5月6日(火) 2014 J2リーグ戦 第12節
札幌 2 - 2 熊本 (13:03/札幌ド/12,302人)
得点者:40' 園田拓也(熊本)、55' 前田俊介(札幌)、67' 養父雄仁(熊本)、75' 砂川誠(札幌)

11日間で4試合というGW連戦の最終戦は札幌。とは言うものの、この日曜日には中4日で湘南戦。まだまだ連戦モードは続いていきます。この試合では、DFは篠原を休ませ、ボランチは原田・橋本が養父・橋本に。前線は澤田・斎藤をベンチに置き、巻・岡本でスタート。

20140506札幌

「ここ最近は負けずに戦えているが、いろんな選手がローテーションで試合に出ながらも、チームとしての戦い方がブレていないのが大きいと思う」と、巻が言うような総力戦。

この4試合。わずか4試合だが、選手のコンディションを維持するためのローテーションというよりも、いつの間にか層が厚くなった感じ。それも“選手層”が厚くなったのは確かだけれど、それだけではなく、戦術理解、戦術対応も含めてチーム力がひとつ分厚くなったような印象を持ちます。われわれが何年も、毎年毎年嘆いていたことだっただけに、素直にうれしい。

さて、このゲーム、どちらがピッチを支配していたのか? 主導権を握っていたのか? まず、そんなところで色んな見方ができる、見え方のするゲームでした。

前半、札幌は前線の前田をはじめ、足元の技術がしっかりとしていて、熊本のプレッシャーに対してもなかなかミスを犯すことがなく、それを剥がしてうまくボールをつなぎ前線に運ぶ。バイタルまで運ばれると、そこからの個人技で熊本のファウルを誘う。前半、札幌が得たFKは12、熊本は3(試合を通じては熊本12に対して25もありました。)PA周辺での相手FKは嫌なもの。相手には菊岡もいる。しかし、いまひとつ精度を欠いたキックは決定機を作り出すことはありませんでした。

これに対して、前半のシュート数は熊本10、札幌7。熊本はいつものように、長めのボールを適度に織り交ぜながら前線に打ち込む。セカンドを奪うと一気にシュートまで持ち込む。ポゼッションやパスの回り具合は札幌に分があるように見えましたが、こと“決定機”ということでは、熊本に分があったようにわれわれには見えました。うまくいっている部分、いってない部分はあるけれど、それを克服しながら、自分たちの戦いができている、自分たちの戦いに持ち込もうとしている。そんな印象の前半でした。

先制はCKから、低く速いボール。ニアで巻がうまく体を入れて、コントロールするようにボールをそらす。逆サイド、フリーで受けた園田は落ち着いてワントラップしてからゴールに蹴り込んだ。スカパー解説が思わず、「デザインされた、練習通りのセットプレー」と言うように。

後半、同点に追いつかれると、14分には岡本→澤田。養父の勝ち越し弾の後、24分には仲間→斎藤。再度、同点に追いつかれた終盤37分には中山→藤本。連戦の中、目いっぱいの運動量をこなした前線の選手に代えて、これまた攻撃的なカードをつぎ込んでいく。

2-2の終盤、互いにオープンな戦いになっていく。熊本の交代出場の選手たちが躍動し、“次々に”ポストに当たる決定機を作る。2試合連続で終盤に猛攻を演じたのですが。

それにしても前半アディッショナルタイムでの岡本のPK失敗。7年のシーズンを過ごした古巣への”恩返し弾”の絶好の機会と、まっさきにボールを取りにいったのですが。「自分のせいで勝ち切ることができず、本当に申し訳なく思っている」と悔やむ岡本。ドラマは作れませんでした。


「勝ちを逃しての引き分けという見方もできるので、そこは反省しながらやっていく必要がある」と巻は言う。この連戦、すべて引き分け。4試合連続のドロー。こうなると、引き分けの捉え方、受け止め方がチームや選手のメンタルに大きく影響してくるのでは、という心配にもなります。4試合引き分けで得た勝ち点は、1勝1分2敗と一緒じゃないかという外野の声もある。

勝ち切れない。勝ち点3を逃している、と感じるのかどうか。

そのあたりを意識した記者からの問いかけに小野監督は、こう応えました。
「長い目でシーズンを見れば、ポストに当たって外にでるシュートもあれば、ネットを揺らすこともあると思います。」
「大事なのはゴールに向かう、その闘志。今日見せてくれたその闘志を落とさずに続けていって、さらにアップしていこうという気迫を持って次の試合に挑んでいくことだと思います。」
「最後、得点にはなりませんでしたが、あそこまで多くの人数がゴール前に行けたことは自分たちの成長だと思います」

まったくの深読みですが…。小野監督としては、今日はまさにこの部分を言いたかった、そう選手に伝えたかった、いい質問をしてくれた、そんな感じではなかったのかと思います。

引き分けで積む勝ち点は“1”ずつだが、勝ち点1以上のものが積みあがっているんだと。

さて、シュミットダニエル。2点は失いましたが、正直なところ今日の2失点、札幌が作った決定機の数からすれば、非常に高い確率の2点だったように思う。まさに、先の小野監督のコメント通り、その裏返し。長いリーグ戦、そんなときもある。

1点目は前田のシュートのうまさを褒めるべき。なかなかあの角度からの弾道。めったに見られるものではない。2点目のFKも、これもGKとしては致し方ない。

それより、長身を生かした高いボールに対する優位からくる余裕のあるプレーぶりは、安定感すら感じられるようになってきた。4月20日に移籍、Jデビューとなった長崎戦以来、4試合を守り切った。そろそろ1か月の移籍期限も近づいてきました。

終了のホイッスルを聞いて、両チームのほとんどの選手がピッチ上に倒れこんだ。それは、GWの4試合目にして、蓄積疲労をものともせず、こんな”死闘”を繰り広げたゆえの当然の姿でした。

ただ、札幌のゴール裏からは拍手だけではない、厳しい反応もあって…。それが札幌側からみた、今日のゲームの見え方だったんだろうと思いました

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