分、57分)
[讃]永田亮太(70分)
観衆:7,027人
主審:柿沼亨


いやあ勝ちました!ホーム開幕戦。追いすがる讃岐を退けて、逃げ切り。かなりホッとしています。

いつものように、いやいつも以上に、期待と不安が交錯する開幕戦でした。ニューイヤーカップで書いたように、まだまだ怪我人が多いようで、新戦力はもちろん熊本の新チームの姿がなかなかつかみ切れなかった。早々と決まっていた開幕戦の相手・讃岐は、西、仲間、木島、岡村という旧知のメンバーに、今季は市村まで加入し、更に北九州から原一樹という嫌な名前も加わって…。もっと言えば、「熊本は特別なチーム。自分の監督生活の原点」(DAZN)と、北野監督自身が公言するとおり、熊本相手には過剰に”意識”してかかってくる。特別なゲームになってしまう。やっかいな相手と言えました。

熊本の先発は安と平繁の2トップ。右サイドは岡本、左は嶋田。ボランチは上里と村上。CBは小谷と園田。右SB黒木、左SB片山。GKは佐藤。

対する讃岐も4-4-2。

20170226讃岐

序盤から見られた玉際の激しさは、今季の両チームのコンセプトをはっきりと表しました。特に讃岐のCBエブソンと熊本の安のところはバチバチ。初めてそのプレーぶりを見る安でしたが、滞空時間の長い空中戦、DFを背負ったポストプレー、献身的なディフェンス。随所にフィジカルの強さと、巧さを魅せます。

押し合いへし合いの序盤でしたが、熊本が左からの大きなサイドチェンジから右奥のスペースに黒木を走らせると、切り替えした黒木がコーナーを得る。その右CK。「相手GKが出られない場所を意識した」(熊日)という上里が蹴ったボールに、それまでぴったりとマークされていたエブソンの背後から身体を投げ出すように頭に当てた安。ボールをたたきつけてゴールにします。

待っていた先制弾。今シーズンの初ゴールは、新加入選手のCKから、新加入選手による得点。7千人が埋めたスタジアムが沸かないはずがありません。

その後も上里が、後ろ、右、左と動いてボールを散らす。しかし、攻勢を強めた讃岐にゴールを脅かされ、ヒヤリとするシーンも続きましたが、1点を守り後半に折り返します。

讃岐もハーフタイムで修正してきたのでしょうね。間に入ってくる仲間の動きが、非常にやっかい。そして時間は57分近くになって、讃岐が我那覇と馬場に代えて、いよいよ原と高木を入れて巻き返しを図ろうかという、まさにそんな時間帯でした。

左サイドで嶋田がうまいボール扱い。敵を交わして前を向く。平繁に一度預けるともらい直して今度は左足でスルーパス。瞬間崩れていた讃岐のDFラインをかいくぐって飛び出した安。GKの動きを冷静に見ながら、流し込むように追加点を決めます。

うまい。二人とも。

2点差にされた讃岐。原、高木で押し込んでくる。ロングボールでDFを下げさせます。それに対して熊本はスピードのある齋藤を投入。前がかりの讃岐のDF裏を狙うわかりやすい采配。早速、黒木からのカウンター。齋藤をスペースに走らせる。ドリブルで持ち込むが、エリア前でブロックされる。しかし、沸きに沸くスタジアム。

讃岐の徹底したロングボール。そしてさすがの原の動き出しに、押し上げが効かず間延びしてきた熊本。70分、左サイドから讃岐の素早いFK。準備が少し遅れた。中で木島が潰れると、後ろから入ってきた永田に対応できずヘディングを決められます。

イケイケになったのは讃岐。その後も攻勢の時間が続きましたが、熊本は平繁に代えて巻。嶋田に代えて光永とカードを切り、終了の笛が吹かれるまで、粘りきりました。

「やってほしいことを選手たちはやってくれたが。だが、その中でやってはいけない失点をした」。試合後、敵将・北野監督はそう述べました。「0−1の時に彼ら(原と高木)を準備させていたんですけど、ああいう”つまらない”カウンターで失点してしまったので、僕の判断でもっと早く投入できたら、今日の試合は逆の展開になっていたのかなと思います」とも。

確かに讃岐はサイドを右左に揺さぶり、熊本ゴールを脅かしました。波状攻撃に晒され、ひやりとする場面も幾度ともあった。しかし、ゴールを割ったのは一度。サッカーが敵のゴールを割った数を競う競技でありつづける以上、勝者は我々でしかないのです。相変わらずの北野氏の”負け惜しみ”の弁を聞けて、大いに溜飲を下げたものでした。

ホーム開幕戦で、ゴール裏で繰り広げられる「カモン!ロッソ」を眺めるのは格別でした。それにしても、新加入のFW安柄俊の”万能性”には驚くばかりでしたし、上里の実力、嶋田の覚醒したようなキレキレぶり、黒木の相変わらずのモビリティも頼もしかった。清川監督の2年目のサッカーの狙いも、少し窺えたように思えました。

もちろんまだまだこれからの課題も不安な要素も見えました。しかし、とりあえずこの開幕の勝利。勝ち点3という結果を得て、そしてそれ以上の大きな価値がある勝利だと思いました。

さぁ、ホームチームのゲームがある生活が、今年も始まりました。

DAZNニューイヤーカップを観るために、早速入会し、古かったWi-Fiルーターを買い換えました。しかし、速度は出ているものの、どうしても大画面にすると止まってしまう。ノートPCの能力もあって駄目なのかなと思いましたが、巷間言われているようにブラウザを通常使っているFirefoxから、IEに変更したら無事大画面でもストレスなく観れるようになりました。これまでスカパー!のオンデマンドで観ていた人なら、全く違和感はないのではないでしょうか。ただ、われわれのように、これまでの全試合を録画して、”持って”いた人間にとっては、ちょっと寂しいことになります。

さて、ニューイヤーカップの鹿児島ラウンドが終了しましたが、何とも言えない結果に終わりましたね。初戦の磐田戦こそ新加入選手の活躍で同点に終わりましたが、2戦目の鹿児島戦は0-1の敗戦。最終戦の北九州戦にも0-3で破れました。3戦を通して得点はわずか1。

”何とも言えない”と言ったのは、怪我人が多すぎて、まともなメンバーで試合が出来ていないという意味もあります。このプレシーズンのカップ戦でいつも期待するのは、新加入選手のパフォーマンス。しかし、アン・ビョンジュンもグスタボも、ヤン サンジュンも居ない。

更には、選手層が厚くなったはずのCB、植田もいなければ、薗田、小谷も出てこない。本来CBが本職ではないルーキーの米原、そして第1戦や第2戦では、左SBが本職の光永をCBに起用する始末。第3戦北九州戦でやっと、期待のイム ジンウを先発起用し、その類まれなる身体能力を見ることができましたが、試合途中で故障してしまい交代。これまた開幕に間に合うのかどうかという心配・・・。

ここまで故障者の多いプレシーズンも珍しいのでは。フィジカルスタッフも頭を抱えているのかも。開幕戦をチーム力のピークに持っていくのは難しいかも知れませんね。清川監督のインタビューの切れ味の悪さも、それを物語っているような気がします。

さて、そんななかでも”発見”はありました。一番はユースから昇格した米原の活躍。まだまだ線が細いと言われながらも、百戦錬磨の相手FWに対して臆することないそのCBでの戦いぶりはなかなか見事でしたし、持ち前のパスセンスから、第1戦では嶋田の得点の起点になりました。第3戦北九州戦でも随所で後方からいいパスを出していました。

第1戦磐田戦、右SBで先発した三鬼の働きぶりも出色でした。思い切りのよい飛び出し。前述の米原からの早いパスをダイレクトぎみにアーリーでクロスを入れた判断。狙いのニアの齋藤は潰れたものの、ファーに詰めていた嶋田の得点に繋がるいいクロスでした。

ボランチの上里は3戦とも先発しましたが、もう間違いない、期待どおりの能力を発揮してくれていますね。フィールドを俯瞰して見る能力があるのでしょう。随所で大きなサイドチェンジのパスを出し、好機を演出します。あとは、この上里とコンビを組むボランチが誰なのか。3戦で一番時間が長かったのは村上でしたが、上村も面白いし、今季は中山もここに絡んでくるようです。それぞれに特徴があって面白い。

さてさて。開幕まであと2週間。観られなかった選手が多すぎて”何とも言えない”状況です。ここから追い込みが間に合うのか、故障選手たちが間に合うのか。

ニューイヤーカップ。結果も残念なものでしたが、この段階ですでにチームのやり繰り自体が厳しくなっている。そんな状況だと思いました。