4月13日(日) 2014 J2リーグ戦 第7節
熊本 4 - 1 讃岐 (19:03/うまスタ/6,574人)
得点者:3' 藏川洋平(熊本)、58' 仲間隼斗(熊本)、75' 岡本賢明(熊本)、89' 仲間隼斗(熊本)、90'+1 我那覇和樹(讃岐)


北野、上村、高橋、山本、岡村、木島。熊本との浅からぬ縁のある面々。熊本側も当時からすると大きくメンバーが入れ替わっているとはいえ、今日の対戦相手にはわれわれファンも含めて、特別な思いがあります。

「勝っていない相手とのゲームほど難しいものはない。格下と思うと大きな危険がある。しかし、あまりにもレスペクトしすぎてはいけない。いい緊張感が必要だ。自分たちのサッカーがどれだけ発揮できるかだ。」(戦前の小野監督のコメント)

要するに自分たちのサッカーをする、と言うこと。ちょっと小野監督らしくない、あれでもない、これでもないというような言い方に聞こえますが、それは今日の相手とのゲームの難しさを、他のどのチームよりも認識していたということ。いやむしろ、われわれも感じるように、今日のゲームの最大のポイントはここにあるんだということを選手に伝えて、チームのメンタルのベクトルを揃えようとしたのではないかと思うのです。

われわれも、心の奥のどこかで、讃岐にJ昇格初勝利を献上してしまうんではないかと、ちょっとビクビクしていたのは嘘ではありません。畑の怪我を受けて急に先発指令が出た金井。ベンチには控えGKが全くいないという状況も、少し不安を掻き立てました。

20140413讃岐

しかし小野監督は、そういったメンタル面の統一だけでなく、アンドレアには必ず2枚で対応する、序盤、高木にはより激しく行くなど、明らかに要注意人物に対する具体的な指示も感じさせました。

加えて、今日のスタジアムにはゲームを左右するもうひとつの要素が待っていました。ピッチを左右に吹きわたる強い風。そこそこの強さであれば、なんとなく風上が有利なように感じられますが、これまで何度も強風下のゲームで経験した“ゲームにならない”あるいは“風がゲームを支配する”ようなレベル。

そんな中でも開始早々の3分、これまであまりラッキーに恵まれなかった熊本、久々に、“オーッ”というような、相手からずれば、“あれが入るか”というような、藏川のビューティフルゴール。この先制点が、心配性なわれわれの不安を一気に吹き飛ばしてくれました。

初先発の原田からのCK。練習通りのまさにサインプレー。この試合の原田、そのほかにも、多彩なキック、セットプレーのバリエーションを見せてくれた。チャンスに恵まれない間にも、色んな引き出しを作り続けていたのでしょう。

先制後は、なかなか決定機を作れない熊本。やはり問題は風。断続的に降った雨の影響と重なって、思うような展開ができません。時にロングボールを効果的に使いたい熊本。相手DFの裏に、あるいはオープンスペースに打ち込んでいきますが、ことごとくボールは流れていってしまいます。

多分、勝敗の分岐点は、このうまくいかない先制後の前半だったのではないかと。攻撃はうまく繋がらず、消化不良が続きましたが、結局、前半は讃岐をシュート2本に抑えて、主導権という意味ではゲームの流れを相手に渡しませんでした。全くの想像ですが、バタバタとせず、風下の後半を待ったのではないかと。まあ、それは深読み過ぎるとしても、時間帯を意識して落ち着いて勝機をうかがっていたのは間違いないのではないかと。

典型は2点目。相変わらず素早い養父のリスタート。向かい風の壁に当てるように、右サイドから左サイドの片山に大きなサイドチェンジのロングパス。讃岐DFは対応できず、片山にボールコントロールの時間を与えてしまいます。片山もワンタッチで体勢を固めると素早くアーリークロス。これも向かい風でカーブを描きながらゴール前へ。ゴール前は熊本が3枚。相手DFは2枚。戻りきれていませんでした。

もうひとつ感じたのは、選手たちひとり一人から伝わる”責任感”。与えられた相手、与えられたゾーン、期待されるチャレンジを実直に遂行するといったような。プレスバックの激しいこと激しいこと・・・。
ハーフタイムの監督の指示、「プレーのミスはみんなでカバーしあおう」という言葉のなかにも、このチームで重きを置かれていることが何なのかがわかります。

讃岐との対戦。冒頭に言ったような人の繋がり、因縁などを感じつつ、それよりなにより熊本も10年続けてきたという事実。そしてこの熊本から始まったストーリーみたいなものも感じられて…。勝負うんぬんとは別の、“確かにやってきた”“しっかりやってきた”感というのか、そういった感慨が先にたちました。

さて、敵将としてホームに迎えた北野監督。これもあの人の個性なんだろうけれど、終始、対戦相手以外のものとも戦っているような身振り手振り。それは選手たちにも伝わってしまうんではないか…と危惧もしました。

「古巣との一戦でしたが、5年ぶりに帰ってこられた感想は?」と試合後に記者に問われて、「全くないです」と一蹴した北野監督。結果が伴っていたら、もっと饒舌だったであろうことは想像に難くありません。


TrackBackURL
→http://sckumamoto.blog79.fc2.com/tb.php/455-161b9678