6月13日(水) 2012 J2リーグ戦 第19節
草津 0 - 0 熊本 (19:04/正田スタ/1,333人)


4勝2分4敗。全く五分の対戦成績。そして現在、17位と18位に”思いがけずも”低迷する両チームの戦い。それは、強行日程という意味では互いに”重く”、相手のいいところを消すという意味では非常に”堅い”試合だった。そんな印象のスコアレス・ゲームで、また対戦成績に優劣が着きませんでした。

試合の局面をなぞっていってもあまり意味のないと思われるこんな試合は、逆に水面下でどんな思惑や心理的な”駆け引き”が行われていたのかを知りたいところですが、いつも頼りにしているJ's goalも、熊日の記事もアウェイということもあってか、十分な情報を与えてくれません。こんなときブログを綴るキーボードを打つ手が固まります・・・。

草津戦

開始2分。草津はロングボール。右サイドで切り替えしてクロス。ゴールのニアサイドでなんとかDFがクリア。高木監督が試合後、草津に関して、「前半は出足が鋭く、プレッシングにもスピードがありスカウティングの映像よりも迫力を感じた」と述懐する所以でした。

しかし熊本も、左サイドでボールを回して片山がえぐる。上げたクロスから高橋のヘッドは左にそれますが、惜しい場面を作ります。

五分の成績を打破する要素はひとつ。好調の前線3人の今日の出来はどうなのか。それについてFW高橋は、「前線で3人の関係を意識していたが、いつものゲームよりもスペースがなくて連動性を出すことができなかった」と反省する。

確かに、後半途中にいたった時点でも、スカパー解説者の川本治氏が指摘していたように、「30メートルくらいの幅に20人の選手が収まっていて」両チーム非常にコンパクトな戦いをしている。そこは、草津のスカウティングのなせる技なのか、いずれにしてもこれまでの”空間感覚”とは違っていたのは間違いないでしょう。そんななかで、これまで出色の出来だった西森のワンタッチパスも、影を潜めてしまいます。

草津の思いがけないロングボール戦術にてこずる感じの熊本。34分には、左サイドからの草津のFK。ニアで遠藤がバックヘッド。ファーの御厨が触れば1点という場面。しかし、返す刀で熊本は原田が左サイドをえぐってクロス。ファーに走りこんだ藏川が頭で合わせるも、ゴールの右にそれていきました。

エンドが代わった後半は、贔屓目もあるのかも知れませんが、熊本の方が優勢に見えました。58分には廣井から片山。スピードを上げてサイドをえぐる。クロスを高橋が前方に落とすと武富が倒れこんでヘッド。右にそれる。61分に左サイドを崩したのは養父。クロスを藏川がシュート。ゴール前の混戦のなか、西森が出したボールを養父が角度のないところから打ち抜きゴールインしたもののオフサイドの判定。押せ押せの感がありました。

草津の交代投入のヘベルチもうまくフィットせず。反面、高橋に代えた斉藤は、積極性を見せる。ロングボールに追いついてシュート。あるいは片山のクロスに、ニアで潰れながらも足を出し、あわやという場面を作る。練習で北嶋に動きのサジェスチョンを受けたという斉藤。この日、4枚目のイエローを受けて次節出場停止となった高橋の代わりを務める先発は、彼に間違いないだろうと思わせる動きでした。

「両サイドを含めてうまく対応できていたので、最後のアディショナルタイムをのぞいてはピンチらしいピンチはなかったと思う」というのは廣井。部厚い守備で数的にも完全に対応できていた。高さに勝る草津のセットプレー以外では不安になるような場面はなかったと言っていいでしょう。

特に、バランスを崩さず、無理をしないで、ボールを回し、保持しながら自分たちのリズムで進めた後半。中盤までのエリアでボールを奪われないよう、徹底してコンパクトに、選手の距離を近くしてボールを散らしてビルドアップするところは、“自由自在”という印象すらありました。

ただ、互いの強固な守備隊形、結果的に最終ラインは互いに崩せなかった。一瞬のミスで勝ち点3が転びそうな緊張感は、最後の最後までどちらにもあった。そういうふうにも言えるかも知れません。

翌日の熊日朝刊。「アウェイで勝てない」、「不発」という指摘ももちろんだろうし、ここまでくると“何なんだろう?”とも思う。「消極的だった」と反省する西森のコメントもある。もちろん試合に“勝ちたい”と思わない選手も監督もいないわけで、この試合に関してもそれは同じだったのは当然でしょう。

高木監督はこの試合前、対戦相手・草津に対して「うちと戦力は変わらない」(スカパー)と表現していました。試合後のインタビューでは、「草津は過去3試合、良い内容の試合をしていて失点が少ないということは分かっていたが実際に粘り強さを感じた」と言っている。そして、「選手にはそれも伝えていたのであわてずにプレーしてうまく対応してくれていたと思う」「互いに良いところが出たゲームだったと思うが内容的には妥当なドローだったと思う」とも。

”妥当なドロー”。それは、戦前描いていたイメージ通りだったというような感想とともに、現状のチームのコンディションのなかで的確に対応し、相手のいいところも消したうえで、自チームのいいところも表現できた。そして現実的な結果を得た。ミスは少なかった。そう言っているようにも読みとれます。

そしてそれは今節、19位以下のチームが全部黒星を重ねた中で、勝ち点1をしっかり積み上げたという結果になったことにつながる。21位岐阜との勝ち点差がようやく6に広がった。ともかくも、しばらくはこういう”現実的な”ゲームを積み重ねていくことが必要なのでしょう。決して悪くはない。それが今節のわれわれの素直な評価です。

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