8月12日(月) 2013 J2リーグ戦 第28節
熊本 1 - 1 岡山 (19:04/うまスタ/5,513人)
得点者:79' 押谷祐樹(岡山)、81' 齊藤和樹(熊本)


単発的に、ロングボールで裏を取られる、あるいは取られそうになる以外には、岡山に対してほとんど有効な攻撃を封じた形でした。失点も、押谷の飛び出しと、まあこれはもう相手を褒めるしかない、瞬間のトラップと身体の入れ替え。残念と言えば残念。常に守備の数的優位を確保していただけに…。

月曜夜の変則開催。その他のカードは全て前日に終了しており、しかも下位チームが軒並み勝利を収めていました。最下位から勝ち点差4に迫られた状況。なんとしても勝利が欲しい熊本は、前節同様の先発布陣。

20130812岡山

試合序盤から中盤にかけてこそ、岡山の寄せの速さもあって、互いに潰しあうようなゲームになってしまいましたが、徐々に両サイドハーフが挽回しはじめ、主導権は熊本に移り、サイドから、あるいは中央から、“ちびっこ”3トップが流動的に動きまわり、幾度も決定機をつくりだします。

22分には敵GKからDFへのパス出しを藤本が奪って、すかさずループシュート。これは惜しくも左に反れる。34分にも前を向いた藤本がPA内の堀米へパス。DF3人を引き連れた堀米から藤本へ。藤本のシュートはまたも枠の左。

「いい前半だった。だけど結果は何も出ていない」とハーフタイムで池谷監督代行は言い、「後半の相手は、前半の相手と思うな」と選手を引き締めました。

岡山は仙石に代えて押谷を投入。千明を中盤の底に置いて藤本に対応させるとともに、押谷と久木田の2トップにして点を取りに行くぞという合図。岡山もまたどうしても勝ち点3が必要な状況でした。

ただ、岡山のボールを奪う位置は高くなったものの、そのあとの拙攻に助けられる展開。少しチームの機動力が弱まってきた熊本は、吉井に代えて黒木、堀米には齊藤。

均衡を破ったのは79分の岡山。冒頭に書いたように中盤・千明が斜めに入れたロングボールに押谷に裏を取られてのもの。しかしすかさずその2分後、原田が前線に送ったボールに岡山DFのクリアが小さくて、齊藤の足元に。瞬間、齊藤は迷わず左足を一閃。アウトに掛かったシュートがゴール左隅に突き刺さります。

その後も両者とも引き分けをよしとしない戦いぶり。熊本はアディッショナルタイムもボールを拾い続け、岡山のゴールに迫りましたが、終了のホイッスルが鳴り万事休しました。

南が「この2試合は内容が良い」と言い、片山が「前節の試合からボールを運んで良い形をつくることができている」とふり返るように、なんとか引き分けた、引き分けてラッキーだったという試合ではなく、十分に勝機を感じながらの引き分けと言えるでしょう。

ただ勝ち点3には結びつかなかった。池谷代行に交代してから5試合。これで1勝4分け。
指揮官が代わって、徐々に、本当に少しずつ戦術理解が進んで、その間、とにかく「負けない」サッカーで凌ぎながら。

しかし、前節、今節と下位チームが勝ち点3を積み上げる状況のなか、勝ち点がひとつずつしか伸びないもどかしさもある。われわれファンの側にも、ちょっとした焦りみたいなものが無いと言えばウソになるでしょう。

もちろん選手たちのコメントを読めば、これを続けていくということで一致しているし、それはチームの方向性、求心力として大事なことだと思う。意識してそういうふうに方向づける言動ということでもあるのかも知れません。

そんななかで、悔しさや課題を口にする選手もいる。「勝ててない焦りや、結果を残したいという思いが裏目に出てしまった」と言う藤本。「もっと怖い選手にならなければ」と言うのは堀米。

試合の“ベース”を作る力は確実に感じられるようになってきた。いわゆる「勝ち点1をベースに」というところ。しかし、それを勝ち点3につなげるためには、それを超えるプレーが必要になってくる。当たり前のプレーではそれは難しい。

今日の齊藤の同点ゴールのような、あるいは相手方ではあるけれど、押谷の先制ゴールのようなプレーが。

途中投入の齊藤のプレーぶりは、相手にとって十分に「怖さ」を感じさせたのではないでしょうか。五分五分でもない、自分が不利な状況でも果敢に仕掛け、身体ごとの勝負を挑んでチャンスを奪い取っていくような迫力。DFにとって嫌だと思わせるようなプレー。

「前に選手がいない中で、自分でも仕掛けるかシュートをかの判断が難しい」(熊日)。タイプは全く違うものの、FWで使われるようになって2試合目の堀米が感じていることも、それに通じることのように思えます。“上手いだけではダメだ”ということでしょうか。

堀米、橋本ともに今季末までのレンタル延長が決まり、FWにはウーゴ、DFには青木という新加入選手と合わせて、チームの力の大きな要素である「競争」環境が保たれ、さらに強まることになります。正直な気持ち、ホッとしたし、これはかなり大きなニュースでした。

今日の熊日は、斉藤にスタメン落ちからの経緯を「初心に帰ることができた」と語らせています。そして、今日のゲームもまたスタメン落ち。ですが、リアリストたる池谷代行は、多分、これは純粋に戦術的に斉藤をベンチに置いたのではないか。齊藤が入って「違う攻撃のバリエーションができた」と言う。コンディションを戻し、精神的にもひと回り頼もしくなった齊藤を、ひとりでも局面を打開できる、ゲームプランの“切り札”として先発より高い優先順位の選択肢としてベンチに置いたのではないか。ベンチに切り札を持った経験があまりないわれわれのチーム。斉藤をベンチに置いておける戦術、選手層は、ちょっとうれしい状況といえるかも知れません。

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