6月24日(日) 2012 J2リーグ戦 第21節
富山 0 - 2 熊本 (18:06/富山/3,750人)
得点者:2' 齊藤和樹(熊本)、37' 武富孝介(熊本)


水戸戦の高橋の先制点も開始2分。前節の齋藤の得点は3分。そしてこの試合も、記録上は2分になっていますが、実際の時計は1分そこそこではなかったでしょうか。このところ続く開始早々の得点。それは、試合の入り方の問題。様子見をせず、自分たちのサッカーで序盤から押していく。そんな姿勢の表れでしょうか。

富山戦

養父の右CK。低くて早いニアへのボールに、一瞬フリーで脚を振ることができた齊藤。相手のマークのミスといえばミス。「事前の分析で『CKの守りに対し富山の守りがゴール正面に集中すると思ったので、その横のスペースを狙った』。」(熊日)と、当の齋藤は冷静に振り返りますが、養父のボールも狙っていたポイントに入っている。齊藤もダイレクトでしっかりボールを捕えている。かなり難しいシュートでした。

2試合連続でスタメンの座を射止めた齊藤。前節のエントリーで厳しい注文をつけましたが、連続得点で結果を出した。これまでの空回りするような動きが、徐々に、安定した出場機会を得るようになって、次のプレーにつながる動き、回りをうまく使う動きが多くなってきた。今は使うほどにうまくなっていくのではと、そう思わせます。

熊本の守備システムをなかなか破れないでいた富山でしたが、それでも高木監督に「非常に強さ、速さを感じた」と言わせたプレッシングに熊本は手こずります。なかなか前線の選手に収まらない。サイドにも繋がらず、攻撃の厚みが作れない。そんな嫌な流れを払拭したのは武富の2点目でした。

37分。アタッキングサードで拾って拾って波状攻撃の熊本。相手を押し込んだ結果の明らかなクリアミス。そのボールはPA内で高く上がって武富のところに落ちてくる。落ち着き払ってダイレクトボレーで打ち抜く武富。ゴールに突き刺しました。

「味方からのパスを要求する声も聞こえた」という武富。おそらく”以前”の彼ならそうしていたかも知れません。しかし、「自分が一番ゴールに近かったから」と言う彼は、迷わず右足を振った。それは何より”ゴールを狙う”ということに一心だったから。あのPKの失敗から明らかに彼は変わった。一皮向けたとでも言うべきか。それがこの6試合で5ゴール、チーム得点王として8得点という結果に繋がっているとすれば、あのPK失敗も小さな代償でしかなかったと言えなくもないかも知れません。

相手GK・守田の感覚としては、「1失点目はマークを確認し切れなかった。前に入られてブラインドからシュートがきた。2失点目もDFに簡単にクリアさせて流れを切る選択をさせる声を出すべき。ピンチらしいピンチはその2つだけ」。確かにその通りとも言えますが、富山は他にも多くの目に見えないミスを、守備面でも攻撃面でも繰り返している。せっかく掴みかけたモメンタムを自ら手放しているような。黒部も苔口も、さらには朝日も欠く満身創痍な状態の富山。そんな苦しい台所事情もあったのかも知れません。(逆に、熊本がそこにさらにつけ込めなかったということは反省点でもあるのですが。)しかし、曲者の大西をサイドの奥に封じ込め、ソ・ヨンドクにも仕事らしい仕事をさせなかった。

先制点もあって、これまでになく安心して見ていられたということはあります。主導権ということで注目すべきは、とくに後半。富山側から見てみれば、試合を終わらせてしまう3点目を奪われたくない、ということが最も大きかったのかもしれない。そのあたりの”心理的な攻防”というところも含めて、リーグ戦前半を戦ってきて、積み重ねたものが見えたのがこの後半だったと思います。ピンチらしいピンチはほとんんどなく(試合を通じても与えたCKは1本だけ)。繋ぐ、蹴るのプレーの判断がはっきりしている。吉井を中心にした3バックの読みベースの守備は、さらに的確さを増している。裏に抜けようとする相手FWの動きを完全に封じていました。試合自体(得点)は動きませんでしたが、非常に見ごたえのある後半45分だったといえましょう。したたかな零封勝利。

18位の順位は変わりませんが、これで21位富山との勝ち点差は9に広がり、直下の岐阜とは2試合差になりました。それにしても前半戦最後の試合にして、ようやくの敵地での初勝利。関東圏のサポーターに、やっとゴールシーンと勝利を届けることができたのも、今季の”苦しさ”を表しています。

次節は、5月の対戦で0-4の完敗を喫した千葉。あのフクアリのアウェーの雰囲気に呑まれた選手も多かった。しかし振り返ってみれば、あの大敗以来、実は6試合で3勝2分1敗と着実に勝ち点を積んできている熊本。前半最終戦で、きっちりとアウェー勝利のケジメをつけた熊本。後半戦のスタートにあたり、強豪相手にどんな試合ができるか。どれほど調子を上げたと言えるか。それは”もうひとつの開幕戦”ともいえるリ・スタートの大事な一戦。

今週の木曜日。NHK夜8時からの「仕事ハッケン伝」ではロアッソ熊本が特集されます。スピードワゴン小沢一敬の奮闘と涙を前に、スタジアムに足を運ぼうという機運もきっと高まるのではないでしょうか。フクアリにはまだまだ及ばないかも知れない。しかし、最高のホームの雰囲気で選手たちを後押ししたい。勝ちたい。勝たせたい。番組もとても楽しみですが、試合はもっと楽しみです。


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