7月27日(土) 2013 J2リーグ戦 第26節
熊本 1 - 1 山形 (19:04/うまスタ/5,013人)
得点者:31' 山崎雅人(山形)、58' 仲間隼斗(熊本)


20130727山形

「3バックがこなれていない」。それは前節、栃木の松田監督が熊本を評した言葉。3人のCBだけを指しているのではなく、システム全体に対しての指摘でした。

この試合も、前半どうも両サイドハーフの動きがぎこちない。攻め上がるタイミングも、下がって“スペースを埋める”タイミングも。5バックに近くなると、中央は守りが厚いというより、妙に人が余ったような感じに。変に守りの意識が先行するのか、下がってしまって・・・。試合後、池谷監督代行が「エリアは抑えてるんだけどボールサイドに行けない」と表現したように。中盤のサイドは薄くなって、右往左往するような…。相手との陣形が噛み合わず、何だかふわふわした状態のまま攻め込まれます。

もっとプレッシャーを掛けるように指揮官は指示しますが、それをはがすようにボールをすばやく回す山形のうまさ。完全に主導権を握ります。そして、人数をかけて次々に熊本ゴールを脅かす。風上の優位も生かして、遠目からも打つ。強い。とても13位に低迷しているようなチームには思えない。防戦一方の熊本は、もうゴール前を固めて、体を張るしかない。

それでも凌ぎきったのが前節でしたが、今日は31分、ロメロフランクから出たパスに中島がエリアイン。囲まれてもドリブルで粘ったあげく、マイナスに出したところに、詰めていた山崎が落ち着いてゴールに打ち込みました。

ただ、よく1点で済んだとも言える。おもわず目をつぶった決定機は三度、四度。前半中に、2点目を奪われなかったことで、熊本にとってのこのゲームが壊れなかった、作れたことにつながった。

後半開始から北嶋に代えて仲間を投入。そして4-4-2にスウィッチ。こうも劇的に戦況が変化するというのは、面白いとばかりは言っていられない。最初からこのシステムで入ればどうか、と誰でも思ってしまうほど。今日の山形は、前節の栃木より、ゴール前の精度、技術が高く、前半でゲームが終わっていた可能性もあったわけで。とにかく、目の前にマッチアップする選手をしっかりつかまえることで守備が安定した熊本は、次第にボールポゼッションも高まってきました。

得点はまたも、一発のカウンターから。58分、スローインのボールを齊藤が落とすと、サイドハーフにポジションチェンジしていた黒木が、狙いすましてサイドチェンジ?アーリークロス?ロングパス?とにかく前線の大外に構えていた仲間に送る。仲間がうまくトラップしてDFもGKも切り返しでかわすと、無人のゴールに流し込みます。

前節のファビオ、斉藤と同様に、交代カードの仲間が力を発揮した。「レギュラー」だった選手が、累積でもないのに先発を外れている。そんなちょっとしたチーム内のバランスの揺らぎがもたらす効果かもしれない。あるいはそれはもしかしたら、本当にピッチの外から見ることで、違う戦局が見えてくるのかも知れません。

明らかに選手の疲労による交代で3枚のカードを切っていった山形に比べて、とうとう熊本の交代カードはハーフタイムでの北嶋→仲間の一枚だけでした。相当に疲れは見えましたが、最終盤まで、足は止まっていなかった。どこをいじる必要もなかった。見ているわれわれも、目の前の戦況とベンチメンバー、残り時間を思い比べながら、今のままでフィットしているしなあ…と、交代の必要を感じなかったのは事実。もちろん、これも勝ち点1をベースにした戦局観が基準になっているからこそなのでしょうが。

「残り10分とかで勝負を決めようという考えは無い」と言い切る池谷代行。変に攻撃的選手を入れて、バランスを崩すことを恐れた。その現実感。今はただただ降格圏内を脱することを優先している。思い出すのは、岡山での地域決勝の戦い方、昇格を義務づけられたJFLの頃の戦い方、彼我の力の差を考慮したJ1年目での戦い方。本当にこの人はリアリストであると思わざるを得ません。

終了のホイッスル。疲労で倒れこむ山形の選手たち。熊本も堀米ががっくりしていたのは、「勝てたのでは…」という、精神的なもののように見えました。90分間走り切れるようになった堀米。アディッショナルタイムに敵陣でもらった、2度のFKのチャンスをものにできなかった悔しさもあったのだと思います。

原田が累積のこのゲームでしたが、黒木が復帰して、徐々にコンディションを上げていることも大きなプラス要因。「我慢して守るというよりも自分からアプローチをしかけて奪う、奪って出る、そういう力をすごく持ってる選手」。指揮官も信頼を寄せているのがわかります。

われわれ自身を落ちつかせたいわけではないのですが、とりあえず監督交代から3戦負けてはいない、と言ってみたい気がします。まだまだドキドキの試合運びではあるが、少なくとも打つ手はハマっていると言えないこともない。”ぎこちない”3バックを除けば…。われわれ素人目からすれば、4バックをベースにさらに守備的なオプションを考えたほうが現実的な感じがするのではありますが…。

さあ、8月です。そう言えば堀米と橋本の移籍期限は8月まで…。そこがまたひとつの区切りかもしれません。

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