4月26日(日) 2009 J2リーグ戦 第10節
熊本 0 - 3 仙台 (16:03/熊本/5,223人)
得点者:42' 梁勇基(仙台)、46' 梁勇基(仙台)、86' マルセロソアレス(仙台)


しかし、勝ち誇った敵将は口が滑らかになるもんですね。先日の湘南・反町監督の“うそぶき方”にも苦笑しましたが、今節後の手倉森氏も。熊本のシステムへの対応を問われていわく「昨日、ホテルに入った時に、熊日新聞に、今日のシステムが書いてありました(笑)」(J‘sゴール)って・・・。3トップで来るか2トップかの対策において、多少の比重配分の助けにはなったかも知れませんが、今時、ネットも含めてどこでも見当たる予想フォーメーション。そんなものが実際のスカウティングに上回るはずもないと思います。

ただ今日の熊本。相手のいいところを潰しあうのが“戦い”なのだとしたら、ここ2節、連続ゴールを決めているFW平瀬に矢野が徹底したマンマークで着いたものの、一番の要注意人物に“仕事”をさせてしまいましたね。

仙台 (先発フォーメーション)
13中島 14平瀬
10梁11関口
31斉藤8永井
27朴25菅井
3渡辺6エリゼウ
 16林 
梁勇基。ロペスや萬代を欠いてどうなることやらと思われた昨季の仙台を支え、入れ替え戦まで進めさせた立役者。この男の攻撃センスとキック能力を甘くみていたわけでもないでしょうに・・・。前半スコアレスかと思われた42分。矢野が与えたゴール前20メートル程度からのFK。たった一人でボールの前に立つと、ゴール右隅に撃ち込みました。その少し前、34分のバーを越えたFKが“練習”として活かされたのだとしても、右足と分かっている相手がひとり。左にそうそう決めきれるわけはなく、吉田が一歩も動けないというのはいただけない。“読み”以前に壁の作り方も含めての問題ではないでしょうか。また、後半巻き返すぞ、という立ち上がりの時間帯にも、今度は河端のファウルからほぼ同じ状況で失点。FKを与えたこの直前のプレー。 DFの“気合”はわかりますがが、二つの場面、いずれもチェックが遅れている。梁に許していい距離ではありませんでした。

セットプレーで2点のビハインド。しかし前半はポゼッションを保てていたので、とにかく何度でもチャレンジして、我慢して続けていけば必ず点は取れる。そうファンは信じて応援しました。ある意味開き直ったように・・・。ところが、アタッキングサードでどうしてもブレーキが掛かったように攻撃が止まってしまう。仙台のディフェンシブサードへの素早い戻り。すぐに守備バランスを整えブロックする。さらに“読み”のいいチェック。ここぞというところでは恐ろしく速く、そして強く行く。組織的な守備のお手本を見るようでした。さらに攻撃に転じたらアタッキングサードでのギアチェンジ。3人目、4人目の動き出し、両SBも加えた縦への突破でバイタルエリアを脅かします。見るからにオートマチィズム。無謀に走り回るだけではない、ある意味それは“省エネ”サッカー。先日の湘南を彷彿とさせました。熊本が個々のアイデアが“繋がらず”、「他人(ひと)を活かして自分も活きる」というプレーがないのと全く対照的でした。

刻々と過ぎていく時間。選手交代も、リスクを賭けた前掛かりな攻撃も仙台の堅い守備網をこじ開けることは出来ませんでした。運動量による疲労というより、今日は「めげる」ことでも体力は奪われるということを知りました。終了間際には、ルーズボールを緩慢に追いかけていた原田に追いついた梁が、途中交代のソアレスの駄目押し点をアシスト。終了のホイッスルが吹かれたあとも、遠く足を運んだ仙台サポーターの“梁コール”がいつまでも続きました。

敗戦にもかかわらず北野監督の顔には何故かしら笑みがありました。試合後の会見でも「こういう時もあるかなと思います。」とサバサバとしたコメントを残しています。『選手が何かを学ぶなら、勝ったときより負けたとき、敗北から学ぶことが本当に大きい。ここ何試合かいい試合をしていたが、負けから学ぶことがある。』かつてオシムがそう語ったのと同じ心境だったのかも知れません。

ゲーム自体は見たとおりのものでした。しかし、仙台の堅い守備網のなかでも、短かい時間帯だったけれど、幾度も熊本のペースで決定機を作ることができていた。あとは決めるだけという瞬間もあった。まさに決めればいいし、決まらなければこうなる。前半15分までの熊本のいいリズムが、その後、仙台に押され続け、思うようにならない時間帯でファウルが目立ち、FK2発という飛び道具に沈んでしまいました。客観的に言っても、Jで一試合に、同じ選手が2本もFKを決めることはあまり記憶にありません。

しかし、そうさせたのも自分たち。思うようにならないとき、FKを2本も決められてどうしようもないときでも、自分たちの戦いをしなければ課題も、修正も(そして成長も)ないわけです。大敗、完敗というよりも、試合になる前に自ら試合を壊してしまったような、そんなゲームだったように感じています。「失点しても自分たちのやるべきサッカーを続けなければならない。気持ちを切り替えて東京V戦に向けて最善を尽くしたい」と言う藤田のコメント(27日・熊日朝刊)を聞いて、われわれもすぐにやってくる次の戦いにアタマを切り替えようと思います。もう明日の朝刊には、次節の予想フォーメーションが載る。そんな日程なのですから。

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