6月24日(水) 2009 J2リーグ戦 第23節
草津 1 - 1 熊本 (19:31/正田スタ/2,741人)
得点者:40' 後藤涼(草津)、69' 木島良輔(熊本)


ホームの開幕戦で苦杯をなめさせられた相手、草津。パス&ポゼッションというコンセプトを持つチーム同士の戦いと戦前のマスコミは書きたてましたが、熊本にとっては前節、長いトンネルから抜け出し、今季初めての連勝を目論む一戦でした。熊本の遠征メンバーは、控えを含めて前節と全く同じメンバー。先発フォーメーションも同じ。対する草津は、今期10ゴールとチーム一の得点を稼ぎ出しているFWの都倉を怪我で欠き、田と後藤の2トップになりました。

草津 (先発フォーメーション)
19後藤 9高田
14熊林10廣山
6櫻田30松下
2寺田7佐田
4田中15喜多
 22北 
前半、パス&ポゼッションは完全に草津にありました。開幕戦でも苦労した草津の前線からの激しいプレスは、この試合も健在でした。熊本は自陣に押し込まれ、相手からすれば高い位置で奪われ、攻め込まれます。前節デビュー戦を完封勝利で飾ったGK木下が実に忙しい。草津のスルーパスにDFが裏を取られますが、木下の果敢な飛び出しで救われます。30分を回り熊本も攻勢を仕掛けようとしますが、いかんせんチームの重心は守りにかかったまま、サイドからのクロスに誰もいないというシーンが度々。このまま前半はスコアレスのままで、というのが熊本のゲームプランとして明らかでした。

しかし40分、市村が攻め上がったスペースを後藤にうまく使われる。カウンターぎみに後藤につなぐと、DF二人が振り切られてシュートを決められます。二人目のディフェンスに駆け戻ったのは、なんと上がっていた市村でしたが交わされました。プランが崩れた前半での1点ビハインド。連敗が続いていたころ何度も見慣れた展開でした。しかし、不思議に今日のイレブンに気落ちした雰囲気は感じられません。それは、前節得た“自信”だったのかもしれません。

後半のどこかで木島を投入するプランだということは誰の目にも明らかでしたが、今節は井畑との二枚代えというカードの切り方が“絶妙”だったと思います。2トップのユニットを丸々いっぺんに交代させる。このチームではおそらく初めてのことでは。それはどちらか一方のパフォーマンスが落ちているから代えるという“消極的”な方策ではなく、なにかこう「反撃に転じるんだ」という北野監督の明確な意思を感じました。「2点目を取りに行かなければ勝てない」と感じていた佐野監督と草津イレブンにとっては、攻撃の要である熊林と高田を両方アクシデントで引っ込めざるを得なかったのは、大きな誤算だったでしょう。その交代を見届けたところでの熊本の二枚代えでした。

草津も代わって入った小池がそのスピードに任せて積極的にロングシュートを放つ。熊本はカウンターから木島を走らせ、草津のDFを翻弄する。すかさずGKとの1対1の決定機。しかし、振りぬいた左足のシュートは枠を反れてしまいます。それぞれがそれぞれの持ち味を発揮する熱い展開に。

同点弾はすぐそのあと、井畑がヘッドで(と言うより体を張って)前線に落としたボールに木島が飛び込み、再びGKと対面。今度は右のアウトできっちりと押し込みました。白紙に戻った試合展開。残り時間は20分。勝ち切りたい気持ちは両者とも同じ。熊本は崩れかけた草津DFの裏へ裏へと執拗にボールを配給。全員が木島を信じての動き出し。山本に代えて大迫。草津は櫻田を下げて佐藤。両者カードを使い切る。小池の強烈なミドルに木下が片手一本のクリア。

試合終了後。どの同点劇でも一緒ですが、追いつかれた側のホーム・スタジアムの重苦しい雰囲気がTV画面を通して伝わってきました。もちろん熊本の選手たちも、目論んでいた連勝という結果をつかめなかったことに、まだ課題をかみ締めている表情でしたが、どちらかというと達成感も感じられました。何かひとつ階段を上がったような・・・。

ポゼッションを志向する草津は、同時にプレッシングと運動量が常に激しい。同じようなチームに水戸も上げられると思います。そしてどうもなんとなくわれわれは苦手意識が強い。しかし、いつかも書いた気がしますが、これらのチームに“勝ち切れる”ことこそ、順位上昇の条件のようなものだと思うのです。

さて、繰り返しになりますが、サブメンバーまで前節と同じ布陣で臨んだこの試合。嫌な時間帯に失点してのハーフタイム。得点経過こそ違えある意味で前節と似たような前半の流れ。しかし、うまくいかない、思うようにならない時間帯の長さにもひたすら耐えた。2点目を失わない集中力を見せた。交代を引っ張りに引っ張った前節。逆に今日は早く同点機を作りたい気持ちを抑えて(相手のアクシデントもありましたが)相手の交代カードを見極めて、ズバッとFW二枚代えで大きく流れを作った。連敗中の自滅とも見えたような流れの悪さ、試合運びからすると、戦術・試合運びとベンチワークが連動しているのが見える試合でした。結果論に過ぎないと言ってしまえばそうかもしれませんが、やはりしっかりしたチームの意図が見えるようになったと。形として見えるものではありませんが確かな成長の手ごたえを感じた試合でした。

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