9月23日(木) 2010 J2リーグ戦 第27節
熊本 0 - 2 横浜FC (15:02/熊本/12,036人)
得点者:3' 難波宏明(横浜FC)、34' カイオ(横浜FC)


毎試合なんとか欠かさずレポートという名の駄文をしたためているわれわれにとっても、どうにも向かい合いたくない、そんな試合がたまにあります。しかし、そこを逃げないで、向き合ってこそ前に進んでいけるんだと信じるしかありません。きっと選手たちも、あの大敗の福岡戦のあとと同じように、ビデオを見せられて「どこが、何故悪かったのか。何故負けるに至ったのか」を“整理”させられるでしょう。ならばわれわれも、“整理”するプロの視点はもたないまでも、しっかりと目を見開いて録画ビデオを見直そう。それも同じように戦っているつもりのファンとしての役目だろう。そう自らを奮い立たたせて、パソコンの前に座りました。そんなエネルギーが必要になるような試合でした。

前節、引き分けという結果にもかかわらず5位に上がった熊本。対して横浜FCは福岡に逆転負けを喫し、10位に甘んじていました。午前中の雨が上がって陽が差し始めたKKウィング。サッカーフェスと銘打たれたこの日、1万2千人が詰めかけました。また、この秋分の日の祝日は、3年連続この横浜とのカードらしく、向こうのサポーターのブログでは「定期戦」とまで謳われているようでした。

横浜FC (先発フォーメーション)
19難波 10カイオ
7エデル28武岡
6高地5八角
26阿部33柳沢
20渡邉2早川
 31関 

横浜が最初から飛ばしてくることは誰もがわかっていました。あの監督の戦術、そして個性から言っても。それに対して高木監督も「立ち上がり10分から20分は前に出てくるだろうから、警戒が必要」とスカウティングし、そう指示していたはずでした。しかし結果論でもなんでもなく、熊本イレブンの入り方はいかにも中途半端で、行くのかどうか、がっちりガードを固めて受け止めて、守りから入るのかどうか…。同じく指揮官の言葉を借りれば「浮き足」だっていたのかも知れません。また、大きく選手を入れ替えてきた横浜に対して、相対する選手のイメージが少しに予想外だったという戸惑いがあったのかも知れません。

試合開始のホイッスルが鳴ったばかりでした。左サイドからクロスを入れられ、一度跳ね返すも再びSBの柳沢が狙いすましたようにクロスを入れる。カイオがニアでつぶれ役になると、ファーから飛び込んだ難波が左足に当てるように蹴りこんだ。開始3分で先制点を許します。開始15分までの失点はゼロという、熊本の今シーズンの記録が破れてしまった瞬間でした。しかし、前節のシーソーゲームを見ているわれわれは、そんな早い(早すぎる)時間帯の失点にもあまり動じない。点はとれるだろうという根拠のない自信が身に付いていました。

20分には左サイドで得たFKに宇留野、松橋、堤の3人が立つ。宇留野がすらして松橋シュートは、DFに当たってCKを得る。左からのCKにファビオの高い打点からのヘディング。しかしポストの右に反れました。26分にはカウンター。右の宇留野から左に流れたファビオへのパスが通り、GKと1対1。しかしこのシュートも枠を外れる。続く27分にも松橋がエリア侵入。放ったシュートはGKが押さえました。

チャンスは作れている。という気持ちが、どこかで一歩の足を止めさせていることを気づかせなかったのかも知れません。34分、左サイドでの攻防を横浜が制すると、素早いモーションで高地がゴール前に上げる。今度はカイオがファーサイドにいて、ひとっ跳び。DFは2枚付いていたものの、ピンポイントで捉えたヘッドが、この日初めてお披露目されたばかりのロアッソカラーのゴールネットを再び揺らしました。

2点差を追っての後半、宇留野を下げて藤田が投入されました。宇留野のコンディションを考えて、そしてボールを落ち着かせるための交代だったと高木監督は述べています。確かにわれわれも“パサー”が必要だと感じていました。原田を出場停止で欠いた守備的中盤は、吉井と渡辺。ここからの主にサイドへ展開する長いパスが今日は一向に見られず、せっかく上がっているサイドの選手を見殺しにするシーンが何度もありました。見えていないのか、通すのに不安があるのか。あるいは出足の早い横浜のプレスに、そういった余裕を失っていたのかも知れません。確かに今日の横浜の球際の強さは後半も衰えませんでした。さらに2点のリードをいいことに、しっかりとブロックを作って次々に熊本を罠にはめていきます。藤田がときにボランチの位置にまで戻って、なんとか攻勢を得ようと汗をかく。

後半右サイドに下がっていた松橋を下げ、カレンとファビオの2トップにしたあたりから、熊本にもチャンス。西からカレンに出る。カレンが左サイドを大きくえぐると早いクロス。これはクリアされる。中央で得たFKを堤が直接狙うが、惜しくも枠の左。筑城に代えて、古巣に闘志を燃やす片山を投入してからは、更に攻撃的に。藤田から片山。片山のダイレクトで上げたクロスがファビオの足元。振り抜いたシュートはクリアされる。惜しい。残り時間は15分。熊本が猛攻を仕掛ける。そんな時間帯でした。

左位置からのFKを片山が蹴りこむやいなや主審の笛。副審の指摘でソンジンに一発レッドが示される。それはその前のプレーでエリア内での位置取りでやりあっていた相手選手とのいざこざの延長だったのでしょう。精神的な幼さを見せて“報復行動”に出たソンジンのこのプレーは、一気に熊本の攻勢力を沈めてしまう。もう反撃するエネルギーは残されていませんでした。

「次節の戦いに繋がる」と前節、甲府戦の解説者にいわしめ、そして選手たちの多くも、「この勝ち点1を無駄にしないためにも」と思って臨んだ重要な一戦は、なんだか横浜の勢いに押され、自分たちのいいところが全く出せずに終わってしまいました。初めて訪れたかも知れない人たちに、“ロアッソのサッカー”を見せられなかったのも非常に残念ですが、何より、1万人以上のファンやサポーターが、翌日「昨日のロアッソの試合は面白かった!」と職場や、学校や家庭で口々に話題にするチャンスを棒に振ってしまいました。われわれとすれば、福王、原田の二人を欠いた“程度”で、こうもチグハグになってしまう選手層に、まだまだだなと感じるのは正直なところです。

そんなしょぼくれているわれわれの耳に飛び込んできたのは、「ロアッソの練習場を県が支援する」というビッグニュース。24日の県議会。代表質問に答えるかたちで蒲島知事が表明した支援内容は、「県民総合運動公園の陸上競技場(KKウィング)、サッカー場、ラグビー場、補助競技場、スポーツ広場の5施設のいずれかを優先的に貸し出す」ことと、「(ロアッソが取り組んでいるジュニア向けサッカー教室など地域貢献活動を支援するための)着替えやマッサージ、ミーティングに使用できる拠点施設の設置」(熊日・24日付夕刊)。毎年繰り返され、この夏場にもチーム強化のネックとなった練習場確保の問題。これで大きく解決に向かうのではないかと思われます。拠点施設は正式なクラブハウスとは呼べないものなのかも知れませんが、これまでの環境からすれば格段の進歩ではないのかと。これこそ、これまで地道ながらも続けてきた地域貢献活動を評価され、また今後も期待されてのことではないでしょうか。われわれファンも喜んでばかりではなく、気を引き締めなおして、ひとり一人ができることを続けて考えていかなければならないなと。その前に、10月3日の福岡戦を観戦される蒲島知事には、お礼を言わなきゃいけませんね。

いやいや、まだその手間で目前の愛媛戦に勝利しなくては。3位福岡との勝ち点差は広がってしまい、10位鳥栖までの差が1試合分となりました。やはり指揮官は「しっかり映像を見て、選手達にフィードバックしたい」「中2日で次の愛媛戦が控えているので、できるだけ早く、そして使える選手をしっかり使っていきたい」と、既に次の愛媛戦に気持ちが向かっています。先々週勝ったばかりの相手とはいっても、この横浜戦のように、どこかに“油断”が潜まないように。われわれも心して向かいましょう。

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