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5月26日(日)
天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会
【1回戦】[えがおS]

熊本 2-0(前半0-0)ヴェルスパ大分
<得点者>
[熊]高瀬優孝(57分)、小谷祐喜(76分)


まずは最初に。毎回のエントリーごとに拍手コメントをいただく「ゆうらん」さん、いつもありがとうございます。ご返信できない仕様のため、こちらでお礼を申し上げます。今後もご一緒に応援していけたら幸いです。


さて、この日曜日はホームえがおスタジアムで行われた天皇杯の1回戦、ヴェルスパ大分戦を観戦しましたので、簡単にレポートしたいと思います。

熊本はいつもどおりの4-4-2。先週のリーグ戦からは岡本、原を休ませて、田辺、北村を使ってきました。一方のヴェルスパ大分は3-4-3だったと思います。

20190526V大分

「最後まで粘り強く戦う、体をつけるとか、守備に関しては非常にタフに戦ってくるチームだというのはわかっていた」(熊本蹴球通信)と渋谷監督が言うとおり、V大分は、前線からプレッシングするというより、ボールが自陣に入ってきたところで球際激しく潰す。熊本はなかなかバイタルを自由にできません。そうこうしているうちにパス回しも読まれてインターセプトからカウンターを受ける危ない場面も。しかし、熊本も2、3度大きなチャンスがあった。そんな前半でした。

後半修正をかけたのは熊本。「相手の守備の仕方で、そこにスペースを与えてくれていた」と見た指揮官は、田村を一列上げて3トップに、2列目は中山を右に置きました。するとV大分もマークを絞り切れなくなる。対応されていた高瀬の左サイドも生き始め、怒涛の攻撃。

すると57分、高瀬が左サイド奥に侵入するとDFとの1対1に仕掛けて外し、クロスを上げる。そのボールがGKのジャンプする手も届かず、ファーサイドのポストに当たって直接ゴールインし先制点を挙げます。

その後、高瀬の疲れを考慮し、黒木を左SBに回し、右SBに小谷を入れる。右では守備に徹していた黒木も、左に回って高い位置取り。それと前後するように、V大分は前線に高い選手を投入して、パワープレイで押してくる。それを凌ぎながら・・・。

追加点は76分、入ったばかりの小谷でした。左CKを田辺が入れると中央で競って足元に落ちる。混戦のなか“突っついた”小谷。それまで好守を見せていた敵GKも反応できませんでした。

しかしV大分もいいチームでした。この猛暑のなか最後まで足が止まらないのは、同じ九州のチームだからでしょうか。それに熊本へのスカウティングも効いていた。

「今日、ヴェルスパさんには感謝してます」(同)と渋谷監督は言う。「今季のJ3ではパワープレイにさらされる場面が少なかっただけに、指揮官は『ベンチワークも含め、どう守るかを確認できた』と手応えを得た様子」(27日付・熊日)。

「これから、この時はこういう風にしなきゃいけないという、いろんなことが選手ともスタッフとも話ができます」(熊本蹴球通信・渋谷監督)と。リーグ戦の終盤の勝ち点計算のなかでは訪れるかもしれないシチュエーションに、図らずも実戦練習できたということでしょう。

さて、2回戦はJ1鳥栖との対戦。2011年、あの感動的な横断幕で見送って以来の対戦。もう8年も“待って”くれている(笑)。

彼我の力の差が今どの程度なのかを図るには絶好の機会になりました。ただ。あいにく7月3日(水)のミッドウィークのナイトゲーム。一番近いアウェーなのですが、迷います。

5月19日(日)
【第9節】(えがおS)
熊本 3-2(前半1-2)鳥取

<得点者>
[熊]小笠原佳祐(18分)、黒木晃平(57分)、北村知也(90分+2)
[鳥]フェルナンジーニョ(31分)、西山雄介(35分)
<警告>
[熊]中山雄登(90分+1)
[鳥]池ヶ谷颯斗(3分)、福村貴幸(15分)
観衆:3,384人
主審:植松健太朗


いやぁ。最高の結末でした。こんな試合展開こそ多くのファンに観てもらいたかったのですが、あいにく日曜のナイトゲームとあって、入場者数が少なかったのが残念です。

鳥取との対戦は実に6年ぶり。ということは、鳥取はあの年以来、6年もJ3で苦戦しているということ。身が引き締まります。

「熊本さんは力のあるチーム。そこの波に乗せないように、逃げるのではなく向かって、“刺して”いけるよう頑張りたい」。敵将・高木監督はそう試合前に言っていた(DAZN)。不敵な面構えでした。

名前は変わらねど、互いに指揮官もメンバーも大きく変わっている。鳥取で知っている名前はフェルナンジーニョぐらいか。布陣は3-4-1-2。一方、熊本は今節、先発FWを北村から原に代えてきた。

20190519鳥取


立ち上がりいきなり、鳥取のバックパスにプレスした原が、混戦からボールを奪取して抜け出しエリア内に侵入。股抜きシュートを狙ったが、GK市川がブロック。

その後も連続でCKを取り続ける。熊本が押している。その3度目の左CKのチャンス。キッカーは高瀬。鈴木がニアに複数のDFを引き付けると、小笠原がうまくプルアウェイして自分をフリーにしたところに、どんぴしゃのボール。頭で叩きつけ、早い時間に先制します。小笠原はプロ初ゴール。

しかし、その後は受け身に立ったのか、鳥取にセカンドボールを拾われ出し、波状攻撃を受ける。31分、PA前でファールを犯すと、FKにはフェルナンジーニョ。その右足から放たれたボールは壁を越え、鋭い弧を描いてゴールの左上隅に突き刺さる。これは山本でも届かない。

更にすぐあと35分の鳥取の右CK。これも蹴るのはフェルナンジーニョ。ゾーンで守る熊本に対して、前に出られないスピードと角度のボールを送ると、中央の西山が難なく頭で決めました。

あっと言う間に逆転される。いずれもセットプレーからの、相手を褒めるしかないような失点とはいえども、先制点後のゲームマネジメントが問われます。

しかし、がっくりと気落ちしないのがここのところの熊本の良さ。それは得点する自信があるから。前半のアディショナルタイムには左サイドからのループを受けたニアの佐野が、素早く速いボールを中に入れる。ファーから原が反応したものの、伸ばした足には薄く当たって、枠の右に反れる。大いに惜しい。

前半終了の笛が吹かれても、ロッカールームまで待たず、すぐにベンチ前でコーチの示す戦略ボードを見入り、指示を仰ぐ。その意気やよし。

鳥取に手こずっているのは、山本の元同僚のGK市川の好セーブもありましたが、WBを含めた鳥取の帰陣の早さがありました。すぐに5バックにすると、これまでの相手のようには、なかなか食いついてくれない。しかし、実はそこにも空いたスペースは現れる・・・。

57分、降りてきた佐野に左から繋ぐと、佐野は絞り気味に上がってきた右の黒木に。黒木は躊躇せず右足一閃。これがキャノン砲のようにゴールネットに突き刺さる。黒木久々のミドルシュートで同点に追いつく!

「相手の中央に入っていける分析があったので、狙っていた」とは黒木の弁(20日付・熊日)。確かにその前の時間にも、黒木がそこのスペースに顔を出していた。

佐野から北村。原に代えて怪我から復帰した三島。今季はベンチワークも先手を打つのが目立つ。

次第に攻守切り替えの早い、オープンな展開になってくる。お湿り程度の雨で、気温もまだまだ高くなく、両者の足も止まらない。鳥取も何も諦めてはいない。

しかし、拮抗した展開、同点のまま残り時間は少なくなってくる。「ああ、そういえば鳥取は“引き分け力”と呼ばれていた」と思い出す。同点に追いついたのはこちらの方でしたが・・・。

終了間際の90分頃。鳥取の右からのクロスに中央でシュートは、エリア内で懸命のブロック。混戦の中での再びのシュートも、黒木が体を投げ出して防いだ。この最大の危機を脱すると。

もうアディショナルタイムに入っていました。岡本が、途中出場の右の中原にはたくと、猛然とゴール前に。ニアサイドには北村も走りこんだ。中原のクロスを複数のDF、GKと競る岡本。ボールが北村の前にこぼれてくる。それを予測していたかのように北村が落ち着いて押し込む。逆転ゴールがゴールに吸い込まれます。

もう、年甲斐もなく大きくガッツポーズして飛び上がりました。

終盤にビッグチャンスのあった鳥取でした。「それを決めきれなかった我々と、そのあと決めきれた熊本さん」。敵将・高木監督は淡々とインタビューに答える(DAZN)。相当の悔しさを押し殺すように。“刺せなかった”。

こういう試合を“勝ち切る”のは、非常に大きい。讃岐と北九州が引き分けて勝ち点18。熊本はその差を1に縮め、4位に上がった。

しかし指揮官は、「昨年は10試合の時点で6位でした。去年のことを振り返ると、スタートダッシュできたと思います。でも最後にはJ3降格しました。日々の積み重ねがいかに重要かということを学んだので、今4位でも、J3はラスト5試合くらいでも大きく変わるかもしれないので。上との勝点を引き離されないように、とにかく我々は、負けも引き分けも許されない、というくらいの思いで選手たちはやっています」と言った(熊本蹴球通信)。油断はない。

監督が言うように一戦一戦、目の前の試合を勝利していかなければいけないのに違いはない。その戦いを応援するのみ。次節首位北九州との戦い。久しぶりにアウェーに足を伸ばしてこようかと思います。
5月12日(日)
KFA 第23回熊本県サッカー選手権大会(天皇杯熊本県代表決定戦)(大津球)
ロアッソ 3-0(前半2-0)東海大熊本

<得点者>
【ロ】佐野翼(4分)、原一樹(20分)、岡本知剛(90+1分)
観衆: 1,254人
<ロアッソ先発>
GK 内山圭
DF 黒木晃平
DF 小谷祐喜
DF 鈴木祥登
DF 高瀬優孝
MF 田村翔太
MF 岡本知剛
MF 上村周平
MF 中山雄登
FW 原一樹
FW 佐野翼
<選手交代>
52分上村→田辺圭祐、81分原→三島康平、86分田村→坂本広大

天皇杯熊本県代表を決める県選手権決勝は、12日大津球技場で行われ、勝ち上がってきた九州大学1部リーグ推薦の東海大学熊本を、J3ロアッソ熊本が迎えうった。
先週のリーグ戦からスタメンを、GK内山、DF小谷、FW原と小幅な変更にとどめたロアッソは、開始早々4分に田村のクロスを佐野が右足で決めて先制。その後も終始ボール支配で上回ると、20分にはGKに詰めた原の足に当たってゴールに入り追加点。終了間際に故障から復帰し交代出場の三島とのワンツーで抜け出した岡本が駄目押し点を押し込んだ。
天皇杯出場を決めたロアッソ熊本は、5月26日(日)にえがお健康スタジアムで、大分県代表ヴェルスパ大分(JFL)と一回戦を戦う。

5月5日(日)
【J3第8節】(えがおS)
熊本 1-0(前半0-0)八戸

<得点者>
[熊]原一樹(75分)
<警告>
[八]貫名航世(76分)、谷尾昂也(90分+1)
観衆:5,023人
主審:石丸秀平


ホームでもようやく勝ち星を手にしました。3連勝です。

八戸とはもちろん初対戦。JFLから今季J3に上がってきたチーム。かつて熊本に在籍した小牧が活躍しているチームでもあります。

熊本は前節と同じスタメン。G大阪U-23戦の勝利の時から、このメンバーが非常に”面白い”と感じています。

20190505八戸

序盤から熊本はGK山本も交えたボール回し。1トップ2シャドーの八戸が前線から喰いついてきたところで、スルーパスで後ろを向かせる。一方の八戸は、ロングボール。熊本DFのクリアを拾うと、人数を掛けて上がってくる。

しかしきっちりと撥ね返している熊本は、19分、佐野から左の中山に出すと、中山がグラウンダーでマイナスクロス。これに佐野が足を投げだすも少し遅れ、ボールは右に反れる。

28分にはロングフィードに北村がエリア内、右足でうまくトラップしてDFを交わすと左足ですかさずシュート。しかし、これはGKがブロック。続くCKからのこぼれ球に、北村が果敢にバイシクルも、これは空振り。惜しいシーンが続きます。

34分には、八戸の3バックの左脇にスルーパスを送ると、走り込む中山。内側を追い越してきた高瀬にパス。PA内、高瀬のシュートはしかしポストの右に外れる。早く先制点が欲しい。

一方、八戸は36分に、中央を突く。新井山が交錯してのこぼれ球を中村が抑えたミドルシュートで放ちましたが、これはGK山本ががっちりとキープ。これが前半八戸の唯一のシュートでした。

後半は少し八戸にボールを持たれます。しかしゴール前の危ない場面も、しっかりと最後まで足を出し、身体を投げ出してブロックしている。危なかったのは72分、右サイド小牧からのロブを受けた三田が抜け出し、PA右から巻いたシュート。この角度で何度やられたことか。しかし、ゴール枠の上を越していき事なきを得ます。

ここまで好機を逸し、拮抗してくると、嫌でも悪いイメージを描くのですが、ここでベンチがカードを切ります。それまで前線でアグレッシブな動きを見せていた北村に代えて、3試合ぶりに原を投入。これが奏功します。

75分、後ろで回してビルドアップの機会を探す熊本。八戸の前線を食いつかせると敵ボランチを越して岡本へパス。岡本は右から上がってくる黒木へ。敵ボランチは全く後ろ向きに帰るしかない。黒木は中に絞り、右の田村にはたく。もらった田村が狙いすましてクロス。ニアサイドのDFを越したボールは、待っていた原の頭にドンピシャ。ゴールに突き刺します。ボールを送った岡本もすぐさまゴールニアサイドに走りこんでDFを誘ったチームプレーの得点でした。

ゴールデンウィークに集まった5千人のスタンドのタオルマフラーがぶんぶんと振られる。やっぱり決めてくれたのは、この男でした。

「良いボールが来たので触っただけ」(熊日)と謙遜する原。渋谷監督は「フィニッシャーとして1番、勝利をもたらすと思っていた」と。このこう着状態の打開に原に賭け、それが実った。

八戸は二枚替え。上形がシャドーに下がって、谷屋がワントップ。

熊本は佐野に代えて、今季初出場の八久保を入れると、前線からのプレスを緩めない。上村が敵との接触で痛み座り込む。田辺が準備されて、高瀬が「お疲れさま」と言うように上村にタッチする。DAZN中継アナも含め当然誰もが上村との交代と思っていたが、田辺と交代で下がったのは中山でした。時間にして88分。前節はDFラインに小谷に入れたのがサインでしたが、今節はこれが「守り抜くぞ」というベンチの”指示”でしたね。

上村は打撲的な故障だったのでしょうか。代えずに使い続けました。熊本はビルドアップのときに、高瀬を高く上げて、黒木、小笠原、鈴木の3バックに、上村をアンカーにしてボール回しをして、相手の隙を狙っていました。今節このバランスが絶妙だったし、ベンチはこれを崩すことを恐れ、そのまま使い続けたかったのでしょう。上村の存在感でした。

原と高瀬が左相手コーナーでのキープ。八戸に決してカウンターに持ち込まれないように、安全に安全にボールをキープした。アディッショナルタイムも持ちこたえて、1点を守り抜き、クリーンシートで勝利をもぎ取りました。

待ちに待ったホームでの「カモン!ロッソ」が、赤く染まったゴール裏にこだましました。

しかし指揮官は試合後、自嘲気味に言う。「やっぱりホームなので前への意識を持たないと、見てる方達ももどかしいところもあると思うんですけど(笑)」「でも相手を動かしたり、自分たちの時間を作ることをやっていかないといけない」(熊本蹴球通信)とも言う。

「1点取った場面は、チェンジサイドして相手をずらしてからクロスを上げたことで中のマークがずれたと思う」。そう、確かに後ろで回し、サイドを揺さぶったあとで、相手の中盤を置き去りにして、いわば”擬似カウンター”を作り出している。そこでサイドを広げてDFの目線を変えているからこその、中央での原のヘディング。

ようやく指揮官が目指している戦術が垣間見えてきた。そう思える試合でした。

しかし、八戸も侮れなかった。気温の高さに苦しみながらも、最後まで走り、自分たちの攻撃の形を持っていた。

「失った後の守備で正しいポジションに戻ってきてないところもあるし、ボールを奪わなきゃいけないということで、いいタイミングでプレッシャーをかけに行ってないところがあった」。指揮官は、そう反省を語ります。

順位は変わらず5位。しかし今は順位よりも、とにかく首位北九州、2位讃岐までの勝ち点差をやっと3まで詰めたこと。上位を狙える好位置ですが、しかし、同時にもう負けられない状況です。

熊本は、少しずつ少しずつ、自分たちの戦術を確立しつつあるように思えます。課題をクリアしながら、少しずつ。だからこそ、今、”見損なってはいけない時期”なのかも知れません。次のゲームが実に楽しみです。