6月9日(日) 2013 J2リーグ戦 第18節
熊本 1 - 3 京都 (19:04/うまスタ/5,460人)
得点者:49' 久保裕也(京都)、64' 久保裕也(京都)、72' 久保裕也(京都)、88' オウンゴ-ル(熊本)


開始10分までは確かに京都の圧力にバタついたものの、前半を通していえば熊本のゲームと言える内容でした。「決定的なパスがまだまだ」と課題にしていた橋本が、今日は果敢に縦に入れる。仲間が、堀米が前を向くと京都の中盤がおいていかれる。ファビオが空中戦を競り勝ち、齊藤がDFの裏に空いた広大なスペースを何度も突く。京都のDF陣にはなんとなく詰めの甘さ、おぼつかなささえ漂っていました。

そういう意味では、一昨年11月、水前寺での京都戦を思い起こさせたかも知れません。しかし、今日はこの時間帯に点が取れなかった。それが敗因のひとつであることは間違いないでしょう。

熊日は翌日夕刊の見出しに「後半崩壊」ととりました。確かに、互角以上で戦っていた前半なのに、終わってみればFW久保にハットトリックを献上する3対1の大敗。何がこの落差を産んでしまったのか。

20130609京都

「自分が試合を壊してしまった」(熊日)と、南は一身にその責を担います。後半も始まってすぐに与えた京都へのファール。そのFKに飛んだ南が、パンチングかキャッチングが迷ったのでしょうか、ファンブルしたボールが、まさに久保の目の前に。落ち着いて頭で押し込まれてしまいます。

前節・福岡戦の連携ミスに続いての南。いや、思えば栃木戦からすでに、何とも言えない不安定さを感じていました。GKと言っても、コンディションの波は必ずあるはず。これまで幾度となく失点機を防いでくれた絶対的守護神、南というチームの柱に絡む失点ということも、その後の試合運びを落ち着かなくさせた遠因かもしれません。

その後も、球際の強さが増した京都に対して熊本のパスは乱れ始め、その「クローズ戦法」から脱しきれなくなりました。ただ、追加失点は一本のロングボールから。久保のトラップの瞬間に勝負が決まっていました。ゴールを割られます。

挽回しようと前がかりになってカウンターを受けてさらに失点。そのあっけなさは、典型的な失点パターンではあるのですが、そのプロセスをもう一歩突っ込んで考えてみると、これはもう自分たちのプレーに対して自信を持てないことからくる焦り。失点したのは後半も4分の段階。まだ40分もの時間が残されており、戦局はどうとでも変えられた、そんな時間帯だったはずです。

「1点くらいじゃびくともしない強い気持を持たなくては」(熊日)と、吉田監督は選手のメンタルの弱さに注文をつけました。それは確かに本質だろうとは思います。とにかく我慢できない。攻守のバランスを崩して、あっさりと失点してしまう。普段の持てる力を大きく下回る結果になってしまう。運動量や集中力といったものの上に、微妙なバランスで成立しているものが、ちょっとしたことで崩れてしまう。

ただ、このあとの采配で、原田に代えて藤本を入れ、橋本のワンボランチにして中央を薄くした。藤本が、この日もうまく試合に入れなかったこともあって、戦術面でもバランスを崩すことに手を貸してしまったようにも思えるのです。

「後半は相手がポジションも変えてきてハメやすくなった」(J’s Goal)と、京都の田森がそれを証明するように、益々京都の“クローズド”に余裕が感じられてしまいます。

「もっとじっくり攻めてよかった」(熊日)と言うのは吉田監督。しかし、攻撃に比重を掛けた交代、システム変更は明確なメッセージであり、それと同時に、「じっくり」を選手たちに求めるのは、少々酷なようにも感じます。

攻守ともにペースをつかんで、決定機を何度も演出した前半。そして決めきれなかった前半。その消化不良感。これも、我慢するエネルギーを弱めてしまった原因でしょうか。

サッカーは1点取るのに2~3分あればいいわけで、10分も20分もかかるものではない。「まだ十分行けるぞ!」と指揮官に背中を押されて途中から入った北嶋は、片山のアーリークロスに飛び込む。最後は藏川も投入される。

そうして現実に最終盤。本当にスイッチが入ってしまえば、取りに行って取れた、そんな得点だったように見えました。これは栃木戦の1点と同じ価値。あのあたりの攻めの迫力は尋常でないものを感じます。ただ惜しむらくは、遅すぎる反撃の狼煙。オウンゴールということもあって、タオルマフラーを回す気持ちにはなれませんでしたが…。

今の熊本は、先制してもされても、ゲームが動くと何かしらバタついてしまうような、そんな印象を受けます。それはメンタルの弱さと言うことではないような。90分を通じたチーム力、パフォーマンスとなると、安定せず大きくバラついてしまう。90分のなかで何度か訪れる、ゲームの潮目のような時間帯。そこで見せてしまうチームの“底の浅さ”みたいな対応力。それを補うのがベンチワークであり、ベテランの力だと思うのです。さて、今日の試合はどうだったのかと言えば、月並みですが“噛み合わなかった”。チームのバランスの危うさを示した残念なゲームだったと言わざるを得ません。

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