10月20日(日) 2013 J2リーグ戦 第37節
千葉 6 - 0 熊本 (16:03/フクアリ/7,345人)
得点者:33' 田中佑昌(千葉)、35' ケンペス(千葉)、38' 高橋峻希(千葉)、52' ケンペス(千葉)、67' ケンペス(千葉)、90' 森本貴幸(千葉)


何でしょうか?完全なパスミス、いやプレー選択ミスからの失点。テレビ画面を通して見ていても、あの対応は理解できなかった。何だこれ?という感じ。

直前のセットプレーのピンチを脱して、何でもない局面だったわけで。普通にプレーが切れるような形でよかった。セットプレーで相手DFが残っていて、ゴール前はゴチャゴチャで、そこにボールが入れば、決定機になってしまう。まさにクリア、リセットのプレーでいいし、何の疑問もない状況だったはずなのに。ここぞとカウンターへ向かう気持ちもあったのでしょうが…。

試合の入りは悪くなかった。いやむしろ、ここ数試合より立体的で、片山サイドのスペースが空いていたこともあって、ワイドに展開できていて、得点の予感さえありました。

黒木のドリブルからウーゴがヒールで流して、養父がミドルを放つ。大きなサイドチェンジから片山が強烈なシュート、GKが弾いたところを齊藤がダイレクトボレー。齊藤からのパスを藤本がスルーして黒木が撃つ。バイタルを攻略している熊本。その「いける…」 という感触が、逆に気持に隙を生んだのでしょうか。

20131020千葉

この日、長崎が先に勝利を決めて勝ち点60にしたので、プレーオフ圏内6位ギリギリ(勝ち点58)となった千葉との戦い。千葉のモチベーションは相当のものだったでしょう。われわれにとっては、アウェーのフクダ電子アリーナは、全くいい印象はなく。戦前から、かなり厳しい、正直に言えば悲観的なイメージを持っていました。

「上位と当たる次からのリーグ戦に繋がるはず」と迎えた広島戦で、手も足も出なかったという結果も、そう思わせた遠因かも知れません。

したがって、勝ち点を重視したここ数試合のブロック戦術から、さらに守備的な戦いになるのかと予想していました。それでなくても青木が契約条項で、橋本と原田が怪我で不在ということで、守りの要を欠く熊本。相当に重心を後ろにもってくるのではないかと。

もうひとつの何故?は、1点先制されてからの崩れ方。「ミスの中から失点をして浮き足立った」と、池谷監督代行も言いますが、明らかに動揺した様子がチーム全体に伝播したような。それほどに”ミスしてしまった”感が強かったのかと。

千葉で驚かせたのは米倉の活躍でした。FWだった彼が、チーム事情もあったのでしょうが、今は右SBを努めている。それが驚くほどの攻撃性をもたらしていて。運動量、クロスの質とも申し分なく。常に前線に顔を出す”危険人物”。新しいタイプのSBに見えて。

先制点をお膳立てしたのも、その米倉のグラウンダーの高速クロス。その前から、熊本の左サイドの裏を狙っていた。熊本の攻撃の懐刀が片山だというスカウティングもあったのでしょうか、その後も、徹底的に同サイドを狙って崩す千葉。あるいは逆サイドからも、熊本の3バックの外側裏のスペースを狙われていた。後半の終盤には、左SBの高橋のクロスに、右SBの米倉がヘディングシュートするといった有様でした。

3点ビハインドを背負った後半開始早々も、熊本はいい攻撃を作り、なんとか反撃の狼煙を上げようとしました。しかし、追加点は千葉に入る。高橋の前に入ったケンペスの高い打点のヘディング。

熊本は堀米を入れ、そして北嶋。システムは4-4-2へ。ただ、北嶋になかなかボールが入らないうちに、ケンペスがPAで粘って、力ずくの右足シュートがネットを揺らす。ハットトリック。

この試合の前に、今シーズンでの引退を発表した北嶋。一方的な試合展開になったなか、チームのモチベーションは、”1点でも返したい”というのはもちろん、”彼”に点を取らせたいということだったでしょう。

ただ、シンプルなプレーで点を取り続けていく千葉に反して、熊本のその”特別な”気持ちは、プレーを複雑にし、かえって空回りさせた感じがします。初めてコンビを組むウーゴとのポジションの重なりも顕著で、好機を逸してしまいました。

終わってみれば6-0の大敗。

ただ、チーム全体が成すすべもなく”切れて”しまった北九州戦のあの大敗とは違っていたとは思います。人数を掛けて崩してくる千葉。その圧力とスピードはやはり”J1に繋がる”強さを感じました。それに対して、あまりにもDFの対応が淡白だった。決定的なパスを出す兵働へのケアは何もありませんでした。前回対戦でも2点を取られ、要注意だったはずのケンペスへの対応に関しては特に。

「ちょっとあっさりした失点が多かった」と、指揮官は言いますが、スカウティングは十分だったのか。らしくない感じがして、疑問も残ります…。

もうこの段階でのチームの目標は降格圏からの脱出以外にはないでしょう。目下の順位に一喜一憂するチームのモチベーションも含めて、目の前のゲームに全力を挙げること、そしてその結果がすべて。結果というのは、自力で戦うということと、この状況では、他チームの成績も当然、含めてのことになる。

最下位の鳥取が引き分けで勝ち点1を積んだ以外は、岐阜(1ゲーム未消化)、群馬、富山といずれも敗れたため、あまり状況は変わらなかった。つまり、1ゲーム消化して、そのままの状況で進んだということで、熊本にとっては、まさに結果オーライという理解ができます。

ただ、願望はもうひとつ。

「波乱、旋風を巻き起こせたらよいと思う」。富山戦で勝利したあと、続く上位陣との対戦に向けて、池谷監督代行は、そう言いました。毎年、リーグ終盤上位陣を叩いて、”昇格戦線をかく乱”していたわが熊本。そのいつもの”存在感”は、まだ示せてはいません。

次節は、プレーオフ圏内6位に位置する長崎。というよりも、J2昇格1年目の長崎。前半戦で敗戦した長崎。昨季までの指揮官・高木監督が率いる長崎。

その長崎に2度も負けるわけにはいきません。ホームで負けるわけにはいきません。”意地”はあるのか? チームも、われわれファンも試されています。

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