7月19日(土) 2008 J2リーグ戦 第27節
熊本 1- 0 愛媛 (18:03/熊本/3,260人)
得点者:52'市村 篤司(熊本)


朝から一雨降ったものの、終日の真夏日。試合開始の18:00でも生暖かい風が吹くぐらいで、西日を真正面から受けるバックスタンドは座っているだけで汗がポタポタ。気温30.6℃、湿度72%という数字以上に選手にとっては厳しいコンディションではなかったかと思います。

ここ2試合続いていた嫌な流れ。フィジカル面、メンタル面でのコンディションを心配させる内容でした。そして1週間の間隔が空いて迎えた今日のホームゲーム。やや傾きかけたチーム状態をどう立て直してくるのか、われわれの関心はそこにありました。

愛媛 (先発フォーメーション)
11田中 20大木
18江後22横谷
17キムテヨン16赤井
14三上28高杉
4南3金守
 21多田 
まず、戦略的には当然と言えば当然ですが、この局面を打開するため、スタメンに山内、太、宮崎、ベンチにも熊谷を入れるなどフレッシュなメンバーを投入。またシステムも池谷監督によれば草津戦に試して以来の4-1-4-1に。(後半はダブルボランチに変更したということですから4-2-3-1になったのか。ウーム)
というかこのシステム、とりあえず4-3-3ということであり、中盤の宮崎、山本、吉井の位置関係、また山内、小森田の位置関係が非常に流動的で、いろんな見え方がして、観ているも側も惑わされる、そんなシフトでしたね。山内は高橋に対してシャドー的でしたが、小森田は始終中に絞って…。この3人の攻撃的流動性が、この試合の見どころと言ってもよかったでしょう。

まず左サイドに張った山内。試合開始早々から持てば切れ込んでシュート。相手DFに対して意欲的なスピード勝負を挑んでいきます。沈滞したムードを打ち破るべく投入された自分の役割を意識しているのか、行けるところまで行くというような半端でない運動量で守備にも献身しスタンドを大いに沸かせます。
小森田は今回も“フリーマン”の役割を担っていました。中に絞ることにより、3列目、4列目にスペースを生み出しましたが、逆に守備の場面でファーストディフェンダーになれないので、前半右サイドを江後にいいようにやられました。

最終ラインはズルズル下がることなく、コンパクトな陣形を維持するという気持ちの強さは感じられるところでした。その分、スコーンと裏を取られることも二度、三度ありましたが、初先発・太の好判断で決定的なピンチも凌ぐことができました。今日の太、思い切りのいい飛び出しと安定したセーブで出色でした。特にその飛び出しは、高いラインとGKの役割、ポジショニングそしてGKのスピードや守備範囲といったことを改めて考えさせてくれる動きでもありましたね。

さて、ハーフタイム。何やらメインスタンド前に赤いユニフォームの集団が・・・。
ロアッソ熊本ジュニアユース(U-15)が第23回日本クラブユース選手権(U-15)大会出場に出場するということで壮行セレモニーが行われました。また、あわせてジュニアユースの幸福正伸くんが、2008JリーグU-15選抜ブラジルキャンプメンバーに選出されたことも紹介されました。鈴木勝大監督と選手が決意表明。そして全員がゴール裏、バックスタンドまで回って挨拶。
われわれ、歳をとるとちょっとしたことにも感激しやすくなるんですが、いやあ思わず目頭が熱くなって…。われわれの”チーム”が少しづつだけど広がり、厚みを増し、そして成長しているんだなと。われわれファンにとってこんなうれしいご褒美もあるんだなと。スタンドも彼らから元気をもらい、選手たちも後半へ向けて勢いづいたのではないかと…。
「トップチームも、うかうかしてられない。」と…。

後半は中盤5枚の関係がワントップシステムにより順応(修正)した結果、いきなりゲームが動き出しましたね。
「後半はダブルボランチに修正して良くなった」(池谷監督)とサラリと言ってしまえばそうかもしれませんが、山本と吉井がよりタテの位置関係をつくることで、山本が前目で猛然とボールのない動きで前線を活性化させ、吉井や小森田のためのスペースを作り出しました。とにかくそれによって追い越しや回り込みといった相手DFのマークを外す動きに繋がって行くというセオリーどおりの形になった。
吉井が奪って高橋、小森田に繋いで最後は右サイドを上がってきた市村に。市村のシュートの際には、他にもPA内に6~7人の選手が詰めていて、仮に市村のシュートをGKが弾いたところで、セカンドを拾い決めていたに違いない。
すばやい攻守の切り替え。ここが“決めどころ”といった勢いのある攻撃でした。

市村の今季初得点。自身4年ぶりとなるJゴール。
「札幌をクビになって熊本に来た。もう一度Jリーグで得点できるなんて、当時は想像できなかった。」(20日付:熊日)
2005年の“ロッソ”九州リーグ開幕戦。ロッカールームもない宮崎県運動公園で、試合後、水道で身体を洗う選手達。そのなかに市村の姿もありました。
あれから4年。いまや無くてはならない“熊本”の右サイドバック。
「熊本でJ1に行きたい。」
木曜日の熊日「市村特集」での彼の言葉は、我々の決意と同じものでした。
「市村と一緒にJ1に行きたい。」

試合終了の笛と同時に愛媛の選手も熊本側も、一瞬、膝を折るような、「終わった…」という仕草。いっぱいいっぱいのハードな90分。ラッキーもアンラッキーもお互いに同じように訪れたこのゲーム。流れを変えようというゲームプランとハーフタイムの修正。そしてホームの声援。ほんの少しですがわがホームチームに分があった。

また、これまで先発から遠かったメンバーが示したパフォーマンスがチームの建て直しに大きな役割を果たしたことも見逃せないと思います。全員で闘うというチームとしての一体感とともに。
そしてますます激しくなるであろうチーム内の競争と、初の完封勝利、しかも1―0というまた貴重な経験を手にしました。

この日の勝利で、徳島を抜いて最下位脱出。もちろんまだまだ戦いは続きますが、早く最下位のポジションから離れて、ひとつでも上を狙うきっかけをつかみたいですね。
TrackBackURL
→http://sckumamoto.blog79.fc2.com/tb.php/123-e1dd9689