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2008.06.29
歓喜の逆転劇。C大阪戦
6月28日(土) 2008 J2リーグ戦 第23節
熊本 3 - 2 C大阪 (16:03/熊本/3,074人)
得点者:20' 小松塁(C大阪)、22' 木島良輔(熊本)、77' 森島康仁(C大阪)、80' 木島良輔(熊本)、89' 山内祐一(熊本)
前節のエントリーで、「木島は入ったら2度チャンスを作る」と書いたら、“験”が良かったのかきっちり2点取ってくれました。中山が前節痛めたらしくてFWで先発。高橋との帝京2トップが実現しました。
朝から激しく降った雨が試合開始と同時に上がったものの、90%以上の湿度、厳しい蒸し暑さ。おまけに乾ききらないスリッピーなピッチは選手達に相当の疲労をもたらしたと思います。
C大阪は古橋、ジェルマーノなど主力を怪我で欠くなど、かなり苦しい布陣だったとか。それでも若き日本代表・香川や、柿谷、小松など錚々たるメンバー。前節まで3位という好位置につけ昇格を狙っています。
対戦前、池谷監督は「相手はショートパスで繋ぐチーム。粘れれば勝機がある」と相性の良さを予言していました。
お互いがポゼッションを奪い合うような展開。ミスもありますが、ここのところ目指している“連動性”がかい間見えます。
失点場面は、DF陣が揃っていたものの、小松塁の個人技に上村があっさりかわされた。致し方ないといえば致し方ない感じ。しかしロアッソ・イレブン、全く下を向きませんでしたね。
FKからの敵DFのクリアを山口が拾って、ゴール前で矢野が繋いで、その先に居たのは木島。胸でワントラップから流し込んで、わずか2分で同点に追いついた。
スコアが示すとおり全く互角の内容だった前半でした。
ハーフタイムで池谷監督は「苦しいときはスペースを埋めろ。慌てて何かしようと思うな」と指示。一方のクルピ監督は「マイボールになったら押し上げろ。ボランチは前に勝負しろ」と。
後半、その両指揮官の指示どおりの展開になりました。
熊本は無理して押し上げない。一見、疲れで足が止まったかのようにも映ったでしょう。逆に大阪はチャンスと見るやリスクを懸けて攻め込みます。
2点目は、香川がペナルティエリアまで突っかけ、ラインギリギリからの折り返しに、後半途中から入った森島康仁がダイレクトで押し込んだもの。香川のテクニック、森島の決定力が光りましたが、このときの大阪はリスクを承知でDFだけ残し、中盤以上全員がエリア直前まで駆け上がり、一気に押し上げていた。
歓喜する大阪サポーター。しかしそれを沈黙させたのはまたしても木島。鋭いドリブルでペナルティエリアに侵入すると、思わず大阪DF山下が倒してしまいます。
怒濤のような歓声が、今度はホーム側から沸き上がりました。
なんとなくPKキッカーはチームのエース高橋が務めるものという先入観があったのですが、ペナルティ・マークにボールを運んでいるのは木島自身。やっぱりここは帝京の先輩としての意地がまさったのでしょう。ちょっとドキドキしましたが、これをきっちり決めて再び同点。
木島って、相手にとっては本当に嫌な選手だろうと思います。
バイタルエリアでの重心の低い突進力。玉際に強い、というより粘っこいと表現したほうがいいようなプレースタイル。怪我でここ2年ばかりサッカー生活を棒に振っていたところに、縁あって熊本の一員となった。1点目取ったあと、ベンチに駆け寄り池谷監督に深々とお辞儀をしたその姿。その胸中を思うと、この選手が来てくれてよかった、チームの一員でよかったと思わずにはいられない。
そう。体をこじ入れてボールを争う。簡単には倒れない。ラインギリギリまでボールを追うことを諦めない。木島のそんな気持ちのこもったプレーのイメージが、前節あたりから、何となくチーム全員に乗り移ったような気がしています。
GK小林も前節に続きスーパーセーブを連発します。しかしそれも、小林ひとりが“当たっていた”と言うより、チーム全員がボールに集中していたから、落ち着いていたから守り抜けたと言えるのではないかと。失点しても“恐れる”ことはなくなった。バタバタしなくなった。時間や流れや、自分たちをコントロールできるようになった…。
そして本当のドラマはロスタイム直前にやってきました。90分近く走り抜いた木島を下げて山内投入。このまま同点で終わるかと思われた時間帯。中盤からのカウンター、高橋がワンタッチでDF裏に。スペースに走り込んだ山内は長い距離をドリブルで持ち込みGKと1対1に。待ちかまえるGK相澤。カバーに走るDF。まるでスーパースローを見ているように長い長い時間に感じられました。山内が慎重に振り抜いた一瞬、ボールは相澤の手をかすめ、ゴールの右隅に突き刺さった。
大阪サポーターを奈落の底に落とし込んだ瞬間。対して狂喜乱舞の熊本側スタンド。ちぎれるように振り回される赤い旗やマフラー。突き上げられる拳。スタンディング・オベーション。喝采。
ファンの視線の先には、若き殊勲者を祝福するチームメイトの姿が。それは乱暴なくらい歓びに満ちあふれていて…。
「ロアッソ、調子悪いね。」と周りから言われても、「なぁに、ときどき勝つからよけい嬉しいんですよ。」とうそぶいていました。それにしても、待ち望んだこの勝利は格別に嬉しい。実に10試合ぶりの勝ち点3。
“ハードワーク”
試合後のインタビューでは熊本側も大阪側も、この言葉をキーワードとして何人もが口にしていましたね。岐阜戦の無失点引き分け以来、少しづつ薄明かりが見えてきていると思っていましたが、それは少し確信めいたものになっています。強くなったなあ、ひとつレベルアップしたなあと。しかし忘れてはならないのは、それを支えているのが90分間の“ハードワーク”であること。言うのは簡単ですが・・・。
試合終了の笛と同時に選手がへたり込む、膝を折る。そんなハードワークを続けなければ戦っていけないチームだからこそ、われわれファンもスタジアムで90分間、チームと一体化して闘う甲斐がある。愛すべきチームだな。そんなふうにも感じています。
さて、伏兵FWが二人も結果を出して、中山もうかうかしていられない。この試合はアシスト役にまわった高橋も、そろそろゴールが欲しいところ。選手層の厚みが、ファンの楽しみを増してきたといった感じですね。
次節は首位を独走する広島。高橋、上村の古巣。一泡ふかせてやりたい。ちょっとばかりそんな“欲”をかいてみたい気持ちも出てきましたね。
熊本 3 - 2 C大阪 (16:03/熊本/3,074人)
得点者:20' 小松塁(C大阪)、22' 木島良輔(熊本)、77' 森島康仁(C大阪)、80' 木島良輔(熊本)、89' 山内祐一(熊本)
前節のエントリーで、「木島は入ったら2度チャンスを作る」と書いたら、“験”が良かったのかきっちり2点取ってくれました。中山が前節痛めたらしくてFWで先発。高橋との帝京2トップが実現しました。
朝から激しく降った雨が試合開始と同時に上がったものの、90%以上の湿度、厳しい蒸し暑さ。おまけに乾ききらないスリッピーなピッチは選手達に相当の疲労をもたらしたと思います。
C大阪は古橋、ジェルマーノなど主力を怪我で欠くなど、かなり苦しい布陣だったとか。それでも若き日本代表・香川や、柿谷、小松など錚々たるメンバー。前節まで3位という好位置につけ昇格を狙っています。
セレッソ大阪 (先発フォーメーション)
| 15小松 | 11柿谷 | ||
| 26香川 | 17酒本 | ||
| 28青山 | 7アレー | ||
| 16尾亦 | 13柳沢 | ||
| 2羽田 | 23山下 | ||
| 1相澤 | |||
お互いがポゼッションを奪い合うような展開。ミスもありますが、ここのところ目指している“連動性”がかい間見えます。
失点場面は、DF陣が揃っていたものの、小松塁の個人技に上村があっさりかわされた。致し方ないといえば致し方ない感じ。しかしロアッソ・イレブン、全く下を向きませんでしたね。
FKからの敵DFのクリアを山口が拾って、ゴール前で矢野が繋いで、その先に居たのは木島。胸でワントラップから流し込んで、わずか2分で同点に追いついた。
スコアが示すとおり全く互角の内容だった前半でした。
ハーフタイムで池谷監督は「苦しいときはスペースを埋めろ。慌てて何かしようと思うな」と指示。一方のクルピ監督は「マイボールになったら押し上げろ。ボランチは前に勝負しろ」と。
後半、その両指揮官の指示どおりの展開になりました。
熊本は無理して押し上げない。一見、疲れで足が止まったかのようにも映ったでしょう。逆に大阪はチャンスと見るやリスクを懸けて攻め込みます。
2点目は、香川がペナルティエリアまで突っかけ、ラインギリギリからの折り返しに、後半途中から入った森島康仁がダイレクトで押し込んだもの。香川のテクニック、森島の決定力が光りましたが、このときの大阪はリスクを承知でDFだけ残し、中盤以上全員がエリア直前まで駆け上がり、一気に押し上げていた。
歓喜する大阪サポーター。しかしそれを沈黙させたのはまたしても木島。鋭いドリブルでペナルティエリアに侵入すると、思わず大阪DF山下が倒してしまいます。
怒濤のような歓声が、今度はホーム側から沸き上がりました。
なんとなくPKキッカーはチームのエース高橋が務めるものという先入観があったのですが、ペナルティ・マークにボールを運んでいるのは木島自身。やっぱりここは帝京の先輩としての意地がまさったのでしょう。ちょっとドキドキしましたが、これをきっちり決めて再び同点。
木島って、相手にとっては本当に嫌な選手だろうと思います。
バイタルエリアでの重心の低い突進力。玉際に強い、というより粘っこいと表現したほうがいいようなプレースタイル。怪我でここ2年ばかりサッカー生活を棒に振っていたところに、縁あって熊本の一員となった。1点目取ったあと、ベンチに駆け寄り池谷監督に深々とお辞儀をしたその姿。その胸中を思うと、この選手が来てくれてよかった、チームの一員でよかったと思わずにはいられない。
そう。体をこじ入れてボールを争う。簡単には倒れない。ラインギリギリまでボールを追うことを諦めない。木島のそんな気持ちのこもったプレーのイメージが、前節あたりから、何となくチーム全員に乗り移ったような気がしています。
GK小林も前節に続きスーパーセーブを連発します。しかしそれも、小林ひとりが“当たっていた”と言うより、チーム全員がボールに集中していたから、落ち着いていたから守り抜けたと言えるのではないかと。失点しても“恐れる”ことはなくなった。バタバタしなくなった。時間や流れや、自分たちをコントロールできるようになった…。
そして本当のドラマはロスタイム直前にやってきました。90分近く走り抜いた木島を下げて山内投入。このまま同点で終わるかと思われた時間帯。中盤からのカウンター、高橋がワンタッチでDF裏に。スペースに走り込んだ山内は長い距離をドリブルで持ち込みGKと1対1に。待ちかまえるGK相澤。カバーに走るDF。まるでスーパースローを見ているように長い長い時間に感じられました。山内が慎重に振り抜いた一瞬、ボールは相澤の手をかすめ、ゴールの右隅に突き刺さった。
大阪サポーターを奈落の底に落とし込んだ瞬間。対して狂喜乱舞の熊本側スタンド。ちぎれるように振り回される赤い旗やマフラー。突き上げられる拳。スタンディング・オベーション。喝采。
ファンの視線の先には、若き殊勲者を祝福するチームメイトの姿が。それは乱暴なくらい歓びに満ちあふれていて…。
「ロアッソ、調子悪いね。」と周りから言われても、「なぁに、ときどき勝つからよけい嬉しいんですよ。」とうそぶいていました。それにしても、待ち望んだこの勝利は格別に嬉しい。実に10試合ぶりの勝ち点3。
“ハードワーク”
試合後のインタビューでは熊本側も大阪側も、この言葉をキーワードとして何人もが口にしていましたね。岐阜戦の無失点引き分け以来、少しづつ薄明かりが見えてきていると思っていましたが、それは少し確信めいたものになっています。強くなったなあ、ひとつレベルアップしたなあと。しかし忘れてはならないのは、それを支えているのが90分間の“ハードワーク”であること。言うのは簡単ですが・・・。
試合終了の笛と同時に選手がへたり込む、膝を折る。そんなハードワークを続けなければ戦っていけないチームだからこそ、われわれファンもスタジアムで90分間、チームと一体化して闘う甲斐がある。愛すべきチームだな。そんなふうにも感じています。
さて、伏兵FWが二人も結果を出して、中山もうかうかしていられない。この試合はアシスト役にまわった高橋も、そろそろゴールが欲しいところ。選手層の厚みが、ファンの楽しみを増してきたといった感じですね。
次節は首位を独走する広島。高橋、上村の古巣。一泡ふかせてやりたい。ちょっとばかりそんな“欲”をかいてみたい気持ちも出てきましたね。
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