7月2日(木) 2009 J2リーグ戦 第25節
岡山 2 - 3 熊本 (19:03/岡山/3,473人)
得点者:14' オウンゴ-ル(熊本)、18' 保坂一成(岡山)、24' 石井俊也(熊本)、29' 西弘則(熊本)、80' 澤口雅彦(岡山)


今節の熊本・岡山戦だけが変則的なミッドウィーク開催。われわれはアウェー岡山桃太郎スタジアムまで駆けつけるどころか、一人は遠く札幌まで出張(来週ならよかったのに)。もう一人は東京という慌ただしいビジネスライフでした。そんな中、行ってきたのは川崎・二子新地にあるアズーリというお店。おそらく関東で唯一、ロアッソの試合を放送してくれるサッカー・バー。おそるおそる扉を開けると、いつもスカパーで見かける関東サポの面々がすでにハイネケンのジョッキを傾けていました。真似して私もハイネケン。つまみはやっぱりここは定番のフィッシュ&チップス。10数人ほど入ればいっぱいになりそうな店内には大きなモニターとサブモニター。私と同じような出張族も駆けつけ、店内はいっぱいになりました。

岡山 (先発フォーメーション)
 48青木 
 8保坂 
14小林17妹尾
14喜山36竹田
32田所4澤口
23植田31大島
 1李 
さて、熊本の先発は前節と同様の布陣。対する岡山は西野を控えに、千葉から期限付きで獲得した青木をワントップに置いてきました。岡山は前節、富山を相手に11試合ぶりに勝利をおさめ意気上がる。開始早々からホームサポーターの声援をバックに、アグレッシブに攻勢に出ます。それに対して熊本はなかなかリズムが作れない。藤田が他の選手に動き出しを求める姿が再三見られます。先制点は思わぬ形。市村が前線の山内めがけたロングフィード。これを岡山CB植田がヘッドで反らして痛恨のオウンゴール。攻勢を引き寄せていないうちの実に幸運な1点でした。

もちろん岡山も黙ってはいない。すぐにカウンターから青木、小林に渡りクロス。中央に入ってきた保坂に綺麗に決めれらます。やはりリズムは岡山にありました。しかしこの試合でもセットプレーの冴えは続いていまいした。24分、左CKの原田のボールにファーサイド、走りこんだ石井が左足できっちり押し込む。この頃、なんだかセットプレーに得点の匂い、凄味さえ感じるような。続く29分は流れから。市村、藤田から右サイド深くに山内が走りグラウンダーのクロス。ゴール前には3枚詰めていた熊本、二アサイドに入り込んだ西が角度を変えて追加点とします。熊本の攻勢の時間帯ともいえないうちに3点目。裏を返せばコストパフォーマンスの高い省エネによる猛攻。まるで今期初対戦時の湘南かと見間違うような試合展開でした。

ハーフタイム。2点リードに沸きあがるアズーリの店内。今日初めて逢った見ず知らずの間柄ですが、得点に歓声を上げ、いいプレーに拍手しているうちに打ち解けてくる。遠く離れて同じホームチームを応援している連帯感。
一方、札幌の方は気温20度、ひんやりした気候。全国から集まった同業の会議が終了し、懇親会の席に移っていました。宴もたけなわになるといつの間にか周りには仙台、愛媛、徳島、岡山、富山、北海道といった連中が集まり、互いのホームチームの話に花が咲く。さしずめJ2場外戦。徳島県人が、昨年鹿児島・鴨池での熊本戦に行ったときの話を披露する。前夜、天文館のお店で大宣伝したら、ホントに店の女の子たちが応援に来てくれたのはよかったんだが、散々な負け試合で面目まるつぶれだった、などと恨み節がしつこい。

さて試合は後半、GK木下の見せ場の連続でした。岡山は武田を入れて2トップに。より前掛かりに転じてきました。右サイドの展開から妹尾が木下と1対1。これをナイスセーブ。続いても右サイドから妹尾に渡り、シュートされるも木下がクリア。アズーリに悲鳴がこだまする。熊本もロングフィードやカウンターで攻勢に転じようと図りますが、前線でうまく収まらない。受けに回る時間が続きます。再び同僚たちに動き出しを“求める”藤田。宇留野に代えて山本で中盤固めを図る熊本。岡山の右CKから澤口のどんぴしゃのヘッドは木下が足一本でクリア。しかし、35分、CKからの澤口のヘッドは防ぎきれず。遂に1点差に詰め寄られました。

岐阜戦を再現したような追撃される恐怖感。とにかく熊本としては前線に起点がほしい。西に代えて木島。中山に代えて小森田。木島がエリア内に持ち込み1対1を作りますが、岡山DFの必死の戻りでクリアされました。ロスタイムは3分。CKはキープではなく蹴ってくる熊本。時間を使って逃げ切るのか、4点目を取りに行くのか、なんとなく意思統一が図れていない。時計はもう3分以上過ぎている。アズーリでは全員が、早く終われと叫んでいる。札幌では何度も何度もケータイ速報をリロードしている。

終了ホイッスル直後、藤田に笑顔はなく、何度も首を横に振っていました。明らかに内容が不満だったのでしょう。しかし、インタビューではすぐに切り替え、「やっとサッカー(の内容)と結果がともなうようになった。連勝が珍しいことではないようにしたい。」と笑顔を見せました。「第2クールは勝ちにこだわる」と言っていた北野監督。今季初の連勝を手にしました。ただ試合は1点差の辛勝という形になり、内容に不満が残るのも確かです。まだまだ今後に不安もよぎります。しかし、勝利という意味はとてつもなく大きい。「結果が伴う」という意味で。

対する岡山は負けた気がしなかったのでは? そう思っていたら、全く同じ言葉を手塚監督がコメントしていました。それほど押し込んでいたし、あと2、3点はとれていた…。もう少し、あと10分。時間さえあれば同点に持ち込めた…と悔しく思っているのかも知れません。たった一年で先輩面するわけではありませんが、振り返ればわれわれにもそんな経験は何度もあったような気がする。だからこそ確かにそう感じるのです。しかし、逃げきったのは、勝利を得たのはこちら側。そこにはほんの少しの幸運も作用したかも知れませんが、結局は互いの力の正当な“報酬”、“結果”なのだと言えるのではないでしょうか。このゲームを迎えるまでのチーム状態、故障選手などメンバー状況も含めた「現在の総合力」の反映なのだと。

まるで1年前の自分たちと擬似対戦しているかのような錯覚を覚えた第一クールでの岡山との対戦。そして今度も、ちょっと違った意味で、それに似たような感覚にとらわれる。決して侮れない相手であることも。そして同時に、少しだけかも知れませんが、熊本が確実にステップアップしたことも感じさせた。内容が悪くても勝つ。結果を得るという事実。また、逆に、勝って、結果を得ても、課題や反省が当然のこととして語られるようになる。いやむしろ課題や反省を見つけてステップアップにつなげようとしているような。(だってここ4試合は3勝1分けなんですから!)選手もチームもファンも、そして翌日の熊日も。少しだけ、ほんの少しだけですが空気が変わり始めたような、そんな気がしています。

前回対戦時のエントリーの最後に、「次のアウェー桃太郎スタジアムはいやがおうでもあの地域決勝が思い出されて、億劫な気持ちだ」と書きましたが、そんな気分を今夜はアズーリの仲間たちが吹き飛ばしてくれました。ああ、こんなお店が熊本にもほしいな。関東サポがちょっとだけうらやましくて。そして、いつも少人数でアウェーを戦ってくれている彼らに頭が下がって。ホントは試合後もっとお話をしたかったのですが…。後ろ髪をひかれる思いで、いつまでもいつまでも勝利の歓喜の余韻が残るお店からお先に失礼したのでした。

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