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11日付の熊日がスクープし、追って公式サイトでも発表がありましたが、新監督に大木武氏の就任が決まりました。「大木氏はこれまで率いたチームで攻守において『自らアクションを起こすサッカー』を掲げた。ロアッソは、渋谷氏が2年間で築き上げた自陣から丁寧にパスをつなぐサッカーを継承できる人物として大木氏を選任したとみられる」(熊日)とあります。

過去、京都と岐阜の監督時代に対戦経験がありますが、ボールサイドに人数を集めて密集を作り、細かくパスをつないで打開していくといった印象があります。ただ、甲府や京都時代はともかく、岐阜での成績は振るわず、今シーズン途中で解任になっている。そのあたり、今季の岐阜の試合を見ていないのでなんともわかりかねますが、もうちょっと情報を探ってみたいと思います。

いずれにせよ、思ったより早い新監督の発表でした。織田GMが水面下で動いていたのでしょう。渋谷前監督は、織田さんのGM就任の前に決まっていましたから、今回の監督人選は、初めて織田GMの眼鏡に叶う人を選んだんだと理解していいのでしょうか。

言い方はきつくなりますが、いわば岐阜をJ3に落とした“戦犯”という意味では、渋谷氏と同じなのですが。来シーズン、大幅に若返る(若返ざるを得ない)わがチームにおいて、長期的視野で再構築を託す意図があるのかも知れないとちょっと思ったりもします。

さて、今シーズンの総括をしなければいけませんが、これもまた最終節を報じる10日付の熊日の紙面で、河北記者が書いていることに我が意を得たりなんですが、少しだけわれわれの意見も加味したいと思います。

「対戦2巡目の後半戦に入ると、自陣に引いて守りを固める各チームの対抗策に苦戦」(同・熊日)。そのとおりですが、加えて言うなら、第12節のFC東京U23戦で早くも敵将・長澤監督が、熊本との戦い方の“お手本”を見せていたと思います。

「自陣からの組み立てのミスを突かれるシーンが散見された」(同)。これも、全ての試合において、熊本対策のひとつであり、そういった敵のスカウティングを上回ることができませんでした。

折り返し前後の福島、鳥取との連敗。そしてここから得点力不足に陥りますが、前線にタイミングよく顔を出していたボランチの一角、岡本の故障、長期離脱が遠因だと思っています。(ただ、怪我をしなかったら鳥栖にシーズン途中で移籍していたのですから、どっちもどっちでしょうか)

ただ、24節讃岐に引き分けて4位に落ちても、勝ち点差で4チームが拮抗する混戦状態でしたから、終盤の直接対決で群馬に敗れ、藤枝、北九州と引き分けたのが、なんとも痛かった。結局、夏場の選手補強に成功した北九州と群馬が昇格を決め、戦術の浸透には時間がかかるとして補強しなかった熊本との明暗が分かれたとも言えるでしょう。

シーズントータルで6敗以内を目指していたにもかかわらず、9敗を喫した結果は、下位に取りこぼしたことも大きな要因でした。

一番の原因は、FC東京U23に2連敗したことですが、まったくこのJ3リーグのU23というチームは“魔物”だと思いました。年代別代表の試合でいない選手の穴をユースで帳尻を合わせるかと思えば、J1でベンチ入りし出番のなかった選手がいきなりスタメンで出てきたり。セレッソ戦では、調整中の柿谷が出てきたりとか。まったく得体が知れない(笑)。ガンバ戦で先制弾をくらった食野なんかは、その後海外移籍ですから、とんでもないポテンシャルを持った選手が出てくる。

このU23のリーグ参戦は来年までという話ですが、要警戒は解けません。

最終節後の記者会見で渋谷監督から色々引き出してくれていますが、ひとつだけ引っかかった反省の弁がありました。

「勝負にこだわって、結果を求めていかないと、難しいんだなと思ったので。いい形でサッカーを進めていても、結果が残らないと何も残らないというのを、私自身、今年1年戦って思いますので」(熊本蹴球通信)。
同じようなことを、昨年のシーズン終了時か今シーズンも任されたときに言っていたはず。ちょっとそこは突っ込みたくなりました(苦笑)。


12月8日(日)
【J3第34節】(長野U)
長野 1-0(前半0-0)熊本

<得点者>
[長]大城佑斗(90分+1)

<退場>
[熊]佐野翼(41分)
観衆:4,133人
主審:田中玲匡


20191208長野

前エントリーで、「最終戦が終わって、どこまで肉薄できたのか、どの位置で終わるのか」がテーマだと書きました。終わってみれば勝ち点を積み上げられず、群馬、藤枝とも勝利したため昇格圏とは勝ち点が6に開いて、さらに富山にも抜かれて5位に転落してしまいました。

限りなく可能性の低い状況でしたが、選手たちは立ち上がりから猛攻を仕掛けました。縦への意識も高く、ボールもよく回る。しかし、前線の原へのチェックは厳しく、収まりどころがない。

このまま前半はスコアレスかと思っていた41分、佐野が相手選手に肘打ちを見舞い、一発レッド退場。何をやってるんだか・・・。この最終戦のピッチに立つ“資格”のない選手と言わざるを得ません。

これでゲームプランの変更を余儀なくされた熊本。長野の猛攻をGK山本のスーパーセーブなどで凌いでいきますが、アディショナルタイムに小笠原を上げてパワープレーを仕掛けていたところ、逆に崩されてゴールを許し、万事休します。

この一週間、北嶋ヘッドコーチの退任や、原の契約満了、植田の引退なども発表され。今後も色々な発表が相次ぐことが予想されます。

一年でのJ2復帰に失敗した熊本。来季はリーグからの配分金が9千万も減額される。厳しい台所事情で戦っていかなければならない。

しかし一方で今季、北九州が3年で、群馬が2年でJ2に復帰したことは、われわれにも少なからず勇気と希望を与えてくれたと言えるでしょう。臥薪嘗胆は続く。

12月1日(日)
【J3第33節】(えがおS)
熊本 2-1(前半0-0)福島

<得点者>
[熊]岡本知剛(57分)、三島康平(88分)
[福]樋口寛規(80分)

<退場>
[福]東隼也(70分)
観衆:4,722人
主審:上原直人


20191201福島

ホーム最終戦。その前の週に今シーズンでの引退が発表されたばかりの片山奨典の名前がスタメンにありました。

最初に彼を見たのは横浜FCとの対戦時、途中交代で入っていきなり俊足を飛ばして、鋭くカーブするクロスを見舞った。その後、当時の高木監督に引っ張られて熊本にシーズン途中で移籍。あれから10年の間の、数々のゴール、数々のアシストが目に浮かびます。2015年には腓骨骨折という大けがを負いましたが、それも克服してきました。

在籍年数も年齢もチームで最長になりました。しかし、練習にストイックに向き合う姿は、チームメイトのお手本だったと誰もが証言します。しばらく出場機会を失っていましたが、今季高瀬が故障の際、その健脚や技術の健在ぶりをいかんなく発揮。準備不足を思わせませんでした。

童顔とシャイな性格。そんな、ファン・サポーターに愛された選手が引退する。キックオフの笛の直前、俄かにゴール裏からの「オーレ!片山オーレ!」の大きなコール。ロートルの瞼はもうウルウルです。

ゲームは、序盤こそ福島が攻勢に出ますが、慣れてきた熊本が徐々にポゼッションを保ちます。前節無得点、4本しかなかったシュートの反省から、今日は縦への意識が高い。しかし、どのシュートも枠外やGKの好セーブなどで得点には結びつかず前半を終えます。

先制点は後半12分。阻まれたシュートチャンスから粘って作り直すと中央を突いた。岡本がエリア内の佐野とのワンツーでDFの裏を取ると、ブロックに飛び出すGKをよく見て、フワリと浮かせてゴールします。

しかし35分。GK山本とDFラインとのパス交換にプレスを受けると、エリア内に侵入した相手選手を山本が倒してイエロー。このPKを決められて同点に。

勢いづいた福島でしたが、終了間際の43分、左サイド奥へのロングボールに片山が追いつくとマイナスクロス。これに途中投入の三島がきっちりと合わせて、熊本が決勝点を上げました。

この試合を見ていた誰もが、同時刻に行われていた藤枝と群馬の試合結果を気にしていたと思います。なんと藤枝がYSCCに0-3で敗れ、その差は3に縮まりましたが、群馬が岩手に勝利したため藤枝と入れ替わって2位に浮上しました。同じく3差ですが、得失点差17は現実的に考えると厳しい。

ゲームに勝利したにもかかわらず、これほど微妙な気持ちになったのは初めてのことでした。翌日の熊日は見出しで「笑顔なき白星」と表現しました。

いつものように行われたホーム最終戦後のセレモニー。ここで挨拶に立った渋谷監督の口から発せられた「来季私が指揮をすることはありません」という言葉。突然でしたが、まぁ当然なのかなという思い。相模原戦後のDAZNのインタビューで予感させるものがありました。

「去年降格したのに監督として残してもらって、今年、上げるという約束の元、戦ってきたのに、今この状況ですので、当たり前だと思いますし、やるべきことではないと思います」(熊本蹴球通信)。試合後の会見ではそう言った。

渋谷監督のことは、また日を改めてエントリーしたいと思います。まだ、リーグは終わっていない。最終戦が終わって、どこまで肉薄できたのか、どの位置で終わるのか。今シーズンの総括は、それからです。