5月3日(木) 2012 J2リーグ戦 第12節
熊本 0 - 2 東京V (13:04/熊本/5,775人)
得点者:56' 飯尾一慶(東京V)、90'+4 小林祐希(東京V)


黄金週間・中二日の連戦。熊本のゲームプランは相変わらず入りから飛ばして先制点を奪うというものだったのでしょうが…。どこかで疲労が限界にくるのではないかと思っていましたが、それは突然、今日の後半にやってきました。失点自体は中盤でのミスが起因してのものでしたが、明らかに後半に入ってすぐから熊本の選手の足は重く、切り返しやボールへの出足も前半より、そして相手より一歩遅れていました。

熊本のスタメン。前節から変わったのは、ボランチの位置に原田に代えて体調不良から復帰した養父を使ってきたこと。

熊 本
 9チェ クンシク 
17齊藤19五領
7片山15市村
10養父38藏川
4廣井24筑城
 22吉井 
 18南 
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後半12分 五領 淳樹 → 山崎 侑輝
後半21分 齊藤 和樹 → 白谷 建人
後半35分 養父 雄仁 → 高橋 祐太郎


東京ヴェルディ
41杉本 9阿部
10飯尾11西
22和田23梶川
7中谷19森
3深津17土屋
 26柴崎 
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後半40分  飯尾 一慶 → 小林 祐希
後半45分 西 紀寛 → 小池 純輝
後半45分+3 阿部 拓馬 → 南 秀仁


試合開始から全開で行った熊本。受けた形のヴェルディ。熊本が完全にゲームを支配して進む。五領が市村に預けるとエリアに走りこむ。中央で流して左から駆け込んだ片山。惜しくも間に合わず。

クンシクから斉藤。エリアまでドリブルで持ち込むがシュートは枠を大きく外れる。養父がDFの裏にふわりとループを上げる。しかし前線の五領は足元でもらうイメージだったのか合わない。筑城がインターセプトして藏川に預けると前に入っていく。しかしクロスは合わない。運動量と人数を掛けてゴールを狙っている折角の時間帯なのに…。
NHK中継の解説者・福西氏も「この”流れ”のある中で点を取るのが重要」と言っている。

ヴェルディの両ボランチに対して、熊本は前線と中盤の選手が交互にチェックしたりサンドしたり、自由を奪っている。再三、主に右サイドから崩してクロスを上げる。しかし、どうしても読みと1対1に優れる土屋の壁を越えられない。

いつにも増して熊本のゲームだという前半の印象でしたが、逆にこんな試合のハーフタイムの監督の指示は難しいのではないか。自分たちの時間帯で点が決めきれず…という嫌な結果をこれまで重ねてきただけに。などと思いながらコンコースに出ると、すれ違う人々の表情も一様に硬い。決して白い歯がこぼれてはいない。集中力が後半も持続できるかどうかという、いつも通りの試合展開になってきたということをファンもよくわかっているからです。

「残り45分、こちら側のペースに乗せられるように、したたかに粘り強くやっていく事」。広報からもたらされるハーフタイムの監督コメントは、常にもちろん細かい部分は伏された抽象的なもの、あるいはメンタルを鼓舞するような内容になりがちですが、皮肉なことに後半”したたかに粘り強く”やれたのは、相手のヴェルディの方でした。

燃料が切れた車のアクセルを踏み込むように、熊本の動きは目立って遅くなってくる。さらに川勝監督が指示した「タテだけではなく横にも速くボールを動か」すことで、熊本の疲労感は増したように思います。

56分に先制点を奪われる前後に、五領に代えて山崎が準備され、1点を追いかけるために斉藤に代えて白谷。最後は養父を引っ込めて高橋を前線に投入。一時は4-4-2のシステムに変更する手も見せましたが、片山が2枚目のカードで退場になると、前がかりななか、数的不利も手伝ってアディショナルタイムに追加点を奪われ万事休しました。

五領は確かに飛ばしていて、どちらかというと”空回り感”もありました。懸命なのは伝わってきますが、ここぞというところで預けてしまう。交代で入ったのは山崎。どうして同ポジションに入れたのか。その後、斉藤に代えて白谷を入れた際に、ボランチに下げるくらいなら大迫は何故ベンチを温め続けたのか。藏川が連戦の疲れから、養父は病み上がりという事情もあって、もはや中盤を押し上げられない状態だったにもかかわらず、そこに手を打つのが遅すぎはしなかったのか。

「今日の動きを見ていると、齋藤、五領は難しいなと見ていて、自分たちのリズムがダウンしてしまう前に山崎を入れて、前でプレッシャーをかけたり、前に出て行くとか、流れが悪くなる前に変えたかった」と高木監督。山崎の投入は失点前から考えていたことだと言う。

しかし、疲労感のあるチームを”したたかに粘り強く”戦わせるためには、もっと違ったベンチワークはなかったのか。交代カードが何も奏功しなかった、何の変化も生まなかったというのがわれわれの印象です。

もうひとつ。試合後、いつものように色々なメディアをザッピングして思ったのは、どうもわれわれが試合中に感じていたこの日のゲームの流れ、実際に高木監督が描いていたゲームプランは微妙に違っていたのではないかということ。NHKの中継を見返したとき、試合前に指揮官はこの試合に関して「0-0でいいくらい守備から入りたい」と言っている。ハーフタイムでのインタビューには「思った以上に身体が動いている」と。これは、前半ここまでアグレッシブに攻めに行くことを想定していなかったということではないか。そうプランさせるほど、戦前のわがチームのコンディションは悲観すべき状況だったのかも知れません。

試合後のインタビューでは「前半をゼロに抑えたこと、後半は相手のペースになってしまいましたけど、できるだけ耐えた中でチャンスもあったので、ゲーム全体ではプラン通りに働いた」と言っている。自身が常に言う「1失点はアクシデントもある」という言葉を接ぎながら、「覚悟したんですけど、その前にやっぱり点が欲しかった」とも。

しかし、”1失点はアクシデントもある”というのが自身のサッカー哲学ならば、その際の次善の策はなかったのか。白谷の投入や4-4-2というオプションは、リトリートしてカウンターで同点を狙うという意図が隠されていたのか。どうなのか。どうも釈然としないのです。

「全体を通しては我々がやりたいことというのが、ある程度できたんじゃないかなと思います」という彼らしい“前向き”な総括。それは、5戦勝ちなしのなか、勝利を信じて声を枯らしたファンの心理とのギャップはいかんともしがたく。この試合後の後味の悪さを一層引き立ててしまいます。

また中二日で迎えるのは、あまり相性がいいとも言えない徳島戦。これが連戦の最後の試合にもなりますが、この連戦を迎える当初、指揮官は、「疲労を考えると選手を代えていかなければならないが、使い続けなければならない選手も出てくる」とコメントしていたと思います。その言葉と、どうも首を傾げたくなる今日のこの試合と。色々な不安を抱えたまま、徳島戦を迎えます。

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