10月5日(日) 2008 J2リーグ戦 第39節
熊本 2 - 2 徳島 (13:03/熊本/3,774人)
得点者:15' 高橋泰(熊本)、35' 菅原康太(徳島)、71' 小森田友明(熊本)、81' 菅原康太(徳島)


行事ごとが多いこの季節。われわれも仕事やら何やらでホームスタジアムに行けなかったことを正直に告白します。よってスカパー録画観戦になってしまい、エントリーも遅れました。
この時期、そんな人も多かったのではないでしょうか。前ホーム、動員プロジェクトがあったとはいえ、今節との動員数のあまりな違い。とにかく裾野を広げることしかない。そう言えるでしょう。

最下位に沈む徳島とは1勝1敗の戦歴。しかし、前節愛媛に対して大勝している相手だけに、くれぐれも油断なきようと前々のエントリーで書きました。勢いに乗った徳島が、開始早々から猛烈に攻めてくることが予想されましたが、この日は熊本の入り方の方が数段良かった。徳島得意の両サイドの攻撃を封じ、前に進める熊本。要の中盤は今日もダイヤモンド。しかし、2トップの一角が木島なのが、戦前から“何故”と思わせたのです。ここ数試合、木島は途中交代で入ってこそ、気を吐いていたように思えたので…。

前半15分に熊本先制。山本のロングフォードに左サイド高橋が追いついて、バイタルエリアに持ち込んでシュート。久しぶりのエースの得点。幸先の良さを感じさせました。

その後もポゼッションは熊本にあったのですが、失点はほんの一瞬の油断。左サイドの甘い守備からのクロス。GK吉田のキャッチングミスに、ちょうど徳島FW・菅原のヘッドが合って同点。バレーボールで言うなら、バックトスでクイックを決めるような絶妙の角度。そう言うと、吉田には可愛そう過ぎるかも知れません。
この日、夕方からU-19の日本代表トレーニングに旅立つ予定だった吉田にとって、大いなる宿題が課せられたといっていい失態でした。

前半終了まぎわ、喜名が自ら痛んで小林陽介投入。これはまさしくチームにとってのアクシデントだったと言っていいでしょう。この日もダイヤモンドの底で、攻守の要となっていた喜名。相手との接触でもなんでもなく、自ら何かで痛めた様子。満身創痍の体調を露見させました。

中盤の控えは小森田ひとり。河野は今やサイドバック要員。そこですかさずベンチは、小林陽介を投入します。
全くの結果論だと言えましょうが、ベンチ5人のJ2のレギュレーションで、このとき木島を先発で使っていたのが、逆に幸いだったように感じます。練習のときから2列目をやっている陽介。その献身的な守備姿勢。しかし、敵陣・徳島にはあくまでFWの選手投入という“攻撃的シフト”にしか見えなかったのではないでしょうか。丁度、前節草津戦でのDF福王退場の際に、先発のFW陽介を残した采配のように…。
リーグも終盤にきて、この小林陽介というプレーヤーの存在価値が、大きく示されたように感じました。

後半に入って、五分五分とも言えましたが、“拙攻”という表現もできました。両者が攻撃に転じて犯すミス。
そんななか今度は吉井が痛め、小森田が登場。これが逆に熊本に転機を及ぼします。
71分、波状攻撃のなかから、PA内の高橋に渡ったボール。受ける直前、後ろを一瞬振り向いた高橋は、背後に入ってくるだろう小森田(いや恐らく“誰か”)の“気配”だけを感じ取り、バックに絶妙のテクニックで反らします。これを“感じた”小森田が、ワンタッチでシュート。GK動けず…。

素晴らしい“技術”でした。イメージどおり。そして落ち着いている。やはり、この二人は、“J”の場数を踏んでいるという頼もしさ。

しかし、チームとしての問題はこの後でしたね。前半をおさらいするような同じ30分過ぎの失点。それはまるで、いつもの悪い癖。ファースト・ディフェンダーがはっきりしないうちにだらだらと皆が後ろに下がって、安易にクロスを上げさせる。最後のゴール前で跳ね返すか、敵がミスするかを願っているような、妙に“集中力”の切れた一瞬の時間。
数的にも足りているのに、競り負ける。GKに託してしまう。


ゲームプランどおりに行った面もあれば、アクシデントが襲い、うまくいかなかった面もあるこの日の試合だったと思います。先制しながらも追いつかれたこの試合、4試合負けなしの展開に、その全てを総括して池谷監督は「でも確実に強くなっていると実感している」(J‘sゴール)と表しました。しかし、個々の選手たち、試合後のコメントは皆が一様に自らへの反省、次への課題を表している。監督と選手の間には、僅かながらのギャップがありました。
それは、小森田の「生活がかかっているから必死だった。」(6日付・熊日)という言葉に見るまでもなく、このリーグ終盤にきて、選手ひとり一人が、死に物狂いで生き残りを賭けて戦っている証左なのだと。

そしてひとつ言えることは、このリーグ終盤に至ってのこの状況、まるで昔流行った“金属疲労”という言葉のように、チーム全体を見えない傷が蝕んでいるのではないかということ。
それは「疲労が蓄積している選手がかなりいることが心配。」(同・熊日)という監督の言葉を待つまでもなく、今日の喜名、吉井のように。

この、世界でも類をみない厳しい日程のJ2リーグの序盤、その“1年目の挑戦”に際し、控えを含めたチーム全体のレベルアップ、層の厚みを願い、指摘したわれわれでした。そしてリーグ戦残すところ5試合となった今、見えない“蓄積疲労”という敵と戦っている現在言えることは、やはりチーム全体の力。総力戦なのだということ。
誰かが傷ついたから、最後は力尽きました。ごめんなさい。などとは言えない。それがプロリーグ。
つまり、わがチームがJ2という過酷なリーグで、最終節、最後の最後まで(しかもJレベルという内容で)戦っていけるチームなのかということが問われている。チームの“総力“が問われている。そんな過酷な1年目。そしてその終盤に今まさに差し掛かっているのだということなのでしょう。

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