3月16日(日) 2014 J2リーグ戦 第3節
磐田 3 - 1 熊本 (16:03/ヤマハ/7,998人)
得点者:7' 前田遼一(磐田)、19' 前田遼一(磐田)、36' 松井大輔(磐田)、74' 齊藤和樹(熊本)


20140316磐田

13年前。2001年4月のヤマハスタジアム。ホームチームがまだ青の時代。初めてのJFLリーグ戦で初めてのアウェイゲームに臨む。対戦相手は静岡産業大学。サックスブルーのユニフォームはジュビロそのままで。運営にも磐田サポが多く関わっていたような。結果は引き分けでしたが、たった3人のゴール裏に、磐田サポの方々から次々と「がんばれよ」と、とても温かい声をかけていただいたのを思いだします。思えばあれがわれわれのスタート地点だった。

以前にも書きましたが、この日の前日、国立で鹿島・磐田戦を観戦した後だっただけに、われわれにとって磐田は、まさに雲の上のチームでした。そして再びの今日のヤマハスタジアム。先方が降格してきたとはいえ、同じカテゴリーでこうやって戦える日がくるなんて、まだ実感がわかない感じです。

そして、われわれがそうだったように、選手たちも、完全に雰囲気にのまれたのか、ボールは足につかず、何をやっているのかわからない間に前半3失点。前節のエントリーの最後に“メンタルの進歩”と書いたけれど、この試合を見てからにすればよかったかもしれないと思いました(笑)。しかし、小野監督が試合後、「選手たちにもっと自信を持たせて送り出せなかったのは私の責任」と言うのは、監督自身、まさかそんな微妙なメンタルがあるとは想像できなかったのかもしれません。

監督就任以来、その心理マネジメントの深みを捕まえようと、小野さんの発する言葉に注目しているわれわれですが、この日もわれわれをうならせた“小野語録”。今日一番はなんと言ってもハーフタイムに発せられたこの言葉でした。

「ミスは誰にでもある。ただ、できることを1つのミスで捨ててはいけない」

小野監督は自著「サッカースカウティングレポート」のなかで、ハーフタイムは「試合の流れを変えられる転機」だと書いています。ただし「いきなり選手を集めて話をするのではなく、最初に選手同士で気持ちを発散させてからポイントを伝える」のだと。コーチ陣と戦略をたてている間、別のコーチには選手たちが何を言っているのかモニターさせておく。その報告を聞いて、どのような言葉をかけるのか、何と言って自信をつけさせるのか頭を整理するのだと言う。わずか十分そこらの間で…。

「選手たちのメンタルの問題と戦術的な問題、その両方が同時にクリアになって初めて、劇的に流れが変わる」のだと説きます。

そして、この試合でも「選手が戻ってきた時に前半の最後の方は少し手応えを掴んでいたので、自分が言葉をかけるよりは選手の方が『絶対に行くぞ』という気持ちを持っていた」(J's Goal)と観察してる。そのうえでかけたのが前述の「1つのミスで捨ててはいけない」というシンプルな、しかし全てのネガティブなメンタルを一掃するような一言でした。具体的な戦術面では、「どういった形でボールを運んでいったらいいのかというところ」を伝えたのだと言います。

巻を使った空中戦は日本代表DFの伊野波にがっちり跳ね返されてしまう。これをあきらめて、岡本を入れて地上戦に変更した後半。ピンチを凌ぎながら、耐える時間帯が続くものの、けして受け身ではなく、自分たちからアクションを起こそうという意図が形をみせはじめる。次第にカウンターのチャンスが訪れる。五領の投入あたりで、明らかに形勢が五分くらいにまで変化します。

園田のアーリークロスをゴール前の齊藤がうまく自分のボールにして磐田ゴールにねじ込むと、終了間際の猛攻は、さらに追加点もという情勢で終了の笛が鳴りました。

もちろん3-0でリードした磐田が、チームとしていくぶん緩んだこともあろうし、足が止まってしまうくらい、前半、飛ばしていたことも事実です。開幕戦をホームで落としている磐田の立場なら、この試合は絶対に負けられないと、開始早々から相当の意気込みで突っ込んできたわけで。

正直なところ、昨年、前半のあの展開であれば、後半は目を覆うような結果が予想されると思いました。それはわれわれだけではなかったでしょう。

まだ始まったばかりのリーグ戦。集中を切らさず、愚直に凌いでいけば、必ず自分たちの時間帯が来ることは信じられるようになったのではないでしょうか。

今日の90分の戦いには負けたけれど、次に対戦ではきっと、とわれわれも思えるように、敵将シャムスカが「熊本に自信を与えてしまった」と悔やむ。

それにしても五領。思わず「決めてくれよ…」と呻いてしまいますが、しかし小野監督は、「向こうが1回で決めるなら、こちらは2度、3度と好機をつくらないといけない」と、さらに前がかりのコメント。

「強敵と早い時期に対戦できたのはよかった」と巻。通用したところ、通用しなかったところ。選手自身が肌で感じて確認できた。そして今日もまた下を向く必要のない戦いだったと思う。

そういう意味では、この試合(実戦)で得たメンタルこそ、大きな“進歩”だと言えるのではないでしょうか。


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