大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年はいい年、みんながたくさん笑える年になりますように祈ります。

チームは14日、新体制を発表しました。藤本主税が大宮を契約満了と発表されたとき、「欲しい。欲しい」と言っていたのは会社の同僚でしたが、「大宮には縁(コネクション)がないだろう」と全く現実的には考えていませんでした。だからこそ、その獲得報道には大いに驚きました。池谷GMのストーブリーグでの活躍はつとに有名になりましたが(笑)、いつかチーム統括部の首藤くんからその手腕が「すごい」と聞いていたように、統括部長の飯田さんのコネクションも今回相当発揮されているだろうと思います。

藤本主税といえば、とてもアグレッシブに動くというイメージと、得点シーンの阿波踊りということぐらいの認識だったのですが、同僚いわく、毎年のようなJ1残留争いでほうほうのていの大宮にあって、そのシーズンの終了後のファンへの熱い挨拶が、とても人柄を表していたのだとか。今回、大宮を去るにあたっても、多くの後輩に慕われていた様子がよくわかる(ブログ)し、熊本の新体制発表会の一問一答にも、すでにそれがにじみ出ていました。

われわれが、昨季を振り返って欲しかったと書いた「フィールドプレーヤーのなかのキャプテンシーのある選手」に他ならないのではないか。先制されても意気消沈しない。そんなゲームが今季は見られるのかも知れない。「自分にできることとしては、とにかくウォーミングアップは一生懸命やりますし、練習も一生懸命やりますし、試合ではもちろん一生懸命やりますし、特別なことは何もなく、とにかく一生懸命やる姿を若い選手が見て、感じてくれればいいし、それ以上でもそれ以下でもないんで、それを見せたいなと思います」(J's Goal)というコメントにも、自身に求められている役割の自覚がしっかり感じとられます。

もうひとつ。GMも昨季の総括で述べていたように、”パスを出す選手”の不在。そこには川崎(甲府にレンタル)から養父雄仁を当てました。昨年の終わりにも書いたとおり、「ゲームメーカー」として大いに期待させます。そしてそのターゲットには、栃木にいたチェ・クンシク。前線で身体を張れる選手です。

白谷建人、高橋祐太郎は、まだ若いながらもそのポテンシャル、将来性に期待しての獲得でしょう。熊本で開花させたいところです。新卒の五領淳樹は、天皇杯レッズ戦での先制点に絡む一連の攻撃をyoutubeで見ました。
http://www.youtube.com/watch?v=M4fiWUc2p-I
http://www.youtube.com/watch?v=idDM_h3ydd4 
ワンツーからのラストパスを出すこの14番が五領。痺れますね。ユースから初めてのトップ昇格となった甲斐敬介もまた、他のJチームからも声が掛かったテクニシャンだそうです。二人ともサイドを主戦場とする攻撃的MFではなかろうかと。その才能を早く実戦で見てみたい気持ちと同時に、大きく育てていきたい逸材でしょう。2列目は、大迫、武富、養父と激戦区です。

胸スポンサーには高橋酒造様が復帰。赤いユニフォームの胸に「白岳」のロゴが帰ってきました。サプライヤーPUMAのモデルも新しくなったので、また新調しなければいけませんね。これもファンの悩みであり楽しみです。背中には再春館製薬所様の文字。長い間、隣の大分に多くを持っていかれていただけに、ようやく地元のチームにも本気を持ってもらったかという感慨があります。

開幕カードの噂もささやかれ、早くも心は3月に飛んでしまいそうですが…。ここで、現実に立ち戻り、チーム経営の実情に触れないわけにはいかないでしょう。1月12日付けで公式サイトに掲載された社長の「2012シーズンのご挨拶」で明かされ、そしてその後の報道で具体的数字も示されたクラブの財務状況。

熊日の記事によれば、単年度7000万円前後の赤字であり、再びおよそ4000万円の債務超過に陥るということらしい。2013年度に導入される「Jリーグ クラブライセンス制度」の「財務基準」では、「2012年度以降の決算が3期連続赤字」または「2014年度以降の決算で債務超過」である場合、クラブにライセンスが交付されない=リーグに残れない(準加盟扱い)。過去の債務超過の際、ここにも以前書いたと思いますが、普通の民間企業の場合なら、融資も受けられない危機的状況です。

前年に高木監督を迎え、7位という好成績を達成。昨季はそれ以上の順位、もしかしたら「5年でJ1」というビジョンを前倒しにして昇格を狙えるかも知れないという思いは当然あって、積極的な予算を組んだことは想像に難くありません。有料入場者数もわずかではありますが、それまでは右肩上がりだった。しかし、「大震災」という、日本中の全ての経営者にとって予測不可能の出来事が起こった。遠く離れた熊本の地といえども、観客動員やスポンサー獲得に遠からず影響を与えたことは間違いないでしょう。不規則な平日開催もありましたし。それは不可抗力とも言えました。

しかし。「大震災」だけを理由にしていいのかと言えば、われわれには疑問が残ります。期待を掛けて大幅に増やした選手人件費で、昨季どれだけの戦力がアップしたのだろうか(エジミウソンという目玉の選手獲得には成功したにしても、多くはレンタルだった)。大震災のあと、不規則な試合開催のなかで、どれだけクラブは観客動員に努力しただろうか。われわれは何度も書いていますが、あの富山戦の”不可思議な”大動員の際に混乱を招いてしまい、その後、妙に”腰が引けてしまって”戦略的な動員が出来なくなってしまったのではないかと。そのつけが、年間の数字に表れているのではないかと思うのです。最終節のあの入場者数が、なによりも物語っているような気がして。この件を勘案すれば、昨季のこの決算状況に関して、岡社長が自身の責任に言及するのは当然という思いはありますし、それに関しては、いつかもっと厳しく書きたいという思いもあります。

ただ、これで直ちに、わがクラブがどうのこうのという段階ではないだろうということも同時に書いておきたいとおもいます。不必要に動揺することはない。むしろ、これからの努力(もちろんそれは相当の努力です)を前提にしたうえで、厳しい財務状況をわれわれにも知らせてくれたのだと。こういったネガティブな情報を、包み隠さず開示するクラブの姿勢は大いに評価すべきだろうし、それは自らを”県民クラブ”だと自覚したうえでの姿勢のあらわれでしょう。

われわれファンは株主でもなく、スポンサーでもないけれど、われわれのクラブ(会社)はかけがえのないわがホーム・チーム。

そして、この厳しい状況は観客動員数の伸び悩みが大きな要因であることは明白です。観客動員数はクラブ経営の根幹だし、それについてわれわれが出来ることはわかりきっている。今季やるべきことは、その一点に尽きるのでしょう。われわれにも出来ることですから…。今回のチームからのメッセージは、ファンに対して一緒に頑張って欲しいという呼びかけのようにも感じます。

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