6月21日(日) 2009 J2リーグ戦 第22節
熊本 2 - 0 栃木 (13:03/水前寺/2,834人)
得点者:49' 西弘則(熊本)、54' 石井俊也(熊本)


10試合も勝利から遠ざかっているわが熊本。今にも雨が降りそうな厚い雲。どんよりとした空。やや風はあるものの湿度も気温も相当に高い水前寺。迎える栃木は、前節2万人を動員したホームで鳥栖に0-5の大敗。チームとしても相当なショックがあったと思われます。なんとかこの試合の勝利で名誉を挽回したいと望んでいるのでは。さらに15位、16位の順位逆転もかかった直接対決でした。

熊本の前線には中山がようやく怪我から復帰。宇留野との2トップの下には藤田、山本、西、石井がダイヤモンドで中盤を構成。市村、原田の両SBも復帰しました。そしてゴールマウスを守るのはガンバからの期限付移籍の木下。19歳最後の日。記念すべきJリーグ・デビューとなりました。

栃木 (先発フォーメーション)
11石舘 14稲葉
20河原10高安
13本橋15鴨志田
4井上2岡田
3大久保19赤井
 21武田 
試合前のアップを終え引き上げてくる選手のなかで、ひとり中山が深々とメインのファンに頭を下げました。それは怪我で長期離脱したことを詫びているようで。思えば、この長いトンネルも中山の離脱あたりから始まったような。こちらの胸も熱くなります。その中山。この試合で得点こそ決められなかったものの、よく働いた。そう思います。開始早々には宇留野のクロスをヘディングシュート。その後も前線でアグレッシブに動き回り、栃木のDFラインを戸惑わせ、“起点”になる働きをしました。さすがに後半は疲れが見えましたが、今日の北野監督、まるで先日の鳥栖のハーフナーマイクのように限界まで走りぬくということをこのエースに課していたようにも見えました。

見た目には前半は五分五分。いいときのロアッソからすれば決して軽快な試合運びとは言えず、欲求不満の残る展開でした。19分、藤田のインターセプトからドリブルで持ち込みスルーパスも、中山が感じず、藤田が珍しく怒ります。これまでどちらかというと淡々とクールにプレーしていたように見えましたが、今日は時に厳しく感情を露にする場面が多かった。彼のなかでもこの試合に期するものがあると同時に、何かが変化してきているのかも知れません。その藤田、今日は2トップの守備も徹底していたため、負担が少なそうにも見え、最後までエネルギッシュに動き回りました。

後半、宇留野が左サイドに展開するようになったのは、ハーフタイムの指示だったのでしょうか。これが早速、実を結びます。4分、藤田の浮かせたパスに飛び出した宇留野、ピシッとコントロールして落ち着いて中に折り返す。これに走りこんだ西が蹴りこんで先制。難しい角度で右足のアウトにかけたシュート。みごとでした。続く9分には、CKからの流れのなかで山本がゴール前のソンジンに。ソンジンが競って中央に折り返したボールに、今度は石井が飛び込んでループぎみのヘディング。追加点としました。

前半、勝機はあると思ったであろう栃木は、このあっという間の2点ビハインドに戸惑います。松田イズムを体現する栗原や、TDKでも活躍した松田、最後は入江と次々とカードを切ってきました。一方の熊本・北野監督。今日はいっこうに選手を交代させる気配がない。相手との接触で右膝を痛めた様子の中山。すでに肩で息をしていましたが、それでも戻らせる。蒸し暑さと疲労のなかで全員の集中力。ようやく西に代えて大迫、中山に代えて木島を投入したのは実に35分を回ってから。ほんとうに今日は、辛抱強く引っ張り続けた。

確かに欲を言えば、今日のように前を向ける相手のプレスの緩さや、攻撃の組み立ての拙さからすれば、さらに追加点が欲しかったというのも思わないではありませんでした。しかし、2点を先取して以降、チームはさらにバランス重視へと変化していきました。それは、見ようによっては“受けている”ような。しかし“内容は良かったのだが”敗戦で終わっていた第1クールからすれば、この勝利という結果、しかも完封という結果こそ今、一番チームにとっても必要なものだったと言えるでしょう。その一番欲しいものを獲りにいくために我慢して、落ちついて試合を“運んだ”。

中山が帰ってきた。宇留野もフル出場でキレも戻ってきた。西は絶好調。GK陣の競争は激化している。吉井の練習参加という情報もある。終始、福王の大声のコーチングが響き渡り、さぁ、これから上昇気流に。とりあえず今節は、そんな期待をいだかせた試合結果。そしてもう3日後には、次の試合開始のホイッスルが鳴ります。

TrackBackURL
→http://sckumamoto.blog79.fc2.com/tb.php/196-07463771