5月24日(日) 2009 J2リーグ戦 第17節
岐阜 1 - 0 熊本 (13:04/長良川/2,277人)
得点者:19' 片桐淳至(岐阜)


ホームチームへの“想い”が募れば予知能力さえ身につくようで。実は前夜、岐阜に0-1で負ける夢を見てうなされてしまいました(笑)。ああ、嫌な一週間が始まる。と思って目覚めたら、いや待てよ、今日が日曜日。全く不謹慎な夢を見てしまった自分を恥じて、シャワーで身を清めて、テレビの前に居住まいを正したのでした。

これまでJFL時代を含めて2敗3分という岐阜に対する相性の悪さがどこか意識の奥底にあって、そんな不吉な夢を見てしまったのかも知れません。しかし、今季新加入した熊本の選手たちにはそんな妙な引っかかりがあるわけもなく、ましてや新卒の選手などで大幅に顔ぶれが変わった岐阜にとっては得手不得手より、とにかくホーム戦を連勝するチャンスというモチベーションの高さだけがあったはずです。下位に沈んではいるもののこの岐阜というチーム、勝ちきれていないだけで、今期も攻守に早い、実に小気味のいいカウンターサッカーを貫いていると承知していました。

これまではお互いに退場者が出たり、どこかしら落ち着かない荒れた試合になるという印象が残っています。しかし、今シーズンのこの対戦こそは、新生パスサッカーの熊本の本領を発揮して、圧倒的な強さで第1クールの締めくくりとしたい。そんな気持ちがありました。しかし、結果は90分間を通して互いの現在の低迷を象徴するような「決定力のなさ」が支配した試合内容になりました。

岐阜 (先発フォーメーション)
10片桐 16西川
11高木14嶋田
7菅23橋本
6秋田19冨成
4田中3菊池
 1野田 
最初にチャンスを掴んだのは熊本。5分、ロングパスからDFをかわした木島の決定的なシュートはGK野田に防がれます。逆に直後の岐阜の逆襲。左サイド片桐からファーにクロス。嶋田の折り返しを西川が蹴り込みましたが、なんとか福王、吉田がブロックしました。ナイスクリア。15分にも市村からエリア内の小森田に渡りシュート。これも野田がセーブ。22分には宇留野がドリブルで仕掛けてエリア右に入ってきた藤田へ。得意の角度からのシュートも野田の足が伸びました。JFL時代以来の対戦になる元琉球・野田恭平の守るゴールマウスは堅かった。当たっていた。いや当たらせてしまいました。

結果的に決勝点になったのは19分、熊本のコーナーキックからのトリックプレーを防ぎきった岐阜のカウンター。右サイドを突進してくる秋田。これをエリア内で吉田が倒してPK。きっちり片桐に決められました。かつてはブレイズ熊本にも在籍していたという34歳の苦労人・秋田。それにしても90分を通して驚くべき運動量でした。

同点にして終わりたかった前半でしたが、1点先取した岐阜は無理して攻め込まなくなり、うまく凌ぎ切られた感じがしました。しかしポゼッションは熊本にあり、あとはフィニッシュの問題だけ。後半同点、逆転という展開は十分に望める。ハーフタイム、これで悪夢は晴れる、と思える逆に思ってしまえるような流れでもありました。

しかし、そんな予想とは裏腹に後半押されっぱなしになったのは熊本の方でした。全くいつもの熊本らしさが見られない。ボールを回せない以前に拾えない。DFラインからロングボール頼みの攻撃は、しっかり撥ね返されてしまいます。右サイドバックの市村も攻撃参加するシーンが少なくなる。後半、投入された松岡も、挨拶代わりのミドルシュートはよかったものの、その後は大きな波にのみ込まれるように消えてしまいました。

何故熊本は中盤でパスを回せなくなったのか、何故拾えなくなったのか。前半終了間際に岐阜はボランチの菅を下げて染谷をサイドに投入。菅の位置には高木を置きました。「中盤を戦術的に修正した」と試合後、松永監督が述べていますが、どういうポジショニングで中盤を埋めたのかテレビではよくわかりませんでした。ただただ、現地の蒸し暑さだけが、したたたり落ちる選手たちの汗から伝わってきました。

前節のC大阪戦。0-3と点差的には完敗でしたが、内容は第1クールのベストという評価も多かったのが事実です。しかし今節は、点差こそ1点という惜敗のうちに入りますが、このクールのなかで1、2を争うワーストゲームといえるのではないでしょうか。節目の試合を終えた時点で4勝4分9敗 (得点16 失点24)という結果。それは残念ながら昨季の第1クール終了時(15節)の3勝3分8敗 (得点16 失点27)という成績とそうそう違わないと言わざるを得ません。概観すると、新しいスタイルに衣替えをして発展途上にあること。まだまだこの生みの苦しみは並みたいていではないと思う。そしてさらにもうひとつ、ゴールデンウィークの連戦以降、チーム全体のコンディション・マネジメントに今年も苦しんでいるという感じがしています。

試合後、「これはまだ夢の途中かも知れない」と目をつぶってみましたが、悔しさで眠れるはずもなく、ただの現実逃避に自嘲してしまいました。しかしこの現実と向かい合っていかなければならないわけで・・・。それは昔、Jリーグ創設期、毎節毎節、都合のいいように応援するチームを変えられた頃と違って、決して浮気などできない、愛するホームチームが今まさにぶつかっている試練だから、われわれファンももう逃げる場所などないと、そう思ったのです。

「必ず応援してくれている皆さんと喜び合える日が来ると信じてます!」。試合後に更新された藤田のブログの言葉を、われわれファンも信じています。


TrackBackURL
→http://sckumamoto.blog79.fc2.com/tb.php/191-633dc22d