6月8日(日) 2008 J2リーグ戦 第18節
熊本 1 - 2 福岡 (13:04/水前寺/4,886人)
得点者:9' 中山悟志(熊本)、29' 中村北斗(福岡)、41' タレイ(福岡)


熊本サッカーの聖地・水前寺でJリーグ公式戦が開かれるのは、いつ以来になるのでしょう。”熊本”のホーム試合としては、まぎれもなく始めて。しかも、福岡を迎えての九州ダービーとなりました。KKが単に取れなかったとはいえ、なんだかここにも”因縁”を感じてしまいます。アビスパ・サポはおよそ1000人か。ゴール裏からはみ出し、メインのアウェー側も占拠されました。

メインスタンドの喫煙所からふと見ると、競輪場の建物の階下に、アップする福岡の選手たちが見えました。その雰囲気は、いい意味での緊張感に溢れ、寡黙で、そしてこの試合に懸けるものを充分感じさせました。

第1クールでの対戦は高橋のハットもあり4-2で熊本が勝利。その試合から福岡には監督解任騒ぎが起こりましたが、その後持ち直し、現在2連勝中。3バックをマンマークにして、スイーパーに布部を置くという変則的な布陣で、守備を立て直しているという前情報でした。

福岡 (先発フォーメーション)
 19大久保 
17中島14中村
7久藤16久永
 8タレイ 
3山形13柳楽
5長野6布部
 1神山 
試合開始。確かに福岡の3バックのマンマークは噂どおりでした。しかし、これに対して熊本は、FWの高橋、中山が縦の関係で入れ違い、時に2列目よりも下がることによって、マークを外します。更には最終ラインとボランチとの空いたスペースを有効に使うことによって、流動的に押し込んでいきます。それによって得たCK。これを中山がきっちり決めて、熊本が早々と先制しました。

面白かったのは福岡のCK時の守り。3バックこそマンマークですが、このCKのときは全員がゴール前に壁を作るように乱立して、何とも言い難いような“ゾーンディフェンス”。人には付かないのです。こんな光景は始めて見ました。
1本目は、これでうまく中山がフリーになったのですが、その後のCKも、もう少しこの守備の弱点を攻めるキックを考えればよかったのにとも思います。

その後も、ポゼッションは熊本だったといえましょう。失点は29分、中村のヘッドでしたが、そのクロスを上げた久永の個人技がみごとでした。しかし、“流れ”や”文脈”を遡ればその前に、危険なスペースで山口が犯した不用意なファールに問題がありますし、さらにその前の中盤での緩慢なプレスに問題がありました。

41分のPKもしかり。小林は確かにボールにいっていたんですが、回転したときに足があがっていたのが審判には悪印象だったのでしょう。しかしここでも問題は、その前にやはり久永にエリアへの侵入のスキを与えたところにある・・・。

今日の審判には確かに不満がなかったとは言えません。個々のプレーへの判定が曖昧であり、均一でなかったし、なによりFKからの壁の位置が非常にアバウトだったのには苦笑しました。しかし、とりあえずどちらかのチームに偏っていたわけではなかったので、我慢するしかないのでしょうが。昇格してから印象に残ることのひとつに“Jの笛”の安定感や威厳、リズムを感じていただけに、今日ははっきりとその技量に見劣りがしました。

1点ビハインドの後半、熊本にも得点の匂いはありました。しかし、攻守の切り替えが早くなっていく流れのなかで、自らのミス、それもフィニッシュではなく、それに至るまでの段階での細かいもの。“ミスを恐れるな”とは言いますが、それは“リスクを犯しても”と同時に使われる言葉。リスクのないところで犯すミスは“自滅”と同義語になってしまう。それで熊本は自らチャンスを棒に振り、さらに体力を無駄に消耗していったように感じます。
相手にとってカウンターが“怖くない”どころか、“前に運べない”。これはもちろんシステム的な失陥(それは選手の判断力、体力も含めて)があったのでしょうが、それについては他の多くの人たちの分析に任せます。

ただ言えることは、今日の福岡、決して恐れるような強さはなかった。十分に勝てた相手だった、勝てた試合だったと・・・。
九州ダービーだからこそ、そしてホームだからこその”力”を示すべきだった。それは、選手だけでなく、4800人の観戦者のうち1000人ものアウェーサポに占拠されたわれわれファンにも言えることではないかと。雨が予想されようが、福岡は4台のバス、プラスJRや自家用車で多くのファンがこの試合に駆けつけた。この試合で3連勝するために。いや3連勝させるために・・・。

試合後、鳴りやむことのない福岡のサポーターの”コール”。その前を横切り家路に向かうことの”屈辱”。われわれは、ホームで敗戦するというこの屈辱をもっと心に刻まなければならないと思いました。5月6日のあの日、向こうがそうだったように。

敗戦という結果だけを嘆いたり、チームを責めたり、戦力のないものねだりをしたり、他チームを羨んだり、そんなことを言っているのではありませんが、悔しい思いや屈辱感を、もっともっと胸に抱いて、エネルギーに換えて、われわれファンも闘う姿勢でなければと。
それがホームチームを応援する”姿”だと、数々の難局を乗り越えてきて、今もまさしくその真っ只中にあるだろう先輩・福岡に教えられたような気がします。
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