7月29日(日) 2012 J2リーグ戦 第26節
熊本 0 - 3 徳島 (19:05/熊本/6,940人)
得点者:29' 青山隼(徳島)、36' 津田知宏(徳島)、81' 衛藤裕(徳島)


試合の途中で席を立つ人を何人見送ったでしょう。夏休みに入ったこの時期。周りにも、サッカー(ロアッソ)初心者の女の子を誘ったといった風情の若いカップルも見受けられた。動員が心配されている今シーズン、この好機を、むざむざとチームは棒に振ってしまった。そんな悔しさも滲みました。

北嶋のホームデビュー戦でした。試合前、いつものようにアップする選手たちのなかに、当たり前のように長身のその姿がある。それが今更信じられなくて。「MAX! MAX!キタジマックス!」。ゴール裏からは、熊本の北嶋のために用意された新チャントが繰り返し歌われ、選手紹介でもスタンドから万来の拍手。熊本での初ゴールが見られるかという期待感で高まる。しかし、前節のような”見せ場”はなかなか訪れない。ついぞ試合中に、そのチャントを再び聴くことはありませんでした。

徳島20120729

「非常に残念な結果で、僕自身、正直言うと失望しています」「今はなぜこういう状況になるのか分からないというのが正直なところです」。それが試合後すぐの高木監督のコメントでした。

この試合、結果は0-3。完敗だしホームということや3連敗ということを考えれば“惨敗”とも言える。しかし、その試合内容、失点の仕方など、今のチーム状況と重ね合わせると、単純ではなく、色んな見方ができるし、できてしまう。

「これまでのような”怖さ”が全く感じられない。」何がしたいのかわからないというのが、前回対戦での徳島の印象でした。ところが、ようやく小林監督の守備戦術が浸透したのか、この試合で敷いた徳島の強固な守備ブロックを、なかなか破れない熊本。それに対して、「引く相手をうまく崩せなかった中で、焦れてクサビを入れてしまって、失点もそうですけど、そこで取られてカウンターというのが何回もあった…」と後ろからのビルドアップの心理状態を矢野が説明している。

「あ、失いどころが悪い」。瞬間、誰もがそう思ったでしょう。縦パスを青山がインターセプトすると、カウンターぎみに展開し、最後は再び斜めに走り込んだ青山がヘッドで決める。

「前半に失点するまでは本当に良かったし、あの時間帯に取れないことと、あの時間帯で、いい流れなのに失点してしまったのがもったいない」と、GK南が悔やむ先制点の献上。ある意味、この敗戦を象徴する失点でした

高木監督が憤るのはむしろ2失点目でした。ロングボールに飛び出した津田を追いかけて、エリア内で廣井が後ろから倒してしまう。「特に背後への対応は絶対的に気をつけなきゃいけないストライカーがいるにも関わらず、その辺でやられてしまうというのは、力が無いと言うしかない」(高木監督)。前回対戦時も痛い目にあったこの危険人物に対してのマークが、あまりにもお粗末すぎました。

もちろん熊本も、手をこまねいていたわけではなく、徳島の3倍近くのシュート数が示すように、フィニッシュまで持ち込みました。徳島の速くて読みのいいプレスを外して前線まで持っていく幾度かのプロセスは、確かに“本当に良かった”と見えるものでした。2点のビハインドからの後半、市村、そして藤本を入れて4-4-2にしたあたりからのポゼッションとパスワークには、ワクワクさせられたのも事実です。

しかし、シュート数5本(そのうちPKが2本)から3得点という徳島のいわば”決定力”、そしてその執拗なまでの戦術にまんまとはまってしまった。「焦らされた」というように、自らがミスをして与えてしまった3失点でしかありませんでした。

ただ、今回の(3連敗ということも)結果が単なる偶然の産物とも言えないわけで。やはり何かしらの敗因は掴んでおきたいのですが。

「勝ってた時期は前半の早い時間に点が入っていたから、そこだけかなとも思うし。チャンスは作れているので1つ決まればトントンと入るかもしれないし」「すごく悪ければ修正もしやすいと思うけど、決してそんなに悪くない」と南のコメントもはっきりしない。

しかし、3連敗する前(勝っているとき)って、攻撃が良かったわけでもなく、守備が良かったわけでもなく。“バランス”と“リスク管理”つまり“良い守り”からスタートして、“数少ないチャンス”を決めて、“徹底してブロックを作って””守り抜いた”ということではなかったかと。

その意味では、「いい時間帯の時には、やっぱり後ろが耐えてあげないといけないと思います。カウンターのチャンスは相手にもあるし、そこはやっぱり止めたいというのは強く思います。0-0の時間を長くすれば、後半も違った形ができると思う」と続けた南のコメントは、(多分)今日のこの結果とどう向き合うかを示してくれているように思えるのです。

武富は、「相手も(スペースを)消していたので、自分たちが抜けるより足元で作っていくしかないのかなという状況でした」と、前線もなかなか思い通りのリズムが作れなかったことを反省しています。

付き合わせてみれば、くっきりと浮かんでくるのは、“守りからのゲームの組み立て”にもかかわらず“相手がブロックしてきた”ので、ゲームのイメージとして同じものを描けなかったのでは。監督と選手、選手同士が…。

「誰かの責任にするのではなく、全員がこの敗戦を受け止めなければいけない」 と北嶋はインタビューに答えました。そして試合後すぐにtwitterで、こうつぶやきました。

「課題だらけ。でも、それだけ伸びしろがある。可能性がある。だから絶対にあきらめない。ずっと前を向く。そのことから逃げない。」

無用なホームでの敗戦を目の当たりにして、正直肩を落としています。しかし、新しいエース(まだ無得点ではありますが)の力強い決意を信じて前を向く。もう一度作り直しです。われわれも決して逃げません。

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