5月11日(日) 2014 J2リーグ戦 第13節
熊本 1 - 3 湘南 (16:03/うまスタ/6,517人)
得点者:16' 澤田崇(熊本)、47' 菊池大介(湘南)、67' 大槻周平(湘南)、68' ウェリントン(湘南)


20140511湘南

連戦の最後にきたのは、今期、いまだに無敗、12連勝中の湘南戦でした。リーグ戦もちょうど3分の1あたりを終えるところ。まるで1学期を終えたあたりでの行われる実力テストのような。その課題は、「我々は真っ向勝負で、その攻守の切り替えを上回りたい、球際や運動量で上回りたい」ということでした。(J’s Goal試合後の小野監督コメントから)

この試合の前半と後半。ハーフタイムを境に、見た目も、結果も、くっきりと形勢が分かれてしまったのは間違いないですね。そんなゲームのなかで選手たちは、監督はどんな気持ちで臨んでいたのか? 敗戦には違いないけれど、惨敗ではないが、完敗だったのか? どんな負けだったのか? テストでいうなら、どの問題が解けなかったのか? その“答え合わせ”は今後のシーズンを戦っていくうえで貴重な材料になりそうな気がします。

戦えた前半。熊本は湘南から先制点を奪い折り返した初めてのチームでした。湘南の連勝を止められるかも知れない。そう期待して迎えた後半でした。しかし原田と園田が、その“境目”にあったものを次のように証言する。

「前半にかなり皆でハードワークして、残り10分ぐらいはゴール前にへばりついて耐えたんですけど、90分終わった後みたいな感じで、向こうより力を使ってたなと思います」(原田拓)

「早い時間帯に追いつかれてしまったことでメンタル的にも効いたかなと思います…。相手の気迫というか、1点与えたことによって相手が息を吹き返して、それを上から被せられたような感じでした。」(園田拓也)

“90分終わった後みたい”とか“上から被せられたような”とか、実にリアルな表現。フィジカル面もメンタル面でも湘南の強い圧力が感じられます。

そして、ぽっかりと空いたというべきか、ふわっとしたというべきか、そんな時間帯に立て続けに2点を献上してしまいました。

小野監督は、そのあたりを記者から問われて、こう振り返りました。
「…セカンドボールを拾うスピードが、前半と比べて落ちたかと言ったらほんのちょっとだと思うんですけど、その1歩が若干落ちた時間帯でセカンドボールを拾われた。」
「…それが連続して何本か放り込まれ、ラインを下げられてセカンドボールにちょっと遅れる。その50cm、1mというのが、やや苦しい時間帯が出てきたと思います。」

もちろん、監督が会見ですべてを語るわけではないと思うし、ではなぜそうなったのか? というところは、まさに戦術的なものでしょう。「勝点を取れなかったのは本当に私の力不足で…」というのは、多分、具体的に悔いの残る局面が思い浮かんでいるのかもしれない。今日のゲームでは、これまでは見られなかったような、終始、厳しい表情でピッチを見つめていたのが印象的でした。

まあ、結果論でしかありませんが、その50センチ、1メートルの遅れ、行けなくなった部分がゲーム全体を大きく変えてしまいました。

勝ちきれてはいなかったものの、久々の敗戦です。

但し、「2-1にできるチャンスもあったので、そこは悔いが残ってます」と澤田が言うように、タラ・レバではなく、得点経過次第でゲームはどちらにも転んでいく。押し込まれながらも、決定機は作れていた。

「後半の最後の方でも、相手の(攻撃に)出てくる人数を見ればすごいなと感じましたし、自分たちもああいう風になっていきたいという気持ちがあります」というのは原田。
「今日の試合の後半に湘南がやっていたように、ボールを回して相手を振れるようになれば、前の選手ももう少し楽になると思います」と園田も言う。

選手自身がすでに修正点を意識しているように、多分、チーム全体としてこのゲームから貴重なデータを得ただろうし、数多くの改善点がリストアップされているに違いないと。

「…何か足りない要素をというより、ここまでやってきた方向性の中でもっとさらに磨きをかけていこうと、そういう試合じゃなかったかなと思います」

小野監督にとっては当然、“受け入れがたい敗戦”だろうが、こうやってゲームの結果、評価自体を明確に位置づけ直すことで、チームは見事に前に向いて、また進み始めたような気がします。おそらくは選手たちも、次の練習の課題をそれぞれに思い描いてスタジアムを後にしたのではないでしょうか。

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