2008.11.17 JFL佳境。
以前のエントリーで密かに“お知らせ”していたとおり、今月の東京出張のついでに1試合観戦してきました。と言っても結局選んだのは近場の試合。JFLの後期第15節横河武蔵野対岡山というカードです。
今期のJFL。門番Hondaが優勝を決めたものの、2位から4位までは混沌とした戦い。古豪横河が気を吐くのか、あるいは1年目の岡山が来るのか…。そういう興味で訪れた武蔵野。本当は中央線三鷹駅からのほうが近いのに、吉祥寺からぶらぶら散策しながら30分あまり。閑静な住宅街のなかに忽然と現れたのが武蔵野陸上競技場でした。

ファンが貼った「目指せJリーグ。東京第三勢力」という横断幕に、この横河武蔵野というチームの置かれている微妙な状況を垣間見ます。確かに東京を冠するJチームに“おらが街”のアイデンティティは感じにくい。そのなかで横河電機という企業チームから出発してクラブ化したこのチームが今後進歩していく“マーケット”は、確かにあるように感じるのですが…。しかしいかんせん、この日の観客動員数も千人あまり。第一、第二との差は歴然としてあるようです…。

一方、岡山というチームは、これまで熊本とも一度すれ違ったことがあります。大津球技場で行われた、あの地域リーグ決勝大会1次リーグ。あの頃はまだ、体制の整わない新参チームの印象がありました。決勝リーグで訪れた岡山の地でも、ファジアーノの名はまだあまり浸透していませんでした。それがいまや、今期JFLに昇格するや、そのままJ2昇格を伺う位置。岐阜と同じような勢いを感じるチームになりました。
この武蔵野のアウェー戦にも、岡山からか数十人のサポーターが駆けつけていて。そのレプリカユニの色はチームカラーの“ワインレッド”。ちょうど神戸のクリムゾン・レッド、あるいは琉球のべんがら色にも似て。同じ赤ではありますが、ロアッソ・レッドとは微妙に違うカラーです。

横河のスタメンのなかに遠藤の名前を発見。柏ユースからロッソ発足と同時に加入しましたが、公式戦出場は叶わず契約満了。横河に加入。小林陽介からバイト先まで紹介されたという苦労人の姿がピッチにありました。旧サカくまで選手プロフィールのページを作る際、お父様から写真つきの丁寧なメールをいただいたことが思い出されます。あの頃の幼さも残る18歳の少年の笑顔。そして今、ピッチを走る遠藤からは、すっかり逞しさを増した表情が。

遠藤は左サイドハーフに位置。序盤から横河がペースを握ると栃木から移籍した金子、日本体育大から新加入の冨岡という高さと速さのある2トップが岡山ゴールを脅かす。しっかり熟成された組織サッカーを思い出させました。対する岡山。ここにきて昇格のプレッシャーからか動きは硬く、連動性がない。前半終了間際に右から入ったクロスがこぼれたところを押し込んで横河が先制。ファーサイドにいた遠藤の得点でした。

岡山は数人のマネージャーらしきスタッフと手塚監督とでアウェーに乗り込んでいたようです。選手のアップから手塚監督がひとりで仕切っていました。この元日本代表FWの熱血漢が、ハーフタイム、相当の檄を飛ばしたのは想像に難くありません。

後半開始早々、岡山はDF尾崎を下げてMF妹尾をサイドに投入。前半左サイドでひとり奮闘していた関をボランチにスライドさせシステムを変えました。これが功を奏した。
草津の松下にちょっと風貌が似たこのMFが、そのスタミナよろしく攻守で駆けずり回り、中盤を押し上げることに成功します。そしてサイド、サイドと攻撃の意図も統一されてきた。横河がどうしても中を通そうとするパスはカットされ、2トップへはアバウトなロングボールが増える。中盤が間延びしてくるという悪循環。

後半9分に左45度からのFKがそのままゴールし同点にされると、明らかに横河が意気消沈。同15分にはエース喜山が勝ち越し点。25分にはGKのキャッチミスを突いて妹尾が駄目押しの3点目を入れ試合を決めました。

リーグ得点ランキング3位に位置する岡山の喜山。まだ若いのにエースナンバーに恥じない存在感でした。「巧さ」と「位置取り」で勝負するFWなのかなと。そういう意味ではうちの高橋にも似ている感じがします。ヴェルディからのレンタルですが、岡山は“喜山のチーム”。要注意人物なのは確かです。

遠藤は後半途中で退き、前半自らの得点も勝利には結びつかず…。モノクロのこの日のマッチディプログラム。ピックアップ選手のコーナーで、「もう一度プロの世界でチャレンジしたい」とその夢を語っていた遠藤。頑張れ。薄暗くなった武蔵野競技場の森には、いつまでも岡山サポーターの歓喜のチャントが響いていました。

JFLは今節、5位鳥取が佐川印刷に足元をすくわれ勝ち点54どまり。栃木が高崎を下して勝ち点61になったため、残り2試合を待たず4位以内が確定。まずはJ参入の成績条件面をクリアしました。他のJ準加盟チームについては、次節富山が草津。岡山は栃木との結果に持ち越されました。最終節は岡山と富山の直接対決。鳥取も連勝すれば他の結果次第で、まだ4位以内もありうるという状況です。北九州は今期すでに戦線離脱…。

駅前で買ったエルゴラッソ。そのJFL特集のページでは、成績条件面4位以内確保の熾烈な争いのレポートと同時に、その他の参入条件チェックと題して○△×で各チームの評価・分析がなされていました。集客面、財政面で両方○なのは富山のみ。栃木、岡山は財政面で△。鳥取は集客面△、財政面×となっています。

成績面だけでJFLを留年したわれわれにとっては、ちょっと違う雰囲気の今年のJ参入戦線。いずれにしても、まずは成績条件。それをまず栃木がクリアしてきましたが、これから12月上旬のJリーグ理事会での正式発表までは、胃が痛い日々が続くのでしょう。

J‘sゴールのトップページにもJFL順位が表示され始め、われわれとしても目が離せない時期。さて何チームが昇格・参入してくるのか。各チーム、サポーターの思いはいかばかりか。残すはあと2ゲーム。昨年のわれわれにもあった、あの歓喜の季節がやってきました。

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