3月25日(日)
【J2第6節】(栃木グ)
栃木 1-0(前半1-0)熊本
<得点者>
[栃]福岡将太(14分)
<警告>
[栃]ヘニキ(26分)、牛之濱拓(36分)、西谷和希(85分)
観衆:4,623人
主審:池内明彦


20180325栃木

3連勝はなりませんでした。前半も早いうちに栃木のCKから押し込まれて失点。反撃を試みるも、栃木の堅い守りを崩せず。後半になって足の止まってきた栃木を責め立てましたが、連戦で重くなった身体と、芝足の長いピッチに苦しみ、得点には至らず敗戦となりました。順位は10位に後退。

3月21日(水)
【J2第5節】(えがおS)
熊本 2-1(前半0-1)大宮
<得点者>
[熊]皆川佑介(47分)、安柄俊(85分)
[大]菊地光将(23分)
観衆:4,126人
主審:佐藤隆治


イやったーーー!!!。3連戦のなかでの連勝。しかも逆転勝利です。

ホームに迎えた相手は今季J1から降格してきた大宮。言わずもがな渋谷監督が、昨季途中まで指揮していた古巣であり、今は嶋田慎太郎が所属する”因縁の”チームでもありました。

対戦するのは2015年以来。ただしわれわれ熊本の”青の時代”を知るものは、「2015.04.07 大宮戦。後半2失点に泣く」に書いたとおり、ある種のシンパシーを大宮に持っている。時折大雨に見舞われるこの日、大宮のゴール裏サポーターが羽織るオレンジ色のポンチョは、まだチームグッズにポンチョなどなかった”青の時代”に、NTTロゴ入りが欲しくてわざわざネット通販で大宮のものを手に入れて、雨の九州リーグ戦には装着していたなぁ。などと思い出します。

大宮の布陣は4-4-2。迎え撃つ熊本は、前線・皆川の相方に巻。そして3バックの左に初めて園田を入れてきました。

20180321大宮

序盤の展開は五分五分でしたね。ただ、やはりJ1に居たチームだけあってパススピード、切り替えの早さがあるため、こちらも判断の早さを要求される。久しぶりに感じる感覚。熊本のパスがずれ、コンビネーションにもミスが目立ちます。スリッピーなピッチにも足を取られました。

前線のタワー、シモビッチもやっかいでしたね。空中戦は完全に制される。足元もうまい。

この試合も先に失点を許してしまいます。23分、右サイド、ちょうどディフェンシブゾーンに入るあたりからの大宮のFK。嶋田が一度フェイントを入れると、思わずラインを下げられる。そこにすかさず右足の大山が絶妙のポイントに入れてきた。勢いよく飛び込んだ菊池が頭で叩きつけて先制点とします。

「うーむ」という感じでしたが、熊本にチャンスがなかったわけではありません。27分頃にはCKの連続から作り直して前線に入れたクロスを皆川が頭で反らすと、中央には巻。GKも飛び出しクリアしますが、高く上がったボールに巻が素早く回り込み直して無人のゴールに流し込む。しかし、無念にもボールはポストに嫌われてしまいます。大の字になって悔やむ巻。

WBの田中は、序盤こそ中山からのスルーパスを受けてカットインしてシュートという新しい形を見せましたが、その後は大宮・河面に縦を切られて、なかなか前に行けない。警戒されていました。

大宮側には、このまま試合を運んでいけば、追加点もいつかは入るという思いがあったでしょうね。しかし、その思いを吹き飛ばしたのは、後半始まってすぐのプレー。渋谷監督も試合後、「後半スタートのセットプレーが、今日はもうキーだった」(熊本蹴球通信)と言い切る。

47分、左からのCKに立った八久保の右足から放たれたボールはニアへ。大宮DFの間から飛び込んだ皆川が、頭で反らすようにゴールに突き刺した。

雨雲を吹き飛ばすような得点。今季はセットプレーも期待が持てる。それも八久保のキックが俄然、光っているように思います。

大宮も慌ててギアを上げる。大宮の時間が続きますが、皆川が前線でプレスに猛ダッシュを続ける。まるでチームメイトを鼓舞するように。その姿を見てファンも沸きます。乗ってきた。

この時点で、中盤アンカーの位置には中山が入り、米原が一列前に出ているのに気が付きましたが、この意図はなんだったのか。試合後の会見で聞いてほしい点ではありました。

「怒涛のように攻められましたけれど、やっぱり体を張って、しっかりと守るというところに切り替えてやれたということ、選手たちがハードワークできた、粘り強く戦えた」(同)と、監督が勝因を語るように、ここを凌いだことで、また熊本は“いい時間帯”での逆転に成功します。

85分。左に運んで皆川が持つ。「自分がいいボールを落とせば、ビョン(安柄俊)さんが勝てると確信していました」(同・皆川)と語るように、アーリークロスをDFの間に入れた。「ミナ(皆川)が良いボールを送ってくれると信じて走った」(熊日)と言う途中出場の安。出し手の間合いと受け手の動き出しと、お互いに測りあっていましたね。カンフーキックのような体勢で足に当てると、GKも反応できず。ゴールに突き刺さります。安の身体能力でなければできないダイレクトボレーシュート。そして中央大学FWのホットラインならではの信頼関係でした。

最後まで大宮の攻めは続きましたが、植田を入れて4バックにした熊本は、GK佐藤の攻守もあって逃げ切り。連勝で今季3勝目を収めると、順位も上がって8位となりました。

両FWの得点で勝利。安にも初得点が付きましたが、この日は皆川が開幕戦以来の得点。しかも安へのアシストも付いた大車輪の活躍でした。

戦前の“複雑な心境”の意味を問われた渋谷監督。「私は昨年、監督として大宮のチームを率いていたので。複雑というのは、私が結果を残して入ればJ1で戦っているのに、J2にいるということについては申し訳ない」(同)。試合後、そう記者団に答えました。ただ、「試合については自チームのことしか考えずに、相手として試合中は見れていました」とも。

「やっぱり大宮というのは、いろんなことを考えたらJ1にいるべきチームなので、そこに勝てたというのは大きいですし、私自身はすごく嬉しい」(渋谷監督)。

われわれが勝手に、密かにシンパシーを感じている大宮。そしてまたそれに加えて、色々な因縁が出来つつある大宮。その大宮に勝利したという喜びは、なかなかわれわれも書きつくせない難しさがあります。

さぁ、次は中三日で三連戦最後の栃木との戦い。この試合に連勝できるかどうかで、今季の熊本の真価が問われるとも思います。心して掛かりましょう。

3月17日(土)
【J2第4節】(ニンスタ)
愛媛 1-2(前半1-2)熊本
<得点者>
[愛]池田樹雷人(26分)
[熊]中山雄登(3分)、オウンゴール(41分)
<警告>
[愛]前野貴徳(40分)、小暮大器(45分+3)
観衆:2,436人
主審:柿沼亨


試合開始早々に田中のクロスを安が反らしたところを中山が頭で押し込んで先制。その後は愛媛に押し込まれ同点にされるが、前半終了間際にFK、八久保のキックが愛媛DFのオウンゴールを誘い、後半も守りきって敵地で貴重な勝ち点3を得ました。この勝利で熊本は勝率を五分に戻し、順位は10位。愛媛は開幕から4連敗。

20180317愛媛

3月11日(日)
【J2第3節】(えがおS)
熊本 1-2(前半0-1)山形
<得点者>
[熊]田中達也(58分)
[山]小林成豪2(38分、71分)
<警告>
[山]栗山直樹(20分)、南秀仁(51分)
観衆:4,094人
主審:川俣秀


う~む。負けてしまいました。勝機は十分にあった試合だったのですが・・・。

渋谷監督は試合後、「我々がボールを持ってサッカーをやっていたというだけで、相手のやり方にハマった感じのところがあったかなと」(熊本蹴球通信)と分析する。3試合連続アウェー遠征中の山形に対して、われわれにはホームアドバンテージがあったのにも関わらず、少ない好機をきっちりと決められ”勝負に負けた”と言いたいのかも知れません。

20180311山形

“勝った試合のあとはいじらない”。渋谷監督はセオリーどおりに、前節と同じスタメンで臨みました。対する山形の陣形は4-3-3。守備はオーガナイズできていました。山形がDFラインでボールを回しているときは、やみくもにプレスに行かない。2トップのどちらかがDFにプレスに行く(主に皆川)ときは、片方が少し下がり目で相手ボランチの茂木を見る。スイッチが入ったときは、中盤も連動してプレスを掛ける。

“課題”だった立ち上がり開始早々の時間帯を無難にやりすごすと、ポゼッションは徐々に熊本に。中山のパスから田中がDF裏に抜け出し、右サイド奥からグラウンダーのクロス。わずかにGKが触って角度が変わりますが、ファーで拾って入れ直す。けれどもDFにクリアされる。惜しい。しかし今日も田中には切れがある。

DFラインからのビルドアップだけでなく、長いパスを2トップに送ることもありました。高さのある皆川や安が収めたり、落としたところを伊東が回収してすぐ次のパスを出したり。2トップと伊東の距離間が非常によい。

しかし、アタッキングサードで前を向こうとすると、遠慮なしにファール覚悟で潰してくる山形。これは前節の徳島もそうだった。

流れは熊本にありましたが、得点には至らない。すると38分、ボールホルダーのイムに徳島の選手がプレスバックすると、苦し紛れに出したパスを奪われ縦に付けられます(ここは声掛けが欲しかった)。一旦はクリアするものの、こぼれ球に素早く反応した小林にPアーク付近から足を振られる。鈴木の股を抜かれてGK佐藤の手も届かず、ゴール右隅に転がりこんで失点となる。

「(鈴木)翔登があそこで面で守るというところは失点につながっていて、もっとボールにアタックできるのに行っていないからやられる」(熊本蹴球通信)。監督にしてははっきりと名指しで失点の原因に言及している。もちろん「隙を作ってしまったというのは、まだまだ足りないところだと思うので、もっともっと突き詰めて行かないと」と、チーム練習への課題に触れながらではありましたが。

DAZNで見直してみると、得点はしたものの、山形の選手たちに笑顔はあまりありませんでしたね。ハーフタイムの木山監督の言葉も、先制しときながら「前半よく耐えた」と言うぐらいですから、山形としては自分たちのサッカーができていないという自覚があった。

後半の早い時間帯で同点に追いつきます。58分、安が右サイド奥に開いてグラウンダーのクロスを入れる。それをゴール前で伊東が落として、走り込んだ田中が強烈シュートを打つと、DFに当たってゴールのファーサイドに転がり込みました。田中は2試合連続ゴール。

前節、逆転劇の再来をスタンド中が期待しました。「次の1点。あと1点」。

しかし、勝ち越し点は山形側にこぼれます。71分、右サイドで与えたFK。山形はニアで反らすと、大外から今度も小林。頭で押し込んで追加点としました。

「自陣のゴールに近いところで、あの時間にフリーキックを与えたというのと、フリーキックの守り方はうちのやり方があるなかで相手の方が先に触られて、流れたところの対応と、その前のコーナーキックでも相手に先に触られた場面があったので、それは次に向けての修正ポイント」()だと、青木も反省点を口にする。

「特に際(キワ)の部分、攻守において際の部分で、失点が多い、得点できない、ここがいちばん重要な部分だと思うので。そういうところを高めていかなければ上位には行けないですし、勝利もつかめない」(同・渋谷監督)

流れはあるのに決めきれない。失点はあっさりしてしまう。そんな印象は今の熊本に確かにあります。開幕戦から3戦連続“生観戦”した印象からすると、全体的にどうもまだ球際の強さが、対戦相手のどのチームより劣っているような気がしてなりません。

「試合後の会見で見せた渋谷監督の表情は非常に険しかった」。(熊本蹴球通信・レビューコラム)そう井芹さんも書いていますが、監督談話を読むだけでそれは伝わってくるものでした。

相手も未完成でしたが、こちらもまだまだ課題山積。そんな指揮官のジレンマなのでしょう。しかし、この3戦を見て、監督がやりたいことは確実に伝わってきました。そこは信じて見守っていいとも思っています。

これからミッドウィークを挟んだ3連戦に入ります。メンバーのチョイスを含め、また目が放せない試合が続きます。アウェーとはいえ次こそ白星を。

3月4日(日)
【J2第2節】(えがおS)
熊本 2-1(前半0-1)徳島
<得点者>
[熊]田中達也(63分)、鈴木翔登(83分)
[徳]島屋八徳(6分)
<警告>
[熊]米原秀亮(13分)、安柄俊(45分+2)
[徳]大屋翼(52分)
観衆:5,197人
主審:榎本一慶


勝ちました!しかも逆転! ホームでの逆転勝利はなんと2014年7月の水戸戦以来だそうです。

20180304徳島

立ち上がり6分の失点には前節の悪夢がよみがえりました。スタンドから観ていて、タイミング的には「オフサイドだろ?」と思ったのです。島屋に付いていた青木にもその実感があったようで。しかし他のメンバーがラインを上げ切れていなかったのか。それも含めてセルフジャッジは厳禁。

開幕戦は両チームとも敗戦。DAZNの戦前のインタビューに「前節、安が入ってから皆川との2トップになって、相手への圧力が増したので」と先発の布陣について答える渋谷監督。ロドリゲス監督も、「この前の試合でチャンスを作れた」と4バックのシステムの意図を説明する。両者ともに、敗戦のなかから光明を見出そうというシーズン序盤の大事な第2戦でした。

先制点の勢いを得て、序盤しばらくは徳島のポゼッションが続きました。しかし、徐々に熊本も田中、黒木の両WBを使ってサイドから襲う。CKを取る。チャンスが増える。

26分頃。右サイド奥からの田中のクロスを跳ね返されると、それに向かって田中が猛然と拾いに行った。Pエリア内で徳島DFに引っ掛けられて倒れる田中。PKを得ます。「よし!これでとりあえず同点」。誰もがそう思ったでしょう。

キッカーは安。ところがコスタリカ代表のこのカルバハルというGK、ゴールマウス上でぴょんぴょん飛び跳ね、バーをカンカン叩いてキッカーを挑発?威嚇?するように駆け引きします。それが影響したのか、安が蹴ったPKはゴール左を狙いましたが、カルバハルの飛んだ読みどおり。PK失敗に終わってしまいます。

ピッチにもスタンドにもどんよりと暗雲が立ちこめたように見えました。これまでの熊本だったら、これで流れを完全に相手に渡していたでしょう。しかし試合後のインタビューで指揮官が「ビョンジュンがPKを外しても下を向かず、本当に全員が、『また返すぞ』という気持ち、そのメンタルが非常に大きかった」(熊本蹴球通信)と言うように、その後も田中が右サイド高い位置で張って好機を作る。アンカーを務めた米原もボールへの出足よく、パスを前に散らす。

1点ビハインドのままハーフタイムを迎えますが、得点の臭いはぷんぷんしている。ただ、前節を目の前で見ている身とすれば追加失点も怖い。ドキドキする展開でした。

後半開始から3バックに変えてきた徳島。それに対して熊本は「どこでフリーになっているのか、どこにスペースがあるのかというのを感じながら」「落ち着いて相手の状況を見てサッカーができていた」(同)と指揮官が言う。

同点弾は63分、左サイドのスローインから。黒木、伊東、再び黒木に渡ると、エンドラインぎりぎりまでえぐって、ふわりとした柔らかいクロスを上げた。ファーサイドから飛び込んで来たのは田中。頭で叩きつけゴールとします。左WBのアシスト、右WBの得点。そしてスローインから作った得点は、初めて見るような気がします。

俄然スタジアムのボルテージは上がってきました。当然勝ち越し点を期待したい。

それは徳島も同じで、選手交代のカードを切りながらギアを上げようとした。しかし、24.4度を記録したこの日の気温が影響したのか、熊本の守りを崩せなくなった。あれほど付けていた縦パスがなくなり、横パスを回すのみ。苦し紛れのようにゴール前に入れるクロスは、難なく跳ね返せる。

すると83分。この日、再三右サイドを突破してきた田中がうまくCKを取ると、キッカーは左足の中山ではなく途中交代で入った右利きの八久保に。アウトスウィングの軌道のボールは、ニアサイドでジャンプした安の頭にどんぴしゃ。一旦はGKカルバハルが弾いたものの、ファーサイドのゴール前に入り込んだ鈴木が押し込みました。自身J初ゴール。

いい時間帯での勝ち越し点でした。熊本は安、皆川の疲れを考慮して、巻と上原でこの試合のクロージングを図ります。アディッショナルタイム4分も、カウンターの好機にも無理をせず時間を費やすことを徹底すると、終了のホイッスルが鳴る瞬間に倒れ込む徳島の選手たちと、大きなガッツポーズの田中、満面の笑みをたたえた鈴木の姿がありました。

DAZNの分析によるとボール保持率は熊本の37%に対して徳島が63%と一方的でしたが、シュート数は20:13、そのうち枠内シュート数も13:7と熊本が上回りました。

ただ、好機をきっちりと決めた山口と違って「今日はたまたまやられなかったというのもたくさんあった」(同)と指揮官が言う部分も確か。また前節と同じように早い時間帯であっさりと失点している点は「これは絶対にやってはいけないことで、これは来週に向けて改善しない限りは勝利は掴めないと思うので、そこはしっかりやっていきたい」(同・渋谷監督)と言うように猛省を促したい。

あとは「残念ながら5,000人しか」(同)と渋谷監督も思わず口走ってしまったように、ホーム開幕戦にしてはなんとも寂しい入場者数。昨年、それに加えて前節開幕戦のふがいなさが影響したのかどうなのか。この点に関しては、チームももちろん結果を出していかなければならないだろうし、われわれも努力しなければいけないことでしょうね。

とにかく、春の陽気とともに、熊本にもサッカーのある毎日がやってきた。勝利の余韻に浸りながら、次節までの1週間をワクワクして過ごしたいと思います。