4月1日(日) 2012 J2リーグ戦 第6節
熊本 3 - 0 岐阜 (13:03/水前寺/3,930人)
得点者:33' チェ クンシク(熊本)、47' 五領淳樹(熊本)、53' 五領淳樹(熊本)


3-0という“会心”のスコア。いつの間に3点取れるチームになってしまったのでしょう(笑)。しかし「決して内容は素晴らしくいいものではなかったと思います」と高木監督が振り返るように、3-0の内容ではなかったというのが、素直な感想でしょう。シュート数も同じ9本同士。どちらが先制するかでゲームの行方は変わっていただろうという部分もあったし、後半早々の追加点が何より相手にダメージを与えました。

しかし、だからと言ってラッキーだけではなかった要素もいくつか確実にありましたね。流れが悪いなかでも、少ないチャンスで“加点”していけたこと。過去には、強いチームにはそういう“強さ”があると、負けを認めたくないような内容の試合がありましたが、今日はそんな勝者がわれわれでした。

ここ数試合、プレスと言うより、さらに本質的な“ボディコンタクト”の在りようについて、注意して見ているわけですが。この試合も、当たり前のように激しいぶつかりあいで挑んでいく。フィフティフィフティのボールに対し躊躇せずにトップスピードで取りに行っているように見える。選手としてはケガの危険も非常に大きいし、勇気もいるし。「勝っていないからこそ恐い相手」(スカパー!)と戦前、岐阜を評していた高木監督。相手の出足も速く厳しいものがありました。

熊 本
 9チェ クンシク 
14武富19五領
7片山13大迫
8原田10養父
4廣井3高橋
 22吉井 
 18南 
後半16分 片山 奨典 → 筑城 和人
後半30分 チェ クンシク → 仲間 隼斗
後半37分 五領 淳樹 → 白谷 建人


岐 阜
14井上 10樋口
7地主園29廣田
6服部33キム ジョンヒョン
24村上7野田
16キム ドンゴン3池田
 22多田 
後半10分 廣田 隆治 → 染矢 一樹
後半18分 キム ジョンヒョン → 橋本 卓
後半42分 キム ドンゴン → 田中 秀人


オーソドックスな4-4-2システムの岐阜は、定石どおりサイドを使ってくる。熊本の両SHがDFラインに押し込まれて、前線をフォローする枚数が足りない。セカンドボールが岐阜側に渡る回数が多い。加えて、この日の小川主審のいかにも彼らしいゲームの流れを寸断するような笛の多さが、リズムに乗れない遠因にもなりました。

ただ、大きなサイドチェンジが片山に収まり始めたころから、若干芽生えた熊本のペース。33分、養父の右CKをニアで高橋が落とすと、クンシクが左足アウトで払うようにゴールマウスに押し込みました。

「練習していた形で決めるだけでした」(J’s goal)と、移籍後の初得点を振り返るクンシク。「最初のCKのときにGKが前に出てきたので、その後はゴールから逃げるようなボールを蹴った」(熊日)という養父の冷静な分析も生きました。

水前寺競技場はコンパクトながら設備面では不便です。ハーフタイムの小用から帰ってくると後半のホイッスルはもう吹かれていました。小走りに自席に急ぐ。しかし逆に、そのおかげで2点目のシーンを選手と同じピッチレベルで、目の前で見ることができました。やはり右CKからの養父のボール。今度はクンシクが中央で競って、ゴール前の五領がバックヘッドで反らした。なす術もないGK。沸きあがる歓声。おもわず通路ですれ違う見知らぬ人とハイタッチを交わします。

勝利を確信させた3点目は、それからわずか6分後。DFラインの吉井からクリアぎみに高いボールが中盤に送られる。クンシクがそれを相手の裏に出すと、下がりながらのDFのクリアが小さい。詰めていた五領が、それを見逃さずダイレクトで叩く。強烈なシュートがゴールネットに突き刺さりました。

今日目撃したのは、高木監督が「時間が経つごとにチームが変化して、そして粘りながら、いい守備の体系を整えながら、ボールを奪って前に出る、そういうシーンが少しずつ出てくるなかで、後半、もしくはセットプレーで点が取れるように意識が変わっていったというか、そういう流れを作っていったのは、粘りの部分が出てきたものじゃないかなと思ってます」と言うところ。この“粘り”という言葉は、実はプレーの質というところでの、激しさ、厳しさを意味しているようにも感じられます。

2得点のニューヒーロー。ルーキー五領のプレーぶりも、ギリギリでコントロールできるところに収める技術ももちろん高いものがあるが、印象に残るのは、やはり、“止められるものなら止めてみろ”と言わんばかりの突進、仕掛け。何かこう、攻撃しているのに激しいプレスをかけているような。ディフェンダーを避けるでもなく、向かっていって突破する。

翌日の熊日紙面はまさに五領デー。強烈な印象とブレークの期待はもちろんです。しかし、今日もまたゲームの内容を物語っていたのは、実は養父のプレーではなかったでしょうか。

直接に得点に結びついたセットプレーもそうですが、ピッチ上で今わがチームを支配しているのは間違いなく養父ではなかろうかと。われわれも感じているのは、これまでの4シーズンとはまた違うはじまり方、入り方だなと思うこと。試合ごとに、少しずつですが、明らかに良くなってきている。何だろうと考えるまでもなく、別に難しい話でも何でもなく、養父と周囲の連携、養父との呼吸がひとつひとつ修正され、マッチしはじめていることではないかと。ゲームが止まると、養父を呼び寄せ指揮官がボードを見せながら修正指示する姿が見られる。熊本の新しい10番に寄せる期待がそこにある。まだまだ合わない場面も多い。それはもっともっと良くなっていくだろうという糊しろの大きさでもあろうかと。

怪我人も出てきたし、主将・藤本は長期離脱も予想されます。押しこまれる時間帯も多かった。しかし吉井が入った守備ラインは、前節よりだいぶ分厚く守っていた。必ずカバーが入っていました。

新しいタレント(才能)をうまく融合させながら、連携を深めながら、今シーズンのスタイルがさらに明確になってくるように。時には今日のような試合巧者ぶりを発揮して…。まずは勝ち星が先行するように持っていければ。そしてコツコツと勝ち点を積み重ねる。そうすれば必ず上が見えてくる。そう思います。

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