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6月27日(土)
【J3第1節】(えがおS)
熊本 3-2(前半2-1)鹿児島

<得点者>
[熊]石川啓人(4分)、谷口海斗2(15分、64分)
[鹿]牛之濱拓(42分)、馬場賢治(83分)
主審:上田隆生


勝ちましたー。完璧な試合とはいえませんが、初戦で降格組の鹿児島に勝利という結果にほっとしています。

スタメンは少し意外な組み合わせでした。山本が怪我の間に急成長した内山がGKに入ったのは想定内とはいえ、ダブルボランチではなく新加入の相澤をアンカーに置く逆三角形の中盤。そして石川が左SBに入る。

20200627鹿児島

開始から早速、評判どおりに熊本が攻撃に人数を掛け鹿児島を押し込む。すると早々と試合が動きます。

4分。ショートコーナーから相澤が低いクロスをゴール前に入れるとGKがパンチングで跳ね返す。拾った黒木がミドルで打つと、これは味方に当たって大きく跳ね返る。これを今度は石川が拾って思い切りよく右足を振った。「相手に当たって」と石川が言うシュートは、ループぎみになってGKの頭を越えてゴールに吸い込まれました。先制点。

15分には、黒木からのループパスをDFの裏で受け取った岡本が、右サイドからグラウンダーでクロス。ファーサイドから走ってきた谷口にきっちりと合って2点目とします。中央には高橋も入ってきていた。

2点のビハインドを早々と背負った鹿児島でしたが、徐々に状況に慣れてくると、熊本のプレスを剥げるようになってきます。互いに攻守入れ替わりの早い展開。

すると41分。鹿児島のプレスに熊本がバックパスで逃げると、待ち構えていたように鹿児島・牛之濱が拾って、PAに持ち込みシュート。ゴール左隅に決まってしまいました。1点差にされる。

後半になると雨脚が強くなってきた。選手たちがスリッピーなピッチに足を取られたり、ボールが止まる場面も。どちらかというと、ハーフタイムに右サイドを二枚替えした鹿児島が主導権を握る展開となりますが・・・。

64分、足を取られながらもエリアに入った中原。右サイドを上がってきた黒木に戻すと、黒木が狙いすましてクロスを入れた。大外の谷口が高い打点で頭で押し込み3点目とします。前で高橋がしっかりDFをスクリーンしていました。

鹿児島はジョン・ガブリエルの高さを加える。すると83分、熊本ゴールのPアーク前で得たフリーキック。これが熊本選手の手に当たってPKを得る。新加入の馬場がきっちりと決めて、再び1点差に追いすがる。

ここからはGK内山のショータイム。勢いに乗った鹿児島の波状攻撃を跳ね返し続ける。横っ飛びの片手でのクリアが何度あったことか。アディショナルタイム4分。鹿児島が上げたアーリークロスに、敵選手との交錯もものともせず、勇気を持ってキャッチに飛び出した内山。その手にしっかりとボールを収めると、勝利を告げるホイッスルが鳴りました。

石川が幸先よく自信Jリーグ初ゴールで狼煙を上げ、点取り屋として期待される谷口もきっちりと2得点。けれど、今節の隠れた立役者には、いずれもJデビュー戦だった、ワントップの高橋とGK内山を上げたいですね。

特に大卒ルーキー高橋は、体躯を活かした空中戦で競り勝ち、前からのチェイシングもさぼらずに続けた。谷口の2得点も、つぶれ役としての高橋あればこそでした。

初めてのリモートマッチでしたが、われわれはいつものアウェー戦観戦とあまり環境は変わらず、DAZNの画面で試合展開を注視していました。クラブで用意してくれたヤマハの「応援ボタン」で応援するシステムも、すいません使う余裕がありませんでした(笑)。関東のサポーターを中心にZoomを使った新しいスタイルの応援もあったようです。

試合後、鹿児島の選手たちが誰もいないアウェーゴール裏に挨拶に行った姿は、胸が打たれました。弾幕もなにもない座席に向かって頭を下げる。彼らにはそこにサポーターの姿が見えたのでしょう。

熊本のサッカーは昨季と全くと言っていいほど変わりました。DFラインでボールを回して敵を誘い込むという時間は全くなかった。かと言って、以前の大木サッカーのような、ボールサイドに密集させるようなスタイルでもない。

どちらかというと、厳しいチェックからボールを奪い、縦に早く攻める小野監督のサッカーに近いものを感じます。岡田監督の日本代表時代に、共にスタッフとして支えた。そんなことも関係しているのでしょうか。

さて、次節はそんな岡田さんが作り上げたFC今治との初対戦。侮れないという前評判。「せっかく勝ちましたので、2試合目も勝ちたいと思います」(熊本蹴球通信)。大木監督は、この人らしいコメント(笑)。熊本は連勝を掛けて、アウェー戦に臨みます。

サッカーのある生活が戻ってきました。

15日、リーグから試合日程と対戦カードが発表されました。27日の開幕戦は、噂通りの鹿児島。当初は近場同士の対戦を組むという方針でしたから予想はされました。隣県チームとの九州ダービーになります。

ホームゲームですが、無観客試合です。いや、ペナルティ感のある「無観客試合」とは呼ばず、「リモートマッチ」と言うそうです。考えたなぁ・・・。

そして画面越しに応援するわれわれは、サポーターあらず「リモーター」。

無観客でもいいから早く試合が見たい。そう思っていたわれわれですが、ひとつだけ危惧がありました。それは、応援のチャントや声援、好プレーのたびごとの拍手などが、選手たちの後押しをすると信じるうえからすると、それらがないなかでの選手たちのモチベーションはいかがだろうかと。

その点、各クラブも知恵を絞っているようですが、わがクラブが出したアイデアは、「選手へ声を、魂を届けよう!『HIKARIプロジェクト』」。

試合前にゴール裏に集合した選手たちに贈られる「HIKARI」の合唱。このセレモニーの写真や動画をハッシュタグ『#ロアッソヒカリリモート』をつけて、Twitterに投稿してもらおうというもの。試合前日の26日正午まで募集して、集まった投稿を見せ、選手たちを鼓舞するという取り組みですね。われわれも試合前にハッシュタグをクリックして、開幕戦の高揚感を得たいと思います。

また、待ち望んだこの開幕戦は、「Hirata Presentsリモートマッチ」と銘打たれました。こんな状況の時こそ、スポンサー・ファン・クラブ・が三位一体となり、試合を盛り上げ、選手を鼓舞したいという、メインスポンサー平田機工の思いが込められているそうです。

さあ、いよいよ今週の土曜日、決戦はスタート。多くの“熊本リモーター”が、DAZNを起動し、同時に試合中はtwitterに“声援”を書き込みながら、感動を共有することでしょう。ワクワクが止まりません。

Jリーグは5月29日、臨時実行委員会を開き、延期していたJ3リーグ開幕を6月27日にすると決定しました。中断していたJ1は7月4日から、J2も6月27日から再開。しばらくは無観客で実施し、7月10日以降に状況を見極めて段階的に観客を入れるとしています。

これに先立つ5月25日、政府が緊急事態宣言を全面解除し、プロ野球は6月19日の開幕を決定していましたが、ようやくサッカー界にもトンネルの出口が見えてきました。

およそ4か月遅れの開幕。待ちましたねぇ。そして皆がよく我慢しました。

当面は移動距離を小さくするために、近隣のクラブ同士で対戦。日程や対戦カードは6月15日に発表されるそうです。
スケジュールを消化するためには週2試合の過密日程が避けられないでしょう。リーグはそれに対応するために、選手交代枠の拡大も検討中とか。なるほど。

それに対してロアッソは、「今季、経費節減のためアウェー戦の帯同人数を減らすことも考えていたが、織田GMは『(2位以内に入り)J2昇格を達成することが最優先。帯同メンバーを増やすことになるだろう』と見直す考え」(5月30日付・熊日)だそうです。

延期で幸いだったこともなくはありません。キャンプ中に故障した選手が、治して戻ってこれたこと。新監督の新たな戦術を、より全員に、より浸透させる時間ができたこと。等々・・・。

ちょっと驚いたのは、Jリーグ全選手に対して2週間に1度のペースでPCR検査を実施していく。その体制の見通しが立っているという発表です。“出口戦略”のなかで、しっかりとリーグとしての“警戒”も、プロスポーツとして一般社会よりさらに高いレベルで敷いている。そういうことに、しっかりコストを掛ける。村井満チェアマンの気の配り様だと思いました。

この未曾有の厄災のなかで、村井チェアマンの対応の素早さ、賢明さを、われわれは高く評価しています。わがリーグのリーダーが、この人で良かったと。

そしてチェアマンといえば、このコロナ禍でまだ出口が見えていない5月15日、Jリーグ発足27周年にあたり語った言葉が胸に刺さりました。

「手を使わずにプレーするサッカーはミスがつきもの。味方のゴールに蹴り込んでしまうことさえある。誰も望まず、予想もしない困難に直面しても、選手は折れた心を立て直してプレーする。コロナ禍に見舞われた現在の状況と同じだ」(5月15日付・熊日)。

「試合が遠ざかり、もうスタジアムに戻らない方もいるのでは、という強烈な恐怖心がある。サッカーより生活を優先しなければならない方もいるだろう。そんな状況で足を運んでくれる一人一人を、Jリーグは忘れない。恩返しのために全力のプレーを約束する。これは再開前に全選手に伝えたい。その日まで、私は全力を尽くす」(同)。

開幕日は決まったものの、予断は許しません。現に北海道を始め、北九州など第2派と思われる感染者数の動きがある。

このまま予定通り開幕を迎え、そして無観客ではあるけれども、DAZNで、しっかりとわがチームの躍動する姿が見たい。サッカーが見たい。

心配しながら。それでもワクワク。待ち遠しい時間です。