6月25日(水) 2008 J2リーグ戦 第22節
仙台 0 - 0 熊本 (19:04/ユアスタ/10,317人)


日本のリーグ戦は、あまりホームアドバンテージを感じさせないリーグといわれます。J1でもしかり。統計的にも目に見えてそんなにホームチームの勝率が優位とはなっていないのではないでしょうか。そんななかでJ2であっても、ホームにキャパ一杯のファンを詰めかけさせるチームがあります。
それが仙台。

ホーム“ユアテックスタジアム”の立地もさることながら、悲願のJ1復帰を想いスタジアムに通い詰める本当に熱心なファンが多い。彼の地では、楽天イーグルスにも劣らない人気なのではないでしょうか。是非、一度は訪れてみたいアウェーなのですが、今回はスカパー観戦になりました。

試合前には、先日の仙台・岩手地震の被災者に黙祷。選手も喪章を腕にはめています。360度、ほぼ仙台サポーターで埋め尽くされています。熊本のサポーターはアルデラス・メトロ中心なのでしょうか、10数人の姿が見えます。
テレビの音声ではそこまで感じませんが、恐らく現地では怒濤のように押し寄せるホームサポーターのチャントで、スタジアム全体が揺れていたのではないでしょうか。

いわゆる完全アウェー。

仙台 (先発フォーメーション)
14平瀬 13中島
11関口10リャン
7千葉8永井
26田ノ上23田村
32岡山5一柳
 16林 
前回対戦では主力を休ませ、不覚にも引き分けに終わった仙台。あれが「足踏みの始まり」だったとの後悔があるのか、今回は“ここ8試合勝ちのない”“最下位”熊本相手にホームできっちり勝ち点3をいただいてケリをつけようかと前がかり意識満々の様子。立ち上がりから圧倒的にポゼッションを確保します。

一方、熊本はボールを奪っても、前になかなか運べない(運ばない?)。最終ラインで回して、前線へのロングボール頼み。無理して組み立てて、中盤高い位置で奪われることが怖いのか。恐れているようにも見えましたが、これが前半のゲームプランだったのでしょう。

ところが途中、攻守の切り替えが俄然早くなった流れのなかで、熊本にもチャンスが生まれてきます。仙台を大いに慌てさせたCKからの連続シュート。前半のスコアレスを十分に意識しながらも、機を見て勝ちにいく気持ちもしっかりと見せてくれました。

市村、矢野の両サイドバックの攻撃参加と守備に戻る運動量。スペースに入る、あるいは埋める両SHとの連携も出来てきました。ときおりサイドに一人入り込まれ決定的なピンチを招く、そんな失点シーンを多く見てきましたが、例えば前半、右の田村が入り込んだ決定的シーンに詰めきった矢野、あるいはその他の決定的な場面もGK小林がきっちり守りきりました。

その後も熊本はしのぐ、散らす、タイミングを外す。そして決してバランスを崩さない。決め切れない仙台は次第に焦れて、ミスも目立つようになります。

いくつかのラッキーと、同じくらいのアンラッキーが重なり合う展開。

途中交代の木島が、いつものように“2つ”の決定的なチャンスを作るも決めきれず。惜しかった。でも実に面白かった。

試合終了後は1万人のホームサポーターから仙台イレブンにブーイング。ちょうど2年前の天皇杯のときのように。逆に熊本イレブンには自分たちへの賛辞のように聴こえたことでしょう。

確かに勝ちきれなかったことは事実です。しかし、中二日のスケジュールで一番遠いアウェーへの移動、四面楚歌の敵地、足もすくむような大観衆の怒号、置かれている順位状況。そんなくじけそうになる条件のなかで、わずかなホームチームの“メンタル”の機微をうかがい、その裏側を微妙に突いたような試合運び。しのぐ時間帯を自らつくることで、逆に自分たちの時間帯を手繰り寄せることができた。ゲームプランと同時に、試合の流れに対する“読み”をチーム全員が共有し、それを実行できたというべきか・・・。

また“経験値”が上がった。このアウェーでのドローは、さらにそれを大きく上乗せしたと思うのです。昇格候補・仙台に対し2連続でのドロー。これでちょっと仙台からは“嫌な相手”と一目置かれるようになるかな。そんな期待も持たせる内容のある一戦でした。
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