熊本がJリーグに上がるまでは、一番好きな大会が天皇杯でした。日本のあらゆるカテゴリーのチームが、トーナメント一発勝負で雌雄を決し、元旦の決勝戦を目指すこの大会。草サッカーチームですら、理論的には元旦の決勝に直結しているという裾野の広さ。高校生がJリーグチームを倒すなんてジャイアントキリングも楽しみのひとつではありますが、各県代表おらが町のホームチームを応援できる大規模な全国大会でもあります。
過去にはブレイズから始まり、アルエット、そしてロッソと、わがホームチームがJチームに挑んできました。それはまるで熊本のJ加盟までの挑戦の歴史のようでもあり。
そして、いよいよ今年はわれわれが挑戦を受ける立場になりました。

先日、第88回の大会概要が発表されました。ロアッソの緒戦は10月12日。相手はJFL前期1位でシード権を得た栃木SCとのこと。昨年までJ昇格を競い合っていたチーム。そして来年は間違いなく同じカテゴリーで戦うことになるであろう、あの栃木との対戦。栃木サポからは“足利の屈辱”などと語り継がれているJFLでの対戦など因縁には事欠かない間柄です。

昨年の失速経験を糧に、今年は大幅な選手補強を敢行した栃木。あのHondaを抑えて、現在堂々リーグ首位を走る栃木。おそらく今回の対戦では、J2で下位に沈む熊本相手に、自分たちの実力がどの程度のものか、“挑戦”というより“腕試し”のような気持ちかも。ロアッソを打ち破って、昇格のためのリーグ戦終盤を一気に駆け抜ける。そんなモチベーションで来られると非常に嫌な相手です。
栃木の、あの馬車馬のように“走るサッカー”は健在なのでしょうか。熊本スピリッツの落合は出場するのでしょうか。なにより、わが熊本がこの半年J2で戦ってきた経験値の差を示せるのか。先輩としてどれだけ昨年から変化・成長しているかを示せるか。
ファンならずとも非常に興味深い対戦なのですが、残念なことにアウェー開催。ちょっと参戦は難しいかなぁ。NHKさんに期待します。

一方、ロアッソがJ2枠で出場することで注目される熊本県代表枠の方は、8月3日を皮切りにNHK杯としてスタートします。初戦はFCKマリーゴールド対熊本学園大、九州ルーテル学院大学対ルーテル学院高校。その勝者が24日にそれぞれ大津高校、ヴァンクール熊本と戦い、31日の決勝戦で決定する予定です。本戦は9月14日にKKウイングで大分県代表と対戦。こちらもまた楽しみですね。

話は変わりますが、それにしても今年のJFLはすさまじいことになっているようです。
前述したとおり栃木が開幕からスパート。後期4節現在で、これを追撃するのが門番Honda。ここに今期昇格したばかりの岡山がくい込んでいます。
古豪同士の合併劇で「あっ」といわせたカターレ富山は、連携がスムーズにいかなかったのか立ち上がり不振でしたが、ここにきて4位まで順位を上げてきました。これに今年は横河がからむ。
主力の移籍がやはり堪えたのか、あの佐川急便(改めSAGAWA SIGA FC)が11位に低迷しています。
J準加盟チームでは、そのほか初年度の与那城・北九州も健闘し、4位内を伺う状況。しかし、今年こそはと、背水の陣で臨んだ鳥取が厳しい。アルエットと同期JFL昇格組として、長いことなかなかしぶとくこのリーグを戦ってきたチーム。頑張ってほしいと切に願います。

残り13節、まだまだ予断は許しませんが、こうなってくると来年3チーム同時昇格も現実味を帯びてきます。栃木、岡山、富山。一気にJ2が18チームに。これでJリーグの「2010年構想」の枠は満たされてしまいますが、その後、J2は22まで増やすという方針を発表し、追随するJを目指す全国各地のチームにも光を与えました。
それも埋まってしまうと、いよいよ下位カテゴリー(そのときJFLがどうなっているのか?)との入れ替えも構想されているようです。
一度手にしたJリーグの資格を失うということ。それはクラブ経営としてはとんでもない深刻な事態を意味します。その入れ替え戦があるとすれば、たとえば地域リーグ決勝大会の何倍ものプレッシャー(ちょっと想像できない・・・)。降格を恐れるあまり、かつてのような一時的で無謀な選手補強、それによる債務超過などで苦しむクラブが現れてこなければいいが。そう思います。

われわれが幸にして他のチームより少し先にJに上がれたということ。今、チームはそのことで他より少し先に経験値を上げることができている。そして同時にクラブも経営基盤を安定させる時間を少し余計に与えられたと理解すべきでしょう。
勝敗の行方に一喜一憂することもファンの大いなる喜びですが、その喜びを失わないためにわれわれがすべきことも、まだまだ多そうです。

TrackBackURL
→http://sckumamoto.blog79.fc2.com/tb.php/124-d71d424f