8月4日(日) 2013 J2リーグ戦 第27節
鳥取 0 - 0 熊本 (18:34/とりスタ/3,890人)


後半42分、3枚目の交代カードは黒木でした。これを現状のチーム戦術、池谷スタイルと呼ぶのかどうかは別にして、われわれを唸らせた。そのリアリズム(現実主義)を、改めて思い知らされた気がなぜかしたのです。

下位チームが勝ち点を積んだ今節。確かに勝ち点3を持ちかえれば、それは言うことないかもしれないのですが、ほんとうに近視眼的な結果論で言えば、勝ち点0なら、順位をふたつ下げて18位。降格圏・群馬との勝ち点差が“4”に縮まっていたわけで…。

試合後、「ボール支配率から見れば、勝ち点2を落としたとも言える試合」と、池谷監督代行がふり返るのは、これはもう明らかな評論、結果論であって、勝ち点1を手にしているからこそのコメントだろうと思うのです。

とにかく勝ち点を積んでいく戦い。

20130804鳥取

北嶋を故障で、齊藤を累積で欠く前線を、仲間と堀米の2トップ、トップ下に藤本というシステムに変えてきた熊本。3バックのセンターには橋本という布陣でした。

前半はお互いに守り合い。ある程度までは行くけれど、完全には崩しきれない。サイドで詰まる。これは集中して、守ろう、先制されない、という両チームの強い意志が前面に出たゲーム運び。鳥取もなによりこの順位の近い熊本を叩いて、下位戦線から這い上がろうという狙いの試合。昨年、降格圏内を最後まで彷徨った。その轍は踏まないとばかり。

だからと言って消極的な凡戦ではない。鳥取のプレスの甘さも手伝ってか、熊本はほぼツータッチでボールがよく回る。藤本がいつものように動き回って、収めては前を向く。前半16分には、片山のゴールラインぎりぎりからのマイナスクロスのこぼれ球を藤本が打つ。GK小針の手を抜けたもののDFドゥドゥに防がれる。ハンドではなかったか?その後のドゥドゥの顔面の痛がりようが、逆に不審に思えてなりませんでした。

35分以降あたりの時間帯に、ちょっと足が止まった感の熊本。鳥取のサイドチェンジにファーストディフェンダーが行けていない。やられてみると、サイドチェンジは実に嫌な組み立て。ピンチといえばこのあたりでした。

しかし、修正も確かなものがありました。後半、さすがにスペースができはじめたなと思っても、すぐにコンパクトに戻る修正が働く(両チームともに)。最後まで片山が単騎で攻め上がる場面がなかった。バランスを崩すリスクを冒してまで攻め上がらなかった。

ボール支配率というより、こちらの決定機と相手の決定機が同じくらいの戦いか。両GKも見せ場を作りました。

それにしても、縦に強いパスが通って、収まって、受け手が振り返ると、“サッカーらしく”なるし、ゲームの質が高くなって面白くなるものだ、と実感しました。このシステムで、あの位置での橋本の起用。ただ単に、当たりが強いだけでない。そしてあの縦の選択は、確かにこれまでの熊本にはなかったものでした。

組み立てのなかで、同サイドでのワンツーとサイドチェンジと。縦にズバッと行くところは行く。このぐらい色んな手を見せると、このところ封印気味のロングボールも、また活きてくるのではないでしょうか。

そこで、改めて不思議な気がするのが、なぜロングボールが使われなくなったのか?

昨日の試合でも、途中ファビオが出ても蹴らない。何かこう、主義主張のようにも…。蹴るのは決定的なカウンター狙いの時だけ。

思えば、夏場の消耗を懸念してのことかも知れないと。高木監督時代に一度、いつかのエントリーに書いたことがあります。ロングボールでのキック&ラッシュ、セカンドボールの奪い合いは、選手に相当の体力を要求する。熊本が夏場に失速するのも、その戦術のせいではないかと。

そういえば、ここのところ練習時間も、日中を避けて朝方や夕方に組まれているような。熊本のうだるような暑さのなかで、無用の消耗を避けるように。マネジメント面でもそういう配慮がされているのでしょうか。これも経験値。そして、この大事な局面だけに。

まだまだ、しばらくは勝ち点1を積み上げ、3を狙うゲームが続く。ゲーム運びもそうですが、JFLの時のような、「負けられない試合」「負けない戦術」なのかも知れない。それは監督というより、経営者の戦術にも見えますね。

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