8月20日(日)
【J2第29節】(BMWス)
湘南 0-0(前半0-0)熊本
<警告>
[湘]山根視来(62分)、アンドレ・バイア(78分)
[熊]上里一将(65分)
観衆:8,027人
主審:山岡良介


スコアレスドロー。でも見ごたえのあるゲームでした。

翌日の新聞で結果だけ知ったという人から、よく「負けたね」「引き分けたね」とだけ言われるのですが、内容が良かったのか悪かったのか、完敗もあれば惜敗もあるのに、説明してもあまり興味を持たれない。この試合は、相手が首位・湘南だということもあったのでしょう。熊日は「ロアッソ 首位に互角」と見出しに取ってくれました(笑)。終了間際には決勝弾の好機もあった、またしても惜しい引き分けでした。

熊本は出場停止明けの村上をCBの真ん中に戻した他は、前節と同じ布陣。対する湘南は、3バックと見せかけて、開始から4バックを敷いてきた。どうもここのところ色々なチームがこの手を使ってきますね(笑)。

20170820湘南

熊本は当初混乱もあったものの、シャドーの上里を一列下げ、八久保を安との2トップにして4バックに当てた。「3-5-2に戻したなか中盤3人の中でうまく対応できた」(公式サイト)と、池谷監督の“修正”が素早く図られます。残念ながら上里シャドーの”真価”がこの試合でも評価できませんでした。

一時は一方的な湘南の攻勢でしたが、前半途中からは熊本もボールを動かせるようになってきました。ただ、40分頃の湘南・表原の至近距離からのシュートは“万事休す”と顔を覆った。しかし、この日も当たっていたGK畑のセーブで事なきを得ました。

「相手に押し込まれていてもカウンターの準備を!」(公式サイト)というハーフタイムの指揮官の指示には、当然もっと細かいポジショニングなどの修正指示が伴っていたでしょう。DFラインでの跳ね返しのボールが中盤によく収まり、そこからボールも人も動いて、繋いで上がるシーンが増えてきました。

しかしリーグ最少失点を誇る湘南の守備も堅い。八久保に代わって入った嶋田が、右サイドをえぐった黒木のクロスにニアに飛び込みましたが、湘南DFにクリアされる。

運動量が落ちてきた湘南に畳みかけようと、熊本は田中を投入。さらには巻を入れて前線からのプレスを高める。

アディッショナルタイムは4分。左サイドからDF裏に出たパスに田中が飛び出すとGKと1対1。しかし田中のシュートは湘南GK・秋元の好セーブに合ってしまう。タイミングをずらしきれませんでした。

思えば、前節・岐阜戦と似たような展開になりました。相手の攻撃を凌いで凌いで、足が止まり始めたところを仕留めようという狙い。「プラン通りのゲーム展開になったし、欲を言えば最後のシーンで点が取れれば、自分達が描いたゲーム展開になった」(公式サイト)と指揮官も言う。

前節は大木監督に褒められた熊本の組織的守備でしたが、今節も試合後に握手を求めに来た曺(チョウ)監督が、「守備が・・・」と、日立の先輩・池谷監督に話しかけた声をDAZNが拾っていました。残念ながらそのあとの言葉が聞こえなかったのですが、間違いなく褒めていたのだろうと。

監督交代からまず着手した守備の再構築は、形になった。あとは得点力というところでしょうか。

また讃岐が勝利して、勝ち点2差に迫ってきました。

8月16日(水)
【J2第28節】(えがおS)
熊本 0-0(前半0-0)岐阜
<警告>
[岐]福村貴幸(82分)
観衆:4,188人
主審:大坪博和


惜しかったですねぇ。しかし終始ボールを保持され猛攻を受け続けた前半を思えば、ドローもやむなし、というところかも知れません。

そのあたり、「前半は少し引いて、後半勝負というプランだったでしょうか?」と試合後に記者に聞かれて、そうではないと前置きした池谷監督。「立ち上がりからプレッシャーをかけるというなかから、自分たちのゾーンに入ってきたら行くという約束事だったんですけど、中盤がボールホルダーに対して甘かった」(熊本蹴球通信)と続けます。

この日のスタメンは、出場停止の村上の代わりに3バックの左にジュニオールを入れ、ボランチの一角には三鬼。上里をなんとシャドーに上げた。熊日や熊本蹴球通信の予想スタメンを裏切るものでしたが、これはこれで大いに期待させるのでした。

20170816岐阜

しかし岐阜は、4バックの中2枚が低い位置でボールを回し、司令塔の庄司も下がってボールを受け、そこから散らす。自由に動き回るシシーニョも捕まえ切れず、なかなか熊本は喰いつけない。ボールの取りどころが決まらないと、両サイドも押し込まれ、終始5バックに近い形になってしまいます。

そういう意味では、故障者もあったのかも知れませんが、“奇襲”のようなこの布陣が奏功したとは言えず、「上里をあそこに置いてもう少しボールが収まるかなと思ったんですが」「いつもボランチをやっているので、どうしても受けるという感じが強かった」(同)と指揮官の思い通りにならなかった。相手のシステムとの“相性”が悪かったということでしょうか。

それでも、ハーフタイムで「まずボールに行け」「90分もたなくてもいい!走りきれ!」(公式)という指揮官の指示に応えるようにプレスを高めた熊本は、後半から巻き返しを図ります。

片山、黒木の両SBが攻撃に参加できるようになり、62分、上里に代えて嶋田を入れると更にチャンスの数が増える。大きなサイドチェンジを黒木が落とすと、嶋田が受けてカットインして打つ。これはGKビクトルがパンチングで逃れる。

岐阜も疲れてきたせいかDFラインにギャップが生まれ、そこを突いて八久保、嶋田、さらには黒木とパスが繋がり好機が増える。

岐阜は中島に代えて難波を入れてくる。熊本キラーとも言える嫌な名前。その難波がロングパスに抜け出し、一人二人と交わしてPエリアに侵入するもGK畑が対応。

終盤には、「90分持たなくていい」という指揮官の言葉そのままに攻守に走り回った上村が、ついに足を攣って上原と交代。そして最後のカードは黒木に代えて田中。田中が入ってすぐ、上原が右にアバウトなパス。そこに走り込んだ田中がファールを貰う。田中の特徴を生かした好プレー。

すでに時間はアディッショナルタイム。熊本のクリアぎみのボールを嶋田が拾い、右から運んでエリアに入ってからのシュートは、しかしGKビクトルの片手ファインセーブに合ってゴールならず。結局、両者得点を奪えず、痛み分けとなってしまいました。

翌日の熊日朝刊。「ロアッソ 決定力不足」の見出しには、ちょっと首を傾げたくなりました。確かに数々あったCKの好機も生かせず、シュートもGK正面があった。しかしどちらかというと、両チームゴールキーパーの好守が優った試合ではなかったかと。

この日も前半のうちから、素晴らしい反応でピンチを救ったシーンがあった畑。すっかり“守護神”の座を自分のものにした感があります。安定感が増している。

リアクションの力が上がったのかと尋ねる記者に、「体力的な要素はあると思うけど、それ以上に“予測”がうまくできるようになった」と答えました(熊日・がんばれロアッソ熊本!)。

順位の近いチームから勝ち点3を奪えなかったことは残念ですが、敵将・大木監督に「すごくコンパクトでした」「ハーフラインを越えた後もですね、やっぱりそのコンパクトさは崩れないので、そこから行けない」(熊本蹴球通信)と言わしめた守備。最後まで破綻せず、ゴールを守り切りました。

順位は19位のままですが、少し足踏みしている間に下が迫ってきました。ただ、新たな選手の獲得情報もあり、まだまだ今後の躍進に期待したい。ちょっと涼しくなった夜風に猛暑の終わりを感じたことも、そう思わせる一因でした。

8月11日(金)
【J2第27節】(味スタ)
東京V 1-0(前半0-0)熊本
<得点者>
[東]ドウグラス・ヴィエイラ(89分)
<退場>
[熊]村上巧(11分)
<警告>
[東]田村直也(52分)
観衆:4,372人
主審:高山啓義


時間にしてアディッショナルタイムを入れてもあと4分守りきれれば・・・。この置かれた状況からすれば全く「良し」と言えた勝ち点1が、目前で手から滑り落ちました。

20170811東京V

前半10分頃のことでした。開始早々から勢いを持って仕掛けてくるヴェルディの攻撃を凌いで、ようやく落ち着いて、敵陣にも入れるようになっていた熊本。スローインから上村が受けて村上にバックパスをしようとすると、それが弱いと見るや、上村に猛然とプレスを掛けに行っていたヴェルディ・渡辺はきびすを返すようにそのままスピードを落とさずボールを奪った。ここで突破されればGKと1対1。CB村上は迷わずスライディング。そして渡辺を倒す。これには主審もレッドカードを選ぶしかありませんでした。決定機阻止で一発退場。

池谷監督も、「ボールを動かせるようになった分、落とし穴にはまったような感じ」と、そのシーンを振り返る(熊日)。

すぐさま黒木と片山の両WBを下げて4-4-1にするものの、アラン・ピニェイロ、カルロス・マルティネス、高木大輔の3トップを抑えるにはまだスペースがあり過ぎる。と見るや、指揮官は登録が済んだばかりでこの日初めて帯同させていたDFジュニオールを迷わず投入。これにはDAZN解説の柱谷氏も「早い決断」と評価する。

187センチの高さ。ジュニオールを最終ラインの真ん中に入れて5-3-1に。5と3の2列のブロックを敷く。3がバイタルを埋めチェックは出来ているがサイドまでは追えない。しかし中を厚くした分、クロスは撥ね返せる。

それでも一方的にボールを持たれて波状攻撃を受け続ける。それを粘り強く我慢して守り続ける熊本。ピンチの場面を書き連ねても仕方がないので、いちいち書きませんが、最後は今日も畑の攻守が救っている。

「DFがコースを切ってくれて対応しやすいシュートだった」と、好セーブを連発した畑は試合後謙遜しますが、後半ヴェルディのミドルシュートがDF植田の足に当たって角度を変えたボールへの片手一本の反応は、間違いなくビッグプレーと言えました。

52分には距離のあるFKをジュニオールが蹴る場面も。曲げて落としたボールでしたが、わずかに枠の左。しかしパンチ力のあるところも見せます。

71分には黒木のクロスが中央でクリアされるところに、ファーで片山がボレー。これも惜しくも枠の左。しかし、この終盤に来ても、ここぞという場面では両SBが上がっていく”勝利への執念”が熊本にもありました。

前回対戦で大敗して以来、調子を崩したのかリーグ戦で勝利のないヴェルディ。ひとり少ない熊本に対して猛攻を続けるものの、組織的に守られてゴールが割れない。時計は進み、もうすぐアディッショナルタイムも告げられる。そんな時間帯でした。

熊本のゴール前で次々にボールを入れては撥ね返されると、右に回した。そこに上がっていた右SBの田村が狙いすましたようにクロスを入れると、途中から入っていたドウグラス・ヴィエイラがファーでジャンプした。小谷も身体を当てていましたが、ドウグラスの高さ。長い首がしっかり振られると、叩きつけられたボールがゴール右に転がり込みます。これにはさすがの畑も反応できませんでした。

膝を着く熊本の選手たち・・・。

古くは吉井の決勝弾で勝利した札幌戦。あるいは最後の最後に原田のゴールで追いついた栃木戦など、退場者を出し数的不利になった試合でも、”ドラマ”があったことを思い出して、最後まで信じるように見ていました。この日のゴール裏でも、最後まで諦めず、声を枯らして赤いサポーターたちが、選手たちを後押ししている姿が映っていました。

できれば対等な面子での90分間の戦いを観たかったのが正直な気持ちですが、起こしてしまったのはこちら側だから仕様がない。一方で、アクシデントにしっかり対応していったベンチワークも、出ている選手たちの奮闘にも”頼もしさ”を感じることができました。

この試合は、メンタル的にも体力的も引きずることのないようにしたいですね。あまり日にちは空いていませんが、「次、次」と言いたいところです。

8月5日(土)
【J2第26節】(維新公園)
山口 1-2(前半0-1)熊本
<得点者>
[山]レオナルド・ラモス(51分)
[熊]植田龍仁朗(24分)、八久保颯(75分)
<警告>
[山]レオナルド・ラモス(60分)、岸田和人(63分)、宮城雅史(90分+3)
[熊]上原拓郎(79分)
観衆:4,999人
主審:清水修平


群馬戦でも書きましたが、順位が近い相手との戦い。これぞ「勝ち点3ではなく6の価値」がありましたね。この勝利で熊本は、順位こそ19位と変わらないものの、勝ち点を26まで積み上げ、20位山口との差を7まで広げることができました。そして17位、18位の背中も見えてきた。

前回対戦時は、池谷監督に代わってすぐ。その前の天皇杯・水戸戦で試したばかりの3バックで挑みましたが、試合後のエントリーでは「対する山口も同システム。ミスマッチが生まれるどころか、ボールの動かし方、プレスの剥がし方すべてにおいて『向こうの方に一日の長があった』(池谷監督)」(2017.06.28 山口戦。5連敗)と書いています。

それからすると今日は、指揮官が「4枚できてくれて良かった」(熊本蹴球通信)と試合後言うような一面もありましたが、守備はしっかりオーガナイズされ、攻撃も前回は「攻撃の際の約束事がないように感じます。ここに付けたら誰がどこに走って、次にどうするのかと言ったような…」(同)と嘆いたことが嘘のような成熟度を示しました。

20170805山口

上里に代わって先発したボランチの三鬼が、「パスでリズムをつくる自信はあった」(熊日)と言うように、ボールを受けては縦に横に、いい角度で敵のプレスをかいくぐるようなパスを供給する。

前線の巻は中央でどっしりと構え、相手DFを押し込むだけでなく、ボールを受けてはシンプルにはたくことによって、八久保、嶋田の両シャドー、あるいは両WBを走らせる。

山口の反転攻撃には、今までのような全員で押し上げ、後ろから追い越してくるような勢いがない。逆に熊本の選手たちのポジションへの帰陣が早いせいもあるかも知れない。

先制点の場面はCKから。「練習で何度もやってきた形」(熊日)と植田が言うが、ニアの巻が潰れたところに入ってきたボールを植田が頭で押し込んだもの。しかし、この得点シーンから以前に熊本のいいリズムが続き、ボールを動かしながらバイタルを襲っていた。このCKを取った前のシーンは、左サイドにいた三鬼からの縦パスを、セットプレーで残っていた小谷がすらして、そこに走り込んだ嶋田が奥からクロスを入れたのがブロックされたもの。3人目、4人目が係わる攻撃も出来ていた。そんないい流れのなかで、きっちりと”練習どおり”の点が取れました。

この流れのなかで追加点が欲しかった熊本でしたが、前半途中から山口が3バックに変更してシステムをマッチアップさせて来るとスペースがタイトになる。後半さらに山口は球際を強めてきました。

すると山口に、中盤からDF裏を狙ったボールを送られると、レオナルドラモスと競った小谷がファールを取られてPK。これをラモス自身に決められて同点にされます。

ホームサポーターの声援に勢いづく山口。熊本は自陣に押し込まれ、山口の時間が続きますが、この不利な時間帯を辛抱強く凌ぐことができるのが、今の熊本の真骨頂かも知れません。

その前から足を伸ばすシーンがあって、「攣ったな」と心配していた八久保でした。ベンチの池谷監督は交代カードに関して、「ディフェンスが破綻するのがいちばん怖い」(熊本蹴球通信)という思いのなか、「少し我慢をしながら準備をしていた」と言う。そんな時間帯。

GK畑からのキック。前線で巻が粘って落としたところに、八久保が奪うように拾って素早くミドルで撃つ。ドライブが掛かったシュートは、「前半から相手のキーパーの位置が高くて」(熊本蹴球通信)と狙っていた八久保の読みどおり、GKの頭を越えて、綺麗にゴールネットを揺らし、勝ち越し点とします。

すぐに八久保に代えて岡本。八久保はベンチの控えの選手たちの祝福に迎えられる。

後半アディッショナルタイムは6分。山口にすれば同点はもちろん、逆転するにも十分な時間が与えられました。しかし、この日もGK畑の90分間通した安定したプレー、片手一本のビッグセーブなどもあり、その後のゴールを死守しました。終了のホイッスルの後、両手の拳を振り上げて喜ぶ指揮官の姿が、この勝利の価値を物語っていました。

「いつも通り、目立たないようにプレーしていました(笑)」(同)。こんな軽口が巻の口から聞けるのもいつ以来でしょうか。それもこれも、最後まで走り続けたこの試合90分間の自身の”出来”に十分満足しているからでしょう。この試合での彼の働きは、監督はもちろん、観ていた誰もが認めるところでした。シュート数こそゼロでしたが、これぞポストプレー、これぞ前線での守備、これぞ巻というプレーの質、そして存在感、貢献度でした。

巻、グスタボ、安・・・。全くタイプの違うワントップを相手のスカウティング次第で使い分ける。その相性も見ながら、シャドーの選手や、ボランチにコンバートした三鬼も使いながら全体を構成する。このゲームの成果は、勝ち点3を得たことはもちろんですが、それに加え、指揮官に多くの”システム的オプション”を与えてくれることになったのではないでしょうか。それは3バックのこのシステムの成熟度が、あの前回対戦時よりは進化したという意味も含めて・・・。

7月30日(日)
【J2第25節】(えがおS)
熊本 0-1(前半0-1)名古屋
<得点者>
[名]青木亮太(45分)
<警告>
[熊]グスタボ(54分)、小谷祐喜(69分)
[名]小林裕紀(29分)、ワシントン(46分)
観衆:6,296人
主審:松尾一


うーむ。この試合をどう評価すべきか。非常に悩むところです。

前回対戦の5-1での敗戦よりは点差は縮まった。名古屋に終始ボールを保持されながらも、1失点に抑え、あわや同点という惜しい場面もあった。失点も名古屋・青木の個人技のようでもあり、その他のシーンではよく守り通した。そういう意味では、彼我の力の差は縮まったようにも思えるのですが、いやいや点差以上の“差”を感じる試合でもありました。

熊本はこの試合、安と中山をベンチからも外し、古巣との対戦となったグスタボをワントップに入れ、嶋田を先発起用。これも名古屋でプロ生活をスタートさせた片山は、「お金を出してでも出たかった(笑)」(ELGOLAZO web版 BLOGOLA)と言いましたが、累積警告で光永の出番となりました。

前節、京都に敗れた名古屋は、現在9位。ただ、この試合で新加入のガブリエル・シャビエルが早速得点していて要注意。

20170730名古屋

小柄ながら、長身シモビッチと2トップを組む佐藤と同じように神出鬼没。前線に顔を出したり、あるいはパスを貰いに落ちたり、自由に動き回る。

15分頃、シモビッチからの縦パスに抜け出すと、シャビエルがマイナスパス。田口のシュートは右に反れますが、危ない。

37分頃には、シャビエルが左に送ると青木がそれをダイレクトでクロス。ゴール前でどんぴしゃヘッドの佐藤でしたが、これはGK畑がナイスセーブで防ぎます。

一方の熊本は、グスタボが空回りといった様相で、前線にボールが入ってもなかなかDFと入れ替われない。組織的な守備もはまらず、名古屋の早いパス回しに奪いどころが見つからずに押し込まれてしまいます。

それでもなんとか無失点に抑えていた前半も終了間際。このまま折り返したいと思っていたのが気の緩みだったのでしょうか。左サイド、パスを貰った青木がスペースをかいくぐるようにドリブルで切り込み、右足を一閃。ゴール左隅に突き刺し、先制とします。

後半は、敵将・風間監督が、試合後に「後半の入り方、試合の終わらせ方はまだまだ勉強が必要」と言うような展開になります。

56分頃、大きなサイドチェンジのパスを受けた光永が左から素早くクロスを入れる。これは間一髪、グスタボの前に和泉に入られる。続く60分頃は、グスタボの落としに飛び込んだ嶋田が追走するDFと競争。最初に引っ張られていたのは嶋田の方でしたが、主審が嶋田のファールを取り、このジャッジに場内騒然。

69分頃には、光永に代わって入った田中が、八久保からのパスで右から裏を取った。ゴール前のグスタボ目がけたクロスは、しかし「蹴る直前にボールが跳ね」(熊日)て、あらぬ方向へ。これにはおもわずズッコケました(笑)が、いくつかその俊足で名古屋DFを脅かすシーンもありました。

嶋田に代わって入ったのは岡本。やはり広い視野を活かして配球します。

しかし、中は通させない名古屋。ボールを持つと前を向かせないように素早くプレスも掛け続ける基本のところは、暑さで疲れが見えるとはいえども弱めない。

絶対追加点は許さない。絶対同点に追いつく。そういう熊本の強い気持ちも見えましたが、名古屋も最後まで熊本に得点を許さず、逃げ切られてしまいました。

冒頭書いた「点差以上の“差”」と感じたのは、名古屋の選手たちの“止める”“蹴る”、“パスを出したら走る”“ボールを持つ選手にはプレスを掛ける”といった基本中の基本である技術と動作。これは個人能力というよりは、徹底して訓練されているように思えます。

われわれはまだまだパススピードを上げるとトラップが悪くなる。ボールを持っても、攻撃の連動性が途絶えてしまうのも、汗をかくほど“頭”を使って練習してきたかどうかということだと思うのです。
このクラスと対戦すると、そう気づかさせてくれる。もっとうまくなれるし、上に行きたいと思える。やるべきことは多い。敗戦は悔しいけれど、そう思えたのは価値があったゲームだったといえました。